スーパーロボット大戦 無限戦争 マリ・ヴァセレート包囲網   作:ダス・ライヒ

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軽キャノン
機動戦士ガンダム ジークアクスに登場する連邦軍の急増モビルスーツ。
異世界から持ち込まれたのか、惑星ファウンに大量に出回っている。
強奪された所為でデータが不足しているのか、連邦軍や同盟軍の現行機からすれば、博物館レベル。

軽キャノン連邦軍仕様/ジェムズガン・キャノン
上記の軽キャノンの改良型と言うか、ジェムズガンの生産ラインを使って生産された連邦軍仕様の軽キャノン。
小型MSであるジェムズガンをベースにしており、多少なりとも現行機には戦える。
見た目は右肩にビームキャノン砲をのっけただけのジェムズガン。ジェネレーターを強化するためか、バックパックが大型化している。

一式歩行型地上歩兵機「チハ」
大宇宙大和帝国軍が開発した地上用モビルスーツ。外見はネオジャパンの地上用MSであるノブッシに似ている。
主に陸軍で運用されており、チヌと同じく高い汎用性と生産性、操縦性の高さから幅広く配備されている。最初期に開発されたためか、後継機の登場で後方に回される機体が多く、主な配備先は後方と拠点防衛である。
なぜか、ファウンにだけは大量に配備されている。

ケンジロー・カブト/兜剣児郎(かぶと・けんじろう)
大宇宙大和帝国軍に属する若い士官。年齢は20歳で階級は少尉。
武士階級の上級武士の出で、その中でも最も好戦的な兜一族の者だが、優しい性格をしている。
機動戦士ガンダム 烈火のジャブローに登場したケンジロー・カブトと瓜二つと言うか、別宇宙のケンジロー。
乗機は一式歩行型地上歩兵機「チハ」
キャラ原案はオリーブドラブさん

名前:スパルタン・レイヴァー(本名:クリス・レイヴァー)
性別:男性
年齢:25
身長:191cm
武器:MA37アサルトライフル
階級:少尉
出身:UNSCの植民地惑星(コヴナント戦争の際、ガラス化)
ミニョルアーマーの外見:適正者でないため、スパルタンⅢ用
概要:元々はそこそこ裕福な家庭に生まれた男性。しかし戦争に巻き込まれ、両親が自分を庇って死亡。
力を欲し軍に入隊。士官学校に入って卒業したが、更なる力を欲してスパルタンⅤに志願。術後も両親に助けられたからこそ、生き残るために努力を続ける。
そんなまとも寄りの人格の為、スパルタンⅤ内では孤立しがちであり、なぜ前世代のスパルタンⅣに志願しなかったと言われている。
キャラ提供は熱望者さん


第3話

 続々とファウンに自分を包囲して捕まえようとする連邦軍や同盟軍の部隊が集結していることも知らず、異世界へと行ける装置がある遺跡を目指すマリ・ヴァセレート。

 

「こいつ等、しつこい!」

 

 そんな彼女は今、連邦軍の基地から盗んだのか、MSである105ダガーを駆ってMSを有するファウンの民兵団と交戦していた。

 

「あのダガーに乗っている女が、賞金首か!?」

 

『あぁ! 奴を生きて捕まえれば、このファウンから出られる金が手に入る!』

 

『俺たち全員が出られてお釣りがくるほどの賞金だ!』

 

「連携を取って追い込め! 連邦や同盟の連中のようにな!」

 

 マリのダガーを追い回しているのは、このファウンで大量に出回っているモビルスーツである軽キャノンを駆る現地の者たちだ。

 

 一年戦争時に活躍した傑作量産型モビルスーツであるRGM-79「ジム」と同じ型式番号を持つ右肩にビームキャノン砲を装備したMSは、お世辞にも現行機どころか、二級戦扱いされている機の性能より遥かに劣る。

