豪鬼さんの目を食い入るように見つめてしまい、ぎらり、と輝く赤い瞳に気圧されていると、ふっとその周囲を取り巻く空気がゆるんだ。
朝の陽が、その顔にすっとかかる。こうして見ると、案外リュウに似ているような気がした。飾らないっていうか……気取っていないというか。やっぱり親子って感じだ。
「いや、悪い。お前さんを見ていると、ついからかってしまいたくなった」
豪鬼さんがそんなことをいたずらっぽく言う。この人、「鬼」という字が名前に入るわりにずいぶんと茶目っ気があるようだ。というか、いや、冗談で済まない雰囲気だったって。オレはびくっと過剰な反応をしてしまう。
「なっ、驚かせないでくださいよ」
豪鬼さんはそんなオレに背を向けると、上のほうを見上げた。見ている先は寺のある場所のようだ。
「それより、早く上がらなくて良いのか?」
はっとオレは気がついた。そうだ。帰らないと。オレも山を見上げる。毎朝のことだが、いざ登るとなるとちょっと気が滅入る。
オレが返事を返す前に豪鬼さんはすたすた、ではなく、カツカツと音のする下駄で先に行った。オレはその背について歩く。
寺の名前が彫られた縦長の石碑の脇を通り、段の端が崩れかかっている石段を登っている内に気がつく。
おい。この人はどうして下駄でこの悪路をすんなりあがってるんだ? とずーっと考えていたのだが……。
オレは背を見上げて様子を窺ってみる。よく歩ける人のようだった。下駄では滑りやすいだろうに、風化した石段を適当な足取りで軽やかに登っている。
うん。深いことは考えないようにしよう。この人もきっと師匠と同じぐらい常識外れな存在なんだろうから。
道はでかい石や小さい石が転がり回っている。木の間伐もろくにされていないので、部分的に真っ暗なところもある。根本的に人が通りやすい道ではない。そんな獣道一歩手前の山道を、下駄で何事もなく登っている。足の動きを注視するが、どういうカラクリなのかちっともわからなかった。この人は普通にアスファルトの道を行くのと同じように、障害物だらけの道を歩いている。これはあれだ。バランス感覚が狂っているのだ、きっと。感覚が良すぎるという意味でな。
豪鬼さんはそんな調子なのであっという間に道を進んでいってしまう。オレも普段はこんなにハイペースではないのに、つられて足が速くなってしまう。上がりきったころには、疲労感があった。豪鬼さんは山門に入る手前で立ち止まった。オレも隣で立ち止まる。気になるようなものがあるのか? オレとリュウが組み手で加減を間違えたとか……あるいは師匠が気まぐれにやってくれる見せ稽古とか……そういうことで、地面に穴ぼこでも開いただろうか、いや、そんなことをした記憶は(ここ数日に関しては)ない。
豪鬼さんの視線の先を見た。屋根の上に、布団がゆらゆら揺れている。物干し竿にかけられているそれを指さし、豪鬼さんは「どういうことだか分からんが」と前置きした。
「なんでこんな朝っぱらから布団を干してるんだ。湿気を吸うぞ」
あ。意外と細かい所に気がつく人のようだ。まずいことをしちゃったな、と思いつつオレは咳払いした。
「干そうと思ってても、昼になったらうっかり忘れそうじゃないですか。朝起きたついでにやれば忘れることはないんで」
「お前さんなあ。……俺だってそれを「悪いこと」と言える程几帳面な身ではないが、たまには昼に干しておけよ?」
「ういっす」
こくこくとうなずくと、豪鬼さんのほうも一回深くうなずいた。そのしぐさ、その物言いを見ていると、どうしてもリュウを思い出してしまう。あいつも、ときどきこういう小言を言うんだよな……。親父さんなのであるから、当然かも知れねえんだが。
「なんだ? 言いたいことがあるようだな」
「ちょっと……。リュウのやつにやっぱり似てるんだな、と思っただけです」
そう言ったとき、意外そうな顔をした。そう言われるとは思ってなかった、というような。そうしてから、なぜか照れていた。黒い着物の袖で顔を少し隠す。
「ふっ、俺はもともとはリュウのように几帳面な気質じゃない。カミさんにしつこく言われたから身についた……というだけのことだ」
自分でそう言ってから、俺に背を向けて寺のほうを見る。なんだか、聞いてはいけないことを聞いてしまった気がして、居心地が悪かった。
オレたちは微妙な空気を抱えたまま、門をくぐった。リュウがこちらに走ってくる。
「兄さん、遅かったじゃないか…………ああっ!?」
オレの後ろ側にいた豪鬼さんを見るなり、叫んだ。よっぽど驚いたらしい。まあ、当然だろう。事前に連絡されてたわけでもないんだろうし。というかオレもビビったし。
「おう。リュウ。元気でやっているようだな」
「あ、ああ……はい。父さんも、変わりは無いようで……なによりです……」
鳩が豆鉄砲を食ったよう、とはああいう顔を言うのだろう。リュウはなにがなんだかわかってはいないようだが、返事だけはこなしていた。というか、父親に敬語を使うタイプだったんだな……。
リュウは豪鬼さんの前に居るオレをじーっと見ている。なんか、疑われている気がする! オレはいたたまれなくなって一歩前に出た。
「あのな、下でばったり会ったんだよ! 一緒になってなんかを計画したとか、全然ねえから! 偶然! オレも驚いたんだって!」
「ふうーん……。そうか。それならいいよ。うん。こんなこともあるだろう、ってことか。そうだな。父さんが事前に連絡をくれる程マメな性格だとは思っていなかったし……」
常時そういう人なのかよ! うっすらそういう雰囲気はあったけど! ……というかリュウ、テンションひっっくいなあ! なんだ? 大丈夫なのか? 久々に父親と会ったっていうのに……。
いや、なにも大丈夫じゃない! もともとこいつは、事情もよくわからんままにこの寺に預けられたんだから! オレは豪鬼さんのほうを振り返った。笑顔のままで冷や汗をかいている。おい!! 焦ってる場合かよ!! おい! 何とか言ってくれ!
