名探偵コナン〜異常で混沌な探偵〜   作:ルオン

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お待たせいたしました!

第一話となります!
今回の第一話は、S・Hさんという、色々相談にのっていただいている方の協力を得て制作しております。

それでは本編をどうぞ!





MYSTERY1︰探偵の化身

イギリスにあるとある屋敷でのこと。

 

朝の7時頃、屋敷の部屋で人が殺さているのが発見された。

 

被害者はこの屋敷の婦人。胸にナイフ状の物で刺された跡があり、その一撃により亡くなった。

 

発見場所は2階の部屋のベッドの上。暖房が効いている。荒らされた形跡はなく、遺体の側には水の入ったコップとその隣にいくつもの薬局の袋が入ったジップロックが置いてある。

 

犯行当時この屋敷いたのは家政婦、主人、息子の3名。

 

第一発見者は家政婦。朝6時に家に到着するといつものように花の水やりをした後、朝食を作り、この家の家族を起こしに行ったところ遺体で発見された。

 

犯行は夜中の間に行われたと考えられ、全員が寝ている間にナイフのような物で刺した。

 

家政婦の証言では、婦人は夜の6時半ごろに自分の部屋に行きベッドで眠った。

 

主人は婦人の隣の部屋にいたが夜の7時半に睡眠薬を飲んでそのままベットに入って寝た。

 

息子の部屋は主人の隣。8時半にリビングでテレビを見ていると家政婦が玄関から帰るのが見えた。夜の9時に自分の部屋に行こうとした際にドアを開けて自分の部屋に入る母親の姿を見た。深夜1時まで大学のノートをまとめていた。その時に音は何も聞こえなかった。

 

家政婦は全員が自分の部屋に入ったことを確認し、夜の8時に家を出て自分の住んでいるアパートに帰った。玄関のカメラにも記録されている。

 

通報を聞きつけたイギリス警察所属の警部、アリウス・レストレード警部とその部下が臨場し、息子のアルバートに事情聴取をしていた。

 

「つまり、アリバイがないのは貴方だけですね?」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!アリバイがないからって犯人にしないでくれ!!」

 

「しかしですね。貴方だけなんですよアリバイがないのは。すみませんがもう少しお部屋を詳しく調べさせてください」

 

「わ、わかったよ…」

 

アリウスと部下の警察官に言われ、部屋へ2人を案内する為に向かうアルバート。

その時

 

「いや、彼は犯人じゃない」

 

『!?』

 

1人の人物の声がその場に響き渡り、アルバート達の動きを止めた。

その場にいた全員が声が聞こえてきた方へ体を向けると1人の男性が立っており、男性を見たアルバートとアリウス、部下の警察官が目を見開き驚いた。

 

「ショウ!!」

 

「ホームズ!?」

 

「ケイオスさん!?」

 

そこにいたのは、この世界へと転生した男、翔であった。

転生した彼は現在、銀白(かねしろ)(ケイオス)(しょう)と言う名で生きている。

イギリスでは母方の性でショウ・ケイオス・ホームズと名乗って探偵をしている。

主に難事件で警察側が捜査に行き詰まり、警察側から依頼があった際に活動をしており、それ以外では猫捜し等の事件とは無関係の依頼を受けている。

 

「ホームズ、何故ここに?今回は依頼をしていないが?」

 

「どうも、レストレード警部。今回の俺は警察側の依頼で来たんじゃありません。友人である彼、アルバートからの依頼です」

 

「来てくれてありがとう、ショウ!!」

 

「礼は良いさ。レストレード警部、申し訳ありませんが、この事件を早急に片付ける為に、現場内に入ってもいいですか?」

 

「構わない。どれくらいかかる?」

 

「俺の予想通りなら、10秒で終わります」

 

「じ、10秒だと?」

 

翔の言葉に困惑するアリウス。

許可を得た翔が現場を物色し始める。

 

10秒経過…

 

「……なるほど、よくこの犯行を思いつきましたね」

 

「もう分かったのか!?」

 

「なんだって!?」

 

翔の言葉を聞いたアルバートは勿論、その場にいた全員が驚いた。

 

