Fate/Unfinished   作:サルンパス

16 / 29
遅くなりました。歴史訂正しました


第七章 非人類史 中編

玄関扉を開き、外に出る。全員が出てから、ランサーは廊下の壁を見ながら扉を閉めた。向かうは少し古めかしい縦長の建物。カウンターから人型ロボットが入り口を見ている。

エイヴィ・グレイリーヴは受付に立ち、ロボットに話しかける。

 

未登録区域(アンナンバー)へ」

 

ロボットは彼女の目を見てからカチリと何かを押した。

 

「ようこそ、生体番号EN-LN-66-315-789-72」

 

「人間二人、セミ・オートマタが一人、それと使い魔が三騎。」

 

「認証を行います。」

 

ロボットがエイヴィの後ろに視線を向ける。

 

「認証中…。認証、完了。未登録区域(アンナンバー)への入場を許可します。」

 

すぐ近く、床だと思われていた白いタイルがギィと音を立てて開く。中は階段になっており、果てしなく続いている。

 

────────────────────────

何段降りただろうか、ようやく見えた先には地上と変わらない景色が見える。差があるとしたら、周り全てに魔力が満ちていること。

 

「まずはどこから行きましょうか…。何か必要な物があるのなら、立ち寄って行きましょうか。」

 

「それなら図書館に行くのはどうだ。いつ死ぬかも分からんしな。」

 

確かにいつ消えてもおかしくない。聖杯戦争、勝つ者がいれば負ける者もいる。それが自分ではないとは言いきれない。

 

「確かにな。せっかくなら行っておきたい。俺も少し調べたいことがある。」

 

顔色の悪さは変わらないが、瞳には光が戻っていた。

 

「そうですね。今なら私も居ますし、大体の物は見れるでしょう。」

 

「大体の物、ってなんだ。図書館なんだから、無料で全部読めるんじゃないのか?」

 

エイヴィは少し目を背ける。

 

「あー…そう、ですね。ここでは話しにくいことです。また後で、図書館で話しましょう。」

 

マスターの後ろを追いながら景色を眺めた。石造りの建物、ショーウィンドウには魔術が埋め込まれた本や石が堂々と飾られている。

 

────────────────────────

長い鉄の塔のような建物の扉が開かれる。今度は魔力が限りなくゼロに近く、マスターの近くで存在していることですらギリギリだ。

 

「ちゃんと近くにいてくださいね。ここは魔力が薄くなるように設計されていますので。」

 

仕方なくぴったり後ろを歩く。エレベーターの扉が開き、中で一息つく。

「…それで、シンさん。調べたい物、と言うのは?」

 

やっと良くなってきた表情が少し硬くなる。

「…ハサン・サッバーハとその暗殺教団について、だ。」

 

シンの声を聞いて、エイヴィもまた表情が硬くなる。

「なぜそれを…?その情報は非公開に設定されているはずです。」

 

「…祖父が、少し関係ある血筋なんだ。」

 

「…そうですか…。わかりました。知っていると言うのなら、秘匿にする必要性がありませんから。」

 

一階へ向かうはずだったエレベーターは地下一階へ向かった。

 

「代々、グレイリーヴは非公開になってきた文献を保管、継承してきました。一般の方にはすでに忘れられてきた物ばかり。皆さんの知らない真実も沢山遺されています。この機会に是非。」

 

エインガルは絶句した。

「待て、一体何時からだ?!情報の非公開化は何億年も昔のことだろう!」

 

叫びにも似た声に驚くこともなく、静かに答えた。

「はい。グレイリーヴの歴史は今から約五十二億年前から始まります。」

 

「五十、二億…。」

 

「義務教育科目の変更と共に立ち上がったのがセイヴ・H・グレイリーヴ。とんだ歴史狂いだったとか…。」

 

「君の前世と言われてもおかしくないな。」

 

「誉め言葉として受けとっておきますね。」

 

ガタンと音を立て、エレベーターが目的地に止まった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。