螺旋の唄 (裏)   作:Ahoo

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あらすじの続き:
何が言いたいかっていうと、全国No.093のゴーストは性別色違い個体値すべて関係なしに世界に存在しているおよびしうるすべての個体が私とオリ主と、同じようにゴーストを愛する人達の嫁。



1. プロローグ

後ろから響く、複数の走る音に追い立てられて逃げる。 普段走る事のない自分のことさら弱い肺が、激しい運動と冷たいまま送られてくる空気に悲鳴をあげている。 ひどく暗い木々の下を地面の起伏と植物に躓かないよう進むが、ほぼ外に出ない自分はそもそも走るのが上手くない。 いつもと違ってスニーカーを履いていたのだけは運が良いと言うべきかもしれない。

 

なんとか少し振りきって、記憶の通りに開けた場所に出た。 明るい銀色の光が自分と、鈍色の網の壁と向こうに広がる深い沼地と、網に結ばれた黒と黄色の縁取りの警告板を朗々と照らしだす。 少しだけ空に目をやれば、憎らしいほどに綺麗な満天の星と真円の月。 微かに声が近づいてきて、また走りだした。 左の方に穴が開いていた場所があったはず。 そこから入って、中にある管理小屋に隠れよう。 雪が積もっていなかったのも運が良いと言えるだろう。 

 

なんとか入り込んで部屋を幾つか渡り、物置部屋に適当に配置されている、一見歪みすぎて開きそうにないクローゼットの一つに身を潜めた。 ゲームなどでは条件さえ満たせば完全なステルス防具であるこの携帯型密室は、現実では悲しいかなそういう属性はないので、こういう事もあろうかとしっかり内側に接着しておいたフック2つと置いておいた縄で施錠する。 もちろん結び目が解けなくなった場合の鞘付き小太刀も、補充済みの待機用グッズも完備してある。 こうまでしなければ追ってくるあいつらは本当に何を考えているのだろう。 今夜だって親に言われて買い物に出ただけなのに。 完備しておいたクッションに尻を沈めて毛布に包まる。 隙間風が無いとはいえ、冬はどうしても寒い。 マフラーとアルパカ毛の帽子で頭と胸を念入りにくるんだ。

 

扉が開く音がして、複数の声と足音が建物内に響く。 声の高さや動きの乱雑さからしてあいつらだろう。 可能性は考えていたけれど、やっぱり穴を見つけていたようだ。 なんとも躾の悪い笑いを交わし合いながら探しまわっている。 少し待っていると、一人がこの部屋の中にライトを向けてきた。 ここは緊急事態にしか使われないような物しか置いていないのでほぼ埃をかぶっているが、目ざとい奴ならこのクローゼットの蝶番にだけオイルがさされていたり、床は綺麗だという事などに気づくだろう。 しかしやはりは野生の子供と言うべきか、そこまで賢くはなかったようだ。 内部の状態を仲間に報告した後扉を閉めた。 しかしもちろん待機は続行する。 息をさらに殺し、カウントを開始する。 大体三分もたったぐらいだろうか、舌打ちの音が聞こえて出て行く足音が聞こえる。 扉は開けっ放しだ。 青鬼でもやったのだろうか。 あいつらにしては少々賢い炙り出し方である。

 

観察や張り込みの半分以上は痩せ我慢だという名言を知らないのだろうか。 今どきの田舎者はアニメすら見ないらしい。 後は出て行くまで待つだけだ、なんて事を思っていたら今度は全員で入ってきて物色し始めた。 アホか。 大人達に怒られるとも考えないのか。 延長でこのクローゼットも開けようとするが、開くわけがない。 ならばと小窓から覗こうとするが、上向きなのでどうやっても不可能なのは自身で実証済みだ。 また舌打ちが聞こえて、今度は蹴った。 どんな育てられ方をしたのか?