「リュウ、悪かった」
オレは自然と握りしめていた拳を解いた。最初に出る言葉が謝罪と言うことは、豪鬼さんだって自分のしたことが悪いことだって分かってはいたのだ。それはそうだし、そうでなくては困るんだが。
「なにが悪いか、父さんは自分で分かってるんですか? とりあえず謝って済ませようとはしていませんか?」
リュウが肝が冷えるほどに冷たい顔をしていた。いつになく厳しい! 目が冷めている! というか、……オレが考えていたより、だいぶ、きつい対応だ!
そうか、ずっと気がかりではあったんだが……やっぱり不満ではあったんだ。オレや師匠の前で露骨に不満を言ったらオレたちの負担になると思っていたんだ。そんなこと考えねーでいいのに!
リュウの顔を見て、豪鬼さんの目が泳いでいる。だめだ。この人は腕っぷしについては強いのかもしれないが、親子の間の事情を楽々と解決出来るタイプの「心の強さ」とは無縁っぽい!
格闘家としては立派でも人の親としてはなんだか問題がある……オレの脳裏に、自分の親父がちらっと映った。いや、そんなところは似てなくていいだろ!!
オレが仲立ちするというのもちょっと、関係ないやつがしゃしゃり出てる感覚があった。どうしようもなくてその場に立っているしかなかったのだが。そうしていると、師匠が寝ている離れ(昔自分で建てたとか言っていた、ほんとかよ。基礎工事とかどうなってんだよ)のほうからドタン! というでかい音が響いた。まさか、気づいたのか。豪鬼さんが……師匠からすると、自分の弟が来たことに。呼び鈴とか鳴らしてねえのに。こわっ!!
音が聞こえて五秒もしない間に、師匠がどたどたとこちらに駆けてきた。寝巻の甚平姿のままでぜえはあ言いながら、豪鬼さんと数メートルの位置までつける。足は裸足だ。とんでもなくあわてている。見たことないほどあわてている。それから、きつい目つきで豪鬼さんに問うた。
「お前、……ここに、なにをしに来た?」
まず初めに、それだった。冷たい水を背中にすーっと流されたような、内臓が冷え上がる声だった。豪鬼さんが来たのを歓迎する気はみじんもないらしい。
「どうして平然とここの敷居をまたいでいるんだ。お前、自分がどういう立場か分かっているんだろうな?」
師匠の顔は険しい。やーっぱりそうかい!! 破門されてんのに入っていったら駄目だよなーっ!! そうだよ!! 豪鬼さんが平気な顔をしすぎていてなんとなく流されちまったけど、本来、ここに平気で上がり込んだらまずいに決まっているんだ!
豪鬼さんは深く息を吸い、なんともなさそうそうな顔で師匠と向き合った。
「それはまあ、「それ」を言い渡したのは総帥だろう? 少なくともあんたではないな」
「お、お、お、……おっまえ……昔から面の皮が厚いとは思っていたが、よくもまあぬけぬけとそんなことを……もう師範は代替わりしてるんだぞ……」
「それに、息子を置いていった言い訳の、……それを言付ける役として、あんたの門弟を使うというのもおかしい話だろう」
そう言って、豪鬼さんは指でちょいちょいとオレの方を指した。え? つまりはその……使い走りにされそうだったのか。オレは。
ちょっと決まりが悪そうだったが、豪鬼さんの態度ははっきりしていた。師匠は「ぐぬぬ」と歯を食いしばってからため息をついた。
「……確かに、うちの弟子をお前の勝手な親子関係のだしに使われるのは不本意だな」
なんかオレが知らないうちに、オレがメッセンジャーボーイにされそうだったり撤回されたりしていた。オレ本人に許可を取るとか取らないの話はしていない。……師匠の性格は分かってるけどさー、豪鬼さんの性格もなんとなく分かっちまったけどさー。二人とも!! けっこう横暴じゃねーかー!?
