おいら、リカちゃん。   作:ガスチェフブラスター

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8 ホグワーツ特急

 というわけで、汽車に乗り込んだオレとハリーは――開いている客室(コンパートメント)を見つけるため、汽車の廊下を歩き始めた。

 出発5分前だったのもあってか、空いている客室を見つけるころには最後尾の車両まで来ていた。

 

 オレとハリーは、二人掛かりで荷物を荷物棚に引っ張り上げた。

 特にハリーの荷物は巨大なトランクにぎゅうぎゅうで、20キロはゆうに超えそうなほどだった。

 

「ハリー、あんた……一体、何を入れたらこんなに重くなるんだ?」

「多分――いろいろ」

 

 ――どうやら、本人もよくわかっていないようだ。

 

 荷物を入れ終えたオレたちは、息を切らしながら椅子に座った。

 窓の外では、例の赤毛一家が別れを惜しんでる。

 

「……なんだか、実感わかないよ」

 

 ハリーは窓の外を見ながら、そう呟いた。

 それについてはオレも同感だ。

 だがそのことを正直に言って、ハリーを不安にさせるわけにもいかない。

 

 というわけで、オレはハリーを励ますことにした。

 

「まぁでも、魔法っていうぐらいだし――楽しいところなんじゃねぇか?」

 

 オレがそう言ったとき、けたたましく汽笛がなった。

 ガタン! と車内が揺れ、汽車はゆっくりと走り出す。

 

 しばらく外の光景を眺めていると――コンコンと、客室の扉がノックされた。

 

「ここ、空いてるかしら?」

 

 オレはガラス越しに、ノックの送り主を見た。

 そこにいたのは――栗毛色の髪の毛をした、オレやハリーと同い年ぐらいの女の子だった。

 

「申し訳ないけど、他はどこも開いてなくて……」

「ああ、いいぜ」

 

 オレがそういうと、少女はドサッと腰をおろした。

 少女はしばらく外を見ていたが、すぐに自己紹介を始めた。

 

「私、ハーマイオニー・グレンジャーっていうの。あなたは?」

 

「ああ、オイラか? ――オイラはリカ・アシュトンだ。よろしくな」

 

 それからオレは、ハリーに合図の視線を送った。

 

「あっ、僕? ……僕、ハリー。ハリー・ポッター」

 

 ハリーがそういうと、少女――ハーマイオニーは目を見開いた。

 しかしすぐにきをとり直したのか、彼女はせきを切ったように話し始めた。

 

「あら、こんなところにいたなんて……あなたとはあったことないけど、本で何回か見たことはあるわ。たしか、その……とっても有名な人なんですよね?」

 

 ハーマイオニーがそういうと、ハリーはゆっくり頷いた。

 

「……うん。でも、何も覚えてないんだ」

 

 ハリーが言うと、ハーマイオニーは自分を納得させるように言った。

 

「まぁ、そうでしょうね――10年前ってことは、1歳かそこらでしょうし」

 

 ▽ ▽ ▽

 

 それから、しばらく3人で他愛ない話をしていた。

 そんなことをしていると、扉がコンコンとノックされた。

 

 ドアを開けると、おばさんがえくぼを作りながら、お菓子の入ったカートを押していた。

 

「車内販売よ――ホグワーツにつくころにはもう夜だから、なにか買って行きなさい」

 

 ハリーとハーマイオニーは、早速おばさんの前に立つ。

 オレも後を追った――が、そこである問題に気づいた。

 

「――これ、お菓子ばっかりじゃないか?」

 

 オレの発言に、ハーマイオニーもハッとしたようだ。

 

「そうね――あの、ちゃんとした昼食はないんですか?」

 

 ハーマイオニーが尋ねると、おばさんは疑問で返した。

 

「なんでかしら?」

「えーっと……栄養が不安なんです」

 

 ハーマイオニーがごまかしていうと、おばさんはもっと笑って答えた。

 

「――大丈夫よ。帰ったらすぐ、ホグワーツで夕ご飯があるわ。そこで挽回しなさい」

 

 ――どうやら、理由が悪かったみたいだ。

 オレが言いたかったのは、”しっかりとしたご飯が食べたかった”だったのに――

 

 まぁでも、仕方ないか。

 おばさんの言う通り、夕ご飯で挽回しよう。

 

 そう思い、オレもお菓子を買い始めた――




 ここまでお読みいただきありがとうございます。
 長い事連載をお休みして、誠に申し訳ありませんでした。
 本命の一次創作に熱中してたんです……

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