 それもそのはず、軽キャノンはジオン軍にガンダムとデータを奪われた世界線で開発されたMSであり、どうにかして採用化した急増品と言っても過言ではないMSであった。この世界では、大きなモビルワーカーと言っても刺し違えないだろう。

 

 マリが操縦する105ダガーよりも遥かに劣る性能であるが、重支援型MSのガンキャノンとは違って量産タイプ以上に機動力が高く、七機と言う数の有利と連携を活かして追い込もうとしている。

 

「調整する暇もない!」

 

 対するマリはモビルワーカーレベルの軽キャノンなど相手にならないはずだが、調整を済まさずに戦闘を行っているため、機体に足を引っ張られて苦戦していた。

 戦闘中でも調整をやってのける器用さを持つマリたが、ダガーはガンダムタイプとは違って装甲は心持たない上に俊敏性も無いので、避けるか隙を見て反撃するしかない。

 

「相手はダガーだが、一機だ! 性能差は、数と連携プレイで補えばいい!」

 

 ダガーの持つビームライフルを避けながら、リーダー格は軽キャノンの性能を限界まで引き出し、六機の僚機と共に連携を取りながら追い込んでいく。

 

「あの軽キャノン(モビルワーカー)に乗る連中、やるな」

 

「このままだと、本隊到着まであの女を捕まえてしまえるかもな」

 

 軽キャノンの全てを知り尽くしたパイロットたちによる高度な連携プレイを見ていた雇い主の連邦軍将校二人は、カンゼンダーの本隊が来るよりも前にマリを捕らえることが可能だと思い込み始める。

 だが、予想外のことは起きる物。ここに来てか、賞金の噂を聞き付けた連邦軍が採用している軽キャノンの四機が、マリを横取りしようと襲い掛かる。

 

「なっ!? えぇい、馬鹿共が! せっかくのところを!」

 

『あ、ありゃあ連邦軍の軽キャノンじゃねぇか!』

 

『ジェムズガンだなんて、ズルいぞ!』

 

 その連邦軍の軽キャノンとは、オリジナルと同じ赤いカラーリングをしたジェムズガンであった。オリジナルと同じく、右肩にビームキャノン砲を装備している。

 現地の生産設備をこしらえ、ジェムズガンの生産ラインを使って作られた軽キャノン連邦軍仕様、またの名をジェムズガン・キャノンだ。

 突然の友軍の乱入に、二人の将校は急いで指揮車に戻り、護衛のジャベリン数機と共に止めに入ろうとする。

 マリのダガーを追い込んでいる軽キャノン七機は、上空から迫る小型機でジェムズガンに性能的には敵わないと知ってか、逃れようと退避を始める。

 

『相手はジェムズガンとはいえ、この軽キャノンじゃ敵わない!』

 

『クソっ、連邦め!』

 

「逃げる…?」

 

 逃げる軽キャノンに対し、小型でジェムズガン以上の性能を持つ機体、ジェムズガン・キャノン四機は追い打ちを掛けるようにビームライフルや右肩にビームキャノンを撃ち込んだ。

 火力は現行機なだけあって軽キャノンの物より段違いであり、逃げ遅れた一機が、サラミス改級巡洋艦の単装砲以上の火力を持つビームキャノンで胴体を引き裂かれて撃破された。

 

「助けに来たわけじゃないわね…?」

 

 自身のダガーの周りを囲むように地上へと降り立つ四機のジェムズガン・キャノンに、マリは自分を助けるために来たわけではないと察する。

 

『へへへっ! こんないい女、現地のクズ共には渡さねぇぜ!』

 

『通りで高い賞金が掛けられるわけだな!』

 

『楽しんだ後に、引き渡せばいいか!』

 

『コックピットは潰すんじゃねぇぞ! 生け捕りが良いからな!』

 

「やっぱりそう来る!」

 

