スキル「コンティニュー」を持った、TS提督が艦これ世界で無双してみた   作:木村スバル

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13、一方、二次元戦争のはざまで

イリュリア連邦共和国。

第三化学中性子炉。

飛鳥=R=クロイツは呟く。

「花の色だね……。まるで、御子の魔力みたいだ」

「ここは、危ないです。危険領域です」

 と、研究員の一人が、脇に立ってささやいた。

「なぜだろう。落ち着くんだ」

「それはわかりますが……、飛鳥さん。泣かないでください」

「僕の杖と、同じ色をしているね」

 彼が持っている、本を触媒にした杖は、確かに中性子炉の光と同じ色をしていた。

「ああ、君……」

と、飛鳥はガラス越しに愛を囁いた。

 

◆◆◆

 

測量とは、国家基盤を揺るがす、一大事業である。

測量とは、感情の形を取らない、地球への奉仕活動である。

神は言うだろう。

測量をせよ、と。

ターニャ・デグレチャフです。

測量は、つらい。

伊能忠敬が、日本一周したけど、今どきポケモンGOで、いっぱいいるだろうに。

一歩歩んでは、測量尺を立て、紐を伸ばし、はぁ~ん。辛いね。また歩く。

「一体測量にはどのような意味があるのだろう」

戦時下の測量は、意味をもつ。多大な意味を。

「連王閣下」

とイリュリア兵。

頭を下げる、重装甲の騎士は連王であるカイ・キスクに向かって言った。

カイは紫色の騎士団衣に身を包んでいた。

王の威厳。

 

「測量騎士団が、リィンバウムよりはばかり来ております」

「よろしい、よろしい」

「だが、御老中。私はそんなこと、言ったかな?」

「すっとぼけるのも、大概にしなさい」

「あ、いや。最近ぼーっとすることが増えまして」

「閣下、今が正念場ですから」

と、元気づけるしかない兵。

「がんばりなよ、アンタ」

赤いジャケット。イノだ。

「それだけだ」

「魔法薬をお持ちします。イノ様」

「かまわない、ありがとう」

とカイは目の下の隈を深くした。

 

◆◆◆

 

悪阻………。

御子は、苦しんでいた。

そもそも、東の桐皇宮では、御子の御身をはばかって、耳にも入れぬ日が続いていた。

「よいど」

アンドロギュノスの御子は、それだけ言って、静かに腹の子のため、死にむしばまれたように見えたが、再び目を開いた。

高橋、頭を垂れて。

「ご病気です」

「不徳な」

「御子がご病気だと?」

「失礼……」

「魔力障壁をなんだと思っている?」

「く……」

「なにか言いかけたな?」

「いえ、何も……」

 

宮を出て、高橋は盛大なため息をついた。

「まさか、あんな……」

「高橋ぃ……あほ?」

「ミリム様……、同情はいらないから」

「でも、悲しいことは共有すべきだよ」

「そうだな」

「恐縮するよ。魔王が俺にいくつも着いてくれている。だけど、脇方だけは、倒せない」

――一方、脇方は。

 

◆◆◆

 

「リィンバウムの測量は終わったか?」

「罪業は大きいと思われます」

「まさか、測量だぞ……?」

「行ったことがあるのですか?」

「いや、ない」

「それはそうでしょうが……」

「だが、わかることはわずかだがある。鬼妖界に近く、神がいる」

「その通りです」

「うん」

 

ここまでの責任が、彼には課せられていた。

「高橋……、御子は……」

「そんな事は、分かっている」

 

5次元存在である、高橋の姿は、もはや従順な肉体を持て余していた。肉体はもはや用無しと切り捨てた高橋と、肉こそ神だと断じた脇方の差であった。

脇方は、長時間の使用に耐えうるべく、二次元の身体を三次元転用させていた。それは、究極辛さを伴ったが、重用なのはそこではないと、本人は感情を切り捨てたのだった。

ただ、そのためではない。

高橋の感情は、膨大な力となって世界を塗り替えつつあったのだ。

二人は、拮抗していた。

それぞれ、非や辛さや悪気はあったが、違う軸、ベクトル、選択を経由して、ここに立っているのであった。

これは、最後の戦いと言っても良かったが、最初の闘いの模倣でもあるのだった。

99%の確率で、高橋が勝つと、決意した神は、脇方を殺した。

1%にかけた脇方は、6つ策を案じた。

それは、99%を無にする、神通力の行使。式神の航空母艦転用。航空母艦静寂の使用。生体AIの使用。

脇方は車に乗った。

そして、脱出を図る。

飛び出した車。

飛び散る車輪。

ああ、さようならだ。

さらば2次元、こんにちは世界。

 

 

 

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