僕の幻想的な非日常記録   作:春雨豆腐

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#α3 世間から消えた事件

アユミ「それで……カケル君?話してもらおうか……。ハル君が言っていた『葵』という人物は誰なんだい?」

 

カケル「……アユミには言ってなかったな。実は、ハルには前に彼女がいたんだ。」

 

アユミ「へー。ハル君に彼女か……。ちょっと意外だね。」

 

カケル「たしか葵はハルの幼馴染で、葵の両親は結構前に他界してた気がする。」

 

アユミ「……あれ。でも、今までその葵という人物を私は見たことがないね……。その葵君は別の高校にいるのかい?」

 

カケル「いや…………俺は今でも信じられねーけど、葵は俺らが中三の時に亡くなったってことになったんだ。」

 

アユミ「え………?いや!でもその言い方だと、葵君は本当に亡くなった訳ではないのかい?」

 

カケル「あぁ、葵は行方不明になって、それからまだ見つかってないんだ。なのに………警察は亡くなった判定を出したんだ……。」

 

アユミ「…………。」

 

カケル「きっと葵はまだ何処かにいるんじゃないかって俺は思ってる。」

 

アユミ「なんで警察は亡くなったって判断をしたんだろうね……。」

 

カケル「多分……状況じゃねーかな……。」

 

アユミ「状況……?」

 

カケル「あぁ。確か………葵がハルとデパートに遊びに行くって言ったのが事の発端だった気がする。」

 

アユミ「……それで?」

 

カケル「葵は夜遅くになっても帰らなかった。葵の両親は不審に思ってハルに連絡したそうだ。『葵はそっちにいるのか?』って。だけど……そもそもとして、ハルは葵と出かけてないって言ったんだってよ。」

 

アユミ「なるほど………。なんで葵君は嘘をついたんだろうね……。」

 

カケル「そこまでは分からないな。そんで、葵の両親は警察に捜索願を出したらしい。翌日の朝に山奥の神社で見つかったらしい。」

 

アユミ「葵君がかい……?」

 

カケル「いや……警察が見つけたのは、当時の彼女が身につけていたバッグとスマホだった。スマホは電源がついていて、画面には『またね!』とだけメモに入力されていたらしい。で、その山はクマが出るらしい。だから、警察は死亡と判断したんだってよ。」

 

アユミ「山奥の神社………山……もしかしたら私の近くにある山の事かい?」

 

カケル「お前ん家が何処にあるのか分かんないけど、場所なら覚えてるぞ。」

 

アユミ「その場所の地図をメッセージで私に送ってくれないかい?」

 

カケル「あぁ。分かった!」

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

アユミ「ここは……私の家の近くだね……。よし……私そこに行ってみるよ!」

 

カケル「はぁ!?何言ってんだ!?危ねーぞ……!」

 

アユミ「大丈夫だよ!少なくとも、私もその事件の真相が気になるしね。それに……真実が分からないとモヤモヤするだろう?」

 

カケル「…………あぁ。結構モヤモヤする……。だけど、ハルはモヤモヤどころか、それ以上に苦しい思いをしてると思うんだ……。」

 

アユミ「あぁ……そういう事か……。以前にハル君に彼女いるかって聞いたことがあるんだけど、その時に反応が暗くなったのはそういう事だったのか……。」

 

カケル「……アユミ、俺もついてくぜ。」

 

アユミ「いや。カケル君はもう帰った方がいい。」

 

カケル「何でだ!?」

 

アユミ「この辺りに行くとなると、日が暮れてしまうよ。それに、あの山は迷いやすかったはず。私は小さい頃によく行っていたから迷わないけど、カケル君は迷ってしまうかもしれないよ。」

 

カケル「………アユミ、頼んだ……。」

 

アユミ「あぁ!任せておくれ!」

 

┈┈┈┈[新着メッセージ1件]┈┈┈┈┈

 

アユミ『カケル君。さっき、その山に行ってきたよ』午後6:30

 

カケル『お疲れ!何か手がかりはあったか?』午後6:31

 

アユミ『カケル君に聞きたいことがあるんだ。本当にあの山奥に神社ってあったのかい?』午後6:32

 

カケル『あぁ。間違いないな。』午後6:32

 

アユミ『そっか……。じゃあ………カケル君に伝えなければならない事がある。』午後6:33

 

カケル『なんだ?』午後6:33

 

アユミ『あの山奥に神社なんてなかったよ。あったのは、少しだけ開けた広場?みたいな場所だけだったよ。真ん中に切り株があって、そこにハル君が持っていた石のように光り輝く手鏡があったよ。一応持ってきた。それと、その奥には何百年も経っていそうな大木があったよ。数年前に神社があったとは信じられないくらいにね。』午後6:35

 

カケル『え?そんな訳が………もしかしたら違う山かもしれん。ちょっと調べてみる。』午後6:36

 

アユミ『分かったよ!』午後6:36

 

カケル『アユミ?信じられないことが分かった。』午後7:09

 

アユミ『なんだい?』午後7:10

 

カケル『そもそもとして、「葵が行方不明になった」って情報が一つもなかった。』午後7:11

 

アユミ『どういう事だい?』午後7:11

 

カケル『当時は、行方不明になったって事で結構話題になったんだ。だから、情報なんて手に入りやすいはずなんだ。だけど、まるで世間から消されたように情報が一つも見つからなかった。』午後7:12

 

アユミ『それは不思議だね。もしかしたら、葵という存在ごと消されてるんじゃないかな?』午後7:13

 

カケル『可能性としては有り得る。アユミ?手鏡を持ってきたんだよな?』午後7:14

 

アユミ『あぁ。鏡の部分が光り輝いてるよ。でも、鏡の部分には何も写ってないね……。擦りガラスに近いものかな?』午後7:15

 

カケル『その鏡が手がかりになるかもしれない。明日学校に持ってきてくれるか?ハルにはアユミの家で見つかったって言ってさ。』午後7:16

 

アユミ『分かった。そうするよ。』午後7:17

 

カケル『アユミ。今日はありがとうな。それじゃあ、また明日!』午後7:18

 

アユミ『あぁ!また明日だよ!』午後7:18

 

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