 包囲したジェムズガン・キャノンのパイロットらは、現役の軍人であるにも関わらず、賞金に目が眩んで命令を偽って出撃してきたようだ。

 通信映像で下品な笑みを浮かべ、ダガーの足を狙ってくるジェムズガン四機に対し、マリは直ぐに回避しながらビームライフルを撃ち込むが、地獄のようなファウンで生き延びてきたことあってか、直ぐにビームシールドで防がれてしまう。

 

『へへへっ! ダガーの特性は知ってんだよ!』

 

『こんな所じゃ、ダガーでも良い方だからな!』

 

「こんな機体じゃ無ければ!」

 

 右肩にビームキャノンを装備したことで重量が増して機動力が落ちているはずだが、現地改修をしているのか、機動力が落ちておらず、オリジナルに性能が増している。碌な改修もしていないダガーを駆るマリは、普段なら難なく倒している四機の量産型MSに押されていた。

 

「押しているようだが!?」

 

「あの馬鹿共は、相手が魔女だと言う事を知らん! それに魔女は同盟軍の警戒ラインに逃げ込んでいる! 卑しい奴め!」

 

「同盟軍の奴らに、魔女を渡すわけにはいかんな! 各機、あの四機の味方識別装置(IFF)を外しておけ! 場合によっては、撃墜も構わん!」

 

 軽キャノン七機と同じく、ジェムズガン・キャノン四機もマリのダガーを追い込んでいるが、敵対する同盟軍の勢力圏に近付いていることを知らない。マリは地図を見てそれを理解しているのか、そこへ誘い込んで混乱を引き起こし、その隙に逃げるつもりであった。

 マリの監視と本隊到着までの足止めを行う将校はその行動で理解し、場合によっては友軍機を撃破するつもりで彼女を追い回す四機のジェムズガンを止めようとしていた。

 

「足を引き千切ってやるぜ!」

 

 逃げ回りながらライフルを撃ってくるマリのダガーに対し、ジェムズガン・キャノンの一機はビームキャノンを照準を足に定め、引き金を引いた。これにマリは来ることが分かってか、機体を素早くステップさせて躱し切る。

 

「なっ!? そんなことが出来る…」

 

 自分らが知る105ダガーにそんな芸当が出来るわけが無いと思っていたパイロットは、マリがそれをやってのけたことに驚いて動きを止める。その隙を突いてか、彼女はビームライフルを撃ち込み、驚愕するパイロットが駆るジェムズガン・キャノンを仕留めた。

 

『クソぉ! 動きを止めやがって!』

 

『あのアマぁ! 犯すだけじゃ済まさねぇ!!』

 

『女に生まれたことを後悔させてやらァ!!』

 

 仲間を殺されたことで、残り三機のパイロットは激怒し、攻撃を強めてくる。そんな時に、マリが駆るダガーが、何者かの攻撃を受けて被弾した。

 

「はっ!? やば…」

 

 ビームに強い耐性を持つラミネートアーマーを持つ105ダガーだが、それは胴体などのバイタル部分にしか施されておらず、そればかりか両軍ともビームの威力が増して無用の長物と化している。

 被弾したのはコクピット付近の左脇腹の部分であり、左側面が爆発してマリの身体を大量の破片と爆炎が覆った。コクピット内が炎に包まれ、マリは一瞬にして火達磨と化す。余りに高熱であるため、マリは一瞬にして焼死体と化した。そんな彼女のダガーは地面に倒れ、動かなくなる。

 

「ダガー撃破…! 逃げていたようだが…?」

 

 そのマリのダガーを撃破したのは、この付近に部隊を展開している大和帝国軍の旧型地上戦用MS「チハ」を駆る若い青年であった。

 少尉の階級章を付けたパイロットスーツを身に纏う青年の名は、兜剣児郎(かぶと・けんじろう)

 狙った敵機が味方であるはずのジェムズガン三機から逃げている様子だったことに、剣児郎は早とちりをしてしまったと思い込み始める。

 

