「とりあえず今夜はサウスサイドで寝ようか」 講習があったノースサイドでも良いんだけど、遠くてめんどくさいし部屋がない事が多いらしいからね。 その場合ソファで寝なきゃいけなくなる。
:だな、日も暮れてきたし:
:そしたらさ、夜ご飯食べたら一度出よ!: タッチーが言う。 :ジムがね、真ん中の塔なんだけどね、夜だととっても綺麗なの:
「あーなんか聞いた事あるな。 プリズムタワーだっけ?」
:そーそー! 凄いよー!:
:なら行くか:
「せやな。 はねださんもそれでいい?」
:いーよー。 キラキラすきー: 髪の中から聞こえる声は嬉しそうだ。 キラキラか、なんかアクセサリでも買ってやるかなー。 女の子だもんな。
女の子といえばタッチーもそうか。 ジョカは男だけど、集めたがりだからな。 何か欲しい物があるかもしれない。
「なあジョカ」
:なんだ?:
「リボンとか買おうか?」
:今の会話がどうなってそこに辿り着いたこの阿呆:
怒られました。 なんでや。 絶対ピンク色のでっかいリボンとか首に結んだら可愛いだろうに。 とりあえず部屋を取って財布と上着以外の荷物を放り込んだ。 夕飯は『さっぱり!大根おろしと食べるカントー風唐揚げ定食』と抹茶アイスにして、清涼感を楽しむ。 ジョカはどうやったのかしこたまポケフーズを食った後だというのに、ペロッとアイス各味大盛りを完食。 タッチーにはいちごとクリームのポフレを、はねださんにはミアレスペシャルレモンポフレをあげて、デザートも終了とする。 ……研究所で舌が肥えたのか、タッチーにポケフーズを改良してくれと言われた。 ふりかけでも見てみるかな。 タッチーは甘いのが好きで辛いのが嫌い。 はねださんは酸っぱいのが好きで甘いのが嫌いだから、うーん。 とりあえず店を回ってみようか。
「あ、そういやジョカさぁ」そういやジョカの好みは知らない。 意外と甘いのが好きとかの可能性もある。
:ん?:
「お前どんな味が好きなん?」
:……特に好きな味も嫌いな味もないぞ: 満足したのか爪楊枝で歯?を綺麗にしている。
驚きすぎてスプーンを落とした。 はねださんに変な顔してるーと言われたが、気にする余裕が無い。 つまりこいつの性格は照れ屋か頑張り屋か素直か気まぐれか真面目って事なのか?! てっきり図太いとか生意気かと思ったら!
:そんなびっくりしなくても、いいじゃあないか?: やけにゆっくりとジョカが言う。 横目で見てくるその顔からは感情が読み取れない。 意外と普通の性格が恥ずかしいのか! 恥ずかしがってるのか! こやつめ可愛いな!
「いや、だってお前さ、お前がてれやとかまじめとかがんばりやとかありえないじゃん。 お前の性格、ずぶといとかなまいきやん。 マジないわー」
ぷふーって笑ってやるとこいつ何言ってんだって顔をされたと思ったら、チョップされた。 わりと痛い。 まあ甘んじて受けよう。 煽ったのはこっちだ。 まじめは普通にありえるもんな。
:お前はどう見ても生意気だなぁ?: 凄まれた。 怖い。 特防は高くないと思うんだけど。
「じゃーなんなのさ」
:すなおだ: ふんぞりかえるジョカ。
「……ぶふっ」それこそありえない! そして直後にこめかみへげんこつドリルをされたのもありえない。 くっそ痛い。 これ本気でやられたんじゃね? 情けない声が出てしまって恥ずかしい。 あ、残りの二人は避難してました。 酷いね!
料金を支払って食堂を出る。 貰った地図の通りにプランタンアベニューを抜け、メディオプラザまでたどり着いた。 見る限りいろんなカフェとかもあるらしい。 そのうちのカフェ・バタイユって所ではバトルのアドバイスとか教えてくれる人が集まるそうな。 よし明日行こう。 お昼はついでにそこで食べよう。 16番道路の門の近くだな。
そこまで決めると、僕は地図から目を離し、目の前にあるそれを仰ぐ。 ライトアップされている白い建物は、とても大きくてとても綺麗だ。 無骨さが良い感じにシンボルとしても作りやすそうで、グッズとかにしやすそう。 この頂点にリーダーシトロンが居るのか。 一回ぐらいなら挑戦しても良いかな! クイズやってみたいし!
「という訳で皆さん、三日後この塔を登りまーす」
:思考経路を説明しろ:
「クイズやりたい!」 クワァっと目をかっぴらいて宣言する。 クイズ楽しみたい!
:駄目だこいつ、なんとかしないと:
:だね: タッチーまでもが同調した。
僕の扱い、段々酷くなってってない?
性格ごとの好みは、好きな味は把握しているものの、嫌いな味はまだまだ把握していない主人公。 仲間たちの本来の性格はまだ完全に理解していません。 なのでひねくれているにも程があると思っているジョカの基本性格がすなおという事に、心底驚きました。