わたしが主人公の2次創作なんて…ムリムリ!(※ムリじゃなかった⁉︎)   作:れな悪教徒

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 新年はクズ泣き!(軽快な挨拶)
 あけましておめでとうございます。
 みなさんはわたなれ本編、見れましたか?私は見れてない!
 今日帰ったらイッキ見するんだ…
 と、いう事で、こちらのエピソードもクライマックスまで投稿いたします。
 ま、公式アニメが放送されてるのに、読者が増えるわけないんですけどね?


〜今日もあの子は輝いて〜

 

 どうする、甘織れな子。

 比奈さんの抱える物は大きすぎた。

 正直、わたしには手が余る物だ。

 わたしと比奈さんの関係は、たった1日。

 香穂ちゃんの言う通り、遊んだだけの他人と言ってもいい。

 

 ──でも、本当にそうなのか? 

 

 わたしはひなさんと遊んだ時、不思議と落ち着いていた。

 それこそ、引きこもりであった自分が()()()()()かのように…リラックスできていた。

 

 それは、わたしが急に陽キャになれたってわけじゃない。

 もっと根本的な話…

 相手がある程度知っている人間だからこその安心感。

 妹に感じる様な親しみが、わたしの心の中にあったからじゃないか? 

 それはつまり…

 

 ──わたしと比奈さんは、すでに友達だった? ──

 

 *

 

 思い至ると共に足が止まる。

 

 夕陽に染まる子どものテーマパーク。

 寂しげな音を響かせるブランコに、翠目銀髪の少女の幻影が映り込み。

 

 フラッシュバックする様に、いつかの記憶が流れ込む。

 

 苦手な鉄棒の練習に付き合ってくれた明るい中学生。

 小学生のわたしより幼く感じるほど、元気いっぱいに駆け回っていた、みんなのおねぇちゃん。

 ここに来れば、必ず居てくれたわたしの小さな憧れは。

 

 ──綺麗なエメラルドの瞳をしていた。

 

 ***

 

「…LINE? ……仕事かな…? やっば、連絡忘れてサボってたか…ハハ…」

 

 ヨレヨレのワイシャツのまま、ゆらりと手を伸ばす。

 お父さんが買ってくれた勉強机の上で、ケースばかりオシャレな型落ちのスマホが光を発し。

 真っ暗な室内に、影を作る。

 いつもは好きでもない暗闇が、今日は何故か心地よく感じていた。

 

「……『公園で待ってます』? ……相手は───。れな子ちゃん…」

 

 予想だにしない相手に目を見開く。

 ピンク色でふわふわな。

 ちょっと泣き虫なところがあって。

 でも精一杯に毎日を生きてる。

 そんな守ってあげたくなる女の子。

 

 私にとっては何年かぶりでも、彼女にとっては、たった1日。

 一緒に遊んだだけの赤の他人。

 

 ──そのはずなのに…

 

「はは。やっぱり、公園しか知らないじゃんか…」

 

 ──借り物の制服に身を包む。

 だるい体を無視して、両脚が地面に着く。

 乱雑に結んだ髪が揺れ、後ろ引く思いも断ち切って。歯を食いしばり前に踏み出す。

 

 彼女は、誰の言葉より、私の気持ちより。

 ずっと、ずっと重い存在だった。

 

 ***

 

 遠い昔。

 

 夕暮れ空の下。

 

 一人の女子を囲う様に、数名の男子中学生が立っていた。

 彼らの目つきはギラギラとしていて、うち1人、松葉杖をした少年は制御の効かない激情をぶつけるように少女を睨みつけていた。

 

『け、ズル女が!』

『人を落として一番になった癖に!』

『ち、ちが…』

『しかも、親父に怪我させたんだろ?』

『俺知ってるぜ、親不孝って言うんだよ?』

『あ、ぁっ…!?』

『なんか言ってみろy──』

 

 振り上げられる拳。

 怒りから痛みも忘れた少年が、ソレを振り下ろそうとして。

 

『どいてくださーい!』

 

