ダンまちinがらんの画眉丸   作:創作初心者

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戦闘より日常会話の方が苦手かも知れない

追記
・半分だけ固まって、導入が浮かばないので次話はまた今度



第参話

都市最強の派閥(ファミリア)はどれか?

 

幾多の第一級冒険者を保有し、外交・防衛にも携わる最大規模とも言える象神の派閥(ガネーシャ)か。

多彩な彩り、可憐な少女たち、市民からの人気も高い実力派――()()()()()正義の派閥(アストレア)か。

はたまた実力の高い戦闘娼婦(バーベラ)を保有し、歓楽街を占め――――()

 

全て(ちがう)

 

都市最強とは、それ以外の派閥では並ぶことは到底敵わない人類の最精鋭たちが集う派閥とは、道化の派閥(ロキ)美神の派閥(フレイヤ)以外にあり得ない。

彼らこそかつての最強たちの継承者、黒竜を討つもの、下界の救世主たち、誰もが認める優劣付け難き両者。

 

画眉丸はそんな最強の派閥の一角たる道化の派閥の本拠・黄昏の館を訪れていた。

 

 

 

 

「本当に久しぶりだね、画眉丸。歓迎するよ。」

 

その内部、応接間の一つで画眉丸は1人と1柱と会っていた。

なぜかその1柱には肩を組まれているが。

 

「………………なにかな、その目は?」

 

「いや本当に歓迎されておるのか、と思ってな。」

 

「フィンは腹黒やからな〜!ウチは歓迎しとるで、飲み友が増えるのは大歓迎や!」

 

 

策謀に長けた派閥の長と、その主神。

主神に関しては、画眉丸とは元飲み友であったという。

 

なぜか?

 

ゼウスやヘラの連中がロキやフレイヤの連中を弾き飛ばして襤褸切のようにした後、毎度後始末をつけるのは画眉丸たちというのがお約束だった。

 

なにせ、奴らはやりすぎるのだ。

街中だというのに建造物を薙ぎ倒しながら人をぶん投げるし、「死なない程度に加減した」と言いながら頭部から流血して、目を剥いて気を失う者たちを彼は何度も見たことがあった。

 

気絶し、襤褸切同然の彼らに適当な治療を施して、本拠に帰していたのは画眉丸を中心とした派閥内の良心たち。

何度も繰り返すうちに、それなりにその主神とも交流があった。

神ロキとの縁はそれに連なるもの。

友人ならぬ友神と普通に(仲良く)接しようと極東の珍味や酒を振る舞ったのも大きいだろう。

 

それはさておき。

 

 

 「象神の派閥(ガネーシャ)が……ううん、成金保守豚(ロイマン)がよく君の自由を許したね。いや、君は他より温厚だったし、僕たちも大きな脅威と見ているわけじゃないのだけれど、アレはゼウスとヘラそのものを嫌っていた……というより怖がっていたからね。」

 

「ああ……父神が天に帰った影響でワシの恩恵も今消えておってな。暴れてもギルドで制圧可能と見たらしい……それでロキ(おヌシら)美神の派閥(フレイヤ)状況報告(あいさつ)するのを条件に早期釈放になった。」

 

「ほんまかいな!?ど変態やったが……あいつ、人間(こども)たち見るのは好きやったやろ、そんなにあっさり送還される(いく)とは思ってへんかったわ。」

 

「ただ帰ったわけではないよ、いずれおヌシらも父神の()()()物を見ることになるだろうさ。」

 

それを聞いたフィンの表情が僅かに変わる。

すなわち()()、正しく神を除けば都市最高の頭脳の持ち主がその言葉の重要性を察したのだ。

 

()()の遺物か、恐ろしいね。今、聞いてみたいとも思うけど。」

 

「言わん。面白味がないからな。」

 

正確には……()()だが。

 

ズズっ……と、出されたお茶を少し飲む。

いつか、彼がこの派閥に所属する王族(ハイエルフ)に紹介したものだ。

極東から仕入れた極上の茶葉である。

 

 

「―――それで?これからどうするんだい?」

 

 

勇者(ブレイバー)を名乗る智者が問う。

 

彼の瞳と笑みの奥に隠された真意に基づいて。

 