オレはそのへんのもやもやは置いて、とりあえず師匠が来てから数分経ち、ようやく場が落ち着いた……のを見計らってから聞いた。
「あのー、質問していいすか。まずは豪鬼さんに」
「ん? ああ。いいぞ」
「そもそも、どうして破門になったのか……はこの際聞きませんけど」
そんなことを聞いていたら日が暮れてしまいそうだ。個人的には聞きたいが、今はその時じゃないと思う。
「どうしてリュウをここに預けたんですか。それがなければ、このにらみ合いも起こって無いと思うんですけど」
師匠も豪鬼さんも言葉に詰まっている。見ている感じ、師匠はなんとなく理由をわかっているみたいだが……リュウのほうを見てみると、途方に暮れてるというか……困っているようだった。おいおい。まじでなんにも聞かされてないってのか。豪鬼さんは気まずそうにしている。
「…………いや、言わないといけないのは分かっていた。分かってはいるが、今は言えない。言うべき時ではない、と、その判断が手前勝手なことは、わかってはいる」
えっ。えっ?? 言わないって……なんで?
師匠はこのあまりにもあんまりな対応になんと言うつもりなんだ? 様子を伺っていると、師匠も口が重そうな言い方をした。
「わし宛ての手紙には理由が濁して書いてあった。が、こいつが相当に非常識な人間だというのは踏まえたうえで……お前たちに言うわけにいかないという意見には同意だ。納得できない気持ちも分かるが、堪えてはくれんか」
はあっ!? ええーっ、それってつまり、二人揃ってだんまりなのかよ! とオレがやきもきしていると、豪鬼さんが言いにくそうに口を開く。
「今言えることとして、俺には……発作のようなものが……定期的に来るんだ。「それ」が、俺を時々襲ってくる。今までは独りで何処かの山にでも籠って自力でしのいできたが、それが通用したのも、まださやかが……俺のカミさんが健在だったころまでだ」
そこで何かを懐かしむような、痛みを堪えるような顔に一瞬なった。その感傷をすぐに微笑に切り替えて、豪鬼さんは続ける。
「ここにリュウを預ける少し前に「波」が来たんだ。俺一人ではどうにもこうにも手が回らなくなってな……それで、兄さんを頼った。これではなにを言っているのか分からないだろうが、これは他人を巻き込みかねない危険な発作なんだ。リュウを……息子を巻き込むわけにはいかなかった」
師匠も、苦い顔をして合わせるように言った。
「ああ。「それ」に関してはわしも同じように考えている。だから、そのことについてはとやかく言わん。……だが、今度来るときは、せめて事前に連絡ぐらいしろ。何か話したいことがあるようなら、門の前で用事を済ませるようにしなくてはな。というか入山もだめか。だめだな! そうだ、町の居酒屋で……は酒が入るとわしもお前もロクな会話にならんし……。よし、喫茶で済ませよう。今度からはそうするぞ」
破門についてはきっちり締めていくつもりのようだった。うん。オレもそれがいいと思う。豪鬼さんをちらっと見ると、目を逸らしていた。聞いていないふりをしているらしい、うっ! 思ったより駄目な大人かもしれない!
いや、それは置いといて。リュウを預けた理由が全然納得できねえんだけどな。肝心のリュウを見ると、深く考え込むようにして腕を組んでいる。おいおい、あいつも納得できてねえって、それは駄目なんじゃないのかよ……。
リュウの様子をさらに伺うけど、なにか言いたそうにしているが言えないようだった。そうだよな。こんな煮え切らない言い方をしているのに、それがお前のためなんだみたいな言い方されちゃ、リュウとしても自分から不満を言えないっていうか、ためらうほうに行くだろう。リュウはそういうやつだ。
となると。これしかない。お節介はオレのいいところ……らしいしな?
