紫陽花は天使である。異論は認めない。   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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前回書きたいことを書いたので満足していました。
気が向いたのでひっそりと続きを投げておきますね。


うん、それは紫陽花が悪いね

結局、昨日は紫陽花が満足するまで身動きが取れなかった。あれか、たまにある甘えん坊タイムか?今朝は普通に登校したし。紫陽花も学校が始まって疲れてたりするのかもしれない。

 

今は自分の席に座ったれな子と紫陽花と三人で雑談している。気性の穏やかな二人との会話は平和だ。まだ朝で人も多くないし真唯がいないから人が集まるなんてこともない。騒がしくならないというのは良い。ゆっくりと紫陽花を鑑賞できる。

 

「みんなおっはよー!」

 

……ああ、平和とは儚いものだったな。クラス随一の元気っこが登校してしまった。

 

「おはよう香穂ちゃん」

 

「香穂ちゃん、今日も元気だね」

 

「もち!私は元気の良さが取り柄だからね!」

 

元気すぎない?その小さな体のどこにそんなエネルギーがあるんだ。いや、むしろ小さいからこそエネルギー効率がいいのかな?分からん。人間とは不思議だ。私は紫陽花を見るだけで元気になるしね。

 

「なになに?さっきからアツゥイ視線を送ってくれてるけどどったのりんりん?」

 

「いや、小さいのに元気だなって」

 

「はー!?なにを言うかー!うちらのグループが平均身長無視してるだけでしょーが!なんで揃いも揃って平均以上なんだー!」

 

うがーっ、と両手の爪を立てて威嚇してくる様はまるでレッサーパンダ。微塵も怖くない。というかかわいさ入ってるでしょそれ。狙ってない?

 

「ごめんごめん。香穂の身長を合わせて私達の平均取っても平均身長超えるから安心していいよ」

 

「ムキーッ!ムカつくー!」

 

地団駄踏んでるのおもろい。

 

「凛ちゃん、あんまり人の気にしてることを言うのは駄目だよ?」

 

むむ、紫陽花に止められてしまった。仕方ない、今日のところはこのくらいにしておいてやろう。

 

「うえーん、私の味方はあーちゃんだけだよー」

 

あ、わざわざ膝立ちになってまで座ってる紫陽花に抱きつきやがった!そこまでして抱きつきたいか!?私は抱きつきたい!羨ましいなちくしょう!そこは私の場所だぞ!

 

「れ、れなちゃんもいるよ?」

 

「れなちんは見てるだけだし?薄情なお友達だよねー」

 

「えっ」

 

「れな子はな、自分より背の低い人が視界に入らないみたいなんだ」

 

「えっ!?」

 

「なんだってー!?れなちんサイテー!」

 

「違うよ!?ヘタなフォローしても逆に刺激しちゃうかなっていうか!言葉を選んでいたっていうか!別に香穂ちゃんを傷つける意図はないからね!」

 

おもしろ。打てば響くというかなんというか、香穂もノリノリだしよく分かってるな。

 

「二人とも?」

 

「はーい」

 

「面白かったのに」

 

「へ?」

 

紫陽花に止められた私達がガラッと空気を入れ替えるとれな子は目を丸くして、その後全てを理解したのか机にぐでっと上体を倒した。

 

「はぁ、朝から無駄に疲れた……」

 

「ごめんごめん」

 

「……なんか凛さんのごめんって軽くない?」

 

「お?煽り?」

 

「違いますー」

 

「私が煽りだと思ったら煽りなんだよ」

 

「なにその最強理論!?」

 

現代に有効な最強理論だよ。なんでもかんでも『された側』は強い。被害者ヅラしてなんでも言えるよ。世の中にはバケモンがいっぱいいるんだよ。

 

「りんりんのそれいじめ理論じゃん。やられた側がいじめだと思ったらいじめってヤツ」

 

「それの煽りバージョンは聞いたことないけど!?むしろ今わたしがいじめられてないかな!?」

 

「むむ、れな子も早速最強理論を使ってくるとは……最強理論対決したい?どっちが勝つか決める?」

 

「決めないよ!しないよ!」

 

