やあ、俺だ!
感状授与式だと思って割とウキウキで警察署に来てるんだけど、なぜか強面のおっさん達に囲まれてる状況になってしまったなうだ!
「感状授与式だっていうので駆け付けたんだが、部屋間違えてしまったようだ。失礼する」
おじA「まあ待てよ、お前が間違ってるのはそこじゃない。まあゆっくり話を聞いてきな」
「? 服のTPOはわきまえてると思うんだが....」
おじB「はぁ...お前な、この状況でまだ授与式だと思ってるわけ?」
状況がわからないので、とりあえず無視してマキマさんの方を見る。彼女は、おっさん達に守られるようにして立派な椅子に腰かけている。なに澄ました顔してるんだ、あんたが呼んだんだろ!
おじC「お~い、マキマさんの方見ても助けてくれないぞ~?」
「いや、呼んだのはマキマさんだし、あんたらにここで詰められる筋はないな。それにわざわざ退院を繰り上げて来てやったんだ、そっちこそ牛乳の一瓶でも俺に出したらどうなんだ」
おじA「こいつホンマ....マキマさん、今ここで可愛がっていいっすか」
おじB「なにが牛乳だよ、瓶で頭カチ割ってやろうか??」
おじC「それに牛乳って笑 ママの味がまだ忘れられないんでちゅか??」
「まったく、こんな事でイライラするなんてカルシウム不足も甚だしい。牛乳を飲むべきはあなた達の方みたいだな!」
おじABC「........」パキッパキッ
強面おじーずは頭に血管を浮きだたせ、今にも襲い掛かってきそうな雰囲気だ!
さすがに十数人が相手となると、俺はまた見知らぬ天井を見ることになる。そう、病院への出戻りだ!
マ「ふふっ、確かにそうかもしれませんね」
やっとマキマさんが喋った。
マ「あなたをここへ連れてきたのは、もちろん感状を授与するためでもあります」
「ためでも?」
マ「あなたは覚えていないかもしれませんが、あなたの中には悪魔が入っています。そんな危険物を野放しにする訳には、いきません」
「あ、思い出した。確か飛行機の悪魔が俺の血を飲んで....」
その言葉を口にした途端、張り詰めていた空気が氷点下に達した。おじーずは確実に、俺を殺せる準備を整えた。
マ「そう。でもあなたが人としての人格を保てているのも事実。そこで二つの提案があります」
「二つ?たった二つですか」
マ「そう、たった二つ.....」
『勇敢に戦った小市民として、感状を授与されて死ぬか』
『公安のデビルハンターとして私に飼われるか』
マ「タスケくんは賢いし、どちらを選ぶべきかわかると思います」
どうしよう、賢くないのでまったく分からない。第一、俺の中に悪魔がいるという実感すら湧いてこないのだ。
マ「最新の医療技術を以てしても、吹き飛んだ右脚を治すことはできません。だって、バラバラのミンチだったのだから」
「えっ...うそ、だろ」
マ「嘘じゃありません。お見せしましょう」
マキマさんが何かしらの合図を取り巻きに送る。次の瞬間、俺の両手両足に弾丸が撃ち込まれた。激しく痛い!たまらなくて床に倒れこむ。よりによって関節を撃たれたものだから、力が入らず立ち上がることすらできない。
マ「ごめんなさい、痛いよね。これを飲んでください」
「ウゴッ!」
ウイダーインゼリーみたいなものを無理やり飲まされる。それにしてもマキマさんの絞り出す勢いが強すぎて、鼻から垂れてきてしまった!
これじゃ鼻から牛乳じゃなく、鼻血そのものじゃないか。
まて、これは...本物の.....?
手で鼻を擦ってみる、ひっくり返りそうになった、これは....血液じゃないか!!
「なんてもの飲ませるんですか!」
マ「百聞は一見に如かず、です。でも手、使えるようになったでしょ」
「なッ....!?」
気が付いたら俺はしっかりあぐらをかいてくつろいでいた。肘も膝も、まったくの無傷。しかし服は破れている、たしかにここに撃ち込まれたという何よりの証だ!
「これは......信じざるを得ませんね。実際、血を飲んで回復する様子を俺もこの目で見てますから」
マ「知っています。じゃあこれから私たちは公安としての『では感状を頂きたく存じます』」
マ「えっ」