「だが、今は目の前の敵に…!」

 

 謝って撃ったと思っているダガーの事は後にしておくとして、今は目前の三機のジェムズガン・キャノンに集中した。

 

『こ、このミサイル野郎*1が! 俺たちの賞金首をォォォッ!!』

 

『ここから抜け出すための金を! よくも!!』

 

『ぶっ殺してやるゥ!!』

 

 上官か人事部にでも賄賂を渡してファウンを出るつもりであったのか、その賞金首を殺したとされる剣児郎に、三機は殺意を剥き出しにして襲い掛かった。

 剣児郎が駆るネオジャパンのノブッシに似たチハもジェムズガン以上の旧式であるが、星系軍事大国である大宇宙大和帝国が開発したMSであり、性能も火力も相手より上だ。より汎用性の高い後継機の登場や同盟軍からより性能が高いザクⅣなどの供給されることもあり、後方や拠点に引き下げられた。だが、この前線惑星のファウンにだけは大量に配備されている。

 

「相当怒っているように見えるが、その所為で動きが雑だ!」

 

 この機体を知り尽くしている剣児郎は、怒りに任せた攻撃を行う三機の敵機の攻撃を躱しつつ、的確にビームライフルを撃ち込んで一機目を難なく撃破した。

 

『畜生が! 相手はミサイル野郎共の旧式だぞ! なんでこっちがやられてんだ!?』

 

「怒り任せの攻撃など!」

 

 一機目を撃破され、ジェムズガンの動きは冷静さを欠いてか、更に雑になる。放たれる強力なビームを防ぐことなく、避けながら二発連続で撃ち込み、二機目の撃破に成功する。

 

『畜生、ちくしょうがァァァ! 殺してやる! 殺してやるゥゥゥッ!!』

 

 三機の僚機を失って正気を失ってか、最後の一機のパイロットはビームサーベルを抜いて突っ込んできた。

 

「全速力で突っ込んでくる! 照準が間に合わない!」

 

 敵機があまりに早い速度で突っ込んできたので、ケンジローのチハは照準が間に合わず、左手でビームサーベルを持ったが、その体当たりを受けてしまった。

 

『ウワァァァッ! 死ねェェェッ!!』

 

「こんなところで、死ねるか!」

 

 剣児郎のチハが倒れたところで、相手のジェムズガンはビームサーベルで串刺しにしようと突き立ててくる。これにケンジローのチハも、素早くビームサーベルを抜いて敵機のコクピットに向けて突き刺した。

 コクピットにビームの刃を突き刺されたのか、ジェムズガン・キャノンはその機能を停止した。まだ動いているように見えるが、数秒後に動かなくなったので、直ぐにビームの刃を仕舞って元の場所へと戻す。

 

「俺の僚機は何処へ行ったのやら? ちっ、そんなところで油を売っていたのか…! 俺が死に掛けてたって言うのに…!」

 

 三機のジェムズガン・キャノンを単独で撃破した剣児郎は、自分の僚機を探したが、レーダーを見れば遠い場所で止まって動かないでいた。これに剣児郎は大和帝国軍らしくないファウン戦線に配属されている将兵たちに苛立ちながらも、倒れて炎上しているマリのダガーの方へと視線を向ける。

 

「あのダガーに我が同盟軍のスパイが乗っていたと言うなら、何か情報を持ち帰らないとな」

 

 追われていたマリのダガーを自軍のスパイではないのかと勘違いしている剣児郎は機体を近くにまで寄せ、何かしらの情報が無いのかと調べるべく機体から降りた。

 

「撃ってしまったのは俺だが…済まない、同盟軍の情報員よ」

 

 機体から降り剣児郎は、撃ってしまったことを謝罪してから燃え盛るダガーの残骸に近付き、コクピットのハッチを開けようとする。が、彼が触れるよりも前に、焼死体と成り果てていたマリの遺体が飛び出してきた。彼女は不老不死であるが、初対面である剣児郎がそれを知る由も無い。

