シュトゥーカの悪魔、離陸。   作:田舎の異音

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第2話『もうスキーも高飛びも出来ないが、脚が片方残っているからどうでもいい』

「く、くそっ...しくじったか」

『.......』

「な、何やってんだ早く逃げろ!もう奴は死んだ、お前が戦う理由はな、、い!」

『.......』スタ

「応急措置、するつもりなのか...?」

『Ja』

「すまねぇドイツ語はさっぱりなんだ」

 

飛行機の悪魔は、何とか俺の傷口を止血しようとした。しかし止めどなく、大量に、ものすごい勢いで溢れてくる。だんだんと意識も遠のいてきた。もう、痛さも感じない。

 

「....飲めよ」

『......!』

「悪魔は人間の血を飲んだら回復するって知ってんだ。だから、さっき、試した」

『Nein』

「第2外国語はドイツ語をやっとくべきだったな...でもよ、お前が死んだら俺の右足が無駄になっちまう。だから飲んで、逃げろよ」

『.......Danke』

「多分若い女の子の血がよかったって言ってるよな」

 

 

右足から出る鮮血を飲むと、みるみる体の傷が癒えていく。ほんとうにすごいな、悪魔ってのは。

 

 

 

さて、いよいよだお迎えだ!

 

 

 

 

死んだら天国と地獄、どちらに行けるだろう?

 

 

 

 

 

ははは、最後に助けたのが悪魔なら、考える間でもないな!

 

 

 

 

 

故郷よ、いざさらば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Verloren ist nur, wer sich selbst aufgibt』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....お」

見知らぬ、天井。俺は病院の一室で目を覚ました。個室では....ないみたいだな。カーテンに仕切られた隣のベッドから、普通に話し声が聞こえてくる。

 

父「おうタスケ、お見舞いにきたぞ。なんだ元気そうじゃないか」

母「もうあなたったら!お医者様の話を聞いてなかったの!」

「父さん、母さん。俺はどうなったんだ?」

父「ん?ああ、お前の吹っ飛ばされた右脚のことだがな」

「ッ!?」バッ!

 

忘れていた大事なことを思い出していきおいよく布団をめくりあげた!

 

父「なんでも、最新の医療技術?かなんだかで、元通りになったそうだ。いや~父さんもヒヤッとしたよ笑」

母「ほんとよね。腕のいいお医者様に診ていただけてよかったわ」

「お、おう...すごいな医療技術って」

 

布団に包まれた我が右脚をさすりながら、俺はつぶやく。それにしても、こんなにも自分の右足が愛おしく思えたのは生まれてはじめてだ!

 

父「あ、そういえば警察の人からお前に感状が贈られるそうだぞ。悪魔と勇敢に戦ったかなんかで」

母「お母さんそれ聞いたとき泣きそうになっちゃった。もちろん嬉しさじゃなくて心配の方よ」

「まあ、デビルハンターの人も一人で不安そうだったからね。それに俺よりも年下っぽかったし、ほっとけなかったんだよ」

母「ほんとにもう、あんまり無茶しちゃだめよ?」

父「そうだぞー。父さんな、お前が死んだら家族が女性しかいなくなって話し相手に困るんだからな」

「たしかに姉さん二人は父さんと一緒に洗濯回したがらないもんな」

父「え!?そうなのか?!」

 

いつも通りの家族の会話をしていると、あっという間に面会終了時間になってしまった。看護婦がやってきて、両親をさっさと追い出していった。結構怖い体験をした気もするが、悪魔も倒せたみたいだし、脚も戻ったし一件落着だな!

 

「しっかし何か忘れてるような気がするんだよなぁ.....」

?「こんにちわ。タスケくん」

 

シャッとカーテンがめくられ、スーツを着た赤髪の女性が声をかけてきた。

 

「あ、どうも。警察の方ですか?」

マ「そうです。私はマキマと申します。体の調子はどうかしら?」

「結構いい感じですよ。右脚をやられた時は、もうスキーも高飛びもできないなーなんて思ったんですけど。まあ、片方残ってるからどうでもいいですけどね」

マ「ふふ、ポジティブですね。ところで、ご両親から聞いたとは思うのだけど、感状授与に来てもらいます」

「聞きましたよ。日程はいつ頃ですか?」

マ「今日、この後です」

「よし行きましょう、すぐ退院だ!」

 

俺はマキマさんに連れられ、授与式が行われる場所へ急行した。

 

 

 

 

 

 

 

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