「なんだ、最強理論使いに名乗りを上げたのかと思った」

 

私がそう言うと、れな子は体を机に倒すどころか顔も下へ向けてしまった。

 

「……はぁ、なんか更に疲れた気がする」

 

「ごめんごめん」

 

「……もう一回はやらないからね」

 

「ちぇ」

 

れな子が冷たい。仕方ないからこれくらいにしておこう。ふざけ合うのもやりすぎたらよくないし。

 

「……ん?」

 

なにか視線を感じる……。ふと机に突っ伏しているれな子から視線を外すと、紫陽花と目が合った。

 

「私とはなにかないの?」

 

「な、なにか?」

 

「香穂ちゃんとれなちゃんとは楽しそうだけど、私一人だけ仲間はずれみたいで寂しいな〜、なんて」

 

えっ、かわいいんだけど。なにこれ。紫陽花かわいすぎんだろ!本当にこの世の生き物なのか!?でもなにかってなに!?なにするのが正解!?やばいよやばいよ、なんも思いつかないよ!香穂とれな子もこっちを見るんじゃない!

 

「あれー?りんりんもしかしてあーちゃんにだけはなんにもないのー?私達には楽しそうに構ってたのにー?あーちゃんかわいそー」

 

「幼馴染なのにひどーい」

 

ぐっ、外野だからって二人揃って調子こきやがって!嫌がらせか!?でも何も思いつかないのも事実だし……取り敢えず誤魔化そう。適当に勢いつけてハグでもしとけば大丈夫!多分!

 

「……にゃ?どったのりんりん?」

 

香穂はなんでまだ抱き着いてるんだ、邪魔だなおい。うん、抱き着くのも無理そうだし紫陽花の頭を抱き寄せておこう!もうどうにでもなれ!あとは流れでなんとかなる!

 

「紫陽花」

 

「凛ちゃん……?」

 

座っている紫陽花の隣に移動し、横から頭をそっと胸元に抱き寄せる。紫陽花はされるがままで、なんともかわいらしい上目遣いをお見せしてくれているね。なんだいこの天使ちゃんは。

 

「よーしよしよしよし、紫陽花は今日もかわいいね」

 

「わわっ……」

 

はいかわいい。紫陽花のふわふわ髪の毛は触るだけで寿命が延びるのだ。つまり私は不老不死に一番近い女。世界はもっと紫陽花に注目するべき。

 

「むむ!私達との対応が違いすぎる!差別だー!」

 

「うるさい、これは差別ではなく区別というのだよ。紫陽花と二人が同列なわけないじゃん」

 

「ぐぬぬ、その通りすぎて反論出来ない……!」

 

「いや、反論くらいしようよ。というか、なんかここから見てると紫陽花さんのハーレムみたいになってるし……」

 

確かに。紫陽花に抱き着く香穂と紫陽花の頭を抱き寄せている私、中央に鎮座する紫陽花……絵面がすごいな。やはり紫陽花は魅力的すぎてハーレムなんて簡単ということか。恐れ入った。これからもハーレムの輪を広げていくのかな。

 

「は、ハーレム!?そんなつもりじゃないよ!?」

 

「えー!私はあーちゃんのこと好きだよ?」

 

なんだと!?『私は』!?それは聞き捨てならない!まるで私は紫陽花のことが好きじゃないみたいな!心外だ!全力で抗議させていただく!

 

「紫陽花、もちろん私も紫陽花のことが好きだよ」

 

「あーちゃん!私の方が好きだよ!」

 

「紫陽花、私の方が好きだ」

 

「「紫陽花(あーちゃん)は?」」

 

「え……?えぇ……?」

 

困惑顔もかわいいね。誰か紫陽花の写真とか撮ってない?撮ってたら盗撮だから私が取り締まるね。画像はちゃんと証拠として保存しとくから名乗り出ていいよ。むしろ名乗り出てきてくれないと困る。

 

「さっきまでは三人の雰囲気ある絡みって感じだったのに急に昼ドラみたいな感じになっちゃった……紫陽花さんって魔性の女?」

 

