お待たせしすぎたかもしれません
好き勝手書いてたらめちゃくちゃ長くなっちゃいました
あと全体的に書き方を変えてみました
「...はい?トリニティに出張...ですか?」
唐突なことを言い出す先生に困惑しながらそう返す
"うん、虚妄のサンクトゥムの事件がなんとか終息してやっと落ち着いてきたから今後のトリニティの方針とかアリウスへの対応を取り決める会議をするんだけどそれにシャーレも出席して欲しいんだって"
「あぁ...エデン条約の後そこらへんなぁなぁになったまま事件起きましたからね...」
"あはは...そうだね..."
「それで何日くらい出るんです?」
"今回は2日かな、もしかしたら伸びるかもしれないけど"
「了解です、じゃあその間の仕事はこっちでなんとかしますね」
"あー、それなんだけど今回はイナリも来て欲しいみたいなんだ"
「...................はい?.......えっ?な、なんでですか...?こういう出張って先生だけが行くもんじゃ...」
"普通はそうなんだけどね、なぜか「イナリさんも連れてきてください」ってナギサに言われちゃってさー"
そう話す先生を尻目に俺は思考を深める
(マジでなんで呼ばれたんだ...俺が行ったとしてもできることなんて先生の護衛ぐらいしかないし...それすらも俺より適任なんてごまんといるし...え?本当になんで?)
"おーい、イナリー?どうしたのー?"
(まさかセイアさんが絡んでるとか...?いやあの人はこんな回りくどいことしないな...)
「ハッ!?まさか...」
"うわぁびっくりした"
(まさかついに先生ガチ勢たちが動き出したのか!?先生とほぼ毎日顔合わせるしなんか特別扱いされてる感もあるからヘイトは向くだろうなーと思ってたけどまさかこれほどとは...トリニティは先生ガチ勢多い気するしなぁ...でも俺が行かないと”自分の部下のこともコントロールできないんですか~w?”みたいな感じで先生の顔に泥を塗ることになるかもしれんし...あれ?詰んだかこれ?)
「くっ...俺はどうしたら...ッ!!」
”ほんとにどうしたの????”
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[トリニティ自治区]
トリニティの中でもひときわ大きい通りを先生と横並びに歩く
平日のため通りはワイワイと多くの生徒で賑わっていた、そんな明るい雰囲気とは対照的にどんよりとしたオーラを放っているであろう俺はうなだれながら声を発する
「はぁ...来てしまいましたね...」
”ため息つくと幸せが逃げるよ?"
「現在進行形で逃げ続けてるんで関係ないっすよ...はぁ...」
”イナリってそんなトリニティ嫌いだったっけ?”
「いや別にトリニティが嫌いなわけではないんすけど...っていうか俺が逆にトリニティの生徒に嫌われてる気がするというか...」
”...その心は?”
「いやトリニティって先生を慕ってる生徒さん多いじゃないですか」
”ありがたいことにね”
「それで...まぁなんというか...嫉妬されてる気がするんすよね...今も視線感じてますし」
「それにエデン条約の時先生のこと守り切れなかったですし、恨まれてもしゃあないっすよ」
”っ...それはイナリのせいじゃ...”
「あぁ大丈夫ですよ、もう割り切れてますし」
「まぁそういうことでちょっと居づらいんすよね...」
”うーん...嫌われてるなんてことはないと思うんだけどなぁ”
「俺の勘違いならそれでいいんですけどねぇ」
「ねぇ...あの人って...」ヒソヒソ
「...あー先生、そろそろ付きそうなんで早く行っちゃいましょ」
そう言い残し足早にその場を離れる
”あっ、イナリ待って!...うーん...”
「あっほら行っちゃうよ?エデン条約の時守ってもらったお礼言わなくていいの?」
「む、無理だよそんな...顔見るだけでも恥ずかしいのに...」
「あーもう!じれったいわね!あんた”いつか絶対お礼言うんだ...!”って息巻いてたじゃないの!?」
「うぅ...だってぇ...」
”嫌われてないと思うんだけどなぁ...”
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[ティーパーティーテラス前]
「つきましたね...」
”そうだね~”
ティーパーティーのテラスにつながる大きな扉の前でしっぽを揺らしながらそう話すと隣に立っている先生がゆったりと答える
「...てかなんで最初から会議室いかないんすか?」
”なんかナギサが会議室に行く前にイナリに伝えたいことがあるんだって”
「え゛っ」
”じゃあ入ろっか、失礼するよナギ「ちょっとまってください!”!!!!!!!!!!!!」うわぁ!?”
”ど、どうしたのさイナリ?”