オレは意を決し、豪鬼さんをきっと見据えた。
「ちょっといいですか?」
「ああ。……納得がいってないようだな」
「当たり前です! なんすかその、ふわっとした説明! 波? とか発作? とか……そんなん言われても、まったく分かんねえんスけど!?」
オレはつぎに師匠のほうを見た。師匠は自分にまで矛先が向くとは思っていなかったようで、動揺していた。
「師匠も師匠ですよ! リュウがわけ分かんないうちにこの寺によこされたってのに、落ち着きすぎじゃないですか!? そんでそれの理由を、大人同士だけで「わかってる」っていうのは、ずるいと思うんですが!」
師匠の表情が固まった。オレは一気に言って、緊張の糸が切れてはーっと息を吐いた。
豪鬼さんは、神妙にうなずいた。
「……そうだな。こんな言い方で納得しろというのは無茶だ。では、ここで質問しよう。お前さんは一体どうしたらいいと思う?」
「こっちに振るんですか!?」
豪鬼さんはチャラチャラした雰囲気ではありながらも、そこそこマジメに回答を待っているようだった。
オレはぎりぎりと歯を噛みしめて、考えてみる。
そこで、最悪だし見込みがないし無謀すぎる案を思いついた。でも、これぐらいしかやりようがない。
豪鬼さんを人差し指で指した。ばかげてるかもしれないけど、結局……オレたちのような人間には、これしかやり方がないってことだ。
「オレと戦って下さい。本気でやってほしい、なんてとても言えないけど、……それで、オレが勝ったらなんとか言って下さい。全部のことを言えなくても、リュウがすっきり出来る程度のことは言って下さい」
こういう他人の事情、それも家庭の事情なんかに踏み込むのはやりすぎっていうか、あまり良くねえことだろうと思う。思うが。そのままにしておいては、オレの感情のやりどころが見つからない。
「兄さん、兄さんがそこまでしてくれる必要は……」
リュウが心配そうにしている。いや、もしかしたらあきれてるのかもしれない。が、一度啖呵を切った以上は引き下がるわけにはいかない。
豪鬼さんは「ふむ」と顎に手をやって、首を縦に振った。
「わかった。お前さんが本気であることを自分で証明して、それを見て俺が……事情のいくばくかを教えてもいいと判断できたら、教えよう」
それから、下駄の歯で土をひっかいて跡をつけ、自分の周囲に円を描いていく。
「ここから一歩でも俺が出ればその時点でお前さんの勝ちだ。条件はこれでいいな?」
その円は一メートルにも満たないほどのもので、一歩でも足の位置を組み替えればそこで足は出てしまうようなものだった。それ以前に、この人は着物で下駄だ。動きにくいというか、ふつうならまともに動けない。
だが、この条件でも「舐められている」とは思わない。オレの破門だかの騒動のときに師匠とやり合ったときだって、この条件を崩したとは言いがたいのだから。
でも、オレだってあれから修行している。少しは強くなったつもりだ。負ける気はない。
お互いに構えを取り、にらみ合う。拳を握り脇を締め、腕をすっと前に出す。足を片足だけ半歩分下げる。……そういった陽動に、引っかかる様子はみじんもない。
これでは埒があかねえ、俺は臍の下にある丹田に火をいれる。体内の炉が回り始める感覚と共に、走り出した。
まずは跳び蹴り、コレは半身逸らされるだけで躱された。これは予想の範囲内だ。だから、あらかじめ両腕にとどめておいた気を……手のひらの芯へと一気に集め、両手で塊を作る。
着地して足を素早くスライドし、ターンする。豪鬼さんの背中を見る。今だ!
「波動……拳!」
豪鬼さんは振り返りもせず、片手に気を集めていく。俺の波動が炸裂するのと、向こうの手がきらめいたのは同じタイミングだった。
俺の波動拳は、ジュウ、という静かな音と共にかき消される。豪鬼さんはゆっくりとこちらを向いて、オレを煽るように笑いかけてくる。
「どうした? さっきは随分と威勢がよかったが……お前さんの本気ってやつは、こんなものなのかい?」
頭へと急速に血が上っていく。……思わず突進しそうになるのを理性で押さえた。危ねえ、やめろ、バカかオレは! 必死で冷静さを保ち、次の手を考える。
一撃の重さでは初めから勝ち目なんてない。……向こうからは仕掛けてこないようだ、その油断を狙うしかない。
オレは散漫にならないよう心がけながらも、体を振り子のように使い正拳で突く。これも当然のように避けられるが、そこからいっきにしゃがみ、足払いをかける。が、軽く跳ばれた。ここだ!
足を沈め、タメを作ってから着地を狙ってアッパーを仕掛ける。豪鬼さんはそれを、ぎろりとにらんでくる。
目が、赤く光った。目が合っただけで、身体を差し貫かれるような眼光。全身がバラバラに砕けそうなほどの威圧。向こうの気もそれに応じるかのように赤く輝く。俺のアッパーをただの掌で受け止め、はじいてきた。
「ぎっ……!」
腕でガードをされたわけでもないのに、オレの体に反動が伝わってくる。まだだ……! 空いている腕でブローを放つと、向こうの腕の一払いで退けられる。
オレが一歩引くと、豪鬼さんは渋い顔をしていた。
「……やるな。見栄だけで言ったわけではないらしい」
つま先が、ほんの少しだけ円から出ていた。オレは「やった」とつぶやくやいなや膝を地面についた。攻撃を弾かれただけだってのに、身体中が痺れて来やがる。どういうデタラメを使ったんだ、あの人は。
……それに、あの赤い目はなんだったんだ?
