もしもダンが破門されなかったら   作:まりもまんじゅう

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第四話 目を逸らすのはもう、止めだ。

 

「黙るってことは、図星なんだな……。はあ、だから言いたくなかったんだ」

 リュウは、そのまま寺に戻ろうとする。歩いてるときに小さい石ころを蹴って、その音がむなしく響く。なあ、人にだけ言いたいことを言っておいて、話題をすぐ切ってすぐやめにするなんて、そんなのってないだろ。

 オレがどうしてここに来たのか、その理由のこと、あいつはやっぱり気にしていたんだ。今まで言ってこなかったのに、こんなへとへとに疲れ切ったタイミングで言われたら、そんなのは困る。オレ、そんなことを言われたって……全然考えがまとまってなくて、でも言い返さないでいられるわけがないんだ!

「リュウ、待て、待てって!」

「待たない」

 かろうじて出した言葉に振り返りもせず、リュウは寺の敷地内にある庫裏(だいぶ改築されていて、フツーの日本家屋に近そうな構造になっている)、すなわち普段住んでる所の玄関へと歩き続けた。オレはたまらず、無言で行くリュウの胴着の背側を掴んだ。振り向いたリュウはあきれていた。

「あんたなあ、無理やり掴んで止めることはないだろう」

 オレは自分の必死さに情けなくなったが、それでも言い訳ぐらいはさせて欲しかったんだ。

「オレは、いや、その。おめーがな、オレがやろうとしていることを嫌がるのは分かるけどっ、そんなつっけんどんに言われたらオレだってな、ハラがたつというか、いやそういうわけでもないんだけど、とにかくいきなり言わないで欲し一つーか」

「言葉がまとまってない」

「うっ」

 リュウはつめたかった。いつになくつめたい。オレが反論する余裕を与えてくれない。いつもはこんなんじゃない。いつもったってこいつとは短い付き合いだけど、それでもこんなんじゃなかった。

 

 

 

 ――そうだ。来てすぐのころはよそよそしかったけどさ。

 オレは目の前のつめたいリュウを見ながら、こいつと過ごしていた時間を思い出していた。

 大人しいやつなのかな? と思ってたら、すぐに遠慮が無くなったんだよな。オレの自主練も覗いて来やがって。講堂の裏でさ、オレがここに来る前は背の低い木が茂ってたから、自力で木を切り出して動けるスペースを作ってそこで型の復習なんかをやってんだよ。人に見られちゃ落ち着かないときだってあるしな。

 だから後ろでリュウに張り付かれちゃ捗らねえんだよな。だから追い出すんだけど、追い出しても懲りずにまたやってきてはじーっと見てきてさ。いい加減頭に来たってんでマジで追い返そうと波動拳を撃とうとしたんだ。ちょっと、撃つ直前にこれはやりすぎたかも、とか思ってたんだけどよ。

 なんとあいつもオレにカウンターの波動拳を撃ってきたんだ。しかも両手で撃ってきて、オレは面食らったね。

 波動拳つったら師匠はいつも片手で撃ってたんだ。両手で撃つのって、なんか違うんじゃねえか? そういうもやもやがあった。

 波動同士がカチ合って、打ち消された。オレは居心地の悪さを感じつつも、リュウに近寄っていった。

「波動拳って、そういう技じゃないだろ」

 そう、当然の疑問だ。オレの言うことにリュウは涼しい顔をしていた。

「だって、オレもダンも片手じゃ無理だろう。気を練ることすら出来ないだろ。それはそうだ、オレたち、師匠ほどは気の扱いを身につけていないのだから。それじゃいつまで経っても前に飛ばないよ。だったらこのほうがいい」

 リュウはそう言いながら両手で、波動拳の構えを取る。当たり前みてーに言うからオレもマネしてみたら意外としっくり来ちまってさ。結局はオレも両手でやろうと思うようになった。弟弟子なんかに先を越されちまってむかむかするやら感心するやら。

