準決勝前日神龍寺イレブンは明日の雷問の最終作戦会議を行っていた。監督がスクリーンの目の前にいる選手の前で自身の分析を選手達に教授していた
「獅子博兎。改めてその言葉を説明するつもりはなかろう。明日の雷問戦いかに奴らが弱小のチームだろうと決して油断するな全力で叩きのめすんじゃ。今から雷問の試合映像をこのスクリーンで見せる」
そう巨大スクリーンに映し出されたのは雷問の試合映像だ。
「ザ・ウォール!!!」
映った画面には緑の髪色をした巨体の少年が巨大な岩壁を自身で作り出しているとこだ
「へーこいつやるっスね。この壁を破壊するのはめんどそうっスね。でもスピードが遅いっスね。これなら壁を迂回したり上に飛び超えたり幾らでも対処方法はあるっスね」
「ふむ、流石推薦組である一休じゃ。ほれ山伏お主も一休と同じ推薦組じゃろう。それにキャプテンとしてなんかないのか」
それを聞いた山伏は少し怪訝な顔をした
「え?ちょっと監督…雲水もいるし。ほら弟の阿含が推薦で双子なのに雲水は受験組でしょ?」
巨体のキャプテン山伏が神龍寺の監督に耳打ちするなかそれを阿含の弟である雲水は無表情で答えた
「山伏先輩。自分の事でしたら大丈夫です。弟の阿含との才能の差を自覚した上で選んだ道ですので」
双子の兄である雲水は特に何でもないように山伏に答えた
「ん…そ。ならいいけど…」
続いて映し出されたのは水色の髪に片目を髪で覆った少年だった
「疾風ダッシュ!」
そう少年がいうと物凄い勢いで敵選手を抜いていった
「こやつは風丸一郎太。雷問のサイドバックじゃ、俊足を持ち味としておる。タッチライン際で相手を置き去りにしてフォワードの豪炎寺と染岡にクロスを上げるそれが奴のプレイスタイルじゃ。そして恐らく一休。お前とのマッチアップになるはずじゃ。右ウイングのお前と左サイドバックの風丸はちょうどぶつかる」
「へー」
「風丸はタッチライン戦の達人…どう見る一休」
「タッチライン際の攻防じゃ俺がNo. 1っス。阿含さんにだって負けないっス。それにスピードも負けねぇっスよ。」
そう一休は監督に言い切った
「そうかならお主任せよう」
その後に次々に映し出される雷問の映像
「こいつは染岡竜吾。豪炎寺に次ぐ得点力を持つフォワード。それにディフェンスの影野、栗松。そして元木戸川のエースである10番の豪炎寺」
そして続いてスクリーンに映し出されたのは雷問の予選大会の映像の秋葉名戸戦だ。
「こやつはだけは少し謎じゃな目金欠流。恐らく動きを見るにベンチじゃが。秋葉名戸戦では得点を挙げておる」
それを見て一休が映像に指を差しなら目金に言及した
「こいつ、動きと身体付き見るからにあからさまに運動経験のない素人っスよ。警戒なんかいらないっスよ」
「まぁそうかのぉ」
そう神龍寺監督が納得すると部屋の外から男と女の声が聞こえてきた
「この学校にあるスクリーンがすげぇんだって」
「えー見たいみたい!」
「そうやって人気のすくない所に連れ出していけないことするんでしょ〜」
「んな事しねぇって!」
そう二人の女を連れて阿含が部室に入るとある映像と選手が見えた。
「そしてこいつが一番警戒するべき選手じゃ、
元帝国キャプテン鬼道有人。お前達も覚えておるじゃろう去年の雪辱を」
監督に言われた言葉で神龍寺イレブンは去年の敗戦を思い浮かべた
前半までは2-0だったにも関わらず阿含が抜けた瞬間からの4失点からの逆転。絶対王者帝国には勝てないと言われ続ける屈辱。永遠のNo. 2
「説明しなくてもわかると思うが身体能力は並だがそれを差し引いても有り余る。頭脳。知略。ゲームメイク力。天才とはこやつのようなことを指すんじゃろうな」
「あぁ〜?このカスゴーグルが天才だって?