「ははは……足先っていうか、円からちょーっとしか出てねえけど、勝ちは勝ちですよね?」
「ああ。そこのところを誤魔化すわけはない」
うんうんと豪鬼さんは自分で自分の言葉を肯定するように首を振っていた。なんか、なにかしらに気まずさを感じているようなそぶりだ。師匠がどことなく冷たい声になる。
「かっこつけおって。「あんなもの」を振るいおって。反則だろうが。あのな。もしダンの一撃で足が出ていなかったとしても……「あれ」を使った時点でお前の負けだろう、これは」
豪鬼さんの額に、脂汗が浮かんだ。図星であるらしい。ん、どういうことだ。今の勝負にイカサマがあったっていうのか? もしかして、あの……赤いのが?
豪鬼さんは申し訳なさそうにしながら、オレに聞いてくる。
「悪いな……。お前さん、いや、そういえば聞いていなかったな。まず名前を教えてくれ」
「あっ、はい。名字は火引で名前は弾……ダンでいいです」
「ダン……悪いことをした、あれは間違いなく「反則」だった。お前さんの突き上げる拳を見て、うっかり血が騒いだというか、あの技に近いものを見たというか、……もしかしてお前さんも、その当事者かもしれないと思い至ったというか」
当事者? 主語が抜けてんだけど、なんの当事者だって言いたいんだよ。師匠のほうを確認すると、苦味が顔中突き抜けるぐらいのものをかむかむと噛んでいるような、そういう顔だった。な、なんだってんだよ!
「勝負をひっくり返すようですまないが……豪鬼、やはり……言うのはやめないか? リュウ、ダン、お前たちには悪いが、わしはやはり、今言うべきではないと思っている」
そりゃねえだろ! と口が出そうになったが、リュウの手がオレの口を塞いだ。師匠の横やりに、めずらしくリュウが真正面から言い返した。
「それはないでしょう。父さんが勝負を受けて、こういう結果が出たんです。正しい理由も無しに「なかったこと」にはできません」
「それはわかっておる。だが……」
師匠は豪鬼さんに目をやった。豪鬼さんはあきれたように言った。
「兄さんは相変わらず甘いやつだな。過保護だと言い換えてもいいぞ。いいか、俺は負けたんだ。勝敗に賭けたものを……敗者が反故にすることほど情けないことはない。……あんたが説明したくないのはわかったよ、俺が全部言おう。それでいいな?」
豪鬼さんが師匠に確かめた。師匠は、あまり本意ではなさそうだったが、うなずいた。
それから……豪鬼さんは、真剣な顔をして講釈を始めた。
「あのな……。俺たち兄弟や、お前達門弟の究めているこの拳には、暗い歴史があるんだ。具体的に言うと、この拳は、人を殺すためだけに作られて、そのためだけに使われてきたものだ。人と高め合うことなんて、最初から考えに入っていない。そう、本来ならここの流派は、一般的な意味での格闘術だなんて……そんなものを名乗っていい資格は、断じてない。あえて呼び名を付けるなら、「暗殺拳」とでも言うべきものだ」
俺は息が止まりそうになった。ちょっと待ってくれ。なんの話を始める気なんだ? 親子の話はどこに行った?
暗殺拳……確か、親父の残した手帳にも、そのような言葉は残っていた。ココの強さを誇張するために付けられた、そんな「あだ名」だとばかり思っていたんだが……。
豪鬼さんは、なおも続けた。話す口調に、痛みが混ざっていた。
「俺の「発作」にも、その暗い歴史が関わってくる……。にわかには信じられないだろうが。これは、一種の「呪い」なんだ。言ってる意味が分からないだろう? だがこれは事実だ。ここで教えている暗殺拳は……その奥義は、その神髄は、それに触れた者を狂わせる。人間を、鬼か悪魔か知らないが、そういうものに変えるんだよ」
息が止まりそうになった。信じられないような話だが、豪鬼さんは冗談を言っていない。顔を見ればわかる。
「昔の俺は……今も大して変わらんか。まあ、つまるところ、俺は相当なロクデナシだったわけで、自分の実力に見合っていない、分不相応な奥義に手を出そうとした。それで一遍、悪鬼魔道に堕ちかけて……そのときは一応踏みとどまって、今のところ「人間」では居られているが。その報いが、「反則」に手を出した報いが、今も続いている。この力に縛られている悪魔どもは……地獄にすら行けないような悪鬼どもは……一度「力」に手を出した者を逃すほど甘くはない」
豪鬼さんは一拍置いてから、言った。
「この俺を負かせるかもしれないほどの相手と……生死を問わず、闘いたくなるときがある。「自分と相手が全身全霊を賭けて勝負を果たし、その末に、どちらかだけが立っていればいい」……そのような誘いを……甘く囁く誰かが、ずっと頭の中に潜んでいる。その声が大きくなると、正気を保つのが……相当に難しくなる」
そこまで言ってから、豪鬼さんは明るい顔を……いや、明るくなったような振りをした。
「これが、俺の「発作」の正体だ。どうだ、納得できたか?」
「はい」と、反射的に答えた。実際に豪鬼さんと闘わなきゃ、こんな……おとぎ話のようなことを信じるわけはなかったが……。あの赤い眼の光は、その話を信じさせるには十分なモノがあった。
そこでオレは、はた、と気がついた。
講釈が始まる前に聞いた気がする言葉。……「当事者」って、どういうことなんだよ。
オレはどうしても気になって、聞かなきゃいいのについ豪鬼さんに聞いてしまった。
「あの、質問いいですか」
「いいとも。不明な点があったか?」
「いや、不明というか……さっきあなた、オレに当事者って言いませんでしたか」
豪鬼さんは目を丸くした。それから舌を出して、てへ、うっかり。みたいな顔をした。……いや、なんだその態度は!? 元のツラがいいからそんなふざけた顔してても憎めないのがなんか……なんか嫌なんですけど!
