というか書き溜め分がアカンレベルになってきたしさっさとプロローグを終わらせたい
クリスマスは喪女同士で傷を舐め合ってました
泣いていると、何かの湿った物体が手に触れた。
急激に春のような暖かさに辺りが変わる。 混乱が収まり、息が楽になった。 空気がスルリと肺に入ってくる。 濡れた顔をあげてみると、青い肌の堂々たる体躯の雄鹿?が目の前に居た。 手を突いてきたのは鼻だったようで、顔がまさにキス5秒前の距離の近さ。 そしてこんな精神状態でも流れる[目が逢う瞬間]。 さすが名曲。
真っ青な目に、瞳孔はアルファベットのXの形。 上の方を見てみると、樹の枝のような大きな角と埋め込まれた、光り輝く色とりどりの宝石が見える。 泣くのも忘れて呆けていると、満足気に鼻をならして体を離された。
雄鹿の体の下の方は黒基調で、ところどころに白で縁取りがしてあるのが見える。 胸元には刃物の柄のような物が左右に生えている。 尻尾はふさふさで可愛らしさを演出し、足は剣のように尖っている。 バランス感覚どうなっているんだろうか、その足で器用にも優雅さを醸し出していた。
見つめているとクイッと首を左に振られた。 その仕草がどう見ても「ついてこい」で、慌てて湖の縁に置きっぱなしだった荷物を取りに走る。 拾い終えて振り向くと、鹿がすぐ前に来ていた。 え、と見上げると足で意外と思い切り突き落とされた。 冷たいはずの水の膜を体で切る。
しかし、何故かすぐに背中が底につく。 そして水温も格段に高い。 身を起こしてみると、なんという事でしょう。 そこは暖かな森の中でした。 石づくりの浅いプールらしき物は周りより一段高い、明らかに人工物の祭壇の上に安置されており、少々遠目には鬱蒼と生い茂った実の生る木々とどこに通じているのかわからない粋な小道が見えます。 その合間には海と見まごうばかりの花畑が広がっており、風に良い香りを移しては揺れていました。 まさに匠の技と言えましょう。
そんなことはどうでもいい、また変な所に来た事の方が重要だ。 後ろで水が滴り落ちる音が聞こえて振り返ってみると、鹿がジャイアント水盆から出る所だった。
「あの、」 ん? と鹿はこっちを見る。 「何でここに」
最後まで言い終える前に、安心させるように目を一度閉じて、鹿は巨体に似合わない軽やかさで森の奥へと消えていった。 何が大丈夫なのだろう。 なんだかこの世界は自己完結するヒトが多い気がする。 そういやポケモンの主人公が喋らないのはまさかそういう事だったのか。 短い人生の中で悟ってしまったのか。 だからサトシ、なのか。 なんという真理にたどり着いてしまったのか……
アホな思考を打ち切ってとりあえず周りを良く見渡してみると、影に隠れたいくつかの目らしきものが見えた。 先輩達なのだろうか? とりあえず水から上がり、荷物も引き上げる。 電子機器が入ってなかったのは僥倖だけども、2冊とは言えど本はやっぱりというかお亡くなりになっていらっしゃった。 いや、乾かせばワンチャン?
荷物の中身と一縷の望みをかけて本を干し、ほぼ無いコミュ能力を駆使して一対の目に話しかけに行ってみる。 そしたらなんと、そのとっても大きくて可愛らしい目の持ち主は対向するように姿を表して、威嚇とばかりに青い口を目一杯開けて声をはりあげた。 可愛い。
一瞬の戸惑いを覚えたものの、そんな不要な感情や思考はすべて捨ててすぐさま跪き懇願せよと今までの知識と勘と記憶が命じたのでそうした。
「結婚して下さい」
と、目の前の世界一可愛い全国No.093、ジョウトNo. 059、シンオウNo.070(身長1.6m、体重0.1kg)のゴーストに。
彼?は呆けた後、口を閉じた挙句逃げた。 逃げる姿はまさに蝶々。 後ろ姿は霞草のように可憐でふんわり。
だから僕は、セイレーンの歌声に狂った船乗りのように追いかけた。 逃してなるものか……!
主人公は嫁ポケの事なら図鑑ナンバーのみならず身長体重種族値生息地など全部覚えてます。 ストーカーです。 私はせいぜい図鑑ナンバーと身長&体重ぐらいなので当てはまりません。
ちなみにゴーストちゃんのカロスNo.は031です。 もう図鑑ナンバーまで可愛く見えてきてるので多分末期なんでしょうね。