 ───幼い少女の声が響いた。

 

『アン? なんだ、ガキ?』

『今日ここで遊ぶ約束してるの!』

 

 男子達の壁の向こうから聞こえる幼い声。

 

『コッチは大事な…』

『ショウくん、流石にそれは大人げないって…』

 

 それに毒気を抜かれたのか、数名がリーダー格の少年を鎮める為に声をかけ。

 ジロリと、少年がそちらを見る。

 

『チッ…行くぞ』

『じゃーね、卑怯者さん』

 

 そうして踵を返した彼らは、不機嫌そうに去っていった。

 

『??? え!? おねぇちゃん泣いてる!!!』

 

 残されたのは、ピンク髪の少女と、座り込む銀髪の少女。

 怪我こそしていないものの、砂に汚れた制服からハンカチを取り出した少女は、涙を見せない様に後ろを向いて涙を拭う。

 

『ご、ゴメンねれな子ちゃん。すぐ…すぐ準備するからね…』

『そんなのいいよ! 大丈夫! どうしたの!? もしかして…イジメ!? 学校の先生ダメって言ってたよ!』

『そんなんじゃないんだ…私が、私が悪いんだから』

『そんなわけない! おねぇちゃん優しいもん! 絶対! 絶対! おねぇちゃん悪くないよ!!』

『ありがとう…ゴメン…。ゴメンね……。』

 

 ***

 

 夕焼け空の下。

 同じ制服に身を包んだ少女達が向かい合う。

 

 片方は、ピンク髪の女子高生、甘織れな子。

 真っ直ぐに対面の少女を見つめた彼女は、その姿を見て、涙を堪える為目頭に力を入れた。

 

「きたよ…れな子ちゃん」

 

 対峙するのは、彼女と同じ制服を着た女性、寿野瀬比奈。

 気まずそうに視線を逸らした彼女の瞳は、まるで恐怖するように濁り…不安そうに揺れている。

 

「比奈さん…」

 

 身だしなみを気にする余裕も無いのか、首元で一つ飛ばしになり、ズレたボタン。

 丸められた姿勢は、いつかの自分を見ている様で胸が苦しくなる。

 

「何か…聞きたいんだよね」

 

 それでも、彼女は逃げていない。

 途方もないストレスから目をひくつかせながら…背を向けることなく、この場に立っていた。

 

 ───あぁ、すごいな。

 

 思わず、心の声が漏れそうになる。

 きっと、同じ状態なら。

 わたしにはできない事だ。

 妹の…家族の助けがあってようやく外に出れる程度のわたしなら。

 間違いなく、逃げていただろう。

 

「はい、でもその前に、わたしに一言言わせてください。」

「何…かな…。」

 

 だからこそ、その気持ちの重さに反比例する様に、口は軽くなった。

 どうしても、伝えたいことがある。

 なにより正しいと、確信を持てる一言を…わたしは伝えたい。

 

「『比奈さんは悪くない』」

「ぁ…」

 

 真っ直ぐに、ただ真っ直ぐに。

 彼女の両手を取って、エメラルドの瞳を見つめて。

 純然たる事実として紡がれた言葉に。

 不安げだった瞳が、ポロポロと水滴をこぼしながらこちらに向けられる。

 

「アレは、側から見ても完全な事故でした。誰かが悪いのだとしたら、ソレはイベントの主催側です。」

「そんな事ない…私が…悪い…」

 

 わたしの言葉に首を振る。

 濁った瞳が下にそらされ、思わずその頬に手が伸びる。

 

「なら…そう思うなら。一緒に謝りに行きましょう! わたしの疑問なんてその後で結構です。」

 

 涙を拭い、瞳を覗き込む。

 綺麗なエメラルドの瞳だ。

 子どもみたいに純粋な、それでいて優しさを内包した小さな宝石。

 それを輝かせるために笑顔をぶつける。

 

「そ、それは…」

 

 大丈夫。心配なんて何もいらない。

 なんたって、彼女は───。

 

