凛としたクールビューティな彼女が二人だと依存度高い女の子だと、余計に可愛く思えるよねっていう同意を得たいがための小説。

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新年、明けましておめでとうございます。
昨年末は冬コミに参加していたのですが、やっぱり創作活動ってよいものだなって思い、思いついたネタを書きました。
完成したので投稿します。


普段クールビューティな彼女が依存度高めなら最高に可愛いよねって話

 眠りから覚めると同時に匂いを感じた。シャンプーの匂いだ。触覚も感じられるようになって目を向けると、彼女が自分の胸元をつかんで眠っていた。

 あどけない顔に不安げな表情と閉じられた瞼からにじむ涙。脚をたたみ、すがる相手の体に収めるような体勢は、温もりを逃さないようにしているかのようだった。

 黒く長い髪とキャミソールからのぞく白色の肌と鎖骨の浮きでた形は、思わずキスを落としたくなる。少しだけ想像してしまってか、余計なところに血がたぎってしまった。

 意識が向いている箇所が彼女の下腹部に触れる。誤魔化すように、彼女を抱きしめた。

 彼女の方からも無意識か密着される。柔らかな感触にさらにドギマギする。

 深呼吸をしてもより強く彼女を感じてしまうだけで、冷静になれなかった。

 心頭滅却(しんとうめっきゃく)色即是空(しきそくぜくう)

 空虚な言葉を念じてみれば、力が入ってしまったせいか彼女の吐息が漏れる。その音色で頭が冷えた。

 彼女の頭を撫で、もう一度目を瞑る。

 大切な人を優しく包む。相手の温もりを感じられる安らぎの代わりに、自分の熱が相手の心を温めることができるように。

 思えば再会して、同棲するようになってから幾度となくくりかえしてきた。

 夜色に浮かぶ、涙を誤魔化した表情に手を伸ばしたときから彼女に心が囚われている。

 昔の笑顔にあふれた彼女とひび割れた硝子に閉じこめられているかのような表情をしている彼女。

 小学生のときも、今も、彼女に惹かれてしまう。

 言葉にしてしまえば好きな理由を大したもので表現できないけれども、これが運命の人なのだと思う。

 だから彼女が求めるような人でありたい。ただそばにいるだけで心が安らいでもらえるように努めたい。そのためにも理性的である必要があると言い聞かせる。

 ときには、穢してしまいたいと思うこともあるけれど、たとえ彼女が求めるとしても、ただの男と女の関係でありたくはない。大切にしたい。

 自己満足でしかないのだけれど、それが一番の誠実だと思う。

 そんな思考が彼女の身じろぎで止まる。瞼を開けてみると、うめく彼女の瞼が開きそうになっている様子が見えた。

 

「朝だよ」

 

「うぅん」

 

 余計に顔を胸元にこすりつける様子は猫のように愛らしかった。彼女の頭を撫でると、ようやく目が合う。

 

「あさぁ?」

 

 まだ寝ぼけた様子の声音に顔がにやけそうになる。普段のクールビューティーな様子からは全く想像がつかない可愛さだった。

 

「まだ眠る?」

 

「うぅん」

 

 何を言っているのか理解できていないのか、うめくだけだ。

 

「まだ眠るのかな?」

 

「うん……」

 

 消え入りそうな声の後に、かすかに開いていた瞼も閉じられる。

 まだ寝ようとしているようだけれど、さすがにそろそろ起きないと、予定が間に合わなくなってしまう。

 掴まれていた胸元から優しく彼女の手を離す。指を広げることはなかなか気を遣ったけれど、どうにか目を覚ませることなく終えた。

 ゆっくり起き上がって、ベッドから離れようとする。

 もう腕も届かないところで袖を引かれる。うつ伏せの彼女が指先で捕まえていた。

 

「どこにも行かないで」

 

 くぐもった声に近づいて頭を撫でる。

 

「朝ごはんを用意してくるだけだよ」

 

「それでも……そばにいて」

 

「仕方がないなぁ」

 

 ゆっくり彼女の体に手を触れて、抱き上げる。

 

「ふぇ?」

 

 宙に浮く感覚でようやく頭が動き始めたらしい彼女が戸惑いの声をあげる。

 

「これなら、もうしばらくはそばにいられるからね」

 

 すぐに顔が赤くなっていく彼女から目を逸らして、リビングへ向かった。

 今日の朝ごはんは、アップルパイ、ゆで卵と鶏肉を合わせたサラダ、温かい紅茶にした。

 別に愛らしい赤くなった顔がりんごをイメージさせたからではないと残しておく。

 作っている間、赤くなったままの顔でジト目を向けていた彼女への弁明だ。




それでは今年もよろしくお願いいたします。

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