しかも夜遅いですねすみません
さて前回グアムや日本本土ではパーシアス作戦のお話でてんてこ舞いになっていましたが…今回は本土のてんてこ舞いの影響をまだ受けていない晴風のお話です
そしてまた今回も短めです
それでは第29話、どうぞ
─明乃が優衣や珊瑚と主砲射撃指揮所の交換作業を見つつ話した少し後、艦橋内部では
「出し物、何やります!?」
幸子が食い気味にましろへと聞く
「えぇっ!?」
ましろは突如として寄ってきた幸子を避けるように少し下がる
「やんなきゃいけないの?」
芽依が不満そうな声を上げる
「私考えてもいいですか!?」
幸子はさらに食い気味にましろへと聞くが
「だめだ」
と一蹴されてしまう
「えぇ〜」
「ココちゃんの考えることに私達、きっとついて行けない気が……」
と鈴が不安点を言うと
「じゃあシロちゃんも一緒に考えてくださーい!」
「話せ!」
幸子がましろの腕へと抱きつきながら代替案(?)を言い、ましろはとりあえず振り解こうとする。広島弁で話す2人の様子を見ていた鈴達は
「いつの間にかすごく懐いてるね」
「何この鬱陶しい距離感」
「うぃ…」
「あれ息ぴったり?」
「うん」
と口々に言うのだった
─2日後、4月30日
尾部甲板で洋美が空中線に提灯をつけているとどこからか遊んでいる声が聞こえる。そして海の方へ視野を広げるとマチコがパラセイリングをしており、また別の方を見ると機関科の面々が毎度の如くか何なのか今週の運勢を見ていた。それを見た洋美は
「貴方達も手伝ってよ!」
と言うが
「暑いから動きたくなーい」
と瑠奈に即答されてしまう。その脇で媛萌は
「中々大変大変〜」
と呟きながら何かの設計図を描いていたのだった。そしてところ変わって食堂では
「やっぱり屋台は欲しいよなぁ」
と麻侖が給養員の3人に話していた
「やきそばとかたこ焼きとか?」
と美甘が聞くと
「定番も良いけど…スカっぽい感じも欲しいよなぁ!」
と麻侖は答える
「スカ…?」
とほまれは頭に疑問を浮かべるが
「横須賀のことじゃない?」
とあかねが推測を入れる
「分かった。色々考えてみる」
そう美甘がいうと3人は麻侖に向けて若干無理矢理微笑んだ。その時
「ねーねー、主計科で要らない木箱とかなーい?」
と言いながら媛萌が入ってくる
「あるよ〜」
と美甘が明るく答え
「おおー!出し物で使うのか!?」
と麻侖も元気よく聞くが
「ううん。ちょっと個人的に作りたいものがあるんだ」
と媛萌に言われてしまう
「何だよ個人的って」
と麻侖も食らいつくが
「な、い、しょ!」
と媛萌にはぐらかされてしまう。それを聞いた麻侖は大層不満そうな顔だった。そしてその後麻侖は甲板を歩きながら
「なんでいなんでい。内緒ってのは気に入らねぇ」
と独り言を話していた。そして目の前で楓が棒を構えているのを見つける
「なにやってんでい」
と聞くと
「スイカ割り〜」
と鶫から返ってくる
「万里小路さんすごいの!絶対外さないの!」
と慧も麻侖へ向けて言う
「赤道祭はどーした?出し物何やるか決めたのか?」
と麻侖が2人に聞くと
「まだ〜」
と鶫が答える
「だったらスイカ割って…」
と麻侖が言いかけたその時
「参る!はぁ!」
と言って楓が棒を振り落とす。するとその棒は綺麗にスイカの中心を捉え文字通り真っ二つになる。そして慧は麻侖に
「機関長も食べる?」
と聞くが
「いらねぇ!いらねぇ!」
と麻侖は首を振って拒否した。そしてまた甲板を歩く
「っとに時間がねぇってのに何のんびりしんでい…」
イライラのあまり早歩きになる麻侖にどこからか水がかかる
「うわぁ…ごめん機関長…」
光がすぐに謝るが
「遊んでいる暇があったら祭りの準備しろってんでい!」
と麻侖は駄々をこねるように言う。しかし
「全方位盛り上がってないんですけど…」
と美千留が言う
「も、盛り上がってない…?」
その言葉に麻侖は衝撃を受ける
「水鉄砲大会のほうが面白くなーい?」
さらに順子が追い討ちをかけるように言う。そしてその言葉でさらに衝撃を受けた麻侖はトボトボと歩きながら尾部甲板へと向かう。そして雑誌を見ていた麗緒は慌てて飛び起きると
「みみ皆何やってんのよ!」
と叫ぶ。そしてその声で起きた桜良と瑠奈はとんでもなく暗く、そして怒っている顔の麻侖を見て顔を強張らせる
「き、休憩終わり〜!!」
そしてその3人は焦ったように準備を開始する
「わざとらしいことしなくていいんだよ」
その様子を見た麻侖が暗い声で話す
「よーく分かってる。皆赤道祭なんかどうでもいいんだな!」
「麻侖…そ、そんなこと無いってば皆楽しみにしてるから赤道祭」
「めっちゃ楽しみ〜」
洋美と桜良が弁明するが
「無理すんな…お前らに慰められたくねぇ!」
「麻侖!」
麻侖は慰められたのが気に食わなかったのか走ってどこかに言ってしまう。一方その頃の艦橋では
「シロちゃんどーしたらいいと思いますー?」
タブレットの画面を見せながら幸子がましろへと質問する
「どーでもいいと思う…」
