シュトゥーカの悪魔、離陸。   作:田舎の異音

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第1話『牛乳を飲もう』

「牛乳飲んでる場合じゃねぇぞおい!」

 

やぁみんな、牛乳は飲んでるかい?俺の名前は大佐(とも たすけ)

いつものように牛乳を飲んで体操していたとき、運悪く悪魔に遭遇してしまった。しかも2体。

片方は飛行機みたいなので空を飛んでいて、もう一方は機関銃みたいなのを空に撃ち上げてる。

俺はデビルハンターでもないので、急いでその場を離れた。遠くから見てみても、かなり派手にやりあっている。あ、今しがたご近所さん宅が丸ごと吹っ飛ばされた。あそこは共働きで子供もいないから、多分大丈夫なはずだ!

 

?「あ、あの!」

 

後ろからいきなり声をかけられる。振り向いてみれば、警察のデビルハンターじゃないか!持つべきは運だな!!

 

やけにおどおどしたデビルハンターの人が、悪魔の特徴や被害者がいるかを聞いてきた。ありのまま見たことを伝える。

 

「なんか機関銃?みたいなの撃ってる悪魔もいましたよ」

?「....ッ!?どうしようぜったい勝てるわけなぃ」

 

めっちゃ顔が引きつってる。かわいそうに、ハンターといえど同じ人間だ。きっと怖いに違いない!

それに、俺と同じまだ大学生くらいじゃないか!

 

「よし行こう。すぐに出勤だ!」

?「ふ、ふぇぇぇ?!?!」

「警察のデビルハンターは一応仕事だから、出撃よりも出勤なんじゃない?」

?「そっちじゃないですぅ~!!」

「おしゃべりしてるうちに山田さんちも吹っ飛んだぞ!ほらいくぞ!」

 

女の子の手を引き、来た道を目下走り出す。彼女は涙を流しながら、鼻水まで垂らしている。なるほど、よほど今まで一人で辛かったに違いない。大丈夫だよ頑張って倒そうね!と声をかけながら、我々は戦地へと向かった。

 

 

 

 

『ギョーカク60ドォォォォォオオオオォォ!!!!』

『......』

『墜チロ墜チロ墜チロォォォォォオオオ!!!』

『....ッ!』

 

近くの瓦礫の陰に我々は身を隠した。彼らを倒すチャンスをうかがっている。

 

「そういえば君、なまえは?」

コ「び、びがじやまこべにでずぅ....えっぐ」

「こべにちゃんね、とりま落ち着きなよ」

 

視界がクリアじゃないと戦闘では不利になる。こべにちゃんに鼻セレブを渡して涙と鼻水を拭かせた。

それにしてもあの悪魔....機関銃の方は建物があろうと人がいようと無差別に攻撃するが、どうやら飛行機の方は多少の配慮ができるらしい。

 

そんな戦い方だから、飛行機の方は飛んでいるのもやっとな雰囲気だ。いまにも地に足つきそうである。俺は民間人を攻撃する連中が嫌いなのであって、その種族はさほど重要ではないなと感じた。

 

まだ仲間の存在に深い感動を受けている最中のこべにちゃんから銃を取り、瓦礫をつたって物陰から物陰へ!

なんとか機関銃頭の後ろへ周りこむ。

後ろへ回ったことで、機関銃頭の裏側を見ることができた。まんま機関銃そのままじゃないか、腰から伸びる赤黒い弾薬ベルトは、するすると奴の頭部へと送り込まれ、前側の銃身から吐き出されていく!

こうなれば勝機はある。誘爆で頭を飛ばすしかないな!

 

『.......』コク

「......」コク

 

飛行機の方もそれを分かっているようだ。攻撃できなかったのは、機関銃頭の首が360度回るからだろう。

ちょっと束になっている部分に照準を合わせ、何発か撃ち込んだ、全弾命中。奴の頭は半壊し、その場に崩れ落ちた。

 

『......』

「......」

 

奴の屍を挟んで飛行機の悪魔と立つ。体中傷だらけで息も荒い。立っているのもやっとだというのが、ひしひしと伝わってくる。

 

「逃げた方がいい、もうすぐデビルハンターがわんさか来るぞ」

『......』スタ...スタ

「おい、何してるんだはやく...」

 

飛行機の悪魔が、奇妙に積み重なった瓦礫のもとへ歩いていき、その一枚に手を伸ばす。

 

「「「ひ、ひぃッ....」」」

 

どかすと、その中に3人の子どもが身を寄せ合っていた。今度は倒れた街路樹のもとへ歩いていく。

生い茂った枝で見えなかったが、女性が下敷きになっていたようだ。意識はないが、呼吸はある。

俺は彼がしたいことを瞬時に理解し、救出された人たちに応急処置を施していった。

 

「ここら辺の人はあらかた助けたはずだ。ほんとうにそろそろ逃げた方がいいぞ」

『......Ich liebe...』

『死ネェェアアァァァ!』

『「ッ!?」』

 

甘かった、頭が半壊したからもう動けないと思った俺が甘かった!!奴の機関銃は、たとえ一門になってもこちらに向かって火を吹いた。とっさの判断で飛行機の悪魔を突き飛ばす。そして4発、4発だけがこちらへ飛んできて、俺の体のどこかへ当たった。それを見ると、奴はうらめしそうな顔をしながら今度こそ息絶えた。さぞかし邪魔されて憎かろう、今この瞬間は俺が悪魔に見えていることだろう。

 

「....うっ」バタ

 

なぜか立っていられなくなり、その場に崩れ落ちる。頭を打って朦朧とした意識の中で見たのは、真っ赤に染まったコンクリートと、吹き飛ばされた膝から下だった。

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