わたしが主人公の2次創作なんて…ムリムリ!(※ムリじゃなかった⁉︎)   作:れな悪教徒

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 『いつかあの子は輝いて』〜お昼ご飯〜パートになります。
 実はこちらは執筆自体は一本のエピソードとして書いた物を分けて調整しつつ投稿しております。
 その為サブタイを考えるのが一番厄介かもしれません。

 このエピソードでは、原作ヒロインの中から、唯一香穂ちゃんにだけ登場してもらってます。
 関係性、キャラクター共に破綻せずに描けてれば幸いです。


〜穏やかなお昼ご飯〜

 

 あっという間に時間は過ぎ、今は汗もしたたるお昼時。

 

 ギンギラ輝く太陽の下で遊び続ける元気は…残念ながら持ち合わせていなかったわたし達は。

 涼しい場所を探して求めて、たまたま近くにあったイタリアンなファミレスで休息を取っていた。

 

 ──ここ、芦高に行ってからはあまり来てなかったし、ちょっと懐かしいな……。

 

 ぼけーっとそんな事を考えながら。

 エアコンのよく効いた窓側の席で、重力に抗うのを辞めているわたし。

 窓から見える景色は幼い頃と変わり映えのしないもので。

 せいぜいが、コンビニの看板が牛乳瓶に侵略されているくらいの違いだ…。

 

 そんな感じで冷静に分析していると、頭上から比奈さんの心配そうな声が降りそそぐ。

 

「ごめん、れな子ちゃん。グルグル回しすぎたかな…?」

「い、いえ。楽しかったんでokです!」

 

 慌てて身体を起こしサムズアップをキメて返す。

 まぁ、ちょっと怖かったし、ふらふらしてグロッキーにはなっちゃったけど……屋上から落ちるよりかはマシだし。

 

 ──それより、比奈さんが楽しんでくれる方がぜったい大事!! 

 

「でもほら、お詫びに…」

「そんな、わるいですよー!」

 

 そんなわたしの気持ちは、言葉だけじゃ伝わらないらしく。眉根を下げて謝る比奈さん。

 お詫びを受け取らないのも失礼だと思うので、

 渾身の愛想笑いを浮かべ、手を差し出したわたしの前に。

 スッとコップが差し出される。

 

 ──あー? なるほどね。確かに喉は渇いて……。

 

「はい!☆ドリンクバー@比奈ちゃんスペシャル☆ミ

「──虹色に輝いてる!?」

 

 手の中におさまったのは、複雑に色めく虹色のドリンク。

 傾ける角度によって、異なる色味で発光し。

 まるでオーロラのように美しい謎ドリンクがそこにはあった。

 

「えっなんで!?」とそのジュースをこぼさない程度に覗き込むわたしと。

 それを見て『ふふん』と自慢げに笑う比奈さん。

 どうやら、先程のやり取りはコレを渡すための前フリだったらしい…

 

「いや、マジすごいですって! どうなってんのコレ!!」

「でしょでしょー!」

 

 その子どもっぽい表情が可愛くて、わたしもついついオーバーに反応してしまう。

 

 …てか、マジで、なんで光ってんの? 

 蛍光塗料でも混ざってる? ……大丈夫? 

 飲んだらわたし、病院行きじゃない? 

 あ、コップの裏にミニライトが……

 ───もはや、プロのこだわりじゃん!! 

 

「ささ、グイッと。」

「では遠慮なく…。って、いやいや! ゲテモノじゃないですか! 飲まないからね!」

「えー? 大丈夫だってー」

 

 ノリツッコミを決めるわたしに、笑いながらコップを傾ける比奈さん。

 虹色の体積がわずかに減り、浮かべられた穏やかな笑顔に少しばかり、好奇心を刺激される。

 

 ──意外とおいしいのか…? 

 

 案外、エナドリ系の味に落ち着いてるのかもしれない………き、気になる…。

 

「…やっぱり飲みます!」

「ふふ、どうぞ!」

「…では失礼して…。───ん?」

 

 期待半分、不安半分でドリンクを口に少し含み、眉をひそめる。

 ……あれ? 思ったより炭酸もキツくない。

 …ていうか…

 

「んん。……あれ? 味が…。んんん???」

 

 内心で盛大に首を傾げながら、謎ドリンクを傾ける。

 

 よく冷えた、炭酸の夏らしい清涼感が口内に広がり。まったりとした口当たりはミルクティーのようで。

 

 見た目に相応しい刺激的な味が───。

 

 

 味が…しなくない……? 

 

 

「え、どしたの? れな子ちゃん? はっ! まさか……!」

 

 そんなわたしの反応に、ハッと口元に手をやって慌ててバックを漁り始める比奈さん。

 

「ええ!? なになになに!? やめてくださいよ!?」

 

 その様子に戦々恐々としたわたしは、叩きつけるようにコップを置いて固まる。

 なんだ? マジで間違えて蛍光塗料でも混ぜたのか!? やるならせめて食用顔料にしてよ! 

