実験体MM 作:柳月&独鴉
夏休みも始まり
クラスメイトがショッピングモールでヴィランと遭遇したことで雄英生徒は安全のために外出自粛となってしまった。そのため海などにも出かけられず、学校内のプールを使わせてもらえるように女子陣営が申請し、17時までの限定であるが学生に長期外出自粛を出したこともあり使用許可はあっさりと出た。
「本当に残念ですわ。 海外に行く予定でしたので」
「ブルジョワやん!」
「仕方ないよ。 ヴィラン連合に一度襲われてるんだし」
「許可とって学校のプールに集まろうよ!」
「そうね。 学校のプールなら許可をくれると思うわ」
「それじゃ、当日は皆で楽しもう!」
日付と合わせて使用許可日が聞こえてきた峰田と上鳴、2人は気付かれぬようにそっと教室を出るも、その後にあくまで訓練の一環として、遊ぶにしろ学校指定水着にしようという話は聞こえていなかった。
「きっと俺達だけじゃ怪しまれるぞ」
「訓練名目と、緑谷を巻き込んで申請しようぜ!」
自分達の普段の行いから難しさも理解していた二人は緑谷を巻き込み、体力強化を目的に男子陣のプールの使用許可を相澤先生からもぎ取る事に成功した。
プール使用許可当日
何か下世話な、明確に宜しくない期待をしていた上鳴と峰田が女子全員が学校指定の訓練水着の姿を見て絶望している上鳴と、“指定水着も良いですなぁ”と達観までしている峰田。
「そうだ! 魔神は!?」
例え指定水着だろうと隠しきれないモノがあるはずだと上鳴は周囲を見回すが居ない。まだ着替えているのかと期待をするも。
「魔神なら、今日はMtレディ事務所で訓練があると言ってたぜ」
しれっとしている峰田の言う通り、魔神は夏休みということで、現在Mtレディのところで経験を積むために出向いていた。峰田も一応Mtレディの職場体験をしていたし、綺麗な女性ヒーローの情報はしっかりと集めているので最初から知っていた。
「学校内で体力強化、そして率先して許可と取ってくれるなんて感心したよ。 さぁ、一緒に汗を流して体を鍛えようじゃないか!」
飯田も期末試験前にようやく一つ踏ん切りがつき、完全にいつもの調子を取り戻していた。体力強化訓練という名目の為、他の男子にも緑谷が声をかけていたためA組のほぼ全員が集まっていた。
絶望している上鳴と、一応の目的は達成したと若干満足している峰田を捕まえ、飯田は男子陣営の強化訓練の集まりへと引っ張っていく。
魔神はMtレディの所での訓練を終え、帰宅の途中で爆豪のおばさんと
「体育祭では勝己がごめんなさいね。 あの子に配慮とか全然できないから」
「いえ、女だと舐めて手加減したほうが気分が悪かったので気にしてませんよ」
話しながら通りを歩いていた。ここ数日雨が降って居ない事もあり、大通りを散水車が通り路面を濡らしているという珍しい光景であったのだが、速度を出して通りを抜ける車が目に入り、舞華は泥跳ねをとっさに爆豪母をかばい制服が汚れてしまう。
「大変! すぐ洗わないと泥汚れが落ちなくなるわよ!」
そのまま善意に押され爆豪の家に手を引かれ、お風呂に入っている間に乾燥機まで回してくれるということで、そのまま入浴していた。舞華は母親を知らない。もちろん母親代わりになってくれたヒーロー達はいるけれど、爆豪母に優しく握られた手に母親を感じてしまっていた。
「乾燥まで終わった服置いておくからね~」
「あっ、はい。 ありがとうございます」
服の乾燥も終わったということでゆっくり一つ心が落ち着き、湯船で一息つきそろそろ上がろうとしていた頃、爆豪が帰宅してきた。
「ただいま」
爆豪は荷物を自室に置いた後、トレーニングでかいた汗を流そうと脱衣所の扉を開け、ちょうど上がろうと浴室から出た魔神と出くわした。
「あ”」
「あ」
余りの状況に爆豪は固まり、二秒ほど間を置いたのちドアを壊すような勢いで扉を閉める。
「なんでてめぇがいやがる!」
「なんでって、車に泥はねされたところおばさんにお風呂していきなって」
気にしていない魔神は怒る事も悲鳴を上げる事もなく、そのまま脱衣所に置かれているタオルで水滴を拭っていると、もう一つ足音が脱衣所の外で響いてきた。
「勝己! あんた覗いたんじゃないんでしょうね!」
「うっせぇ! 事故だよ!」
取っ組み合いが始まった音に、なにか面倒になってきた舞華はタオルを体に巻くと脱衣所の扉を開けて声をかける。
「別に気にしてないんでいいですよ。 見られて恥ずかしい箇所はどこにもないんで」
背後に回った爆豪母が爆豪の首を絞めている
「あらぁ、凄い自身と納得のスタイルねぇ。 それでも慎みとケジメは必要なのよ」
「てめぇ恥じらいとかねぇのかよ!」
爆豪母は勝己をチョークスリーパーホールドを掛けながらケジメというも、爆豪の言葉にイラっと来た舞華は脱衣所の入り口から一歩離れ、腕を組みながら通路の出てくる。
「このスタイルのどこに恥ずかしい所があんだよ! 胸か!? 腰か!? 尻か!?」
「恥ずかしいじゃなくて恥じらいだボケ!」
「あんた! 女の子になんて事言っているんだ!」
さらに背後から首を強く締められも、舞華は一旦着替えようと振り返ろうとしたタイミングでタオルがほどけて二人の前で落ちてしまう。
刺激が強かったのかそれとも首を絞められ過ぎて呼吸困難だったのか、爆豪はそのまま気絶し動きを止めた。
「あら、すみません」
慌てる事もなくタオルを掴むと脱衣所に戻り、その姿を爆豪母は驚きながら見送る。
「随分と肝が据わっている子ねぇ。 娘に欲しいけど」
視線を向けて息子を見れば首を絞めた影響もあるだろうけれど、鼻字を垂らして意識を失っている。刺激が強すぎたらしい。
「勝己じゃ難しそうねぇ」
そのまま舞華は着替えを終えると爆豪母にお礼を言って帰っていったものの、爆豪勝己は夕飯の時間まで気絶したまま起きる事はなく、目覚めた後は目に焼き付いた光景が中々離れずに眠れるまで大分時間が掛かった。
お盆休み、移動中及び待機時間を潰せるように書き貯めておいたものはこれで終わります。