脳内管理サービス。まだ機能している大手三社のサーバー街。サービス利用者の思考、記憶、全てが保管された地。いつもは反射材が空を映していたあのビルも、その下の民家も、ファストフード店も。窓が割れ、人々は逃げ出し、血が流れる。
「逃げるなよ。一人くらい観客がいなくちゃあ、面白くないだろぉ?」
ケラケラと笑いながら意図的に瓦礫を落とす。下敷きになった女は痛みに叫び、男に震える。
『嫌!殺さないで!お願い!何でもするから!』
男はゆっくり、窓ガラスをバリバリと破壊しながら歩いてくる。
『何でも…?へぇ、そりゃ面白い。ならさぁ。』
男は瓦礫を軽々と持ち上げ、女を解放し、手に矢を握らせる。
『これで誰でもいいから殺して見なよ。グサッとさ!お前が嫌いな奴でも、まったく知らない他人でも!ほら、あそこに良い獲物がいるだろ?』
男がにやにやと笑いながら指し示す先には幼い子供が膝から血を流し、涙を流している。
女は子供の怪我、そして泣き叫ぶ顔を見つめる。震える手で矢を持ち、ガクガクと言うことの聞かない足で踏み出す。子供の足に女の影がかかり始める。女は歯を食いしばり、子供の手をパッと掴んで走って逃げた。
───二人はガラスの雨に刺され、瓦礫の下敷きになった。
クツクツと喉を鳴らしながら街中に混乱と混沌を振りまく。
「僕のための楽しい茶番劇を、どうも、ありがとう。お前達愚図に代わって、この僕が最高のショーを見せてあげるからさ。愚図は愚図らしくそこで寝てろよ。」
そこから少し離れたホテルの一室。外の様子を見ながら、男は誰かに話しかける。
「見たか、セイバー。一寸先では街を破壊し、住人を殺戮している。あれこそ、英雄が倒すべき敵では無いか。」
兜を被った男が答える。
「焦土化するまでもなく破壊し尽くされていますが。」
男は振り返らず、外を見たまま言う。
「あのサーヴァントにとっての“生”は破壊の快楽と混沌だ。英雄とは、犠牲の上に立つ者だと、君が一番分かっているのではないか?」
兜の男は沈黙する。
「分かったのなら、行くぞ。いくら罵られようと、君と私は英雄になるべき人物だ。」
静かに兜の男は姿を消し、もう一人の男はホテルから外の混乱の中に消えていく。
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遠くから見えた煙と、建物が崩れる音。サーバー街の明るい光が消えたことに、青年は足を止める。その前を歩いていた者たちも騒音に振り返る。誰よりも早く気付いた青年は踵を返し、その方向へと走っていった。
親指が腱鞘炎なりかけなのでゆっくり書きます。
原因はヌンチャクです。