プリズマ☆イリ『ア』   作:四脚好き

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 ちょっと超かぐや姫にハマったり、16、17日で静岡に行ってたりしたら投稿が遅れました……。

 ま、まぁ私基本的には読み専なんでこれくらいの遅刻は許されるやろ。へーきへーき。


……はい、すいませんでした。


一方、カルデアでは。 その8

カルデア シアタールーム

────────────────────────

 

16話『捕獲作戦』

・凛の作戦

 

「まさか、イリヤ嬢とレイ少年を囮にするとは……」

「あの遠坂とかいう魔術師にとってはクロエの捕獲が最優先でイリヤの命は二の次だろうよ。とはいえ、犠牲にするつもりはさらさらないようだがな」

「そう考えればまぁ、この作戦も違和感はないかな」

「……理解はできるさ」

 

 画面の中の凛発案の作戦を見てエルメロイ二世が頭を抑える。彼は自分が記憶している遠坂凛と画面の中の遠坂凛の違いに僅かばかり頭を抑える。だが思えば、エルメロイの知っている凛は大学生の年齢なのに対し画面の中の凛はまだ高校生の年頃、差があるのは当然だった。

 

・そして現れるクロエとレイの一言。

 

"「……その、またしたいとか、思ってない訳じゃないから」"

 

画面の中のレイは顔を赤くし、手で自分の髪をクシクシと弄りながらそうクロエに向かって呟く。この時レイ本人は気が付いていなかったがレイは俯きがちに顔を伏せていたため上目遣いとなったいた。勿論、それを目の前で見た当時のクロエは耐えられるはずもなく、レイに(色んな意味で)襲い掛かった。ルビー編集の映像でもこの場面はクロエの視点から抜粋してあり画面一杯に無意識あざといレイが映し出された。

 

「ああ゛あ゛あ゛あ゛! レイ可愛いよぉ!!」

「うわぁぁ!? クロが急に復活した! というかなにその白黒の二つのうちわ!? ファングッズ!? 投影したのそれ!? というかそんなものできたの!?」

「クロエ様、私にもそれ下さい」

「サファイア!?」

 

 画面を見て思わず立ち上がり叫ぶクロエ。その両手には『レイ、愛してる』『世界一可愛い』と書かれている二本の白と黒のうちわが握られており、まるで推しのアイドルを応援するファンの様相を呈していた。そんなクロエにイリヤが突っ込みを入れて、二本のうちわを見たエミヤ(アーチャー)が愕然とした表情を浮かべていた。

 そして隣ではサファイアがクロエに自分も同じものが欲しいと言って美遊が驚愕していた。

 

「おぉ! これは私のオリジナルも危機感を抱かずにはいられない、なかなかの傾国っぷり。恐れ入ったワン」

 

 レイの表情を見たタマモキャットはビビッと弾かれたように画面のレイに注目してそんな風に評価した。彼女のオリジナルとは勿論玉藻の前であり、本人は認めないが妲己としての側面も持っている。そんな彼女が『なかなかの傾国っぷり』と評するほどの衝撃。良くも悪くも多くのサーヴァントや職員を引き付ける顔をこの瞬間のレイはしていた。

 

「あら、まぁ随分愛らしゅう貌もするんやねぇ……。ふふふ、あの子に酒飲ますのがますます楽しみやわぁ。獣も酔ってしまえばどうとでも……。舌で転がし、しゃぶりつくすのもええなぁ……」

 

 くすくすと笑う酒吞童子。声色こそ楽しんでいるようだがその目は細くなり、ギラギラと獲物を狙う欲望がその細められた目から溢れていた。

 

「酒吞……。今もしかして……エッチな話してないか?」

 

 そんな酒吞の様子を見て茨木は首を傾げながらそう聞いたのだった。

 

・圧倒的なクロエの強さ。

 

 画面内ではクロエが凛とルヴィアの二人を拘束し、美遊の変身を解除して戦闘から離脱させて見せていた。

 

「まぁ、大変! イリヤ達が負けちゃうわ!」

「なるほどそうか……」

「あら、何が分かったのデオン?」

「生憎僕らは戦闘については詳しくないんだ。解説頼むよ」

 

 マリー・アントワネットが画面を見ながら驚いている横でシュバリエ・デオンが何かに気が付いた。その気づきが何なのか気になったマリーはデオンの方に身を寄せて、そのさらに隣のアマデウスが解説を頼む。

 

「彼女たちの力量、作戦は決して悪いものではありません。ならどうしてクロエにこれほど苦戦しているのか、それをずっと考えていました。その理由が今ようやく分かりました。彼女たちは『思考する敵』と戦ったことがない」

「思考する敵……?」

「ふーむ、そう言うことか……」

 

 デオンの言葉にマリーは首を傾げるがアマデウスは理解したのか視線を画面に戻す。

 

