やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 雪乃アナザー 〈休止中〉   作:UMAの風

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 やはり平塚静は格好良い

翌日朝早くに両親は小町を連れて出かけた。 俺達は今日学校だ。 小町? あいつの学校は三学期はほとんど自由登校なので行かなくてもいいのだ。 羨ましい限りだ。

 

「では比企谷君 先に行かせてもらうわね」

 

「おう」

 

厄介事を避けるため俺達は時間を開けて家を出る事になった。

 

ピーンポーン インターホンがなる。 ? 雪ノ下には一応合い鍵を渡したので 鳴らす必要はないはずだ。となるとまるで検討がつかない。

 

 

「はい」

 

ドアを開けると

 

「おはよう 八幡」

 

天使がいた。 …違う!

 

「戸塚!な、何で俺の家に!?」

 

「昨日平塚先生に頼まれて。 八幡が最近遅刻が多いから迎えに行ってやれ って」

 

平塚先生グッジョブ!

 

 

「大丈夫だ 丁度今から出るところだったから」

 

「それなら良かった。そういえば今出てきたの雪ノ下さんだったよね? どうしたの?」

 

 

いきなりピンチ! 戸塚に嘘をつくのは辛いがこればかりは仕方ない。

 

「いや、その…あれだ。戸塚と一緒で平塚先生に頼まれたらしい。ほら部活一緒出し」

 

「そうなんだ」

 

こんな嘘に引っかかる戸塚が本気で心配になってしまった。 …戸塚は俺が守る! 俺が最後の希望だ…なんて…

 

 

「じゃあ 八幡学校に行こうか」

 

戸塚と登校できる日がくるとは

 

 

 

 

やはり俺の青春ラブコメは間違っているが気にしない!

 

 

 

 

 

 

―昼休み―

 

「比企谷 これは一体どういうことだ」

 

平塚先生に呼ばれて職員室に行くと、現国の時間に出した俺の作文があった。

 

「走れメロスの感想文を書けと私はいった筈だ… なのに 何だ

 

走れメロスはまず物語として成り立たない。 というのは人間我が身が一番が可愛いのだ。他者を犠牲にして自分が助かる、他人を貶めて自らの優位を保とうとする。つまり人間の本質とは真逆の事ばかりなのだ。

むしろ王の方が人間の本質としては正しい。上っ面の取り繕いに騙されず人間の本質を知っているから 悪逆非道にもなるのだ。

リア充どもも上っ面を取り繕った偽物の偽りの関係なのだ。偽りの関係ならない方が良い。所詮は偽りだ。少しの綻びから全てが破綻し何もかもを失うだけだ。 つまり偽りの関係を持たず 失う物のない ボッチこそ正義なのだ。 よってリア充滅びろ 爆発しろ!

 

 

 

 

これのどこが感想文だ! ただのお前の意見だろう」

 

「きっと作者も俺と一緒の事がいいたかったはずです」

 

「歯ぁ 食いしb―

 

「でも 偽物と知りつつも手を伸ばすならそれは本物だと思いますよ。

だから先生も早く本物の結婚相手を―

 

「フルスロットル! ワイルド!!」

 

「グハッ!」

 

右、拳…だと…

 

「スピードとテクニックも食らっとくか」

 

「タイヤコウカンは勘弁してください」

 

「まあいい。とりあえず明日までに書き直してこい。」

 

「えっ! そんな面倒臭いこt―

 

「フルスロッt―

 

「サ― イェッサ―!喜んで書き直させて頂きます。」

 

理不尽だ…こうして善良なボッチは虐げられていくのか…

 

 

など思いつつ職員室を後にした。

 

 

昼飯を食べるため購買でコロッケパンと焼きそばパン カツサンド フルーツ牛乳を買って部室に行く。 いつも通り中には雪ノ下がいた。

 

 

 

しばらく俺は黙々とパンを食べ雪ノ下は読書に没頭していたが、ふとこちらを見ると怪訝な顔をする。

 