 

今度は何をするのか、集まって小声で相談を始めた。 終わったと思ったら、何やら自分がはいっているここの周りでシュルシュルと音がし始めた。 若干焦りを感じていると、ノックされて声が聞こえた。

 

「おーい、入ってんだろ? 水臭いなー、テンコーセーをトモダチノワに入れてあげよーと思っただけなんだぜー?」

 

品のない笑いが一斉に上がる。 バレてたのか。

 

「でも俺らは優しいからな、こーんなに嫌がられてもまだ手を差し伸べてやるんだからなー。 じゃ、ちょっと今思いついた新しい遊びしようぜ? とりあえず外に一緒に行こうか」

 

言うが早いかクローゼットが倒されて、持たれて運ばれる。 空気が一段と冷たくなって喉が詰まり、風が聴こえる。 外って?

 

「俺の親父が言うにはよ、釣りすんのが友情深めんのにいっちゃん良いんだってよ。 だから釣りしようぜ? 餌はお前な!」

 

は?

 

「あ、ダイジョブダイジョブ。 その中に水が貯まるのそんな早くないだろうし、まー2,3分ぐらいで引き上げてやんよ。 そしたら出してやるから、次は水泳しよっか」

 

下卑た笑い声が響く。 頭大丈夫か? いくらそろそろ高校生になるのが七人だろうが十人だろうが、人間一人の体重と鉄の箱一杯の水の重さを水中から持ち上げられる訳がないだろう。 慌てて小太刀を探して鍵代わりのロープを切る。 開かない。 あいつら何か結びやがったな! というかその前に喘息悪化して死ぬ!

 

むべなるかな、箱は沼に放り込まれた。 そこかしこの隙間から凍える液体が浸水し、体の冷えと恐怖でさらに気道が収縮し苦しくなっていく。 段々と落ちる速度が早くなっていき、比例して嵩が増える速度も上がっていく。 胸まで来た時には、酸欠でほぼ何もわからなくなっていた。 膝が崩れて生ぐさい沼の水に頭まで沈んだ気がした。

 

 

 

 

 

 

さわさわと奏でるそよ風の音、微かに香る花畑の香り、いやに不明瞭だけれども凄く近い不特定多数の話し声、そして煩い機械音で目が覚めた。 しかし意識がはっきりした頃にはすべて消え失せ、今はただ耳鳴りがする程に完全な静寂が広がっている。

 

クローゼットの扉を開けてみる。 不快な音を立てながらではあるが、簡単に開いた。 壁も地面も見えない真っ暗闇だけれども、不思議と自分自身と近くのものだけは鮮明に見える。 あいつらが結んだ紐は消え失せていた。

 

いい加減耳が痛いので、大きさを調べるのも兼ねて四方向に叫んでみる。 反射してこないので凄いだだっ広い場所なのがわかった。 絶望も大きくなった。 こんな所に居ても仕方がないので、小太刀、待機用グッズ、毛布とクッションを装備して歩きはじめる。 なぜか自分も含めてすべて完全に乾ききっており、沼の臭いも感じなかった。

 

どれくらい立ったのか、歩いて休んで歩いて休んでを何度も繰り返した。 水も食料も2回前の休みでつきてしまったが、出口も何も全く見えず、何の変化もない。ずっと一人きりで、こんな所を歩いている。 これが死後の世界だと言うのなら、まず生理的欲求をなくすべきではないのか。 そもそもこんな所に送られるほどの罰を自分がしでかしたのか。 どちらかと言うとあのいじめっこ共に与えられるべきだろう。

 

疲れて座り込むと涙が出てきた。 諦めが胸に湧いてきて、顔を膝に埋める。 ため息を付いて身を固くした。 おなかがすいた。 どれくらいそうしていただろう、蝋の溶けるにおいと気遣うような問いかけが前方からやってきた。 ついに幻覚でも見始めたかと思って顔を上げたら、なんという事でしょう。 そこには蟲師のギンコのような髪型の、金目を持った蝋燭のような生き物が一匹立っており、こちらを伺っていたのです。 体は白色で、炎の色はどうやって酸素を調節してるのか、綺麗な白青色に輝いています。

 

 

 

あっこれ食われるパターンですか?

 

 

 

 




最初な上にぼっちだから独白が主ですね。 関係無いですが作者もぼっちです。

5・11・15
あらすじの続きを改定
あとぼっちじゃなくなりました
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