 

「ほら、舌べーってして! べーって!」

「ほ、ほうでふか?」

 

 比奈さんの言葉に慌てて舌を出す。

 淑女らしからぬ行動だが、いのちには変えられん。今は恥を偲んで…‼︎

 

 パシャ

「へ?」

 

 響き渡るシャッター音に、間抜け面を晒すわたし。

 満足げな比奈さんの手元には、可愛らしいカバーに包まれたスマホがあって。

 気のせいで無ければ、そのカメラはこちらに向けられていた。

 

 

 ───終わった…。

 

 実はおねえさんが落ち込んでたのは、捕まえたはずのカモが逃げたからで……。

 カモネギよろしく隙を見せたわたしは。

 この恥ずかしい写真をネットにばら撒かれない為に、欲しくもない壺を買わされるんだ……! 

 そしてお金に困ったわたしは、学校にも通えなくなり…。

 周りに迷惑をかけながら引きこもり生活を再スタートするんだ……

 ごめんな遥奈…しょうもないお姉ちゃんで───。

 

 

「あははは! すごい虹色! みてみて〜!」

 

 そんな悲壮感漂うわたしの耳に響いたのは、比奈さんの明るい笑い声。

 スマホの画面をコチラに向ける彼女に後ろ暗い所はなく。

 悪ふざけする中高生のように楽しそうに笑っている。

 

「も、もう! 消してくださいよ!? それ!」

 

 ほっとして言葉を返す。

 やっぱり比奈さんは子どもみたいに裏表のない人だ。

 さすがに大人として働く普段はそうじゃないんだろうけど…

 全力で楽しむと決めたからか、今日の彼女は素の自分を隠さずに見せてくれている。

 

「えー? じゃあ、…ん。ん。よし、へなほひゃん。ほう?」

 

 そんな無邪気な比奈さんが、謎ドリンクを飲んで、べっと舌を出しながらわたしを見上げてくる。

 照明が眩しいのか細められた瞳。

 机越しゆえに自然と見上げる形になった彼女の頬には、自分でも少し恥ずかしいのか朱が走っていて…。

 

「エッ!? ……。」

 

 こ、これは…なかなか…。

 心の中がなんともムズムズした感覚に包まれ、マジマジ見てしまう。

 カッコかわいいおねえさんにこんなポーズをさせるとか、前世で一体どんな徳を積めば許されるんだ…? 前世のれな子は、よっぽど欲のない聖人だったに違いない。

 

 ──すまん、前世の聖人れな子。アンタの徳は今日、使い切ったよ……。

 

「? へなほひゃん?」

「ア!? 只今! 今すぐに!!」パシャパシャパシャ

 

 小首を傾げた比奈さんに、慌ててスマホを取り出しシャッターを押す。

 こうか? いや、こうだな…。もうちょい…ッ……は⁉︎

 

 ──い、いつの間にこんな枚数に!? 

 

「ん…。ちょっと〜、れな子ちゃん撮り過ぎ! 不平等だぞ〜?」

「す、すみません…長押しで連打されつつあったみたいで……」

「ほんとかなぁ?」

 

 疑わしそうにジト目になる比奈さんから目を逸らし、『あー料理まだかなー!』と口走る。

 

 わたしは悪くありませんー! 急にこんな遊びを始めた比奈さんが悪いんですー! 

 脳内で紗月さんが、部屋の隅の黒光りする虫を見る目で見てくるけど…無視だムシ! 

 文句あるならマウント用写真の数々消してくださいよ!! 

 

 

「おろ?」

「んん!???」

 

 そうして逸らした視線の先。

 大通りに面したガラス窓の向こうに、よく見知った青髪の少女が映り込む。

 

 彼女は獲物を見つけた猫のように目を輝かせると、迷いなくファミレスに入店し。

 店員さんに軽快な挨拶をキメて、まっすぐにわたし達の席へ向かってきた。

 

「れーなちん? せんせー寂しがってたゾ☆」

「か、香穂ちゃん!?」

 

 ───うっ、かわいい‼︎

 

 どうしてこんな所に陽キャレベルカンストの愛され人権キャラ。小柳香穂ちゃんが!? 

 学校の近くじゃないよ!? 

 

「うい、香穂たやですにゃ〜、なになに? れなちんは…ナンパ中?」

「あ、いや」

「そうそう。れな子ちゃんってば情熱的で──」

「あ、やっぱり〜? れなちんってば、ほんと、そうゆーとこだゾ?」

「「ねー?」」

 

 ぅ、さすが陽キャ。波長を合わせるのが早い。

 比奈さんもこう見えて、ノリがいい方なのはこの数時間で実感している。

 

 つまり、このままでは一生会話のターンが来ないまま。

 わたしは届いたばかりの罪のないハンバーグを、無言で切り刻む殺伐モンスターと化してしまう…!? 

 

 

 ──まあ、お腹すいたし。いいか……。ウマウマ

 

「あーちなみにれなちん? みっちゃんが探してたのは確かだから、早めに顔出した方が良いぜい」

 

 そんなわたしの方にクルリと向き直り、肩をすくめた香穂ちゃん。

 油断していたわたしは、ハンバーグで軽く咳き込み、比奈さんの謎ドリンクを飲み下した。……やっぱり無味無臭‼︎

 

「むぐ。……えぇ!? 自由登校の自習室だったんじゃ…」

「んにゃ、別件だってさ!」

「マジですか…」

 

 あぁ、せっかくの夏休みが消えていく…。

 

 沈んでいく気持ち。

 …心なしかおまけに頼んだフライドポテトもどんどん減って見えて……。

 

 ──いや、確実に減ってるわ。

 香穂ちゃん。結構、遠慮なく食べるね? 

