螺旋の唄 (裏)   作:Ahoo

5 / 21
見なおしする→さらに長くなる のポシティブスパイラルがでてます
しかしつけたさないとほぼ淡々と状況描写してるだけっていうね

これとあと一話終わればやっと動きが出る事を支えにしていきます


4. おいでませ森の病院

「ピッピ♪」

 

可愛らしい声とともに、体が揺さぶられる。

 

「ピッカーチャ!」

 

寝ているというのに背中に衝撃が来る。 頭突きでもされたか。 煩いと追い払ってさらに惰眠を貪っていると、ねちょりとした感覚が足を襲った。 さすがに原因が気になったので体を起こして足のほうを見てみる。 すると、人の足の上に乗ろうとしているベトベトンと目があった。

 

「……やあ」 体を支えていない右手を上げた。

彼女は左手を上げた。

 

 

 

 

 

 

この深い森に連れて来られてから大体五ヶ月。 その間僕が何をしていたのかというと、ほぼ何もしていないし要求された事もない。 迷子の連絡が来たからとりあえず保護してみた、というのが一番近いと睨んでいる。 しかし迎えに来てくれるような保護者は居ない。 現実なら施設コースか。

 

僕が居住地と定めたのは、祭壇がある花畑からどれくらいか歩いた所にある、小高い丘の浅めの石造りの横穴だ。 周りの木々は一体どれほどの年齢なのか、とても太くて高い。 その横穴は一応木に囲まれてはいるものの、近くにだだっ広い草原があり、丘を回って少し歩くと砂利縁の川もある。 周りの木々にはいつも木の実が無数に生っていて、けして餓える事はない。 僕はそこに板切れを敷き詰め、落ちた葉っぱやらを乗せ、ベッドらしき物体を作ってそこで寝ている。 定期的に変えれば腐敗臭を嗅ぐ必要もない。

 

とりあえずの朝の日課として、その川に水浴びをしにいっている。 まとわりつく小さい子達を踏まないようにしながら歩く。 いくら丸っこいとはいえ、砂利は砂利なので森や草原エリアでは履かない靴を持っていく。 それが終わったら枯れ木を集め、皆で協力して採った木の実と野生の野菜で朝ごはんだ。 肉が恋しいと思う時もあるけれど、身体的には別に必要とはしていない。 ビタミンB12が木の実の一部に含まれているのか、そもそも必要としていないのかはまだわからない。

 

それより照り焼きのタレをこの鶏肉っぽいなんかの木の実に塗って焼いて白米で食べたい。 今できるのは、簡易版グリルに仕立てた石組の竈っぽい何かで焼いて、見つけた岩塩を砕いて作った塩を振るだけ。 味醂と醤油を半々で合わせて煮詰めて鰻のタレを作りたい。 醤油と酢を合わせて餃子のタレを作りたい。 それでほっかほかの炊きたての白米をかっこみたい! そしてお野菜にはマヨネーズをまるで主食かのようにぶっかけたい!

 

そんな具体的な身体的欲求は置いておく。 この森は自然治癒を謳う病院のような場所なのか、傷ついた子達は皆ここに来て治るまで休んでいくようで、どうもなっていない子を見かけた事がない。 その上、どういう所にあるのか、どれくらい歩いてもどこにも出ない。 延々と森が続き、疲れてあの草原に帰りたいと思えば次の木の向こうにそこがある。

 

ここには様々なポケモン達が来る。 左角?を失ったジュペッタやら最初は近づいたらうずくまって頭を隠していた、とりみあん?らしいもふもふワンコ、羽がボロボロだけど陽気なズバット、さすがにビビった毛無しの無気力オタチ、人懐こいけど色も薄くて所々カビが生えてる花の妖精のようなフラベベ、その他知ってるのも知らないのも各種色々を見る事ができた。 しかし金銀、良くてHGSSで知識が止まってるから、教えてもらえるまでどの子がどういうポケモンか大体わからない。 一応有名なカイオーガとかならわかるんだけども伝説系は来た事がないし、一般種族は流石にあんまり知らない。

 

こうなるとおそらくあの鹿もポケモンなのだろう。 が、あんなのは見た事がない。 他の子達とも違って話せないけど、フラベベやピッピ(可愛い)やブルー(凛々し可愛い)とは意思促通ができているそうだから、発声方法が違うだけなんだろう。 現にそういう可愛い系と鹿が話しているであろう時には何も聞こえてこない。 ネトゲでいうギルチャやフレチャっぽい。

 

とりあえず何もしないのに居候させて貰ってるのは心苦しいので、色々と困っている子達の手伝いをしたりしている。 例えば他の子達から教わりながら看病したり、要望を聞きながらのマッサージ師ごっこしたり、遊んだりブラッシングしたり、一緒に不協和音を歌ったり、森から木の実を取ってきてあげたりとかしかできないけれど、大抵は皆喜んでくれる。 それでも中々元気にならない子には鹿がいつの間にかついている。 時折まだ治ってないのに居なくなる事もあるけども、大体の子は元気になってから消えている。 皆どこから帰っているのか鹿に聞いてみた事もあったけれど、首を振られるだけで終わりになった。

 

だからなのか、わりと入れ替わりが激しい。 それでも元毛無しのオタチ♀(タッチー)、片耳ジュペッタ♂(ジョカ)とツンデレ色違いゴースト♂ちゃん(名前はまだ無い)だけは変わらずここにいる。 ちなみにジョカにペッタと名付けようとしたら、少し無言で見つめられた後に腰を入れてビンタされたのは相当痛かった。

 

そんなに嫌だったのかと聞いたら正座させられた挙句、男相手にそんな名前の発想が出るのがありえないレベルでおかしいと説教された。 大人げないと主張したいが、そんな事をしたら追撃が来る。 イタズラ仕掛けたら真ん中の角?を巧みに使って凄く痛い頭突きしてくるし、年齢差とか色々完全に無視してくるあの性格はどうにかならないものか。 えぐり込みとかどこで習ったんだろう。

 

ここの生活はとても楽しい。 ゴーストちゃんに日課のプロポーズをするも逃げられる。 川で洗濯物を水洗いしていると水タイプが寄ってきたりする。 野原で寝転んでいると日課の集団昼寝大会が開催される。 ゴーストちゃんを追いかけるも逃げられる。 食事のためにきのみを取ろうとすると森住まいの子達が手伝ってくれる。 夜にゴーストちゃんを探して帰ってこなくてヨノワールさんとジョカに説教をくらう。

 

餓えることはない。 病気になることもない。 雨風を凌げる屋根がある、皆が優しい世界。

 

 

 

 

僕はここが好きだ。




最近「カイオーガを探して」っていうここの小説を見つけたのですがめっさおもしろいですねあれ
ほぼ常にマスク被ってる変態(褒め言葉)とかどうやって思いついたんでしょう
というかマスクを自在に動かせるとか新種のポケモンかなんかですか
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。