「できない、わけないです! だって…だって比奈さんは───。わたしの尊敬するおねぇちゃんなんだから!!」

 

「!!」

 


 

 エピローグ

 

「あー! 比奈さん!」

「や、れな子ちゃん!」

 

 夏休みも大詰め。

 宿題の提出日として設定された登校日に、駅のホームに降り立ったわたしは、よく見知った灰色の髪を見つけて駆け寄った。

 

 芦高の物とは違うブラウスにスカート。

 動きやすそうな靴をトントンさせて、片手をあげて返したのは、寿野瀬比奈さん。

 

「どうですか? 学校の方は…」

「楽勝楽勝! なんなら、れな子ちゃんに教えてあげられるかもよ? なーんて。さすがに無理だけどね」

 

 彼女は、この夏から、半通信制の学校で少しずつ時間を取りながら勉強を始めたそうだ。

 

 ───その目的は、亡くなったお父さんの気持ちに応えて、大学へ進学すること。

 

 彼女はあの日、怪我をさせてしまった係員さんの元へ行き話しをした。

 後から知ったことだが、係員さんは旭さんと言う名前で、かつて寿野瀬ジムのトップアスリートだったらしい。

 実は本当に2人は知り合いだったわけだ。

 そんな彼女と腹を割って話せたことで比奈さんは、お父さんの言葉と優しさを受け止める事となり。

 『お父さんのジムを復活させる。』と、あらたな一歩を踏み出したわけだ。…さすが比奈さん!

 

「あ、聞いたよーれな子ちゃん。」

「へ?」

 

 そんな比奈さんがふと、思い出すように口を開く。

 その片手には可愛らしいスマホケース。

 自学習ようのアプリケーションを閉じてカメラロールに移行した彼女は、その画面片手に私を覗き込む。

 

「まーた、女の子引っかけてるんだってー?」

 

 そこには紫陽花さんと、わたしが並んでお話している写真。

 写真自体は春先の古い物だったけど、今はいささかタイミングが悪すぎた。

 

「ェ!? な、なんの事デスカネ…?」

 

 複雑な感情に胃が重くなる。

 この前からこんな事ばっかりだ。

 ちょっと前までは、何も考えずに紫陽花さん自慢ができたはずなのにな…

 

「そんな誤魔化さなくていいのに…ま、れな子ちゃん魅力的だししょうがないかー」

「そんな事ないんですけど…」

 

 思わず、比奈さんの言葉を否定してしまう。

 わたしは誰かの特別になれる人間じゃない、ただ、普通の女子高生だ。

 

「ふぅん?」

 

 比奈さんが眉をひそめる。

 心なしか不機嫌そうな彼女は、わたしの眼を真っ直ぐに見つめるとつぶやいた。

 

「じゃあさ…また、一緒に遊んでも問題ないよね?」

「ぁ、はい!」

 

 キラキラとした純粋な瞳。

 彼女は、今も昔も。

 ちょっとだけ年上のわたしの大切なお友達だ。

 

 




 改めまして。『いつかあの子は輝いて』完結です。
 れな子(原液)に焼かれたらそうなる…という妄想から生まれた産物でしたが、いかがだったでしょうか?
 エピローグまで、いきなり飛んだ感じになっていますが。
 実は、本来係員(旭)さんによって比奈さんに通帳が手渡されるお年玉イベント()がありました。
 しかし、この小説はれな子が主人公!という事でだいぶバッサリカットしています。
 娘からの入院費に一切手をつけず、それなのに面会も許してくれない不器用親父なんておらんかったんや!
 でもそれなくてストーリーの意図伝わる…?
 伝わるか!オリジナルでやれ!というみなさんの思いは痛いほど伝わっております…ユルシテ…
 
 でも、総じて。れな子の内面強度はそのままに、原作間エピソードとしてはいいれな悪ができたんじゃないかな?と思うんですよ。
 みなさんもこの機会に、れな悪書いてみませんか?
 それでは、また、次の妄想が産まれた時にお会いしましょう!
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