アユミ「それで……カケル君?話してもらおうか……。ハル君が言っていた『葵』という人物は誰なんだい?」
カケル「……アユミには言ってなかったな。実は、ハルには前に彼女がいたんだ。」
アユミ「へー。ハル君に彼女か……。ちょっと意外だね。」
カケル「たしか葵はハルの幼馴染で、葵の両親は結構前に他界してた気がする。」
アユミ「……あれ。でも、今までその葵という人物を私は見たことがないね……。その葵君は別の高校にいるのかい?」
カケル「いや…………俺は今でも信じられねーけど、葵は俺らが中三の時に亡くなったってことになったんだ。」
アユミ「え………?いや!でもその言い方だと、葵君は本当に亡くなった訳ではないのかい?」
カケル「あぁ、葵は行方不明になって、それからまだ見つかってないんだ。なのに………警察は亡くなった判定を出したんだ……。」
アユミ「…………。」
カケル「きっと葵はまだ何処かにいるんじゃないかって俺は思ってる。」
アユミ「なんで警察は亡くなったって判断をしたんだろうね……。」
カケル「多分……状況じゃねーかな……。」
アユミ「状況……?」
カケル「あぁ。確か………葵がハルとデパートに遊びに行くって言ったのが事の発端だった気がする。」
アユミ「……それで?」
カケル「葵は夜遅くになっても帰らなかった。葵の両親は不審に思ってハルに連絡したそうだ。『葵はそっちにいるのか?』って。だけど……そもそもとして、ハルは葵と出かけてないって言ったんだってよ。」
アユミ「なるほど………。なんで葵君は嘘をついたんだろうね……。」
カケル「そこまでは分からないな。そんで、葵の両親は警察に捜索願を出したらしい。翌日の朝に山奥の神社で見つかったらしい。」
アユミ「葵君がかい……?」
カケル「いや……警察が見つけたのは、当時の彼女が身につけていたバッグとスマホだった。スマホは電源がついていて、画面には『またね!』とだけメモに入力されていたらしい。で、その山はクマが出るらしい。だから、警察は死亡と判断したんだってよ。」
アユミ「山奥の神社………山……もしかしたら私の近くにある山の事かい?」
カケル「お前ん家が何処にあるのか分かんないけど、場所なら覚えてるぞ。」
アユミ「その場所の地図をメッセージで私に送ってくれないかい?」
カケル「あぁ。分かった!」
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アユミ「ここは……私の家の近くだね……。よし……私そこに行ってみるよ!」
カケル「はぁ!?何言ってんだ!?危ねーぞ……!」
アユミ「大丈夫だよ!少なくとも、私もその事件の真相が気になるしね。それに……真実が分からないとモヤモヤするだろう?」
カケル「…………あぁ。結構モヤモヤする……。だけど、ハルはモヤモヤどころか、それ以上に苦しい思いをしてると思うんだ……。」
アユミ「あぁ……そういう事か……。以前にハル君に彼女いるかって聞いたことがあるんだけど、その時に反応が暗くなったのはそういう事だったのか……。」
カケル「……アユミ、俺もついてくぜ。」
アユミ「いや。カケル君はもう帰った方がいい。」
カケル「何でだ!?」
アユミ「この辺りに行くとなると、日が暮れてしまうよ。それに、あの山は迷いやすかったはず。私は小さい頃によく行っていたから迷わないけど、カケル君は迷ってしまうかもしれないよ。」
カケル「………アユミ、頼んだ……。」
アユミ「あぁ!任せておくれ!」
┈┈┈┈[新着メッセージ1件]┈┈┈┈┈
アユミ『カケル君。さっき、その山に行ってきたよ』午後6:30
カケル『お疲れ!何か手がかりはあったか?』午後6:31
アユミ『カケル君に聞きたいことがあるんだ。本当にあの山奥に神社ってあったのかい?』午後6:32
カケル『あぁ。間違いないな。』午後6:32
アユミ『そっか……。じゃあ………カケル君に伝えなければならない事がある。』午後6:33
カケル『なんだ?』午後6:33
アユミ『あの山奥に神社なんてなかったよ。あったのは、少しだけ開けた広場?みたいな場所だけだったよ。真ん中に切り株があって、そこにハル君が持っていた石のように光り輝く手鏡があったよ。一応持ってきた。それと、その奥には何百年も経っていそうな大木があったよ。数年前に神社があったとは信じられないくらいにね。』午後6:35
カケル『え?そんな訳が………もしかしたら違う山かもしれん。ちょっと調べてみる。』午後6:36
アユミ『分かったよ!』午後6:36
カケル『アユミ?信じられないことが分かった。』午後7:09
アユミ『なんだい?』午後7:10
カケル『そもそもとして、「葵が行方不明になった」って情報が一つもなかった。』午後7:11
アユミ『どういう事だい?』午後7:11
カケル『当時は、行方不明になったって事で結構話題になったんだ。だから、情報なんて手に入りやすいはずなんだ。だけど、まるで世間から消されたように情報が一つも見つからなかった。』午後7:12
アユミ『それは不思議だね。もしかしたら、葵という存在ごと消されてるんじゃないかな?』午後7:13
カケル『可能性としては有り得る。アユミ?手鏡を持ってきたんだよな?』午後7:14
アユミ『あぁ。鏡の部分が光り輝いてるよ。でも、鏡の部分には何も写ってないね……。擦りガラスに近いものかな?』午後7:15
カケル『その鏡が手がかりになるかもしれない。明日学校に持ってきてくれるか?ハルにはアユミの家で見つかったって言ってさ。』午後7:16
アユミ『分かった。そうするよ。』午後7:17
カケル『アユミ。今日はありがとうな。それじゃあ、また明日!』午後7:18
アユミ『あぁ!また明日だよ!』午後7:18
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