マ「えっ」
「授与式をやりましょう、今、ここで!」
激しく逡巡した。飛行機の悪魔には人道的な一面があった。彼が人を助けているのをたしかにこの目で見た。
それに、俺は民間人を攻撃する連中が嫌いなのであって、その種族はさほど重要ではない。だから彼に生きながらえてほしくて自分の血を与えた。
しかしいざ...いざその恐ろしい力が自分の中にあると思うと、それを完全に制御できる自信が俺にはない。
今晩、家族と夕飯を食べているときにもし悪魔になってしまったら。
もしその時に家族を傷つけてしまったら。
悪魔と人のハーフだということが周りに知れて、親しい人たちがどんな目に遭わされるか...
そんな事があってはならないし、少しでも可能性があるなら、それは潰しておくべきだ!
「その代わり...自分の家族には後世格別のご配慮を願います」
マ「ち、ちょっと待ってほしいかな。それは保障できないし、あなたの家族だけ特別扱いはできないの」
「そうですか...ならせめて、勇ましい最期であったと伝えてください。とんでもなく強い悪魔を、相打ちで仕留めたとか何とかで...!」
マ「......わかりました。あなたの事は、悪魔としてデビルハンターが処分します。では行きましょうか」
?「マキマさん。その子、私に任せていただけませんか」
マ「あら、姫野ちゃん」
頭から麻袋を被せられ、おそらく廊下を歩かされているところを誰かが遮った。
姫「その子の教育は私がやります」
マ「......そうね、じゃあ姫野ちゃんに任せようかな。よろしくね」
なに、俺のことを教育?よせ!俺は物覚えが人一倍、いや悪魔二倍わるいぞ!
マ「じゃあこれも必要ないね。こんな形だけれどようこそ、公安対魔特異課へ」
麻袋がいきおいよく引き上げられる。
「...まぶし」
強く差し込む夕日に目が慣れず、俺の『先生』の顔がよくわからない。
姫「ふふ、案外かわいい顔してるじゃん。よろしくね、ともちゃん」
手で日差しを隠して見ると、眼帯をかけたお姉さんが、俺のことをともちゃんと呼んでいた。
姫『ともちゃ~ん...いつまでやってるの~もう夕飯できてるよ~?』
「すいません、もうちょっと走ってから帰るので先食べててください」
姫『私はともちゃんといっs「シツレイシャース」ピ
あれから3週間がたち、俺の身辺はめまぐるしく変化した。
まず俺は公務員になった。しかも公安だ。立場上、両親にも話せないので、ド田舎の学校で住み込みの臨時教諭をやってることにした。
住まいも変わった。姫野さんに弟子入りしたので、今は彼女の家で生活させてもらっている。超高層マンションの上階に住んでいるので、階段ダッシュができていい運動だ!
そして一番変わったのは...俺の中にいる悪魔の正体が分かったこと。
『シュトゥーカの悪魔』世界共通でそう呼ばれているらしい。
悪魔へと変身する条件も明らかになり、日常生活にも支障がないことが保障された!
「俺もはやく一人前にならないとな。いつまでも姫野さんの世話になるまい...!」
聞くところによれば、姫野さんにはもう二人弟子がいるらしい。まだ会ったことはないけれど、同じ目標に向かって努力する仲間だ、仲良くなれるに違いないな!
「ただいまですよ」
姫「あっ!やっと帰ってきたー。絶対遅くなると思って何皿か多めに作っちゃったよ」
「姫野さん、俺さすがにこの量は」
姫「そう言うと思ってさ、今日は私の弟子を家に呼んどいたんだよね~」
\ピンポーン/
姫「お、きたきた」
考えた傍から緊張の瞬間だ、いよいよ歴史的な顔合わせが果たされるのである!
コ「は、はじめまして、東山コベニです」
なんてこった!!持つべきものは運だな!!!