「あっはっは! 口が滑ったようだからこの際言ってしまうが、この「呪い」は俺の代では終わりそうにない、ということだ」
は? オレは思わず、リュウの顔を見た。師匠を見ると、頭を抱えていた。豪鬼さんの代で終わらないってことは、それはつまり。当事者っていうのは、そういうコト? リュウも、豪鬼さんの顔をじっと見て据わった目をしていた。
「本当はリュウの育て方にだけ気をつけていればいいと思っていたんだが、さっきの手合わせを見る限り、遠縁なのか、単に波長が合ったのかは知らないが。お前さんにもその兆候が見える。良い意味でも悪い意味でも才能に恵まれたというか……つまりだな! お前さんたちも、「鬼」にならないよう……気を配るべきだ、というコトだな」
背筋に悪寒が走った。自分の預かり知らぬところで、オレとリュウは知らんうちに爆弾を背負っていたのだ。しかも、それがいつ爆発するのかは……見当もつかない。リュウと顔を見合わせて、同じタイミングでため息をついた。
ふざけたような態度から、またころっと変わり、今度は芯から人を慈しむ声で、豪鬼さんはリュウに向かった。
「なにも出来ない子供だと思って、今までなにも言えずにいた。こんなに弱い父親を持たせて、気苦労ばかりかけて……すまない。お前にはひどいことをした」
リュウと豪鬼さんはにらめあいっこするように見つめ合っていたが、やがてリュウのほうが口を開いた。
「オレは……父さんがひどい人間だと思ったことはありません。やり方が器用じゃないだけで、人を大切に想ってるのも知ってます。……ややこしい問題が降り掛かったら雑に済ませようとするその性格は、どうかと思いますけど」
「おい?」
豪鬼さんが困ったように聞き返している。オレはつい笑ってしまいそうになったが、口を引き結んだ。
リュウが許すって言うんなら、オレが口を挟むことはもうないよな。
豪鬼さんはオレたちの顔を見て、はにかんだ。それから、なにか気がついた、という感じで空を見た。それから気が緩んだような調子で師匠に問う。明日の献立でも問うような軽い言い方だった。
「ところで兄さん、ここに来てからずっと気になっていたんだが」
「なんだ?」
「兄さん、俺がここを……この寺を出る前は、そんな古めかしい口調じゃなかったよな?」
瞬間、場の空気が凍った。え、なに? なんだって? 今、なんて言った? なんの話してんだ、この人。
「どう考えてもおかしいだろう。人間、十年やそこらでそんなに老け込むものか。おおかた威厳を見せようとしているとか、弟子に舐められたくない、だとか。そういう虚栄心からくるものなんだろうが……」
そこまで言って、波動の光が閃いた。青い稲光のような閃きが走る。豪鬼さんのすぐ脇を、轟音と共に一筋の光が通り過ぎた。遙か後ろに植わっている木が……それも大木が倒れたようだ、メキメキぃ、ドシャア、などというとんでもない音が響いている。
「ほう。弟よ、なにか文句でもあるのか?」
「文句というよりは…………あー、いや、いい。こんな理由で喧嘩になるなんて、阿呆らしいことだからな」
「うん? なんだと?」
師匠の掌に、青い輝きが集まっている。その波動は……見てるだけで規模が……おかしいんですけど!? 豪鬼さんはそれを見て抗弁した。
「だーかーら! もうこれ以上追求しない! 変なことを言って悪かった! 頼むからその手を引っ込めてくれ! この周辺の地形が変わるぞ!」
「うむ。わかったようだな。わかったなら構わん」
師匠の手に灯っていたまばゆい光が空気に融けていく。緊張していた空気が解かれた。
昔はこんな喋り方じゃなかった。ということは……えっと。つまり。
いつもの師匠の話し方やらなんやらって、キャラ作りの末に生まれたものだったのか?