「いやいやいやちょっとまってくださいよ!?!?!?!?!?ナギサさん直々に俺に伝えたいことってなんすか!?!?!?!?!?!?やっぱ俺も”処理”されるのか...?そのために俺も呼び出して...!?ひぇぇぇ...」
”え、えーっと...とりあえず入ろうか?”
「俺の話の何を聞いてたんすか!?クソっそういえばナギサさんも結構先生ガチ勢だったな...!!俺は邪魔者ってことか...!?」
”ナギサはそんなことする子じゃないしイナリ結構好かれてるよ?”
「いやいやエデン条約の時のこともありますし好かれてはないでしょ...とりあえず俺は先に会議室向かってますんで先生は...ッ!?」ガチャッ
そこまで言ったところで扉の開く音がし急いで振り向くと少し開いた扉からナギサさんがひょっこりと顔をのぞかせていた
「...あの...とりあえず入っていただ「おあああああああああああああああああ!?!!!!?!?!?!???!!!!!!!!?!?!?!!!!??」ひゃあっ!?」
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「...では、お召し上がりください」
「...アッ...アリガトウゴザイマス...」
コトリと目の前に置かれた紅茶を見つめ緊張で早まる鼓動を何とか抑えながら答える
その場に先生や護衛の生徒の姿はなく、俺とナギサさんの二人きりである.........なんで?
先生はこの部屋入ってナギサさんと少し話したかと思ったらすっっっごい良い笑顔で出てっちゃったし...
やっぱり粛清ですか...?
「あ、あの...結局なんで...」「本日はご足労いただき...」
「あっすいませ...」「あっ申し訳...」
「お先にどうぞ...」「いえいえそちらから...」
「...」「...」
き、気まずい...いやそりゃそうでしょ...
エデン条約の時ちょっと話したぐらいの関係値なのにいきなり二人きりなんて最近ようやく当番によく来る生徒さんと気軽に話せるようになった程度の俺のカスコミュ力じゃ太刀打ちできん...
「はぁ...せっかくお時間いただいたのに申し訳ありません...」
「あっいえ大丈夫なので頭を上げてください!?」
すこししょんぼりしながら話し頭を下げる彼女に慌ててそう言う
「ありがとうございます...はぁ...」
「その...ずいぶんお疲れみたいですね...?」
「あぁ...失礼いたしました...ここ数日”虚妄のサンクトゥム”の事件のせいで普段より業務量が多くなってしまいまして...」
「なるほど...トリニティって結構被害大きかったって聞きますからね...お疲れ様です」
「ありがとうございます...」
ナギサさんは物憂げにそう答えると持っているカップを傾け紅茶を飲みふぅと息を吐いた
それを見ていると俺もなんだか紅茶が飲みたくなってしまい、目の前に置かれているティーカップの取っ手を指でつかみそのままくいっと紅茶を飲む...うん、美味いな...どっちかっていうと紅茶よりコーヒー派だけど鞍替えするか悩むぐらいめちゃくちゃうまい、やっぱ香りがいいな...気品のある香りって言えばいいのかな...まぁそんな感じがする(カス語彙力)
「お味はどうですか?」
「今まで飲んできた紅茶の中でダントツ一番おいしいです、毎日飲みたいくらいです」
「んッ...そ、そうですか...ありがとうございます」
感想を聞かれたので思っていることをありのまま伝えたらなぜか顔を背けられてしまった...なんで?
てかこの紅茶ナギサさんが淹れてたのか...そりゃうまいわけだ
「あの...ところで俺はなんで呼ばれたんですかね...?」
ほんの少し緊張もほぐれたところで一番気になっていることを訪ねてみる...
返答次第で俺は終わるのでだいぶ冷や汗びっしょりである
「そうですね...アイスブレイクも済んだことですしそろそろ本題に入らせていただきます」
そういうナギサさんの目は先ほどの穏やかな目とは違い人が変わったかのように冷ややかだった
俺はもうおわりです
「エデン条約の件で伝えたいことがありまして...」
あほんとにおわりかも
エデン条約の時余計な事しかしてないし部外者なのに変に首突っ込んじゃったしそのうえ先生守れてないし...
わりぃ、おれ死んだ
「まず最初に...」
「ㇵィ」
ナギサさんの言葉に動かなくなった笑顔でそう返す
短い人生だったなぁ...最後に柴関もう一回食っとけばよかったなぁ...
先生とももう一回『完走するまで終われまテン!ア〇ンジャーズ編』やりたかったなぁ...
でもそろそろ覚悟決め─── 「ありがとうございます」 ───て?
