雪柱の少女   作:白雪琉衣

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刀鍛冶の里編・暁の集結と共鳴する命

上弦の肆・半天狗の断末魔が消え、刀鍛冶の里に静寂が戻った。

 燃えるような朝焼けが空を染め、ボロボロになった戦士たちの姿を照らし出す。

「……よかった……禰豆子、本当によかった……」

 炭治郎が膝をつき、太陽の下で奇跡的に消滅を免れた妹を抱きしめる。鬼でありながら太陽を克服した禰豆子は、まだ言葉はおぼつかないものの、「お、おはよ……」と優しく微笑んでいた。

 その光景を、森の奥から駆けつけた仲間たちが眩しそうに見つめていた。

 

「炭治郎君! 禰豆子ちゃん! 生きてるのねぇぇぇ!」

 恋柱・甘露寺蜜璃が、目に涙を溜めて駆け寄ってきた。彼女は太陽の下に立つ禰豆子の姿に驚愕しつつも、それ以上に彼女が無事であることを爆発的な喜びで受け止めた。

 蜜璃のすぐ後ろからは、肩を上下させながら不死川玄弥が歩いてくる。全身傷だらけで、一時的な鬼化からもとに戻った彼は、炭治郎たちの無事を確認して静かに目を伏せた。

「……チッ、心配させやがって。……炭治郎、禰豆子、よかったな」

 不器用な言葉だが、そこには共に上弦と渡り合った戦友としての深い情愛がこもっていた。

 

 そこへ、月唯に支えられた無一郎がゆっくりと姿を現す。

 記憶を取り戻した無一郎の瞳は、朝日の光を反射して澄み渡っていた。

「……甘露寺さん、炭治郎。……二人も、無事だったんだね」

 無一郎の声は穏やかだった。記憶の霧が晴れ、自分が何のために戦っているのか、その確信が彼の言葉に重みを与えていた。

「月唯ちゃん!無一郎君! 二人も無事で良かった!」

 蜜璃が勢いよく二人を抱きしめる。月唯は驚きながらも、蜜璃の体温に触れて、ようやく戦いが終わったことを実感した。

「……ええ。蜜璃さん……ありがとうございます。……不死川君も、体を大切に」

 月唯の白銀の羽織は引き裂かれ、傷が痛むが、仲間たちの笑顔が何よりの良薬だった。

 

 禰豆子が月唯と無一郎の元へトテトテと歩み寄る。

 鬼としての力、そして太陽を克服した奇跡。月唯はその不思議な温もりを感じながら、禰豆子の頭を優しく撫でた。

 月唯にとって、今ここに広がる光景は、奇跡そのものだった。

「……行きましょう。里のみんなが、待っているわ」

 月唯が提案すると、無一郎が彼女の手をぎゅっと握り直した。

「うん。……帰ろう。僕たちの場所に」

 朝日が最高潮に輝き、里を救った六人の英雄たち――三人の柱と、希望を繋いだ三人の少年少女――を包み込む。

 霞は完全に晴れ、雪は慈雨となって大地を潤していた。

 刀鍛冶の里編、完結。

 彼らの絆は、これから始まるさらなる試練を越えるための、消えない光となったのである。

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