確かに、どう見ても(外見は)三十半ばとかそんなところだし、年の割に老け込んだしゃべり方だなあ、と思ってはいたけど。オレが師匠の様子をそーっと窺っていると、きっと鋭い眼光が飛んできた。オレはすぐ目を逸らす。うん。このことについて考えるのは止めよう! 藪をつついて蛇に噛み殺されるような真似、誰がするかっ! 少なくともオレはしない!
「あー、ところで!」
豪鬼さんはやや上ずった声でリュウに向かった。わざとらしい切り替え方だな! と思いつつ、オレは豪鬼さんに注目する。
「今、俺は随分と心が凪いでいる……あと五年ほどは鬼に追い回されることはあるまい。そこでだ。リュウ、お前はこれからどうしたい」
それは……それってつまり……オレが考えている中、話を振られたリュウは問い返した。
「えっ、それは……これからってなんのことですか。主語はなんなんですか」
「ああ、すまん。言い直そう。お前、ここにもずいぶん慣れたようじゃないか。俺は定住するのが性に合わないし、どうしても旅をしがちだ。こんな俺に従っていてはお前も気が疲れるんじゃないか? もっといい環境があるんじゃないか? なんてな。ときどきは考えていたんだが、考えないようにもしていた。これは……良い機会なのかもしれないんだ。リュウ。お前が決めるんだ。俺が強制しても意味の無いことだからな」
あれ、待ってくれ。相変わらず主語がなくないか。いや、言ってる意味は分かるが。ようは、豪鬼さんが言いたいことって……ここに残るかどうかってことだろ。でもさあ……。そんなの一緒にいたほうがいいだろ。親子なんだから。
リュウを見ると、納得できてるのかどうかあやしい顔をしていた。それで、じっと考え込んでから、気が晴れたような顔になった。
「わかりました。父さん。……オレはここに残ろうと思います」
「そうか。お前がそれを望むなら、それが一番だ」
親子で、同じタイミングでうなずいた。よかったよかった、話はまとまったようだ……あれ!?
「お、おい! リュウ!?」
「なんだ、兄さん」
「お前は、それでいいのかよ……!?」
リュウは、なんでもないように肯定した。
「いいさ。父さんの目算が外れる可能性もあるし、そんなんじゃまたいつ発作を起こすかも分からないし、もしその時オレが傍に居たら、……今回は運良くここに来られたけど、次はどうなるか分からないだろう」
それは、あまりにも正論だった。豪鬼さんの表情に、辛さが混じっている。オレも、それが正しい選択なんだとは思う。
「そんなの……。それは、その通りだけどよ」
オレがなにも言えないでいると、リュウの表情がぱっと明るくなった。
「それにさ、兄さん」
「うん?」
急にオレに振ってきたな? 豪鬼さんとの話をしてなかったか?
「あんたに勝ち越すまでは、出て行ってる場合じゃないとも思うんだ」
なんで?? それは、明らかに、宣戦布告というやつだった。
「なんだよ、それ」
「師匠や父さんならともかく、だいたい同じぐらいの年のあんたにまで負け越していたら、どうにもならないだろ? 強くなるなら、まずあんたを倒してからだ」
リュウのそんな不敵な言い草に、オレは思いっきりうろたえた。
「なっ……! お前、そんなに生意気だったか!?」
「さあな。兄さんがそう思うのなら、あんたの気性が移ったのかもしれないな」
オレはうぐぐ、と歯ぎしりした。あ、悪影響を与えてしまった……!! オレの……負けず嫌いが移っている……!! 内心かなり取り乱しつつ、宣戦布告し返した。
「お前な、そんなこと言うんだったら、一生ここから出られねえことぐらい覚悟しておけよな! ここ、すげー山の中だってわかってるんだろうな!? 不便な生活なのは分かってるだろ!? 後悔するなよ!」
リュウは平気そうにこう返してくる。
「そうならないように努力するよ」
ぐっ……! どこまでも涼しい受け答えしやがって……! この弟弟子、だんだん神経が図太くなっている気がする! それも完全にオレのせいである! なんかオレ、さみしいよ……! リュウってさ、もっと純粋なヤツだったはずなのに……!!