「ち、違うよれなちゃん!二人の悪ふざけだよぉ!」

 

「れな子も混ざる?」

 

「い、いや、遠慮しときます」

 

そうして、れな子はそっと私達から視線を外し、ポケットからスマホを取り出した。我関せずって感じで。逃げたとも言う。

 

「れなちゃん!?」

 

「ふっふっふ!あーちゃんは座ってるからもう逃げられないよ!」

 

「私達のどちらを選ぶのか……」

 

「「決めるまで離れないからな(ね)」」

 

「なんで息ピッタリなの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局決めてくれなかった。紫陽花は優しいから私を選ぶことで香穂が傷付いてしまうことを避けたのかもしれない。なんて気遣いのできるいい女の子なんだ。心まで綺麗とは。

 

「……あなた達、朝から元気ね」

 

「朝からアジサニウムを摂取してるからね」

 

「心底瀬名に同情するわ。こんなヤツが幼馴染だなんて」

 

なんでやねん。失礼なヤツだな。

 

「瀬名の体臭を嗅いだりアジサニウムを摂取とか言っているような人間にそんな目をされたくないわね」

 

「なんだろう、否定したいのに全部事実なんだけど。そういうのロジハラって言うんだよ」

 

「あなたのやっていることは犯罪と言って差し支えないと思うのだけれど、どうかしら」

 

「さっきからチクチク言葉が止まらないね。なんで?」

 

「あなたの行動が全て原因よ」

 

ぐぬぬぬ、読書の片手間で私を傷付けやがって。というか紫陽花が幼馴染でずっと一緒にいたらこうなってもしょうがないでしょ。生紫陽花を長期間に渡って過剰摂取してきたんだよ?無理じゃん。普通の人間にはなれないって。

 

だから紫陽花が悪いんじゃない?私をこんなにした紫陽花が悪い。うん、そうに違いない。だから責任取ってアジサニウムを提供するべき。

 

「……またしょうもないことを考えていそうな顔ね」

 

「さっきからずっと失礼なこと言ってる自覚ある?」

 

「あなたが言わせてるってことくらい分からないかしら」

 

ひどいや。なんでこうズバズバ言ってくるんだ。コミュニケーションって分かる?人を傷つけることがコミュニケーションじゃないよ?

 

「……紗月って友達いるの?」

 

は?

 

こっわ。

 

「なにかしら、まるで私に友人と呼べる存在がいないかのような言い草ね」

 

「いや、だっていないじゃ――」

 

ハッ!違う!ここまで来て思い出した!いる!紗月にも友達がいるぞ!だから怒っていたのか!友達がいるのにいないだなんて言われたら傷つくよね!そりゃめっちゃ怖い顔でこっち見てくるよね!

 

「ごめん、間違えたよ。私がいたね」

 

「……フッ」

 

「鼻で笑った!?」

 

なんだコイツ!

 

「あなたはどこまでも頭の中がお花畑なのね」

 

「ねえ、やめとこ?私を煽るのやめとこ?私が友達じゃなくなったらぼっちになるよ?」

 

「じゃあ今と何も変わらないわね」

 

「変われよ」

 

紗月と友達ですらなかった模様。入学初日から仲良くしてきたってのになんて薄情なやつなんだ!

 

……いや、待て。普通の高校1年生はここまで斜に構えていないし拗らせていないはずだ。我ら花の女子高生ぞ?つまり、過去に何かあったと考えるのが妥当。いったい何があったらここまで……かわいそうに……。

 

「大丈夫だ、私は紗月の友達だからな」

 

「……なにかしら。あなたのその目、心底不快なのだけれど」

 

「ふふ、照れなくていいって」

 

「ちょっと黙ってくれるかしら」

 

「さっきからひどくない?ワタシ、トモダチ。オーケー?」

 

「なぜカタコト……?押し売りってこういう感じなのかしら」

 

人の善意を押し売り扱いしやがったぞコイツ。人の心とかないんか?

 

「ほら、もう時間だから前を向きなさい。目障りよ」

 

コイツ……!!コイツぅ……!!絶対いつかぎゃふんと言わせてやるからな!!

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