2週間などあっという間に過ぎ去り雄英体育祭当日になった。
山如は雄英のジャージを着込むがやや怖い表情が抜けていない。
その表情を見て芦戸さんがおずおずとしながら話しかけてきた。
「さ……山如? どーしたのそんな不機嫌そうな顔して?」
そう声をかけてきた刹那、先程の表情は一体なんだったのか? そう思わせる様な眩しい笑顔を浮かべて芦戸へと言葉を返す山如。
「あぁすまないね、少し考え事をしていてね……気に障ってしまったなら申し訳ない」
山如はそう告げて気を引き締める。
そうして始まった雄英体育祭。
爆豪の宣誓で色々な意味で湧き上がり主審のミッドナイト先生より第一種目が発表される。
選手宣誓が終わった直後、ミッドナイト先生より第一種目が発表される。
『障害物競争』と発表されスタート位置に着く、スタートランプが点灯して開始が為される。
ただでさえ狭いスタートゲートでギッチギチに詰め込まれており、すし詰め状態である。
そしてスタートと同時に地面が一瞬で凍結し殆どの参加者が両太腿までガッチリと凍らされる。
凍らされていないのはA組の全員とB組の一部。
山如も予期していたのか対処をして走破していくが第一関門に立ち塞がるのは0P仮想敵ロボット、入学試験の際に登場したあのデカブツが群れを成していた。
山如の個性には物理的な火力は一切無い為に他者が作ったルートを取らざるを得ない。
大きく迂回してタイムロスを余儀なくされるがヒーロー志望であり25km程度ならば余裕で走れる位の体力は有している為、問題は無い。
問題があるとすれば並走している心操と同様の悩みである。
2人の個性は一度でも種が割れれば事実上無個性となんら変わらない、凡ゆるゲームに於いて相手を殺す最強の攻撃は初見殺しのまま封殺する事だ。
それ故に……第一種目と第二種目を個性を一切使わずに踏破する事を前提としたゲームメイクを強制される。
2人ともゲームは好きだし縛りプレイは嫌いではないがストレスは溜まる。
心操は鍛え上げた身体能力で、山如は軽業師を思わせるアクロバティック且つ軽やかな動きで周囲を纏めてごぼう抜きする。
個性を活かして走破する先頭集団に対して個性を見せずに猛追する2人。
そうして第二関門を超えて第三関門の目前。
地雷が埋設されているという情報が齎されて若干動きが止まる先頭集団。
その隙を見逃さずに距離を詰めていく2人。
地雷が埋設されている箇所は地面を見極めれば解る。
それが出来なきゃ山如と心操はあの賭場ではすぐさま死んでいる。
しかしながら距離を詰め切っても1位2位3位には届かない。
4位、駒草山如、5位心操人使と確定してとりあえずの第一種目は終わりを告げた。