そういう軽口は脇にやっておくとして、それでもオレは、強く言いたくなってしまう。
「お前はな……お前には、親父が居るんだぞ? その意味が分かるか? それってさ、当たり前のことじゃないんだぜ……。居ないやつにはどうしたって……。いや、オレがこう言うと、あんまり居心地のよくない問題になっちまうけど。それでもな」
リュウはオレの言いたいことに思い当たったのか目を見開いて、それからばつの悪そうな顔になった。
「すまない。兄さんの事情を考えてなかった」
「いやっ、別に、考えてくれる必要はない。これはお前の問題なんだしな。でもよ、お前は本当に……」
リュウは何秒か考えてから、オレを見てきた。口元には、わずかな笑みが乗っている。
「うん。それでもオレはここにいたい。……居てもいいのだったら、の話なんだけどな」
「オレはいいに決まってる。そんで、師匠は?」
返答を振られた師匠も、明るいトーンで返した。
「わしも構わん。というか、このバカな弟に育てられたあとのリュウがどうなるのか考えると……ああ。ここに居てもらった方がいい。それがいいに決まっておる」
豪鬼さんのこめかみがひくひくしているが、師匠はつんとした態度を崩さなかった。あまりにも信頼が感じられない。おそらく破門以前にもなにがしかの問題を起こしまくっていたに違いない。そうだろうなあ。
オレは……豪鬼さんを庇ったほうがいいだろうか。いや、なにも言わない方がいいだろう。豪鬼さんがそこそこテキトーな性格なのは、少し話しただけでよく分かったし……。
リュウは、吹っ切れたような顔でオレに語りかける。
「それにさ、オレが無事に兄さんを倒したとして……」
オレはつい口を突っ込んでしまう。
「なんだその前提は」
リュウはオレの横槍を無視し、続けた。
「ここを出たとする。……一緒に暮らすだとか、旅をするとか、もしくは会いに行くだけにするか、どれを選ぶにしろ、そういう選択肢をとるのは、急がなくていいんだ。焦らなくても、もっと強くなって、父さんと見合う男に成ってから会いに行けばいいってこと。オレは納得したから。大丈夫だ」
オレは、リュウの答えに感心した。そうか。確かにそうだよな。でもその答えは、どこか寂しいものでもある。豪鬼さんと師匠を交互に見ると、オレと同じように考えているのだろう。立ち姿が寂しげに見えた、それでも自分が認める答えを得たリュウに安心してるっていう、そういう雰囲気があった。
それからさ、オレと師匠が本堂のほうに行ってしばらく待っていて、その間に親子二人で話をしたようだ。ようだっていうのは、具体的になにを言ったのかわかんねえからだ。言いたいことは言えたみたいだし、これでいいのだろう。
別れ際、門を出る前に三人で豪鬼さんを見送ることになった。
「それじゃ、お元気で」
オレはそういう月並みなことしか言えない。リュウは、刻み付けるようにゆっくりと言った。
「父さん、……いざ別れるとなると、うまく言えないな。いいです。次に会ったときに言います。それじゃあ、また会いましょう」
豪鬼さんは一瞬目を伏せてから、笑った。
「ああ。お前たちも元気でな。仲良くやれよ? ケンカはたまにはいいが、ちゃんと仲直りもしておけ。後悔するからな」
師匠が、豪鬼さんの言葉を補足した。
「そうだな。俺と……ごほん。わしとお前のようになってはかなわんからな」
今の一人称の言い直しは聞かなかったことにしよう。それと、豪鬼さんの忠告はよくよく覚えておこう。複雑な仲の例が目の前にあるのだから。と、そういう気分になった。
あいさつを一通り終えると、豪鬼さんはすたすたと行った。こちらを振り返りもしなかった。きっぱりとしていて、思い残しのなさそうな歩調だった。それでいいのだろう。
リュウを見ると、さみしそうにしていたが、その目に涙を浮かべてはいなかった。うん。それなら、いい。
オレはぱん、と手を叩き、声をかけた。
「ようし、それじゃ、まずは……朝飯でも済ませようぜ。で、そのあとに約束組み手だろ?」
「ああ、そうだな」
オレたちも、豪鬼さんに背を向けた。いつかまた会うであろうこと、そのときまでにもっと強くなって、今度こそはまともな勝負をしたいだとか。そういうあれこれを胸に抱きながら。オレたちも振り返らずに寺に帰っていった。
豪鬼さんは、「人間」であることを選んだということです。
裏主人公のような立ち位置の豪鬼さんですが、本編での出番はここまでです。
(書く気力が残っていたら)番外編ではしょっちゅう登場すると思います。
おまけの話
剛拳師匠は若作りならぬ老け作りをしているわけですが、この話から30年ぐらい経つと、年齢に見合う、しっくりくる人となりになります。
そのぐらいの時系列になると、今度は豪鬼さんが若作りをしまくっており、年齢のマイナス20歳ぐらいに見える異様な状態と化します。波動の力で細胞を活性化させているらしい。力の無駄遣いかも!
そのことについて本人に聞いても、「どうしてそんなことをするのかと聞かれても……鏡をふと見たとき、シワが増えている自分のツラにがっかりする、そんなのは御免だ。要するに、誰だって老けるのは嫌だろ?」という、脱力するような答えしか返ってきません。
「殺意の波動」はそういう「人間としての浅はかさ」の部分も喰らっていた、ということですね。
(あくまでも、この二次創作内限定の解釈ですよ!)