 

「こんなに燃えてちゃ、何も残ってないように思えるが…」

 

 真っ黒に焼け焦げているマリの遺体を見た剣児郎は、彼女のことをまだ情報員だと思い込んでいた。これだけ燃えてしまっては、持ち帰った情報はもう残っていないと思い、せめてもの供養なのか、埋めようと思って遺体に手を触れた。

 

「っ!?」

 

「ルリ…」

 

「い、生きている!? あんなに燃えた状態でまだ生きている!? ぜ、善は急げだ! 大隊本部に情報を持ち帰らねば!」

 

 その途中で再生し始めたのか、黒焦げのマリに手を触れられた剣児郎は、まだ生きていることに驚いた。彼女のことを情報員だと思い込んでいるので、直ぐにその情報を自分が所属する大隊に持ち帰るべく、仮眠用に持ち込んでいたシーツを乗機のチハから持ち出し、彼女の身体を包んで機体へと乗り込み、一目散にこの一帯から去って行った。

 

「なっ!? クソっ、死体を持ち帰られたか!」

 

「ここの戦線に、攻撃命令を出すか!?」

 

「まずは本部に報告する! それから指示を待つ!」

 

 剣児郎のチハを追撃しようとしていた連邦軍の追跡隊であったが、戦力が少な過ぎて敵戦線への侵入が出来なかった。

 マリの遺体を回収するため、連邦軍のファウン方面軍を動かすのかと思っていたが、本部にどう対応するか指示を乞うべく、その場で待機することにした。

 

 

 

「小官はガルダーゴンの戦いの際、歩兵少尉として小隊の指揮を執ったことはありますが…」

 

 ガイア・セイバーズ所属のカロン級軽フリゲートのハンガー内にて、三十二人のスパルタンⅤが集められていた。全員がミニョルアーマーの非適正者であり、代わりなのか、簡易型のスパルタンⅢのミニョルアーマーを身に着けていた。

 その中の一人で小隊長を務めているスパルタン・レイヴァー、本名クリス・レイヴァーは元陸軍の歩兵科少尉として小隊長の経験を買われてか、スパルタンⅤの小隊長を命じられた。

 任務内容は、マリを本隊到着までファウンに押し留める事である。この奇妙極まりない理由も明らかにされない任務内容にレイヴァーは不満を抱いているが、上官は命令を押し付けるばかりだ。

 

「そうだ。君は実戦で歩兵小隊の指揮を執った経験者だ。これ以上、適任者はいないだろう?」

 

「ですが、チームに慣れたばかりであり、他のチームを集めて編成した小隊の指揮など…」

 

「では、こうしよう。この任務が成功すれば、貴官にスパルタンⅣ用のミニョルアーマーを供与すると」

 

 レイヴァーはスパルタンⅤの中では珍しく真面な分類の人物であった。それ故にか孤立しがちであり、ようやく任務にあたる仲だけで所属チームを纏めることが出来た。

 だが、実戦での小隊長の経験があると言うだけで、三十人の素人や狂人、荒れくれ者の指揮官に任命されたことに不満を覚え、上司にそれを伝えたが、ガイア・セイバーズの士官である彼はは聞き入れることなく、スパルタンⅣ用のミニョルアーマーを渡すと言う条件で受け入れるように強制してくる。

 

「それは嬉しいのですが、軍人や軍人崩れならともかく、殆ど素人や不良の連中の指揮など小官にはとても…」

 

「文句を言うな! どうせ不適合者だ、代わりなど幾らでもいる。使い潰しても構わんだろ。司令官殿の命令は絶対だ。分かっているな?」

 

「はぁ、了解いたしました! スパルタン・レイヴァー、司令部の命令に従い、小隊を指揮して任務に当たります」

 