 あれ、オレはなにを言いたかったんだ? そうだ! とにかく、リュウは遠慮が無かったけど、それでもさー、ことの本質? ってのを見ててさ。理由もなくつめたいことを言うようなやつじゃあないんだよ。それは付き合いが短くても分かるんだ。

 

 

 

 じゃあオレ、つめたくされる理由があるのかよ? いや、それは、理由ぐらい分かるけど。そんなのってさ。ないだろ。

「リュウ、オレは今悲しい。なんでお前そんな態度なんだよ」

「ダンのそういう、自分の思ってることをすぐ表に出すところはいいと思う」

「そりゃどうも」

「ダンは、いつもそういうふうであればいいんだ」

 リュウが、不機嫌を見せつけて、まるでワガママみたいに言うもんだから、オレはおかしくなった。

「なんだよ。オレは単純で、のんきで暮らしていたらいいのか?」

 リュウは真面目だった。オレが冷やかすのをまったく気にしてはいなかった。

「そうだ。そうやってあんたは笑ってたらいい。一緒に修行もしよう。それで、敵討ちのことなんか忘れてしまえばいいんだ」

 

 オレは、「ああ」と言葉になっていない声を出した。

 そうか。そうか。そうだったのか。リュウが言いたかったのはとにかく、それだったんだ。

 リュウは続ける、言葉の一つ一つが、オレにのしかかってくる。

「オレはあんたの立場にはなれないから、どれぐらい悲しかったのかは分からない。オレはダンの父さんに会ったことがない。知らない人だ。だから、そんなオレに言われて怒るのも分かる」

 リュウがたどたどしく言っている先になにがあるのか、うすうす分かってきた。

 それは一番言われたくないことだった。

「だからって相手を殺すのか? ダンはそれで気が晴れるのか」

「親父が生き返るわけでもないってのに、か?」

「分かってるんじゃないか」

 リュウが、歯がゆそうに体を揺らしていた。外周で疲れているのもあって、肩が上下してる。

 こんな限界寸前なのに、オレは説教をされている。よほど心配されてるらしい。

 あまりにも情けなくって、からかうような言い方しか出来なかった。

「お前って、もしかしなくてもお人好しだよな」

「ダン、茶化すのか」

 リュウはどこまでもまっすぐオレを刺してきて、えぐってきて、オレの行いを直視させようとしてくる。

 オレは弱いやつだから、下手な突き放し方しか出来なかった。

「そういうわけじゃないんだけど、お前なあ、お前とオレって他人だろ? よくもまあ、こんなに踏み込んでこられるよな」

 リュウは、ほんっとうに驚いていた。言われてることがよく分かってない感じの、そういう目をしている。

「あんた、自分が言ったことを忘れたのか」

「なんだよ」

「俺の兄になってくれるって、あんた言ってなかったか。二週間ほど前のことだ。まさかほんとうに忘れたっていうのか?」

 

それは……。誰がそんな、ことを……。

記憶がものすごい勢いで駆け巡る。あ、ああ……そういえば、あの時……!! 師匠にこいつの面倒を見ろと言われたあと……!!

 

『短い間だけど、お前の兄貴になってやるよ。よろしくな』

 

 ああーっ!! オレの頭にイナズマが走った。

 言った。確かに。

 たった一ヶ月だからって、どうせ破門になるからって、気軽にそんなことを言ってしまった。

 オレはさ、自分の軽率さにほとほと嫌気が差したね。そんで、自分を殴りたくなった。

 オレは、ここまで来ても、なお逃げようとした。自分の言ったことに責任を持つのが怖かったんだ。

「そんな口約束をさ……本気にしたのかよ」

 オレの苦し紛れの一言に、リュウは真正面から返してくる。

「自分で気づいてなかったのか。あんたはあのとき、本気で言っていたぞ」

 右っ面をぶん殴られて、左にすぐさま往復で拳が来た。そういう感触に近かった。

 