おいじーさん。あんたおいぼれすぎてとうとう耄碌しちまったのか?」
「……そして最後にキャプテン円堂守。キーパーじゃゴッドハンドが武器じゃが、まぁお前らなら簡単に破れるじゃろう。」
その時スクリーンに映し出された円堂を見た瞬間、阿含の目の色が変わった
突如阿含は近くにいる一年生を片手で胸ぐらを掴んだ
「え、、?あ、阿含先輩…何を」
そしてその後輩をスクリーンに投げつけて
粉々になったスクリーンを見ながら…
「安心しろお前ら。鬼道もそのカスバンダナも両方ともまとめて直々に俺がぶっ殺してやる」
⭐︎⭐︎
「さぁ!天気にも恵まれていよいよ本日ー!
神龍寺vs雷問の注目の準々決勝が開始します!おっと紹介遅れました!わたくし解説の角馬王将と申します!」
会場は超満員に溢れていた。フットボールフロンティアの準々決勝という事もあるがやはり帝国を倒した雷問と関西王者である神龍寺という好カードというのも理由だろう
ザワザワ
「え、あれ阿含じゃね?最初からいるなんて珍しい」
「え、まじじゃん今回試合出んじゃね?」
「は?!まじかよアツすぎだろ!」
ベンチで身支度をしている阿含を見ながら騒めく客を雷問メンバーの一人である染岡は敵意を込めた視線で見ていた。
「ハッ何がアツいだよ。あんなドレッドのどこがいいんだよ」
「やっぱ実際見るとデカいしちょっと怖いですやんすね…」
「何ビビってんだ!栗松!」
「べ、別ビビってなんかないっスよ」
そう言ってる間に話題の渦中である阿含はユニフォームに着替えてるようで自身の上半身を露出させた。そして雷問メンバーの目に映ったのは彼の背中にある龍の刺青だ。
(ひ、ひぃぃぃ怖すぎるでやんす!!!)
「飲まれるなよ。栗松」
どう見ても正常心じゃない栗松を落ち着かせる鬼道。
(やはり来たか阿含。円堂の奴もどこか落ち着いていないな。チーム全体が浮き足立っている。これも全て奴の影響か)
円堂を見てみるとどこか落ち着いていない様子だ。ずっとグローブを弄ったりスパイクをいじったりどこか落ち着きがない
「円堂」
「…ん?どうした?鬼道」
「阿含の事は気にするな、言っただろ俺たちのサッカーをしようと」
「あぁ、そうだけどさ。どこか落ち着かなくてこの前のことで」
「俺たちはこの一週間血の滲むような特訓をしただろう。練習は裏切らないとよく言うのはお前だろ円堂」
「…鬼道……あぁそうだな!」
そして試合が始まる直前最後のミーティングで雷問の監督である響木が選手全体に声をかけた
「お前ら!集まったな!今回の神龍寺は今までで一番の強敵だ。だがお前達がこの一週間してきた練習を思い出せ!今までのお前達もこうして何度も強敵を乗り越えてきた。今回の試合も勝つぞ!」
「「はい!!!」」
そんな円陣を組む雷門を冷めた目で神龍寺陣営が見ていた。
「俺たちもやるっスかあれ?ねー阿含さん!」
「奴はもういない。いつもユニフォームに着替えたら、入っているからな」
そうはしゃぐ一休に答える兄雲水
ベンチに座っている阿含はタダならぬ雰囲気だ。これから草食動物を蹂躙する前の肉食獣と言った雰囲気だ。
「ほっほっほっ、今の奴の目に映るのは調子づいた凡才を潰すことのみ。これから圧倒的な才能にやる蹂躙が始まるぞ」
「さぁーー!まもなく試合が始まります!コイントスでキャプテンの円堂と金剛雲水のコイントスで雷問先行に決まりました!さぁ雷問はどのような立ち上がりを見せてくれるのか!」
各々のポジションに並ぶ選手達キックオフをするのは染岡と豪炎寺だ。
「おい豪炎寺最初俺が切り込む。奴らの度出っ腹にドラゴンクラッシュぶち込んでやる」
「待て染岡、いきなりそんな上手くいくわけがない、まずはパス中心で…」
「それでも俺は行くんだよ、よこせ豪炎寺」
そして豪炎寺のキックオフで試合は開始された
「さぁーまずは豪炎寺のキックオフで神龍寺vs雷問が開始されたー!まずは染岡がドリブルで相手自陣に切り込む!」
ドリブルで神龍寺陣営に切り込む染岡だが相手はそんな染岡に目をくれず雷問陣営に向かってる駆け出した
「あ!?何だこいつら全然ディフェンスしねぇ!」
(おかしい…カウンター狙いならわかるがディフェンスをしないだとだだの余裕か?)
