家庭教師ヒットマンREBORN 破天荒な雷野郎が来る!   作:ダレ狐

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破天荒な居候が来る!

その日の夕方。

ツナが家に帰ると、信じられない光景が広がっていた。

台所でエプロン姿のリーフが、奈々と並んで夕飯の手伝いをしているのである。

 

「おかえりツナ~。もうすぐご飯できるよ~」

 

「ただいま……って、なんであんたがうちにいるのォォォ!?」

 

「おっ、おかえり。いや~ツナのお父さんには海外で世話になってな。ほら、そこに手紙あるから」

 

ツナの絶叫が家中に響く。テーブルには一通の手紙。

 

『ツナへ

父さんの仕事先の知り合いの子が、日本の学校に通うことになった。しばらくうちに泊めてやってほしい。ちゃんとした子だから心配いらないぞ! ――家光』

 

「父さんんん!? 何だよ急に! 蒸発したんじゃなかったのかよ!

しかもいきなり人を泊めるとか聞いてないんだけど!」

 

リーフはニコニコしながら味噌汁をよそい、

 

「しばらく世話になるよ、ツナ。今日からよろしく」

 

「よろしくじゃないよ!」

 

その背後でリボーンがコーヒーをすすった。

 

「安心しろツナ。こいつは“家庭教師”みたいなもんだ」

 

「絶対ろくな家庭教師じゃないだろそれぇ!」

 

こうして沢田家に――

とんでもない居候ヒットマンが転がり込んだのだった。

ツナの心配をよそに、リーフの作るご飯は確かに美味かった。

リボーンが来てから変な連中ばかりだった中では、比較的常識人なところに一安心していた。

何よりも、先日の骸との戦いで目覚めたツナの才能――

“超直感”が、悪人の気配をまったく感じていないことが、ツナを安心させていた。

そして、そのまま就寝した――はずだった。

 

 

――寒い。

ツナは寝袋の中で身を縮めた。

鼻先を刺す冷気と、頬に触れるざらついた感触。布団にしては硬すぎる。

 

「うぅ……変だな……昨日はちゃんとベッドで……」

 

目をこすりながら起き上がり――そして固まった。

 

「……あれ?」

 

見渡す限りの木、木、木。

遠くで鳥の声。足元は土。どう見ても沢田家の天井ではない。

 

「ここは――どこだぁぁぁぁ!?」

 

叫んだ瞬間、少し離れた場所からのんきな声が返ってきた。

 

「よぉツナ。朝メシもうすぐできるぞ、こっち来いよ」

 

焚き火の前で、リーフがフライパンを振っていた。

ソーセージの焼けるいい匂いと、こんがりしたマフィン。完全にキャンプの朝である。

ツナの眠気は一瞬で吹き飛んだ。

 

「ちょっと待って!? ここどこ!? なんで家じゃないの!?」

 

「並盛の裏山だけど?」

 

「答えになってないよ!」

 

リーフは悪びれもせず肩をすくめた。

 

「家の中でマフィアの話するわけにもいかないだろ?

リボーンさんに聞いたら、今日は土曜で学校休みだから連れてっていいって」

 

「連れてっていいって何!? 誘拐だよこれ!」

 

「大げさだな~。ちゃんと寝袋も用意したし」

 

「そういう問題じゃない!」

 

ツナは頭を抱えた。またリボーンの仕業だ。

 

「くそぉ……また勝手なことを……!」

 

その時、木の上から聞き慣れた声が降ってきた。

 

「チャオっす」

 

「リボーン!!」

 

ハンモックに揺られながらコーヒーを飲む家庭教師。完全に楽しんでいる。

 

「今日からリーフによる特別授業だ」

 

「聞いてないよそんなの!」

 

「言ってねーからな」

 

リーフはマフィンを差し出した。

 

「とりあえず食え。腹減ってると判断も鈍る」

 

悔しいが――うまい。

 

「で、今日は何するの?」

 

「決まってるだろ。

――お前が“死なない”ための練習だ」

 

その言葉と同時に、リーフの指先で小さな電撃が跳ねた。

 

「俺の電撃は痺れるぜ、ツナ」

 

朝の冷気の中、ツナは全力で首を横に振っていた。

 

「む、無理無理無理! 獄寺くん達を瞬殺した相手だよ!?

俺が挑んでも勝てるわけ――」

 

「グダグダ言ってねぇで」

 

リボーンが拳銃を構える。

 

「――死ぬ気でやれ!」

 

パァン!

