スキル「コンティニュー」を持った、TS提督が艦これ世界で無双してみた   作:木村スバル

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11、戦争

「この戦は、負け戦にはしない」

と、大本営の脇方から連絡が来たのは、呉に来てしばらくしてからのことだった。

「サハリンの雪中戦は見事勝利を収めた」

「報道で見たが、戦意高揚が過ぎるぞ」

「そうか?」

と、とぼけた顔で言う友を、俺は真面目くさった顔で電話口から見つめるより他なかった。

電話口であるのだから、盗聴されてもいいような会話をしているのだが。その思惑とは裏腹に、二次元戦争は、ある二つの点に収束していっていると言っても過言ではなかった。

一つは私、もう一つは脇方にである。

二人の男は、笑いを浮かべると、他愛もない戦時会話を続けるのであった。

何を隠すことがあろう、サハリンでの戦争は三次元民が関わっていると言っていた。

それは、大本営のニセの報道であった

「ターニャ・デグレチャフ元帥閣下によると、俺は特進だそうだ」

「それは、確かにめでたい」

この頃の俺は、自ずから情報将校のようであったために、艦娘を一人、特派員として大本営に送りたかった。

「脇方、加古を送ろう」

「今日乗船だ。いらない」

「な、何故だ?」

「防戦一方の高橋くんにはわかるまい」

「愛していないのか、加古を」

「まさか」

「大本営発表では……」

「くどい。が、笑えるな、その手妻」

「証がいるんだよ……」

高橋が、後手をとることは稀であるが、後手を取ると弱いのが高橋である。

このざまかと高橋は思った。また、同時にそれを脇方も思っていた。

「恐縮している」

「恐慌しているの間違いではないか?」

「ターニャ・デグレチャフは……?」

「死んだ」

開放感にあふれる言葉を聞いたと思った。もはや二次元では、興味関心の薄いものは、廃れるとも言える。だが、高橋はこのとき、恐怖していた。恐慌と言ってもよかったが、それは認めたくなかったのだ。

「俺は、静かに、世を儚んでいるのだ……!! コンティニューの後だし」

「コンテイニューが、なんだって?」

「……は。お前、裏切ったな! 脇方!」

「裏切らずして、なんだというのだ。悲しみは知らず、あの御子の心は深い」

「御子」

「それすら、知らないのか……」

 高橋は、知っていた、この顛末を。

だが、結末を知っていた脇方とは違い、彼は手段しか知らなかった。

「状況を把握したい。何か言ってくれ」

「……いやだ」

と、脇方は激怒した。

ついに、戦争の火蓋は切って落とされた。

だが、ここで一つの疑問が湧く。

この戦争を仕掛けたのは高橋だったが、恐慌状態に陥っているのは誰だろう。

この世界における、数人の要人がそうだったのだ。

さあ、戦争は起こるのだろうか?

本当に、起こるのだろうか?

 

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