 軍人や傭兵ならともかく、素人の集団を纏めて指揮を押し付けられたことに不満を漏らすレイヴァーだが、上官は聞き入れることなく彼を無理やり屈服させ、任務に当たらせた。

 

「俺のチームに、背中を守って貰わんとな」

 

 無理やり押し付けられた任務と小隊の指揮に、レイヴァーはある程度は信頼できるチームのスパルタンⅤに背中を守ってもらうことにして、出撃準備に入った。

 

「あんた、小隊長になったんだってな。そういやぁ陸軍で歩兵の小隊長やってたんだってな」

 

「そうだよ、ライフル小隊だ。若い新兵ばかりだったが、皆、あそこのアーマーを着てはしゃぎ回る馬鹿共よりも素直だった」

 

「心配すんな。俺を含めてあんたのチームは皆軍人だ。軍隊の心得は身体に染み付いている。小隊長殿の指揮に従いますぜ」

 

「ありがとう。なら、幾人か信頼できる奴を中心とした分隊を編成し、小隊本部の近くに寄せておこう。残りは上官殿の言う通り、弾除けにしてやるさ」

 

 レイヴァーのチームの一人は小隊長を押し付けられた彼を気遣い、自分らは元軍人だから軍隊の心得は身体に染み付いていると言って安心させる。

 任務だけなら信用できる者たちが居ることで安心したレイヴァーは、自分が馬鹿呼ばわりしている者たちの中から信用できる者を選び抜いて分隊を小隊本部である自分のチームの近くに配置すると決め、残りは上官の言っていた通りに弾除けにすると発言した。

 この言動からして、レイヴァーもまたスパルタンⅤに染まりつつあると分かる。

 

「それ、あいつらに言うなよ。いくら素人とは言え、三個分隊の相手は疲れる」

 

「分かってる。だが、二個分隊だ。使えそうな奴はピックアップしている。そいつ等で分隊を編成する」

 

 これから部下として共に行動する三十人に聞かれたらマズい発言であるが、小声で言っているので聞こえていなかった。同じチームメンバーのスパルタンⅤもその発言に眉をひそめたが、軍人と言う事でレイヴァーのその考えには同調していた。

 注意するメンバーであるが、レイヴァーは一顧分隊ほど減ると返し、もうピックアップは済んでいると言ってから、近くに置いてある端末を手に取って小隊編成に向かった。

*1
連邦軍が大和帝国軍に使う蔑称。我が身を顧みない特攻をすることから付けられた。




またまたオリーブドラブさんのキャラを使っちゃったよ。

ケンジローは大和帝国軍人として何処かで出そうかと迷ってたけど、出すならここかなと思って地獄のファウンに出しちゃった。
なんでファウンに居るかって話だけど、話せば長くなる。
元は宇宙軍所属の少尉さんだけど、この世界線では大和帝国陸軍の少尉さんになってる。

https://syosetu.org/novel/223795/100.html

この回のオマージュなんだけど、舞台が宇宙ではなく地上になってて、それにケンジローが助ける側になってる。
焦げミン級に丸焦げになったマリマリをシーツに包み込んで大隊本部に帰投。
シーツに包み込んだ件は、戦争は女の顔をしていないの一つの話を参考にしました。

元ネタは第二次世界大戦の独ソ戦の女性衛生兵の話で、弾薬庫の近くで警備していた兵隊が丸焦げになって、その兵隊をシーツに包んだって話だった。
カドカワで連載している方で漫画にもなってる話です。俺も読んでて辛くなった。

漫画の方は持ってないけど、原作は去年に時計仕掛けのオレンジと一緒に買って全部読みました。
感想はあまり言いたくないけど、強いて言えば「通りで冨野監督が熱中するわけだ!」です。
読んだ所為なのか、架空戦記がバカバカしく見えてくる。
あぁ、そう言えばその本にもそんなことを言う人の話があったな。漫画の最新話になったね。

では、この辺で。
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