家庭教師ヒットマンREBORN 破天荒な雷野郎が来る!   作:ダレ狐

5 / 6
嵐の前の静けさ

リーフによって、裏山の特訓を2日連続でさせられた。

ツナは、学校が始まることに感謝したことなど、今まで一度もなかった。

そして朝になると、すでに朝食が作られていた。

置き手紙があり、読んでみると――

 

「近場でアパートを借りられて、住めることになりました。

短い間、お世話になりました。

リーフより」

 

「ふん、律儀にコーヒーに合う朝食を作るとは。モテる男は違うな」

 

「リボーン!? 知ってたのかよ、リーフさんが家を出るの?」

 

「まぁーな。ちゃんと菓子折りも用意して、俺のところに挨拶に来たからな」

 

「赤ん坊相手に菓子折りって……リボーンはどんだけ凄いんだよ……」

 

「俺の凄さが分からないようじゃ、まだまだダメツナだぞ?」

 

「大きなお世話だ!」

 

そんなやり取りをしながらも、ツナは

あのハイパー死ぬ気モードの特訓から解放されると思っていた。

 

 

――――数分後。

 

並盛中学の校門には人だかりができていた。

主に女子生徒が集まっている。

 

「ねぇ、誰あの人……転校生?」

 

「顔もだけど……なんかさ……」

 

「うん……怖いっていうか……クール?」

 

「怖いのに、目が離せない感じ……」

 

視線の中心にいるのは――リーフだった。

制服は着崩していない。

姿勢も自然。

笑顔も柔らかい。

なのに――

妙に“場に馴染んでいない”。

まるで、

並盛の空気の中に、別の世界の空気が混ざっているような違和感。

近くにいるだけで、無意識に距離を測ってしまう。

それなのに、視線を外せない。

 

「よっ、ツナ。朝食うまかったか?」

 

その軽い声で、逆に緊張がほどけ――

女子たちは一斉にざわついた。

 

「声、優しい……」

 

「でもなんか……ゾワッとした……でも、イケメンに朝食作ってほしい……」

 

「リーフさん、並盛に通うの?」

 

「あれ? リボーンさんから聞いてない? 俺、日本に留学に来たって」

 

並盛中の制服姿のリーフとの再会に驚いたツナは、

リボーンに嵌められた気分で落ち込んでいた。

 

「君たち、校門前で何群れているの?」

 

「……!? あっ、雲雀さん……」

 

すると、学ラン姿の――

並盛町最強の男、雲雀恭弥が、機嫌の悪そうな状態で登場した。

理由は簡単。

彼の嫌いなこと――並盛中の風紀を乱すこと。

そして、群れること。

 

「おっ、お前、あの時のすげぇトンファー使う奴じゃん。

ツナもすげぇ奴を舎弟にしたな」

 

「……僕が、誰の下についたって?」

 

「ヤバいよ! リーフさん、雲雀さんを刺激しないで!」

 

リーフは小さく肩をすくめる。

 

「安心しろって。――校門でケンカするほど、空気読めないわけじゃない」

 

その一言に――

雲雀の視線が、ほんの少しだけ鋭くなった。

(……この男、理解してる)

(その上で、踏み込みすぎない)

(……嫌いじゃない)

 

「……今日は見逃してあげる」

 

そう言い残し、雲雀は背を向けた。

周囲の空気が、一斉にほどける。

ツナだけが――

嫌な汗をかいていた。

 

「学校生活、楽しめそうだ」

 

「あっ、ツナ君。おはよう!」

 

「京子ちゃん! おはよう!!」

 

朝から肝を冷やしたツナにとって、笹川京子の登場は、

砂漠の中のオアシスのような存在で、心を癒してくれた。

 

「10代目、おはようございます!」

 

「よっ、ツナ! おはよう!」

 

「おっす、沢田! 元気そうだな! 俺は極限に元気だ!!」

 

京子との朝の挨拶のあと、

獄寺、山本、了平と、代わる代わる挨拶されている様子を、

リーフは感心した表情で見ていた。

 

「なるほど……9代目やリボーンさんが推薦するの、わかる気がします」

 

「まぁ、俺の教育のおかげだけどな」

 

「ところでリボーンさん……親方からは……」

 

「へへぇ〜ん。ランボさん登場だもんね〜」

 

リーフがリボーンと話をしようとした、その時。

牛柄の服にアフロ頭のちびっ子――ランボが登場した。

 

「何だ、アホ牛か。最近来なくなったと思ってたのに」

 

「なぁ! 誰がアホ牛だ! ランボさんは凄いもんね〜!」

 

「リボーンさん……えっと……」

 

「気にするな。ただのウザいアホ牛だ」

 

「ムキィー! 誰がアホ牛だ! 死ねー!! リボーン!!!」

 

リボーンにバカにされ、怒ったランボは大量の手榴弾を投げた。

だがリボーンは、変身カメレオンのレオンを巨大な団扇に変え、

すべての手榴弾をランボの足元へ吹き返した。

 

「うぎゃぁ〜!!」

 

「へっ、汚ねぇ花火だ」

 

「リボーンさん、それは色々とマズい台詞ですよ」

 

ランボはリボーンのカウンターをまともに受けた。

あの手榴弾の数でよく無事だな、とリーフは感心していたが、

ランボは涙を溜めて必死にこらえていた。

 

「うっ……ランボさん……泣かないもんね……がまん……」

 

「リボーンさん、あの子大丈夫なんですか?」

 

「心配するな。アホ牛には日常茶飯事だ。

まぁ、いい加減学習してほしいが……バカには無理だろうな」

 

「うぐ……がまん……うぎゃー! できない!!」

 

ランボはアフロの中から、バズーカを取り出した。

しかもそれは普通の武器ではない。

マフィア世界の七不思議とも言われる――10年バズーカだった。

 

「あれは……噂の10年バズーカ?」

 

ボーン!

ランボは自分に向けて発射した。

煙が立ち込め――

現れたのは、くせっ毛の黒髪の青年。

 

「やれやれ……オムレツを食べるところだったのに。

また過去の自分が10年バズーカを……」

 

「あれが10年後の?」

 

「あぁ、あのアホ牛だ」

 

「リ、リボーン! ……隣にいるのは、もしかして……」

 

「? 俺?」

 

「師匠!! すみません!! 特訓はちゃんとやってるので!!」

 

10年後のランボは、リーフの姿を見ると、

ビアンキのポイズンクッキングを見た時と同じくらい怯え始めた。

 

「これって……リボーンさん……」

 

「多分、10年後のお前が、あのアホ牛の師匠になってるみたいだな」

 

リーフは、見ず知らずの人間から師匠と呼ばれ、困惑していた。

だが、その事実が――

後の戦いに関わることを、まだ誰も知らない。

 

 

イタリア――ボンゴレ本部近郊、とある場所

ボンゴレ本部の城から離れた湖畔で、二人の男が向き合っていた。

一人は体格の良い男。

もう一人は、まだ成人前の少年。

 

「親方様……私に、一体何を……」

 

「バジル。これを持って、日本にいるリーフと合流しろ」

 

親方と呼ばれた男は、懐から小さな箱を取り出し、バジルに渡した。

それを見た瞬間、バジルは息を呑んだ。

――ボンゴレボス継承式に使われる重要な代物。

――ボンゴレリングの片割れ。

――ハーフボンゴレリング。

 

「なぜ……ハーフボンゴレリングを……」

 

「これを狙う連中がいる。……ヴァリアーが動き出した」

 

「ヴァリアー……!?」

 

ツナたちに、新たな戦いの風が吹こうとしていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。