「ああ、まず現場を見てください。争った形跡がありませんし、部屋に暖房が効いてる。これは本来の死亡時刻を誤魔化すためと凶器を消すため」

 

「なんだって?」

 

「気づいていませんか?ここにある時計だけ正確で他が30分遅れてるんです。恐らく犯人による工作でしょう。本当の殺害時刻をわからなくするため」

 

「いやそこは分かるんだが、凶器を消すとはどう言うことだね?」

 

「凶器は暖房の部屋で綺麗に溶けて無くなったってことですよ」

 

「綺麗に溶けて…?···そうか!!氷か!!」

 

「なるほど!氷で刃物を作り被害者を刺したんですね!そしてそこにあるコップに入れておけば暖房の熱で溶けて水になって消える!!」

 

「しかしそんなの作ったらここにいる全員にバレると思うが?どうやって作ったんだ。ここにあるコップだって円柱形で形は合わないし」

 

「流石アルバート、良い質問だ。作っても変に思われない物で作ったんですよ。これで」

 

差した指の先にはジップロックがあった。それを見たアルバートがハッとした。

 

「そうか!ジップロックで作ったのか!水を入れて端っこに傾け、余った部分は巻いて円錐状にする。そして奥に置いて他の冷凍食品で押し潰すように隠せばナイフ状になる。そして犯人は全員が寝静まる時を待って凶器を用意すれば良い!」

 

「だがホームズ、そのやり方ならアルバート氏は勿論、この家の人なら誰だってできるはずだ」

 

アリウスの言葉に周りの警察官達は頷く。

しかし翔とアルバート、父親のアーノルドはその言葉を否定するように首を横に振る。

 

「…いや、俺にはその犯行は無理だ」

 

「む?どういう意味だ?」

 

「じつは彼····…霜焼け体質なんです」

 

「し、霜焼け!?」

 

「はい、うちの息子は生まれつき霜焼けになりやすいんです」

 

「だからコイツは犯人じゃないんですよ。現にコイツの手には霜焼けの跡がない。コップに収まるほどの氷を掴めば一発だ」

 

「な、なるほど·······」

 

「ということは、残ったこの2人の中に…」

 

「ええ、そして犯人がどうやって気付かれずに侵入したか。それはあそこからです」

 

翔はある場所を指差す。

全員が指差す方へ顔を向けると、そこには窓があった。

 

「まさか窓から侵入したというのか?しかし普通にバレてしまうのでは?」

 

「その通り、普通はバレますがここから下は庭。家の前では後ろにあります。そして向かい側も家があります。ですが一昨日から旅行に行ってるそうでいません。更に窓は鍵が開いていて窓枠には土汚れがあった」

 

「土汚れ?それぐらいあるんじゃないかい?」

 

「いいえ、この土があるのがおかしいんです。アルバート、確か家政婦は部屋中を掃除するんだったな?」

 

「ああ、俺の部屋も窓から床の隅々までやってもらってるから間違いない」

 

「ならば昨日の今日で土があるのはおかしい。しかしそうすると窓枠に汚れがあるのにフローリングの床には汚れがない。なぜか?」

 

「それはないから靴を脱いで入ったのだろうが、それとなんの関係が?」

 

「分かりませんか?靴を脱いだ。のならば脱ぐ際に靴の土は落ちる。犯人は靴の土が入らないよう窓に腰掛け、外に土を落とした。その時うっかり残りの土が手や袖についたのでしょう。付いてますよ、家政婦さん」

 

「なっ!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「君が…?」

 

翔の言葉で、その場にいた全員が家政婦へと視線を向ける。

 

「じ、冗談はやめてください…!確かに土はついてますがこの袖は朝の水やりの時についた土ですよ」

 

「いいえ、貴方はミスをおかした…貴方は殺害後アルバートが階段を登る音が聞こえ婦人になりすまし、ドアから少し後ろ姿を見せ今から部屋に入りますよという状況を作り、それまでは生きていたように見せた。そうすることで部屋に入られることはないと思ったのでしょう」

 

