~さやか~
「少し、考えさせてほしい」
タバサはあたしの目をまっすぐ見て答えた。
「うん。いつまでも待つよ。タバサが納得するまで考えな」
あたしの言葉に満足したのかタバサはテーブルに置いた本を持つと立ち上がる。
「ちょっとタバサ、もう帰っちゃうの?」
キュルケがタバサを呼び止める。
「まだサヤカの魔女?についてちゃんと聞けてないし、もう少し聞いていけば?」
「サヤカ・ミキが何者かには、興味ない」
そういうとタバサはそそくさと部屋を去っていった。
部屋に残ったのは、あたしたち三人だけだった
「それで、あの化け物については教えてくれないのかしら」
さすがにここまで話してあれを内緒にするのは厳しいよね
「ちょっとキュルケ、サヤカにもサヤカのペースがあるのよ!そんなせかさないで!」
このままではやっと仲良くなり始めたキュルケとけんかになってしまうかもしれないし、さっさと教えてしまった方がいいかな。
「彼女の名前はオクタヴィア。あんな姿だけどあれもまたあたしだよ」
「信じられないわ。だって何もかもあなたと違うし、さっきの説明だと魔女は絶望を振りまく存在なんでしょ?」
「まあそれを説明するのはだいぶ骨が折れるっていうか・・・あたしは特異体質で魔女になったり戻ったりできるって思っててくれればいいよ。」
「そんな適当な説明で納得できるわけないでしょ」
まあ、そうだよね。そうなんだろうけど
「申し訳ないけど、あたしはこれ以上オクタヴィアについて教える気はないんだ。ごめんね」
あたしが説明できるのはここまで。これ以上は彼女らには関係のない話だ。
「少なくとも暴走したりとかはないから安心してよ。これからもよほど相性が悪い相手じゃない限りあの手は使うつもりはないし」
「相性?」
「あたしの獲物はこれだからさ」
あたしは手元にサーベルを出す
「あなた、変身しなくても魔法が使えるのね」
「変身した方が、魔法効率はいいけどね」
あたしはその剣を起用に手で扱いながら続ける
「あたしたち魔法少女はその願いに関連した魔法を得意としているの」
そう言って剣を持つと軽く腕を切りつける。
「ちょっとサヤカ!」
ルイズが慌てて駆け寄ろうとするが、剣を消して手で制する。服ごと切り付けたのでその服に滲むように地が広がっていく
「あたしは癒しの祈りで魔法少女になった。だから。」
腕に青く輝く魔法陣が浮かび上がると、瞬く間に傷は消えて服も元通りになっていく
「すごい、トライアングル級の水のメイジでもそんな早く治らないわよ」
キュルケが目を見開く、ルイズもだ。ここ何日かで聞いた話によれば、この世界の回復魔法というのはけがの直りを早くしたり、止血したりするくらいが限度らしい。それもかなりの熟練者でそれなのだ、あたしの回復力は異常に見えるだろう。
「前にもちょっと言ったと思うけど、あたしは回復専門なんだよね。だから今回のフーケみたいな質量で押してくる相手にはめっぽう弱い訳」
「あの戦闘力でヒーラーとかこの世界の剣士が泣くわよ」
「あはは・・・まあ戦闘力についてはこの世界に来てから多少強くなったところもあるし」
具体的には使い魔の契約の影響だけど
「そういうわけだから、今回のあれは緊急措置みたいなもので、そんなホイホイ使えるものじゃないってわけ」
「なるほどね」
キュルケは納得してくれたみたいだがルイズは浮かない顔をしている。が、ここで何か聞く気はないようだ。
「癒しの願い・・・ね。あなた重い病気でも持ってたの。その、キュウべえに頼むしかないくらいの・・・」
「いやいや、あたしのは何っていうか、どうしても治してあげたい人が居てさ・・・」
恭介は、仁美と幸せにしているだろうか。あたしが死んで迷惑をかけたと思うし、今この状態が向こうでどう処理されてるのかはわからないが、行方不明とかだったら、それはそれで仁美は気に病むだろう。
「もしかして・・・」
キュルケが何かに気が付いたような顔であたしに近づいてくる。
「うえ?」
「キュルケどうしたの?」
そのままグイっとあたしに顔を近づけると
「・・・男ね」
「なっ!」
あたしの顔は真っ赤になってたと思う。
「あなたその男が好きだったんでしょ」
キュルケの核心を突く言葉にあたしは意味のない音を口から出すだけだ。
「ふーん、あなた恋愛には興味ありませんって顔してる割に、好きな男の為にそこまでできるなんて、結構情熱的なのね」
「違う!恭介とはそういうんじゃないから!ただの幼馴染だから!」
あたしが否定してもキュルケはなんだか訳知り顔で、「わかる、わかるわよ」って顔してる
「サ、サ、サ、サヤカ!あな、あ、あなた恋人がいたの!?」
「違うって、そもそもそんな関係になってないし、あいつは本当にただの幼馴染だったから!」
「サヤカ、自分の気持ちに嘘はいけないわ。この微熱のキュルケの目はごまかせないわよ」
「ちょっとキュルケ!わかっててからかってるでしょ!」
「恋人がいるとかそういう大事なことは先に言いなさいよ!」
「だから違うんだってぇ、ルイズぅ」
その後なんとか誤解を解くことに成功した。全然信じてもらえてない気がするけど成功したったら成功したのだ。
その後キュルケは
「あなたも普通の女の子ってことが分かったからもういいわ」
と、自分の部屋に帰っていった。
……解せぬ。
さやかちゃんをカードにしてみました!
カード名
美樹さやかEX
―《泡の中の人魚姫》―
属性
水 / 感情 / 剣
種族
魔法少女(特異個体)
レアリティ
SR+(条件付きでUR相当)
ステータス
攻撃力:★★★☆☆(3/5)
剣技は優秀だが、純粋な火力特化ではない
防御力:★★★★☆(4/5)
自動回復込みで実質耐久は非常に高い
回復力:★★★★★+(6/5)
通常上限を突破する異常回復性能
魔力効率:★★★★☆(4/5)
変身時はさらに上昇
継戦能力:★★★★★(5/5)
長期戦ほど真価を発揮
固有スキル
《癒しの祈り》
自分のHPを即時全回復。
負傷・出血・損壊状態を即座に解除。
※発動回数制限なし(ただし精神負荷あり)
《感情転化:希望》
ダメージを受けるたび、回復量が上昇。
絶望値が一定以上に達すると状態変化が発生。
《剣技・水刃》
サーベルによる近接攻撃。
相性の悪い「質量型」「広域殲滅型」には効果減少。
特殊状態
《魔女化:オクタヴィア》
条件:絶望値MAX
効果:
・攻撃力・防御力・範囲すべて大幅上昇
・味方識別不能
・戦闘終了後、人格が分離・再統合する可能性あり
※極めて危険な切り札。使用は物語上ほぼ禁止。
弱点
一撃必殺級の質量攻撃
広範囲制圧
感情を揺さぶる心理戦
フレーバーテキスト
「願いはね、叶った瞬間より、背負い続ける時間のほうが重いんだよ」