気に入らない人は最初から読まないでください。
気に入らない人は最初から読まないでください。
むかしむかし、あるところに、フォトエッセイというバカが作ってバカが読むものがありました。
知らない方のために、フォトエッセイの説明をしましょう。
フォトエッセイとは、何の努力もせず、見た目が人より優れて生まれ、それだけで有名になっていった人たちが出版するもので、小説を書くほどの知能はなく、エッセイですら、300ページを持たせる知能もないので、写真と馬鹿でかい文字でページを埋めている書物のことです。
神様はその様子を見て、とても怒りました。
「なんだ、こいつらは。フォトエッセイを出しながら、チヤホヤされながら、しかも“事務所が出せと言うから、出したんです”というひきのカッコ良さまで欲しがっている!」
そこで、神様は考えました。
フォトエッセイを出版してから、記念のサイン会を開くまでのわずかな期間にハゲるという罰を与えたのです。
フォトエッセイを出す奴らの間で流行る、この謎の奇病は彼ら、彼女らに脅威を与えました。
百人に一人ぐらい、開き直って、サイン会にハゲたまま行く勇者がいました。
しかし、サイン会に来たファンたちは「なんだ、このハゲは!フォトエッセイの人物と全然違うじゃないか!」とパニックになりました。
ある家庭では、「フォトエッセイを買いに行ったら、顔が似たハゲがいた!」と高校生の娘がふさぎ込んでしまったので、心配するパパとママがフォトエッセイのことを忘れるためにディズニーランドに娘を連れて行ったりもしました。
また別のある家庭では、「フォトエッセイを買いに行ったのに、ハゲがいた」とショックを受けたお母さんが、ご飯を作らなくなり、子供たちがガリガリになったりもしました。
出版発表の記者会見から、サイン会までのわずか三日間でハゲるという恐ろしい奇病に、フォトエッセイを出そうとする人たちは、恐れおののきました。
神様は、平等にするために、調子に乗ってる奴には罰を与えようと考えたので、フォトエッセイの中身の文字がでかければでかいほど、面白いハゲ方にしました。
また写真の枚数が多ければ多いほど、面白いハゲ方にしました。
でっかい見開き1ページに、「夢は叶う」とでっかく筆ペンで描いてあるようなフォトエッセイを出した人には、面白いハゲ方プラス、どんな服も突き破るような強くて長いわき毛を生やさせました。
こうして、フォトエッセイを出す人たちはどんどん減っていきました。
しかし、です。
イケメンなだけではなく、性格も謙虚で、優しく、努力家のモデルが一人現れました。
神様は、この男だけは、フォトエッセイを出してもいいと考えました。
この男だけはハゲずに、気持ちよく出版すればいいし、読む人たちを楽しませることが出来たらステキなことだと考えました。
内面の美しさが、外見にも現れているこのモデルに神様もとても好感を持ったのです。
いざフォトエッセイが出来上がりました。
神様が楽しみにして、ページをパラパラと開くと、全部で45ページで、うち30ページが写真で、残りの15ページは、そいつが考えた名言みたいなやつで埋まっており、値段は8500円でした。
神様は激怒し、頭をハゲさせ、耳毛を呪いのように生えさせました。
神様は、この男の夢に出てきて、拷問をかけました。
爪を1本1本剥がしながら、「お前には期待していたのに、なんだ!あのナルシストで内容がペラペラなフォトエッセイは!!!」と叫びました。
夢の中ですが、男は泣き叫びました。妙なリアルさがあったのです。
「痛いです!許してください!」「なんだ!あのオープンカフェでカプチーノ飲んでるだけの写真は!!死ね!」「痛い!!か、勘弁してください!!」
「あのフォトエッセイの中で、お前が一番気に入ってる名言を言え!!いい名言なら許してやろう!!」
男は、考えながら、こう言いました。
「眠れない夜は、抱きしめてあげる」
神様は、こいつを社会的に殺すことにしました。
男は、夢から目が覚めると、オチンチンがキューリになっていました。
もっと、こんな奴ではなく、お笑い芸人とかが、評価されるようになればいいのになあ、と神様、つまり、この文章の作者、ハクション中西は思いましたとさ。
おしまい。
芸人、ネタ作家、短編小説家。“理系の変な奴”は自分で髪の毛を切ります。それが私。ついでの用事が二個ないとお墓参りに行かないです。
Twitter、noteなど色々やってます。