 

「むぐむぐ…わかんないけど、なんか出し忘れてるらしいにゃあ…」

「えぇ…? なんかあったかなぁ…?」

「あったかもにゃあ…?」

 

 首を傾げた香穂ちゃん。

 彼女は、出し忘れについて頭を悩ませるわたしをよそに、自然なかわいいムーブと共にポテトをつまんでいく。

 

「およ?」

「ほれほれ…とれたら食べていいよー」

「わーい! あむ…あむ…」

「おー、チーズのびのび〜」

 

 そんな彼女の前でピザをひと切れふわふわさせる比奈さん。

 目をキラキラさせて小さなお口をパクパクさせる香穂ちゃんと、イタズラっぽい笑みで餌付けしながら遊ぶ比奈さんはなんと言うか…すごいほのぼの空間だ…一緒にいるだけで幸せになれる……。

 

「ねーねーひなちゃんパイセン!」

「なにー? 香穂ちゃん」

 

 そんなこんなで、餌付けされた香穂ちゃんが、膝に座りながら上機嫌に口を開く。

 優しげに眼を細める比奈さんに、座る香穂ちゃん。

 そこには母と子ような尊さがあった。ナムナム…

 

「パイセンはなんでスーツなの? お仕事てきなー?」

「うーん、その予定だったんだけど。サボっちゃった。」

「あ、いっけないんだー、バレたら怒られちゃうぜぃ」

「えー困るなぁ、なんとかしてよー香穂ちゃんコーハイ!」

 

 きゃいきゃい盛り上がる香穂ちゃんと比奈さん。

 わざとらしくお願いのポーズをとった比奈さんを前に、キランと目を輝かせた香穂ちゃん。

 待ってましたとばかりに動き出した彼女は、スクールバックに手を突っ込むと、とある物を取り出した。

 

「ふっふっふ! そう来ると思って…ココに芦高制服セットがあるのだ!」

「なんで!?」

 

 既に制服を着ている香穂ちゃんが、何故か制服を持っていることに驚愕の声を上げるわたし。

 

 それを他所に「サイズ合うかなぁ…」とズレた感想を返した比奈さんは

「これ大きめだから問題ナシナシ! パパッと調整しちゃうしー?」

 と、言葉を繋いだ香穂ちゃんに背を押され、女子トイレへと消えていくのだった。

 

 ***

 

「そういえば…ひなちゃんパイセンってば、昔、有名人だったっしょ?」

 

 トイレに入るなり、裁縫セットを取り出して作業をしていた少女が…視線はコチラに向けず。

 そんなことを口にした。

 

「…どーだったかな?」

 

 一瞬、言葉が詰まる。

 いろんなことが脳裏を横切り、無意識の警戒が棘のように語気を強くする。

 

 ──有名人…悪い冗談だ。

 

 こんな私が有名人だとすれば、ニュースに出てくる犯罪者達も全て『有名人』になってしまうに違いない。

 

「…まぁ、いいにゃあ。はい制服、着てみて?」

 

 そんな私の返答に、静かに言葉を返す青髪の少女。

 サッと行われた仮留めは完璧で、まるで『お前の事は知っているんだぞ』と暗に言われているような、そんな不快感に包まれる。

 

「…」

「んー問題ナーシ! んじゃ、楽しんできてね! 比奈ちゃんパイセン!」

 

 そうしてわざとらしい明るさを振り撒く少女。

 彼女は手をヒラヒラさせて背を向けると、そのままトイレを立ち去っていく。

 

 その背へ向けて思わず伸びた手。それがあがりきるまえにガッと抑え込む。

 

 ──被害妄想だ。わかってる。

 それでも…私は……

 

「…メイク、なおそ…」

 

 夏場の汗は、イヤにベタついたみたいだ……。




 夜投稿(翌日昼)───。

 ホントにすまんかった…

 いや、違うんですよ。
 れな子よろしくお布団大反省会してたらですよ?
 なんか違うよなぁ…?ってとこが無限に出てきてですね…?
 修正を始めたが後の祭り、後悔先立たずって感じで…無限修正編に突入してですね…?
 よく言うじゃないですか、難しい事考えると眠くなるってやつ!
 いやぁ…眠気は強敵でしたねぇ……

 自分語りはこれくらいにして。

 本話には、ちょこっと香穂ちゃんに登場していただきました。
 いわゆる幼なじみとして、一方的な距離感の近さが表現できてれば嬉しいです。
 彼女はいわゆるキーパーソン。彼女がいなければきっとこの物語も発生せずに、比奈さんもここで解散し、何もない日常に帰って行った事でしょう…大人は無理出来ちゃうんだ。悲しいね……
 
 ではでは、次話をお待ちください!
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