「本当に...心から感謝申し上げます」
そう言うナギサさんは朗らかに笑い、俺の両手を包み込むように握りしめていた
「...え?」
『俺なんか感謝されるようなことしたっけ?』『なんかやらかしたとかじゃなかったのか...よかった...』『それより手握られてね?』『柔っ』『顔近っ』など様々な考えが浮かんでは消えていく
少しも予想していなかった展開に面食らっている俺に気付いたのかナギサさんは心配そうな顔でこちらを見てくる
「あの...イナリさん...?大丈夫ですか...?」
「あっはい!だっ大丈夫だす!」
嚙み嚙みになりながらなんとか答える
「えっと...俺を今日ここに呼んだのは感謝を伝えるため...ってことですかね...?」
「?...はい、その通りですが...」
その言葉を合図に先ほどまで体を包んでいた緊張感が霧散するのを感じ代わりに安堵に似た感情を感じ、体から力が抜け今まで浅く座っていた椅子に深く座り直す
「はぁ~...よかった...てっきり俺が知らぬ間にやらかしててそれのケジメをつけさせられるのかと...」
「そんなことしませんよ!?」
そう返すナギサさんに苦笑しながらもう一度紅茶を口に運ぶ、先ほどと違い少しの雑念もなしに飲む紅茶は格別においしく、思わず目をつぶり味に集中してしまうほどだった
「イナリさんの私に対するイメージは一体...」
ブツブツつぶやくナギサさんを尻目にテーブルの上に置いてある様々な茶菓子にも手を伸ばしその味を堪能する
「それより...エデン条約の時に俺ナギサさんから感謝されるようなことしましたっけ?」
口の中に残るクッキーの粉を紅茶とともに飲み込み一番疑問に思っていたことをナギサさんに聞いてみた
「えっ...お、覚えていらっしゃらないのですか...?」
「いや俺がしたこと自体は覚えてるんですけど...はた迷惑なことばっかしてた気がして...」
「あぁ...なるほど...先生がおっしゃっていたのはこういう...」
「?、どうしました?」
「いえ、なんでもありません」
「それにイナリさんのなさったことは迷惑ではありませんよ、実際私はそれで救われたのです」
「そんな大げさな...」
「大げさなどではありません」
きっぱりとそう言い切るナギサさん
「正義実現委員会やシスターフッドなどからも『イナリさんに感謝を伝えたい』との要望がありました、あなたのおかげで救われた人が沢山居るのです、胸を張ってください」
「そうですかね...ありがとうございます」
ストレートにそう伝えられ照れくさくなり頭を掻きながらそう答える
「ていうかそれなら正実とシスターフッドにも行ったほうがいいですかね?」
「そうですね、少し顔を見せるだけでも皆さん喜ばれると思いますよ」
そう言いながらナギサさんは何度目かわからないが紅茶を口に運ぶ
「”あはは...”結構ハードなスケジュールになりそうだなぁ...」
「ゲホッ!!ゲホッ!!」
「あっやべ」
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【ナギサside】
「じゃあ...失礼します」
「はい、本日はありがとうございました」
来た時より少し元気になった彼を見送る
彼が扉から出ると同時に、無理を言って外に出てもらっていた護衛の生徒が入ってきた
「ナギサ様、もうよろしいのですか?」
「えぇ、話したいことは話せましたから」
「意中のお相手なのですからもう少しお話しされても...」
「ブッッッッ!?!?!?!?!」
本日二度目の紅茶スプラッシュを決める
「ゲホッ!!ゲホッ!!」
「ナ、ナギサ様!?大丈夫ですか!?」
「えほっ...な、なんで知って...って!そうじゃなくて!!、イナリさんが私の意中の相手と言うのはどういうことですか!?」
「えっ違うんですか!?エデン条約の後に彼の話を永遠とするものですからてっきり...ほかの人たちもそう思ってますよ?」
「え”っ...わ、私そんなに彼のことばかり話していましたか...!?それにほかの人たちもって...」
「もしかして隠してるつもりだったんですか!?分かりやすすぎますよ!?」
「うぅ...///」
頬に熱が集まるのが分かり、思わず顔を手で覆う
「無自覚で話してしまうほど好きって...エデン条約の時に何があったんですか...?」
そう聞かれ思わず彼との記憶を回想する
『っす...初めまして...』
少し不愛想な男の子、最初はただそんな印象
先生と共にやって来た彼を当時の私は当然のように疑ってしまった
そんな彼の印象が変わったのは調印式当日、ミサイルが撃ち込まれた少し後だった
朦朧とする意識で未だに衝撃の余韻が残る体を起こす