「英霊の力が戦闘本能だけで向かってくる『現象』それが今までイリヤ達が戦っていた『黒化英霊』です。それと違ってクロエは思考し場に応じた対応をしてくる。襲ってくるだけの黒化英霊とは根本から違うんです」

「力だけの獣と考えて行動する人では人の方が時には厄介ってことさ」

「なるほど、そういうことなのね……」

 

・沼に堕ちたクロエに手を差し伸べるレイ

 

「ああ゛あ゛あ゛あ゛! レイ、カッコイイよぉ!!」

「今度はそっちで!?」

 

 再び限界ファンガールの様になったクロエにイリヤが突っ込む。因みに、サファイアはクロエに投影してもらったうちわを無言で振り続けてる。

 

「でも良いわねぇ。泣いてる女の子の為に走り出して手を差し伸べる男の子なんて素敵だわ。クロエちゃんはいい人を好きになったわね」

「うん! ママもそう思うでしょ!」

 

 アイリの言葉にクロエは笑顔で頷き、まるで自分の事の様に喜ぶ。その笑顔をみた苦難の少女時代を送ったサーヴァントや陰気系サーヴァントはその眩しさに怯んだ。そんな最中興奮しているクロをなだめようとするイリヤをそっと美遊が止める。

 

「イリヤ、クロには好きにさせてあげて。このときはまだ分からなかったけど、ああやって差し伸べられた手って本当に嬉しいから」

「美遊……」

「私もイリヤに手を差し伸べて貰って嬉しくて、幸せだったの」

「……」

「イリヤ。手、握って?」

「勿論だよ、美遊」

 

 そう言ってイリヤは席に座り隣にいる美遊と自分の手を重ね、指をそっと絡める。所謂恋人繋ぎと呼ばれるものだ。イリヤの指先に美遊の暖かさが伝わっていく。その感覚にイリヤはそっと笑い、この時のクロエも同じ気持ちだったんだろうと考える。それならこの興奮も分かる、止めてしまうのはかわいそうだとクロに好きな様にさせるのだった。

 

17話『伝える愛』

 

・クロエ命名

 

"「クロだから……もうちょっと女の子らしくして……『クロエ』。クロエでどうかな?」" 

 画面内で今まで『黒イリヤ』や『もう一人のイリヤ』と呼ばれていたクロエにしっかりと『クロエ』という名前が付いた瞬間が流れる。

 

「独りぼっちだった名前のない女の子に愛も名前も上げたのね。まるで素敵なお話みたいね! とっても素敵よレイ」

「な、名前なら私も『ルサリィ』って名前貰ってますし? あ、愛は、その、レイのお姉ちゃんである私の方から与えればいいだけです!」

「張り合うんじゃないわよ。……甘ったるくて吐き気がしてきたわ。というか、聖女様も目を輝かせてるんじゃないわよ」

 

 ナーサリーがレイの行動に慈愛の目線を向けて感心し、ルサリィが何故か焦りながら自分も名前を与えられたとクロエに対抗しようとする。それを横目で見ながらあきれるジャンヌ・オルタだったが、まるで少女漫画をみた女子のようにキラキラとしたものを見る目で画面を見ているジャンヌ・ダルクに突っ込みを入れる。

 

 

・レイからクロエのキス

 

「うおおおおッ! やった、やりやがったよレイ氏!」

「おおっ自分から行きやがったか! いいじゃねぇか坊主!」

 

 黒ひげやクー・フーリンなどの野郎のサーヴァントたちがやいのやいのと騒ぎ立て。

 

「キャーー! 素敵、素敵よ!」

「とってもドラマチックで良いじゃない! ダーリン、私たちもああいうキスしましょ!」

「ふ、ふおおおお! レイったらこの時からクロにぞっこんだったんだ……」

 

 マリーやアルテミスにイリヤといった乙女チックな思考をしている女性サーヴァントたちは黄色い声を上げる。

 

「あわわわわ」

「こんなやり取りが私たちの知らない間に……」

 

 ルサリィとサファイアが目の前の光景に得も言われぬ感情を抱いてバグったかのように震え、

 

「若いな」

「えぇ、本当に……」

「若いっていいわねー」

 

 ヴラドやカーミラ、それにブーディカなどの大人や保護者系と言われるサーヴァントたちは年若いカップルの初々しいキスに微笑んだり懐かしいモノを見る目を向けていた。

 

「甘い……ただ甘ったるい。えぇ、初回だから皆さんそんな反応できるんですよ。このあとこの二人がどれだけドロドロな光景を見せることになるやら……。ヤッてはいないとはいえ、大分ディープなのが続きますし子供サーヴァントは退出させるべき……いや、もうファーストキスは流してしまいましたしかわりませんか」

 

 ただこの後の二人のいちゃラブっぷりを知っているルビーだけがげんなりとした声を出していたのだった。

 

 

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