 そうだ、オレは家族に飢えてた。オレは誰かと一緒に暮らしていたかった。一人になって心細くて、それなのにオレは師匠を踏みつけにしてまで目的を果たそうなんて考えたから師匠となれ合うことすら出来なくて、ここに来ても一人で居るしかなかった。

 だから、やって来たリュウを身代わりにした。真面目でいいやつだなあ、こんな弟が居ればいいな、とヨコシマな心がうずいていた。図々しいにもほどがあった。

 でもさ、リュウも同じだったんだ。親父にこんな山奥によこされて、そりゃあ心細かっただろう。

 自分でもびっくりするぐらい軽くて浅い態度のオレなんかでも、そばに居てやれば頼りになるんだろう。居ないよりはよほどいいんだろう。そんなことも分からなかった。オレは兄貴失格だ。

 頭をめいっぱい下げてから、背を正した。両手を合わせて、謝るって意思を示す。

「悪い、リュウ。お前の考えてることに気が回らないなんて、オレはダメなやつだ。いや。これは口だけじゃない。マジで謝ってるんだからな。ほんとだって」

 オレがあんまり必死で言うので、リュウが吹き出した。オレは「そりゃあねえだろ」とつぶやいた。

 

 

 

 その日の夜は寝付けなくって、昼と同じで縁側に出て座っていた。そうしてたらリュウのやつまで起きてきて、オレの隣にちょこんと座ってきた。この野郎、なんでも人のマネしたらダメだからな。夜更かしなんてするなよ。オレはそんなに優等生じゃねえんだから。マネをしていたら不良になるぞ。

「昼間はごめん。オレ、言い過ぎだった」

 リュウはそう言って頭を下げた。だからさ。そういうふうにしょげられても困るんだ。弟に謝らせてるなんて、オレが惨めになるだけじゃねえか。

「リュウ、オレさ。そんなに怒ってねえよ。だから頭上げろ」

 リュウが顔を上げたのを確認して、その目を見て言った。夜の暗い空気を吸って、リュウの目はくろぐろと輝いていた。赤みのある髪とは違って、目のほうは黒瑪瑙のような色味をしていた。

 こいつの前だと、言っても良いような気がした。

「オレ、ここに来たときほどは思わないんだ」

 リュウがオレのほうを見ている。まっすぐに。オレの心を映すような目だった。困るよな、こんなの。嘘がつけない。

 木や草が茂るばっかりで、剪定もろくにしてなくて、伸び放題の庭だった。普段なら風情なんかなかったけど、この晩だけはなんとなくきれいだった。

「あいつを、あいつってのは親父の敵のことで、――サガットっていうんだけど。あいつのこと。この手で殺してやりたいって気持ち、今はさ、だんだん鈍くなってきてる」

 リュウは「それなら」と目を輝かせた。

「ま、そう結論を急ぐな。話には過程ってものがある」

 

 オレは空を仰ぎ見た。雲が濃い夜だった。薄い灰色で天が覆われていて、今にも落ちてきそうだった。

「ここに来てずっと、腕を磨いて技を鍛えて、自分が強くなって。そういう中で、これであいつを殺せるってよろこびだけがあった。そんな風だからだよなあ……。動機がおかしいってことで、師匠に追い出されそうになった。そんな中で、お前が来た。……今だから言うけどさ、オレは正直嫌だな、としか思わなかった。年下の面倒なんか見たかねえってな。しかし、乗りかかった船、は違うな。とにかくなんかの縁だし。たったの一ヶ月だし。で、お前の面倒を見ていたらさあ、見てたら、……違ったんだ」

「違う?」

「今まで、あいつに届くかも、とどめをさせるかもってことがうれしかったんだ。でも、違うんだ。お前と手合わせして、お前が強くなるのを見てると、負けたみたいでくやしいのと、兄貴として誇らしいのと、交互に来るんだ。それで、どっちにしたってオレは幸せなんだよ。サガットの野郎の首を狙っているときよりも、よほどな」