「じゃあ俺が見たのは…いや、ちょっと待て!あの時母さんの服が見えていたぞ?」

 

「そう、それが証拠となった」

 

「入る姿を坊ちゃんに見られたことですか?そんなのが私だったという証拠になりますか?」

 

「犯人は、出る際に急いで出たのでしょう。自分でも気づかなかったようですよ」

 

翔はそう言いながら、クローゼットを開けて中身を見ていく。

 

「証拠を残して…しまったことを」

 

「それは…!?」

 

「あっ!!」

 

翔が取り出したのは、亡くなった婦人の服。

アリウスの部下が調べると何かを発見した。

 

「レストレード警部!ありました!土汚れです!!」

 

「なっ…!?」

 

「確かに袖にあるな…これと貴方の袖部分と一致すれば確かな証拠になります」

 

「更に調べれば貴方の毛髪や皮脂が見つかると思いますよ?」

 

「……ついてるでしょうね。急いで着たから…」

 

「なぜだ、なぜ妻を…!?」

 

罪を認めた家政婦に詰め寄るアルバートの父親。

すると家政婦は鋭い目でアルバートの父親を睨みつける。

 

「あいつが許せなかったのよ…私の彼を殺したあいつを…!」

 

「殺した…!?」

 

「そうよ!あいつは教師だったが憂さ晴らしに生徒に金をやって生徒をいじめるように仕立て上げたのよ!その標的に私の彼は死んだ…」

 

「まさか十数年前に起きた、生徒飛び降り自殺か!?」

 

「そう、警察によって自殺に追い込んだ生徒は逮捕された。でも主犯格であるあいつは全部生徒のせいにした!自分は悪くないという顔をして!!」

 

「なるほどな…しかしよくそいつが主犯だとわかったな?」

 

「いじめの1人と面会して全て話してくれたわ…そして家政婦としてここに来た時、あいつはこう言ったわ…『初めまして』って…」

 

家政婦は動機を話すと、手を力強く握りしめながら怒りの形相になる。

 

「だから殺してやったのよ!!大切な人を自殺に追い込んで、その責任を生徒に全部擦りつけて幸せに生きてるアイツを許せなくてね!!」

 

瞳から涙を流しながら言い放つ家政婦。

その言葉に、その場にいた全員が何も言えずにいた。

その場に少しの沈黙が続く。

しかしその沈黙を、翔が破った。

 

「それでも、貴女は殺人をするべきではなかった」

 

「貴方に何が分かるのよ!!」

 

翔の言葉に怒りを覚えた家政婦は、翔に掴みかかる。

 

「貴方に何が分かるのよ!!大切な人を奪われた苦しみが分かるわけないわ!!」

 

「·······確かに、貴方の苦しみは分からない。だがそれでも、言わせてもらいます。貴女は殺人をするべきではなかった」

 

「何を!!」

 

「まだ気づかないですか?貴女がした事は、貴女が殺す程に憎んでいた被害者と同じ事をしてるんですよ」

 

「っ!?」

 

翔の言葉に、家政婦は押し黙った。

 

「貴女のやった事は、やり方は違えど被害者である彼女と同じだ。貴女はアルバートにとって大切な家族を奪い、アリバイがない彼を犯人として擦りつけようとした」

 

「そんな!!私は」

 

「貴女にそんなつもりはなかったのかもしれない。ですが結果的に貴女はアルバートに罪を擦りつける形になった」

 

「私はあの女とは違う!!」

 

「なら何故、自身が犯人だと名乗らなかったんですか?何故、俺が貴女についた土汚れについて指摘した際に名乗らず反論したんですか?」

 

「そ、それは·······」

 

「貴女は被害者に復讐する事で頭がいっぱいになり、自分が嫌っていた人と同じ事をしてしまったんですよ。貴女は、貴女が憎んでいた人と同じ立場になったんです」

 

「あ·····あぁ······!!」

 

家政婦は涙を流しながら、膝から崩れ落ちた。

 

「私は······なんてことを······!!」

 

自身がした事を改めて認識した家政婦は、自身の犯した罪に後悔し始める。

 