幽玄な雰囲気で佇んでいたはずの古聖堂は見る影もなく、辺りは火と瓦礫に満ちていた
いや、火と瓦礫だけではない
血が
叫びが
動かなくなった生徒たちが
無数の青白く明滅する亡霊たちが
辺りに満ちている、まさしく地獄の様相
目の前に亡霊が迫る、だというのに体は動かない
そして銃口がこちらへと向けられ
やって来るであろう痛みを覚悟し目を閉じ
『ナギサさァん!!大丈夫ですか!!』
爆発音とともに目の前の亡霊達が吹き飛ばされる
『え...い、イナリさん...?』
『はいイナリです!!、助けに来ましたよ!!、大丈夫ですか!?怪我無いですか!?立てます!?』
矢継ぎ早にそう聞いてくる彼、初対面の時に少し感じた頼りなさは微塵も感じられなかった
『は、はい...大丈夫で...いっ”!?』
彼の言葉に返事をしながら立ち上がろうとした足に鈍い痛みが走る
足を見るとどくどくと血があふれ出しており辺りを鮮血で染め始めていた
『っ...』
彼もそれに気づいたのだろう、険しい顔をして私の足を見つめている
骨も折れているらしく、とても満足に歩けるとは思えない
『...イナリさん、私は置い『よいしょっと...!』───て?』
言い終わる前にふわりとした浮遊感を覚える
見ると、私は彼に抱きかかえられていた
『えっ、イナリさん!?な、何を!?』
『見てわかるでしょう!?抱えて安全地帯まで運びます!!』
『わ、私は大丈夫ですから!?それにイナリさんのロケットランチャーも置いてけぼりじゃないですか!大切なものなのでは...!?』
『...あんなのまた買えばいいだけですから、今はナギサさんが一番大切です』
『っ...ありがとう...ございます...』
『じゃあつかまっててくださいね!!』
そう言い終わると同時に彼はスピードを上げる
必死な表情、風にたなびく前髪、彼のそんな横顔をただただ見つめる
頬が熱いのを炎のせいにして
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そんなことを思い出し頬の温度がより一層高くなるのを感じる
「...ギサさま』
私はここまで分かりやすい女だっただろうか、彼に会ってから変わってしまったのだろうか
「...ナギサさま?」
彼に変えられたのだとしたら...それに喜びを覚えるのは悪いことだろうか
「ナギサ様ー!!」
いや...悪いのは彼の方だ、なんてことないような顔して告白じみたセリフは吐くし、空気は読めるのに自分に向けられている好意には鈍感になるし、自分の痛みを無視して他人を助けようとするし...こんなの、嵌らないわけが───
「ナギサ様!!!!!」
「ひゃい!?」
突然の大声に驚きなんとも情けない声が出てしまう
「やっと気づきましたか...何度もお呼びしていたんですが...」
「そ、そうだったんですか?失礼しました...それで、どうしました?」
未だ鳴りやまない心臓の音を何とか隠しながら冷静に務める
「いやどうしたもなにも...あと数分で会議の時間ですよ!?」
「...はい?そんなはずは...」
そう言いながら懐の懐中時計を取り出し時間を確認すると、本当にあと数分で会議が開始してしまう時間だった
「...え?ど、どうしてもうこんな時間に!?まだ三十分ほど時間があったはずでは...!?」
「時間を忘れてしまうほど彼のことを考えるなんて、ほんとにべた惚れじゃないですか...」
呆れたようにそう言われピシッと体が固まる
「とりあえず向かいますよ!」
「...」
「少し距離がありますけど、急いで向かえば何とか間に合うかもしれません」
「...」
「...ナギサ様?」
「...コ”フッ...」バタッ
「ナギサ様ァーーーーー!?!?」
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「もう会議始まる時間ですけどナギサさん遅いっすね」
”そうだねぇ...なにかあったのかな?”
「探しに行った方がいいっすかね...?」
そんな話をしていると会議室入口から入室を知らせるガチャッとした音が鳴る
「おっ来ましたか...ね?」
「...あー、先生...」
”なにかな...”
「なんでナギサさん車椅子で押されてきたんすかね...?」
”...さぁ?”
ナギサ様の愛がデカすぎる!
書いてたらナギサ様がバカほどイナリのこと好きな人になっちゃった...
ちなみにエデン条約調印式のときイナリはナギサ様を安全地帯に運んでからだいぶ暴れてます、その暴れ様に脳を焼かれてるモブちゃんも多数います...コイツなんでトリニティに嫌われてるとか思ってんだ...?
もひとつちなみにこの世界線のナギサ様は意識失ってないのでこの後の体制の立て直しが少しだけスムーズになってたりしてます