 リュウは、オレの話を真剣に聞いてくれていた。それだけでもうれしいことだった。オレの考えてること。胸にあるものをいっしょに持ってくれるやつがいるだけで、オレはそれだけで生きている甲斐があると思った。

 それはきっと、キバが抜けるとか、ふぬけるとか、そういうことではないんだ。その道も、格闘家にとって生きる道の一つである。それは確かなんだ。それも闘いの一種なんだ。

 

 それに、オレはもうひとつ分かってしまった。

 そういうゆるゆるとした幸せだけではない。格闘家の、どうしようもない性を知った。

「なあ、リュウ。格闘家にとっていちばんの名誉はなんだと思う?」

 リュウは、いきなり問われてとまどっていたが、すぐに答えた。

「名誉か、考えたこともなかったけど。そうだな、大会にでも出て、自分が強いと証明すること、かな。あと、ダンが言ったように、弟子を育てて、その弟子が強くなること、とか」

「うん。それもそうだと思う。でもさ。オレ、親父は、親父はそうじゃない名誉を取ったんだと思ったんだ」

「そうじゃない?」

 口に入ってくる空気が冷たくて、きっとこれは夜の冷たさだけではない。死のつめたさが、オレの背中に回ってくるようだった。

「親父は、死んでもいいと思ってたんだ」

 リュウが、口を大きく開いた。のどの奥で息をして、反論しようとしたのか。でも、なにも言ってこなかった。言えなかったんだ。

「格闘家にとって、「この闘いで死んでもいい」って思えたら、それはきっといちばんしあわせに違いないんだ。それはなによりも誇らしいことなんだ」

 

 

 オレは、ぼやけた記憶を思い出していた。あの忌まわしい記憶は、リュウに出会ってから、だんだんと鮮明になっていった。

 出来れば、思い出したくはなかった。

 サガットと親父の試合のあと、立会人はなんと評していたか……。

 リングのそばに駆け寄っていって、立ち尽くして震えているオレを諭すように、立会人のじいさんは言ってたじゃないか。 

「あんたの父さんは立派だったよ。あの帝王に臆することなく向かっていた。死にかけてるのに、それが自分で分かってるのに、気持ちが折れるようなことはなかった」

 

 ああ、そうだ。親父の最期は……。

「とても立派だったよ。サガットの片目を奪い、反撃され、殺される間際のそのときですら、あの人は笑っていたんだからな」

 

 

 オレは、目の内側から沁みだしてくるものをこらえられなかった。まぶたの裏がにじんでくる。

「親父は満足していたんだ! 負けて、そりゃあ残念だったかもしれねえけど、格闘家としての人生に、悔いなんかなかったんだッ!!」

 叫んで、その声は山の向こうに沈んでいく。景色が涙でゆがんで、よく見えなくなる。灰色の空が、よりぼうっとした形でオレの目に映り込む。

「オレは最初から分かってたんだ。あの人は敵討ちなんか望んでねえって!! 分かってても納得なんか出来なかった。だって、そんなの、おかしい! オレは、あの人の、たった一人の家族だったんだ。母さんも妹も死んで、オレには親父しか居なかった! それなのに、勝手に勝てそうもねえやつに挑んで、「自分は勝てる」って信じ切ってて、負けるとなっても、命乞いもしねえ! 最期まで、楽しかっただなんて……認められるわけねえだろう!!」

 オレは、リュウの前だと分かっているのに、流れるものを止められなかった。あとからあとから涙がにじんできやがる。

「格闘家って、なんて自分勝手なんだ。こんなの、頭がおかしいって、道理が通らないって思った。親父がそんなヤツで……格闘家がそんなもんだっていうのなら……オレは、自分のためだけに拳を振るうのも間違ってないって思ったんだ。自分が……家族を失って悲しいから、殺した相手を憎んでもいいんだって。その気持ちだけで動いていいと思った。でも。やっぱりオレが間違ってるんだ。だってそうじゃなかったら、なんで今さら親父の気持ちが分かっちまうんだよ」

 

 オレは、リュウとやりあっていると、ときどきその試合の果てを夢に見るようになった。

 今はまだお互い未熟だけど、オレたちはどこまでいけるのだろう。もし、オレたちがもっともっと強くなって、最高の試合をすることが出来て、完全に燃え尽きるまで闘いたいと望むのなら。

 そのときオレは、お互いの生死を気にしたままでいられるだろうか……?