男神の派閥(ゼウス)最強の隠密兵、最高峰の斥候、一時上位の派閥にのみ当てられた戦闘技術・(タオ)の指南役。

それに加えて、得体の知れない最強の遺物を携えてやってきた男を前にして、少なくともフィンにはただの友人・知人の挨拶をして終わろうとはしなかった。

 

無論、友との再会は喜ばしいとも。

 

画眉丸から教わった戦術の知識はオラリオで得られないようなものも多くあったから実に有り難かったし、氣についても何度か助言(アドバイス)をもらった。

酒や食事を共にすることもあったのだ、好き勝手なヤンチャができていたあの頃は実に辛くも楽しかった。

 

 

しかし、それはそれ、今は今だ。

 

 

今のフィンたちは壊滅状態のゼウスとヘラを押しのけて、玉座に座った者である。

 

その分際で未だ、奴らと同じ領域の入り口にすら立てていない。

己の宿命を果たすにしろ、下界の悲願を果たすにしろ、全てが足りない。

 

特にフィンは、極大派閥の長となり、自由が効かなくなったというのもある。

背負うものが大きくなった、やらなければいけないことが多くなった。

 

否、全て()()だ。

 

――だからこそ、僕は常に最善手を選ばなければならない。

 

利用できるものはできる限り利用する。

一部の者たちから詐欺師と誹られようとも、それが勇者(ブレイバー)であるが為に。

 

道化の派閥(僕たち)としては、君を派閥へ迎え入れたい。君という第一級戦力と、(タオ)の技術が欲しい、と思ってる。」

 

だが、この忍に隠し事は効かない。

当たって砕けろ戦法しかない、それで――――

 

「有難いが、遠慮するよ。ワシ、連れと同じとこ入るから。」

 

「君の連れも一緒に構わないよ。団員になれば住居と個室も提供できるし、来たばかりなら食費や生活費を抑えれるだろう。へファイストスやゴブニュとの関わりが深いウチなら武器代も浮く。」

 

 

 

 

 

「いや、あやつ()()()()されとったけど………………」

 

 

 

 

 

「ん?ウチ、今日一日本拠(ホーム)おったけど、入団希望なんか知らんで?」

 

「僕も……だね、報告の聞き逃しはしてないと思うんだけど……」

 

「いや、声かけた瞬間門番に手で払いのけられてたが。」

 

 

少し空気が重くなる。

 

 

「画眉丸、僕たちのファミリアは()()門前払いなんてしないんだよ。元冒険者限定で募集をしているわけでも無いし、恩恵を授かる前の人間が非力なことなんて重々承知だ。ちょっとした面接や実技、学術試験なんかは行うけどよっぽどのことがない限り門前払いなんて絶対にしないように…………言ってるんだけどなぁ。」

 

「ちょーっと、説教が必要やなぁ。やらかした子には。」

 

フィンとロキの顔が黒くなる。

その行為を成した門番は少なくともファミリアの意に反することをやってのけたのだ。

大派閥の長と神として、処断は正しく下されるだろう。

 

 

「言わんほうが良かったのか…………?」

 

 

落胆と怒りで満たされる応接間の中で画眉丸は、呆然と呟いた。

 

 

 

 

そこから紆余曲折――道化の派閥とのアレコレは後日調整することになったり、門前払いをしてしまったベルに対して謝罪を述べたいなど色々あって、時計の長針が約半周したころに画眉丸は帰路についた。

 

 

ラウルと呼ばれた黒髪の男性団員の案内を受けて、黄昏の館を歩き進み――

 

 

「あ、お疲れ様っす、2人とも。」

 

 

迷宮での冒険を遂げ、帰宅したのは2人の冒険者。

 

山吹色の妖精と、金色の姫君。

道化の派閥が誇る最精鋭と、才気に満ち溢れたその後進。

 

すなわち――千の妖精(サウザンド・エルフ)レフィーヤ・ウィリディスと、剣姫アイズ・ヴァレンシュタイン。

 

彼女たちとの邂逅が訪れた。

 

 

 

 

 




どうやらアストレア・ファミリアがいるようです。

次は今日の夜か明日。
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