 

「リボーンんんん!?」

額に命中。

次の瞬間、ツナの額に炎が灯ったそして、パンツ一丁の姿になる。

 

「死ぬ気でお前に勝ぁぁぁぁつ!!」

 

地面を爆発するように蹴り、ツナは一直線にリーフへ突っ込む。

リーフはポケットに手を入れたまま、感心したように口笛を吹いた。

 

「お、いい顔になったな」

 

ツナの全力ストレート。

だが――

 

「素直すぎ」

 

ひらり、と半歩。

拳は虚しく空を切り、ツナは前のめりに転がった。

 

「うおぉぉ!? 死ぬ気で避けるなぁぁ!」

 

「避けなきゃ当たるだろ」

 

即座に起き上がるツナ。

 

「もう一回! 死ぬ気でパンチぃぃ!」

 

「元気だけは満点だな」

 

二度、三度、四度。

ツナは吠えながら突っ込むが、リーフの身体にかすりもしない。

最小限の動き。

 

まるで見えているかのような回避。

 

「うおぉぉぉ、なんで当たらねぇぇぇ!」

 

「顔に書いてあるから…チェック・メイト」

 

「うわぁぁぁ」

 

リーフに手を掴まれたツナはスタンガンで電撃を受け、その場で膝を落とした。 そして、死ぬ気の炎が消えて元の姿に戻った。

 

「痛〜〜あの顔に書いてるって、どう言う意味ですか?」

 

リーフはツナの額を指で弾いた。

 

「次に何するか丸見え。『右で殴るぞー!』って目してる」

 

「そんな!」

 

リボーンが木の上から声を投げる。

 

「ツナ、お前は正直すぎんだよ。マフィアの戦いは騙し合いだ」

 

「そんなこと言われてもぉ、俺はマフィアに何かなりたくないですよ!」

 

「けど、周囲は…ボンゴレ内部やマフィアの世界では、そんな言い訳通じない」

 

「うっ、でも…」

 

「でも、ツナは俺の観察眼よりも、すげえー力"超直感"があるんだ」

 

「リボーンも同じこと言ってましたけど、俺にはさっぱり分かりません」

 

「この手の才能は戦いの中で磨く物だからな、骸での戦いは言うならば、初見殺しで勝てたのと、ツナ自身が戦いに集中してたのがデカイな」

 

「え?」

 

「だって、ツナが俺と戦えたのはリボーンさんの死ぬ気弾で追い込んで戦っただけ、相手の事の観察や自身や周囲に対する危機感が無いんだよ。 だから、後先考えずに攻撃をしてきた」

 

「つまり、ツナは勢いでだけで戦っただけだな、分かったか?」

 

「リボーン!」

 

「今のツナの目標はいざって時に"ハイパー死ぬ気モード"を安定させねぇーといけねぇーが、お前の体力じゃ数分しか持たない上に、筋肉疲労が2週間にもなるなら話にならないからな」

 

「また、使う気かよ?」

 

「心構えの問題だ。 先も言ったらマフィアの戦いは騙し合い、下手をすれば周囲の人間にも被害が及ぶぞ…例えば、笹川京子や三浦ハルとか」

 

 

「 京子ちゃんにハルも狙われるの!? 」

 

「弱いマフィアならそうするだろうな、後は追い込まれて後がない組織とか…」

 

「裏の世界だとよくある事だ。 だからお前が強くならねぇーとダメなんだ 現にお前、骸の時みたいにリーフの動き読めたか?」

 

「え? そういえば夢中で分からなかった」

 

「超直感が馴染んでないのが理由かな…んじゃ、今度は殺気を込めたらどうなる?」

 

リーフは懐から飴玉が入ったケースを取り出して1つ口に含んで飲み込むと、雷を帯びたライトグリーンの死ぬ気の炎がリーフの額に現れた。

 

「なぁ! リーフさんに死ぬ気の炎が!? 何で死ぬ気弾撃たれてないのに」

 

「コイツは、死ぬ気玉で死ぬ気弾同様の効果を得られる…そして、コレが殺気だ!」

 

リーフからいきなり圧を感じたツナは震えて身構えていた。

 

「へぇ〜咄嗟にガードの体勢取るあたりは、リボーンさんの教えのお陰か…それとも超直感のおかげ…まぁ、何にしても今度はマジでやるか……リボーンさん!」

 

「分かってる ツナ!」

 

リボーンは懐から骸戦でレオンから作られた手袋と学校の制服を渡された。

 

「この前の手袋!」

 

「パンツ一丁で俺に勝てると思ってるのか?」

 

「なぁ!? …分かったよ!」

 

ツナは急いで学校の制服で着替えた。 そのタイミングでリボーンがまた銃を構えた。

 

「んじゃ、ツナ お前の全力をリーフに見せてやれ!」

 

パァン!

 

鳴り響いた銃声でツナは倒れたが今度は静かに立ち上がった。

 

「…望み通り、俺の全力でお前を倒す」

 

「これが、ハイパー死ぬ気モードのツナか…先とは別人だ」

 

放電防止のリングを外すとさらに全身が放電してバチバチと電流が流れ始めていた。 文字通りの本気のリーフが一気にツナの顔面に向けて右ストレート繰り出した。

 

「見えてるぞ」

 

「電撃を帯びた右ストレートを避けた!?」

 

スン!

 

ツナは猛スピードの右ストレートを左手で受け止めて逆に右手でカウンターでリーフのボディを狙った。

 

「本当に先までとは、随分と変わったな…」

 

だが、リーフもツナのボディ狙いの右拳を左手で受け止めていた。

 

「まさか、これで全力なのか?」

 

「言ってくれるね…なら、行くぞ」

 

並盛の裏山はそこからは雷雲がないはずなのに怒涛の雷の音が響き渡る。

 

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