 

 リュウは、人の心を映す才能があるんだ。きっと。

 オレは、自分の望みを形として自覚し始めた。この拳を以て先に進んでいく、その最期にあるものを……。

 

 リュウの振るう拳を見て、それに応えるオレの拳は震えた。その行き着く先が死であっても、それはそれでひとつの結論なんだとわかってしまった。

 人はなんのために生きる? 家族のためってやつもいる。金のためってやつもいるだろう。

 でもそれは、獣じみた欲求の建前なのかも知れない。

 道を究めたその先に、自分の技の限界が見えたそこに、死があったって構わない。それが格闘家の本性なんだ。

 

「あの人は満足して死ねたんだなあって、なんで今さら分かっちまったんだよ! こんなの、気がつかないほうがよかった。だって、そんなの、ひどすぎる! 11になったばっかのガキだったんだぞ、オレは……? それに、親父の他に、家族なんて居なかった……!! そんなガキを置いて、自分の勝手な「やりたいこと」のために死んでもいいなんて、そんなことが……そんな、ことが……」

 オレは、それ以上は言葉に出来なかった。

それから朝になるまで泣いていた。リュウはずっと寄り添ってくれていた。下手ななぐさめなんかはなかった。

 オレは、それでよかった。ただ隣に居てくれるだけで、心強かった。

 

 オレは、……破門にはなりたくなかった。リュウの兄弟子で居たい。この先こいつがどうなるのか見てみたい、拳のぶつかり合うその先が見たい。

 それでいて、オレは格闘家の本性を否定したかった。死なずとも自分の満足するまで強さの高みを目指す、その方法を探したかった。

その答えは、「親父が死ぬ必要はなかった」ってことでもあるし、親父の悲願を……「達成してしまったこと」を否定するものでもあった。だからオレはぎりぎりまで悩み続けていたんだ。

 

 ひとしきり泣いた。そして、二週間が経った。師匠の言う「一月後」だった。

 その日の朝がやってくる。オレは決断した。オレは、だから……。

闘わなきゃ駄目なんだ。証明するには、それしかない。







読まなくていいあとがき

(この小説内の設定であり、公式の設定とはまったく関係ありません)
小学生ぐらいの子供を一人残して実質自死する(しかも気を病んでなどではなく、至って健康な精神のまま自分の満足のために死んだ)なんて親父カスすぎるやんけ!! ……という現実を受け入れることが出来なかったダンの深層心理は、自分の記憶を一部書き換えてしまいました。
"自分の中の倫理観に反する出来事に耐えられなかった"
"憧れであった父親の姿が崩れるような出来事に耐えられなかった"
ダンの精神は全ての苦しい現実と整合性を取れなくなりました。なので誤ったことを正しいとして自己暗示・あったはずの記憶の改竄という行動に出ました。(行動したというか、無意識にやったというのが正しいでしょうかね)
現実で起こったことを詳細に思い出したあと(つまりこの話のあと)に反動で親父のことをものすご〜く嫌っていた時期があったようですが、真実を思い出して数年くらい経ってから「まあ……格闘家ってそういう生きモンだよな……まともな人間としての在り方とかそういうモンを期待してたオレがむしろ潔癖だったんかもな……」という半ば諦めの境地になります。諦めてからは墓参りや法事的な行事も定期的に行うようになりました。こういうふうに、一回縁があった人間を切れないのがダンの弱さであり、優しさでもあるとかいう話。
(このあとがき内の話を番外編などでやるかは未定です)
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