ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました


No.72 突然の放送

 

食堂を出て、次の訓練へ向かう廊下。

 

昼休みのざわめきが少しずつ引いていき、校内は次の時間へと切り替わりつつあった。

 

ハスキー小隊の四人は並んで歩いている。

 

誰も口を開かない。

 

(さっきの話……)

 

フォックス小隊。

 

名前だけで空気が変わる存在。

 

(見られていた)

 

それが、じわじわと実感になってくる。

 

評価されたのか。

それとも、ただ観察されただけなのか。

 

(どちらでもいい)

 

今やるべきことは変わらない。

 

(強くなる)

 

その思考がまとまりかけた、その時だった。

 

 

「連邦生徒会からのお知らせです」

 

 

突然、校内放送が響く。

 

四人の足が、同時にわずかに止まる。

 

 

「SRT特殊学園を閉鎖し、ヴァルキューレ警察学校へ編入することが決定しました」

 

 

――一瞬、何を言われたのか分からなかった。

 

(……閉鎖?)

 

言葉が遅れて意味を持ち始める。

 

周囲の空気がざわつく。

 

立ち止まる生徒。

顔を見合わせるグループ。

 

 

「は……?」

 

 

アイラが声を漏らす。

 

 

「え、ちょっと待って、今なんて言った?」

 

 

混乱がそのまま言葉になっている。

 

リディアは無言のまま、わずかに眉を寄せる。

 

 

「……急すぎる」

 

 

低く、短い。

 

ミラは視線を落とし、静かに呟く。

 

 

「……理由があるはず」

 

 

三人とも状況を理解しきれていない。

 

それは私も同じだった。

 

(閉鎖……)

 

昨日まで当たり前にあった場所。

今、立っているこの廊下。

 

(なくなる?)

 

実感が伴わない。

 

だが、放送は続く。

 

 

「小隊ごとに配属先を発表します。一週間以内に事務室へ――」

 

 

一週間。

 

その単語だけが、妙に強く残る。

 

(時間がない)

 

私はゆっくりと息を吐く。

 

胸の奥が、少しだけ重い。

 

(来たばかりなのに)

 

小隊ができて、まだ一週間。

 

ようやく動き出したばかり。

 

(なのに)

 

状況は関係なく進む。

 

周囲のざわめきが少しずつ大きくなる。

 

不安。

戸惑い。

 

様々な感情が混ざった空気。

 

その中で――

 

私は静かに前を見ていた。

 

(選ばないといけない)

 

どこへ行くか。

どうするか。

 

(小隊ごと)

 

つまり、自分一人の問題ではない。

 

視線を横へ向ける。

 

アイラはまだ落ち着かない様子で周囲を見回している。

 

 

「え、どうするのこれ……」

 

 

リディアは腕を組み、何かを考えている。

 

ミラは静かに状況を整理しているようだった。

 

(……任されている)

 

自然とそう思う。

 

最近、小隊長として選ばれたばかり。

 

その役割が、急に重みを増す。

 

(戦術だけじゃない)

 

進む場所も、決める。

 

私は足を止める。

 

三人もそれに気づき、動きを止める。

 

短い沈黙。

 

誰も急かさない。

 

(考えろ)

 

感情ではなく、判断。

 

何を優先するか。

 

環境。

成長。

戦う機会。

 

(……)

 

思考を巡らせる。

 

だが、今すぐ結論を出すべきではないとも感じる。

 

情報が足りない。

 

 

「……一度、整理します」

 

 

静かに口を開く。

 

三人がこちらを見る。

 

 

「配属先の詳細と条件を確認してから判断します」

 

 

現実的な一手。

 

リディアが小さく頷く。

 

 

「妥当だな」

 

「だね……今決めるのはちょっと無理かも」

 

 

アイラもようやく落ち着きを取り戻しつつある。

 

 

「……情報、集める」

 

 

ミラも短く同意する。

 

(よし)

 

レインは小さく息を吐く。

 

完全な答えはまだない。

 

だが、進む方向は決まった。

 

 

「ひとまず、事務室に行きましょう」

 

 

そう言って、再び歩き出す。

 

さっきまでとは違う重さを感じながら。

 

 

 

 




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