「ねぇ比企谷君…あなたいつもそんな偏った昼ご飯を食べているの?」

 

 

「いや、 いつもはフルーツ牛乳じゃなくMAXコーヒーだ。 あれば千葉県民のソウルフードならぬソウルドリンクだからな。 今日も売り切れてさえなければ買ってたのに…」

 

 

最近は無糖や微糖が多くなってきている。 その中であえて甘さMAXでいくその反骨精神はかなり好感が持てる。

 

「はぁ…………わかったわ。 不本意だけど明日からはあなたの分も私が作るわ。 泊めて貰ってるお礼よ」

 

そういえば雪ノ下はいつも弁当だな。

 

確かに女子の手作り弁当と言うのはかなり惹かれるがそれ以上のリスクが有る。

 

「お前は賢いのか馬鹿なのかわからねぇな…考えてもみろ。もしその弁当を由比ヶ浜にでも見つかってみろ 一発アウトだ」

 

「大丈夫よ。彼女なら普段は教室で食べているはずよ」

 

 

…………。

 

 

「面倒臭くないのか?」

 

「一人分も二人分もたいして手間は変わらないわ。」

 

まあ、考え方を変えてみよう。 将来養ってもらう事を思うと今のうちに養ってもらう事に慣れておくべきだ。 … 将来的には家事するのは俺だが。

 

 

 

「じゃあ、頼んで良いか」

 

「引き受けたわ、その代わりと言っては何だけれども…」

 

「?何だ?」

 

「帰り 買い物に付き合って貰って良いかしら…あの辺りのスーパーなどには疎くて…」

 

確かにあの辺りのスーパーに雪ノ下は行かないな。マンションからは少し遠いからな。

 

 

「任せろ。専業主夫を目指す者としては買い物関係は必須スキルだからな。」

 

 

「……」

 

 

雪ノ下がなにやら冷たい視線を向けてきたが気にしない。

 

専業主夫に俺は成る!!!

 

 

 

 

 

―放課後―

 

一度家に戻って着替えた俺と雪ノ下は家の近くのスーパーにきていた。

 

 

「失敗したな…」

 

買い物に来て速攻で後悔した。二人で買い物など見られたら 学校で変な噂が立ち死ねる。 まさにhigh school of the deadだ

そして不幸は重なる物なのだ。

 

「比企谷」

 

唐突に名前を呼ばれた。そこには…

 

 

「平塚先生…」

 

カゴにビールやおつまみを詰め込んだ平塚先生がいた。

 

「比企谷 お前も買い物か………って雪ノ下も一緒か……ほぉ―」

 

何やらいやな予感が。

 

「そういえば 雪ノ下マンションで火事があったそうじゃないか。」

 

「「!!!」」

 

「まさか 比企谷のうちに泊まっているんじゃないよな」

 

絶対確信犯だ!目が笑ってる。 しかしそこで表情を真面目なものに変えた。

 

「別に怒ってるわけじゃない。 ただ私は教師である前に一人の大人だ。困っていたら相談にも乗るし助けてやりたいとも思う。  だから困ったことがあれば私のところに来い、出来る範囲で助けてやる。」

 

…格好いいじゃないすっか。 やっぱりこの人なんで結婚できないの!?

 

 

「学校では気をつけろよ。  何かあったら私のところに来い。ある程度の便宜は図ってやる。」

 

 

そういってレジの方に去っていった。

 

 

やっぱりあの人は格好良い。 『静格好いい』と言うを作りたいぐらいだ。

 

「私達も誰かに見つかる前にさっさと買い物を済ませましょう。」

 

雪ノ下が生鮮食品コーナーへ歩いていく。 俺もそれを追いかけていった。

 




またしても登場人物が少ないです。

次回からは由比ヶ浜を復活させたり他のメンバーも登場予定なので暖かく見守ってもらえれば幸いです。


良ければコメント アドバイス等をよろしくお願いします。

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