「坊ちゃん、旦那様··········申し訳ございません!!私はとんでもないことを·····!!」

 

「·················」

 

涙を流しながら謝る家政婦。

そんな彼女へアルバートが近づき、家政婦の肩へそっと手を置いた。

 

「頭を上げてくれ」

 

「·······坊ちゃん」

 

「アンタがした事は許されない」

 

「························」

 

「けど、アンタの苦しみは理解できる」

 

「坊ちゃん·········」

 

「今はまだ、頭の中ぐちゃぐちゃで整理できない。だけど母さんがした事は許される事じゃない事は分かる。本来なら、母さんがアンタに謝らなきゃいけないだろうが、どうか代わりに謝らせてくれ···············申し訳なかった!!」

 

「坊ちゃん·······!!」

 

頭を下げるアルバートを見て、家政婦の瞳から更に涙が溢れ出す。

翔はアルバートの横から家政婦へと近づき、家政婦の肩に手を置いて口を開く。

 

「人に言われたとはいえ、貴女は自身の過ち気づき謝罪した。それだけは、貴女が嫌っていた人とは違うと言える部分でしょう」

 

「······ホームズさん」

 

「だからどうか罪を償い、人生をやり直してください。きっと、貴女は自身が犯した罪で苦しむでしょうが、それでも生きてください。それが貴女にできるアルバート達への贖罪の1つとなるんですから」

 

「はい·····!!」

 

翔の言葉に涙を流しながら頷く家政婦。

その後、アリウスの部下が家政婦をパトカーへと連れていく。

犯人がいなくなった現場で、アリウスがアルバートへ謝罪していた。

 

「アルバートさん、君を犯人と疑ってしまい申し訳ない」

 

「いや、気にしないでください警部さん。俺もアンタの立場だったら、同じように疑ってたと思うから」

 

「そう言ってもらうと助かる。それにしてもホームズ、良くあの土汚れに気づけたな」

 

「他の場所は汚れてないのに、彼処だけ汚れてるのは何故かと疑問をもったので」

 

「流石は“物語から出てきた探偵の化身”だな!!」

 

「恐れ多いからやめてくれ、レストレード警部」

 

アリウスの言葉に苦笑いする翔。

【物語から出てきた探偵の化身】

それは翔が周りからつけられた二つ名。

警察が解決に難航している事件を解決していく内に警察や被害者親族、その場にいた者達等から呼ばれるようになった。

本人は恐れ多いと言っているのだが、周りはそう思っている。

 

「ショウ、今日は本当にありがとう。落ち着いたら一杯奢らせてくれ」

 

「あぁ。その時は連絡をくれ。と言っても、すぐには来れないが」

 

「もしかして、忙しいのか?」

 

「以前、日本に行くって話した事があるだろ?明日にはイギリスを発つんだ」

 

「明日だったのか!?」

 

翔の言葉にアルバートは声をあげなから驚き、周りにいたアリウスを含んだ警察官達も目を見開く程に驚く。

翔は日本で元々生まれ小学2年生までは育っていたが、小学親の仕事の都合でアメリカへと引っ越し、13歳になる頃にイギリスへと引っ越したのだ。

今回、翔は日本に戻って活動すると決めたのだ。

 

「ホームズ、本当に日本で活動するのか?このままイギリスで活動してくれると、我々としてはありがたいんだがな?」

 

「すまない警部。昔から決めてて、知り合いの伝手でもう事務所も購入してるんだ」

 

「そうか·······」

 

「もし力が必要であれば呼んでください。必ず協力します」

 

「あぁ。その時はよろしく頼むよ」

 

アリウスはそう言い、翔と固く握手を交わす。

 

「アルバート、色々と大変だと思うが頑張れよ」

 

「あぁ。ショウも頑張れよ」

 

アルバートはそう言い、アリウスと同様に翔と固く握手を交わす。

その後も翔は、現場へ臨場していた警官達と握手を交わしてから家へ帰って荷造りをするのであった。

 

to be next mystery




今回はここまでです!!

次回は事件解決後の翔と、翔についての話になります。
次回も是非読んでください!!
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