そうドリブルで切り込む染岡を後ろで追いながら考える豪炎寺。そこで後ろから声が掛かった
「待て!染岡!一旦バックパスだ!どこがおかしい!そして急な攻撃に他の奴らが追いついていない!」
突然の鬼道による静止だが染岡はそんな声にいっさい耳を貸さなかった
「見てろよ!金剛阿含!これが俺のドラゴンクラッシュだ!!!」
そうペナルティーエリアから必殺シュートを放った。キーパーには二年生の滝
「ふん。この程度のシュートで俺からゴールを奪えるとでも?本物の龍を見せてやる!」
「ドラゴンファング!」
そう滝は後ろに緑の龍を出現させ両手で押さえ込み染岡のシュートを受け止めた
「とめたー!!正ゴールキーパー滝!見事染岡の必殺シュートを受け止めた!」
「おいおいこの程度か?いけ!一休!」
そしてシュートを受け止めた滝は即座に細川一休にパスを出した。それを見た鬼道は瞬時に状況を理解した
(しまった!左サイドに風丸と一休のマッチアップ!俺の見立てでは一休に分がある…雷問の武器である風丸から潰しに来たか)
そして風丸から見た左サイド側に空中にルーズボール
「させるか!」
いち早く察知した風丸はそのボールをカット
「おーっと!早い!風丸!インターセプトだ!!」
「よし!よくやった!風丸こっちだ!」
それを見た近くで見ていた一休の目つきが変わった
「いけ!鬼道」
パスカットした風丸は鬼道にすぐさまパス
それを受け取った鬼道に目の前には因縁の男が現れた
「よぉ〜カス。テメェにドリブルなんかさせるわけねぇだろ」
「おっと!!金剛阿含だーー!鬼道vs阿含だぁー!去年の対戦再び!!」
そう解説と観客が盛り上げる中
鬼道は冷静思考を繰り返していた
(やはりきたか。阿含。こいつと馬鹿正直にマッチアップするのは危険だ。こいつはパスで抜く)
そして鬼道がパスコーフを探すところそれは叶わなかった。パスコースは神龍寺の選手達でふざがれているからだ
(パスコースがふざがれている!どういうことだ…まさか奴らがさっきディフェンスをせず上がったのはこの前線で雷門をマンツーマンでマークし、パスを出させないようにするためか!そしてマンツーマンで前線で一対一の状況でこの男と対峙させるのが目的か…してやられたな…やるしかないか。)
「いくぞ勝負だ!阿含!!イリュージョンボール!!
鬼道の持っていたボールが三つに増えその周辺を回転し、目の前の阿含を抜き去った
「でたぁ!帝国の技!イリュージョンボール!阿含を抜き去った!」
「あ?誰を抜くって?相変わらずしょうもねぇ技だな。去年の事もう忘れたのか?」
鬼道が阿含を抜き去る直前阿含が超スピードで即座に反応し回り込み、鬼道の身体に強烈なタックルをして吹き飛ばしボールを奪った
「グハッ!」
吹き飛ぶ鬼道に目もくれずに阿含は雷門陣営に切り込んだ
「最初のマッチアップ制したのは阿含だー!抜き去ったと思われた阿含だが超反応で追いつきそのままボールを奪い去りそしてそのまま雷問陣営に切り込んでいく」
「させないっス!ザ・ウォール!!」
「あ?うぜぇだよデブ。竜巻斬り」
阿含が繰り出す左手の手刀から突如竜巻が現れ目の前にいる壁山を吹き飛ばした
「ぐぁーーー!」
壁山を抜いた阿含は雷門のペナルティーエリアまで侵入した。円堂と一対一だ
「こい!阿含!!」
「は!死ねカスバンダナ」
そして阿含は自身のボールを空中に上げそのまま紫のエネルギーを宿した左足をオーバーヘッドキックで蹴り落とした
「デビルバースト!!」
そのまま紫色の光線が円堂に向かった
「絶対止める!ゴッドハンド!!」
黄金の手と紫の光線が衝突した。だが拮抗したのは一瞬ですぐさま黄金の手は砕け散った
「神が悪魔に勝てるかよ」
「グアァーー!!」
「ゴーーール!!!前半4分開始早々先制点を決めたのは神龍寺中学だー!」
その光景を雷門の選手達を目を丸くしていた
「あぁぁ、キャプテンのゴッドハンドがあんな簡単に…」
「これが関西王者神龍寺…」
そして得点を決めた張本人の金剛阿含はゆっくり雷問メンバーに振り向き
「おいカスども今回の試合10点差はつけてやるから覚悟しとけよ?」