型月でセレビィ()に目を付けられた男の末路   作:どういうことか説明しろユキナリ

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第21話

「暇だなぁ」

 

「こと今のおまえに限って言うのなら、それが大正解でしょう」

 

 

 

 耳の痛い話である。

 この……3ヶ月? 本当に魔力が回復する気配がない。

 眼の方もさっぱりだ。

 

 

 

「魔力はともかく、眼が使えない状況ってのは一体どういうカラクリなんだかね」

 

 

 

 魔眼の性質を殺す道具、魔術や結界か。

 ……しかしこの島に魔術的な痕跡は見つけられなかった、結界ではない。

 となると。

 

 

 

「俺自身に魔術がかかってる」

 

「……」

 

「いや、この類は呪いに近いな」

 

 

 

 そうすると誰が何の為に、ってのが気になってくる。

 聞いてみるか。

 

 

 

「お前、何で俺呪ってるんだ?」

 

「はぁ? 私が何でおまえにそんなことしなきゃならないのよ」

 

「それがわからないから聞いてんのさ」

 

 

 

 そこが分かったら苦労しないんだわ。

 情報から感情の部分云々を導き出すってのは、これが中々難しい。

 大量の、しかも多方面からの情報を正しく精査しないといけないからな。

 

 こんな状況でかつ俺の主観マシマシな情報だけじゃ無理よ無理無理。

 俺は名探偵じゃあないんだから。

 

 

 

「知らない、それが答えよ」

 

「それは呪いかその動機、どっちのことで」

 

「どっちもね」

 

 

 

 答える気はない、もしくは本当に知らないのかね。

 しかしこんな状況で得する第三者が本当にいるのか?

 不可思議な点が多いなぁ。

 

 

 

「しゃーねぇか、今の間はのんびり過ごすしかない」

 

「む……」

 

「ん?」

 

 

 

 なんだ不機嫌だな?

 

 

 

「当然よ、私のことを不満だって言われてる様なものじゃない」

 

「……いや、そういう意味じゃないんだが」

 

「そう言ったも同然って言ってるの」

 

 

 

 いやおい、そんな当たり判定でかい物言いされても困るが。

 話せば話すほどツンの者としか見えなくなってくるの面白いなこの果実娘。

 

 

 

「果実娘って何よ!」

 

「つってもお前名前忘れたんだろ、じゃあ今ある情報から呼び方決めるしかないってなるじゃんよ」

 

 

 

 真偽を図るなんて器用な真似はできないし、基本信じるか疑うかよな。

 

 

 

「その辺に生えてる果実ばっかり持ってきてるから果実娘。気に入らないなら好きな呼び方決めてくれ」

 

「……」

 

 

 

 そう言うとなんか割と真面目に考え始める果実娘。

 そんな真面目に考えることかい。

 

 

 

そのままでいいのかしら……それとも思い切って……

 

「何をごちゃごちゃ言ってんだ?」

 

「うるさい黙ってて」

 

「ひっでぇや」

 

 

 

 ……。

 馬鹿みたいに平和だねぇほんと。

 こんなにずっと平和なのは美遊、シータ以来か。

 

 ……シータのとこはシータ"が"平和だっただけでもあるが。

 過去の時代なんてそんなもんよ。

 

 

 

「……ィ」

 

「ん?」

 

「そうね、そうよ、今の私は記憶ないんだから……」

 

「なんか怖えなそんなこと呟かれんの」

 

 

 

 何、ド級のあだ名でも呼ばせるつもり?

 ツンデレって変なところで覚悟決めさせられがちよな。

 

 

 

「エフィ」

 

「……エーフィ?」

 

「エフィよ難聴男! しっくり来るからそう呼んで」

 

「へいへい、忙しい奴だなぁエフィさんはよ」

 

「さんは無し!」

 

「はいよ、エフィ」

 

 

 

 ……というわけで、お先真っ暗ではあるのだが、エフィ(仮称?)の少女とのんびり過ごしてる。

 こんなんじゃ鈍りそうでなんか複雑だ、早く治って欲しいもんだね。

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