とましろは疲れたように言うが
「えー投げやりだなぁ」
とすぐに詰め寄られてしまう
「相変わらずだね、ココちゃん」
その様子を見た明乃も若干引きつつ言う。その時
『艦長、校長から連絡です』
と鶫から報告が入る
「つぐちゃん、読んで」
明乃もすぐに返す
『“修理が終わり次第、ブルーマーメイド並びに海軍が行うパーシアス作戦に協力せよ。後方第2陣に着くように”だそうです』
「分かった」
「本格的にウイルス退治が始まるんだね」
報告を聞いた鈴が明乃に言う。芽依も
「あとどんだけ覚醒させるんだ…?」
といい
「5艦ですね。4艦は所在が判明していますが武蔵は不明です」
と幸子が芽依の疑問に答える。そしてその“武蔵”という言葉に明乃が反応し、少し気まずい雰囲気になる。その時洋美が艦橋へと駆け込み
「艦長」
と呼ぶ。いつもの調子で明乃が
「クロちゃん、何?」
と返すと
「あっいえ…機関長が…」
と詰まるように返す
「マロンちゃんがどうかした!?」
艦の乗員は家族同然と思っている明乃はすぐに心配するが
「“拗ねました”」
という洋美の言葉で艦橋メンバー全員が固まる。そして出てきた言葉は
「「「「「「へ?」」」」」」
だった
─ところ変わって晴風艦内の一角では
カンカンカン
媛萌が木の枠組みに釘を打ち付け何かを作っていた。そこをたまたま通りかかった光が聞く
「何作ってんの?」
しかし
「出来てからのお楽しみお楽しみ〜」
と媛萌は安定の如くはぐらかしていた。そして洋美に呼ばれて尾部甲板へと向かった明乃たち一行はというと…
「なるほど。自分の思うように盛り上がらなくて拗ねたのか…」
両手を腰に当てながらましろが話す。後ろにいた洋美も腕を組みながら
「いつもは威勢がいいんですが…一旦へそを曲げるとてこでも動かなくて…」
と比喩を用いながら呆れたように話す
「そっか。クロちゃんはマロンちゃんと中学から一緒何だよね?お祭り、任せっぱなしにしてた私も悪かったよね…」
その話を聞いていた明乃が少し反省するように言う
「一晩寝ればすっかり気分も変わるんですが、どうやって機嫌を直したものか…」
そう洋美達が頭を抱えていると
「あのさ」
と声がする。3人が声の主を見るとそこには媛萌がいた
「私が個人的に作ったもので、気分が盛り上がるんじゃないかと…」
「ヒメちゃんが作ったモノ…?」
媛萌の言葉を聞いて明乃とましろは顔を合わせるのだった
ガッチャ
「やっぱりここにいた」
機関室の扉を開けた洋美は椅子を並べて寝っ転がる麻侖を見て溢す
「よくわかったなぁ」
と麻侖は返す
「麻侖、いつも拗ねると艦の下に潜り込んでたじゃない」
「そうだったかな…」
学校に入学する前のことを持ち出されて少し気まずくなる麻侖
「ちょっときて。麻侖が喜ぶものがあるから」
「焼肉?」
喜ぶものと聞いてすぐに返答する麻侖。しかし
「食べ物じゃない」
と否定されてしまう
「パイナップル缶?」
と別のものを聞くが
「それも食べ物じゃない」
とすぐに返されてしまう
「何だよ!」
しびれを切らして麻侖が聞くと
「くればわかるから」
とすぐに返す。結局折れてついて行った先には………
『わーっしょい!わーっしょい!わーっしょい!わーっしょい!わーっしょい!わーっしょい!わーっしょい!わーっしょい!』
と晴風メンバーが神輿を担いだりお囃子を演奏したりしていた
「なんでいなんでどうしたんでい」
その姿に麻侖は呆気を取られる
「副長!もっと威勢良く!」
神輿の最後尾で担いでたましろへ向け媛萌が声をかける
「神輿なんてどこにあったんでい」
気になった麻侖が媛萌へと聞く
「私が作ったんだ!」
「個人的に作ってたものってのはこれだったのか…?」
麻侖はようやく媛萌の今までの言動や行動に合点がいく
「私…両親が神田の生まれで…祭りって聞くとつい血が騒いじゃうだ…」
「生粋の江戸っ子!」
媛萌に向けてキラキラした眼差しを向ける麻侖。とその時
「ぎゃっははっはは〜いやーめでたいめでたい〜」
どこからともなく現れた明乃がひげメガネをつけながら踊る
「かんちょ、なにやってんでい」
その様子を見た麻侖がすぐに反応する
「浮かれてるのよ。お祭りだから」
洋美もすぐに麻侖へと説明する。そして
「なんか面白そうだよね〜」
「水鉄砲大会よりもいいかも」
と順子や美千留が言う。それに明乃が
「せっかくのお祭りだから、めいいっぱい楽しんでいこ〜!」
と言って晴風メンバーのお祭り気運を高める
「艦長…よぉーし、盛り上がっていくかぁ!」
その行動に心を打たれた麻侖も気合いを入れ直し皆へと声をかける
『おー!!』
と皆も反応し士気はこれまで以上に高くなったのだった
今回もお読みくださりありがとうございました!
読んでくださる方に最大級の感謝を
麻侖、このあたりから「大漁」って背中に書かれた法被着てるけどあれ製作したのが百々達なんだよな…中々面白い繋がりな気がする
次回、第30話、お祭りハッピー(仮)
明日へ向かって、ヨーソロー!