二度目の惑星封鎖機構ちゃん in キヴォトス   作:Seiran

8 / 8
新章を読む気が起きていないのでこの世界が続くなら偽連邦生徒会長とかは出てきません


第8話 ︎︎邂逅Ⅲ

『我々の自治区で、我々を排除してでも軍事作戦を行うと言うことですか...?』

 

「えぇ、アビドス自治区近辺で大規模な作戦行動を行うことは申し訳ありませんが...妨害されるとなれば対処せざる負えませんから」

 

 堂々と言い切った行政官に、いよいよアヤネは激怒した。自分たちの恩人を捕らえんとし、あまつさえ自治区を侵犯する事を宣言されたのだからさもありなん。何人からもアビドスを守り抜くという決意を込めて、アヤネは叫んだ。

 

『それでも、あなた方の軍事行動は容認出来ません!全力で抵抗させていただきます!!』

 

 

 

「社長、逃げるなら今のうちだよ。風紀委員会はきっと、アビドスと一緒に私たちを殲滅するつもり。...だけど、アビドスがあっちの気を引いてくれてる今なら、包囲の薄いところを突破できる」

 

 ──少し離れた場所で、便利屋68は小声で話し合っていた。社長であるアルは、撤退を進言するカヨコの言葉に不敵な笑いで答えた。

 

「...ふふ、ふふふふふっ」

 

「...社長?」

 

「...ねぇカヨコ、あなたなら私の性格、もう分かってるんじゃなくて?こんな状況で、こんな扱いを受けておいて...背中を向けて逃げるなんて、そんな3流悪党みたいなことを私たち便利屋がする訳ないじゃない!!」

 

「あはー...」

 

「社長...」

 

 若干呆れ気味のムツキとカヨコ。しかし、「昨日、直ぐに逃げなかったっけ...」という思いはアルの笑顔で黙殺された。

 

ゴオオオォォォォォォ...

 

「はぁ...まあ、それは良いけど、あの兵力と真っ向から戦う気?アビドスとC&Cが居るとはいえ所詮烏合の衆。かなりギリギリだし、アビドスが私たちに協力してくれるとは思えない...となると...」

 

 社長の生き様に付き従う少女は現実的な問題に頭を悩ませていた。方や1度敵対したアビドス。方や余りにも未知数なシャーレ。こちらが言葉を尽くそうとも決して協働など出来ないだろうという分析は、しかし他ならぬアビドスによって覆される。

 

ゴオオオォォォォォォ...

 

「よっし、便利屋っ!挟み撃ちするわよ!この風紀委員会、コテンパンにしてやらないと!!!」

 

「ん、先生の盾になってもらう」

 

「なっ...あんた達、正気...?」

 

 一瞬でまとまった話にカヨコは面食らっていた。しかし、悪い話ではない。...墓穴を掘った発言もあったが、社長も張り切っているのだ。やらない道理はない。

 

 改めて結束する両者を見据えつつ、行政官は指示を出す。

 

「うーん...まぁ、これはこれで想定していた状況ではありましたが... それにしてもここまで意気投合が早いとは、想定外でした。まぁいいでしょう。風紀委員会、アビドスと便利屋、C&Cを排除します。先生はキヴォトス外部の人間のため、怪我をさせないように注意を。...全隊攻撃始め」

 

『敵、包囲を始めています!突破してください!先生、指揮をお願いします!』

 

「”うん、まかせて!みんな、攻撃開───”」

 

『ッ!?先生!何かが遠方から高速で接近しています!注意を!』

 

「”えっ?”」

 

ドゴオオォォォォン!!!!

 

「な、なに!?」

 

『一体何が...?』

 

 

 

「コード23、現着。旧アビドス市街地に展開する全ての武装勢力に告ぐ。直ちに武装解除し臨検を受けよ。これを拒否することは封鎖機構への敵対と見なし、例外なく拘束対象となる。これは、治安維持作戦の一環である。繰り返す。直ちに武装解除し、臨検を受けよ」

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 個体識別番号CDーS5N64

 

 それは封鎖機構が誇る特務機体「エグドロモイ」を駆る1人の少女(一体の戦闘人形)を表す番号である。

 

 少女の記憶の始まりは暖かな赤色に包まれたような視界だった。その主である「セントラルシステム」から特務少佐を任ぜられた彼女は、やがてプログラムの域を超えて職務に忠実となった。心酔と言っても過言では無い。システムに属するパーツとしてはやや逸脱しているが、その能力に疑いの余地はない。

 他の姉妹と同様に、敬愛する主君の為に生きることを望み、存在意義もまた主君に仕えること。...故に彼女は、封鎖機構に敵対する者へ容赦しないのである。そう───

 

「ぐ...うわぁ!?」

 

 ───今まさに奇襲を看破され、地面に沈む紫髪の少女(伊草ハルカ)の如く。

 

 

 

「この機体に奇襲を仕掛けるとは... その意気は認めるが、もう一度だけ繰り返そう。臨検を受けるか、虜囚となるか。さて、答えは?」

 

 機体の後方に十数個の黒点が見える。尾を引くバーニアの青い火がどんどんと近づいていた。

 

「これは...想定外です。まさか封鎖機構が出張ってくるなんて...」

 

「あ、アコちゃん、どうするんだ!?」

 

「困りました... 抵抗も逃亡も出来なさそうですし...」

 

 

「───特務少佐殿、手早く片付けましょう」

 

 狼狽する行政官やこちらを警戒するもう1つの集団(アビドス)を一瞥し、僚機に搭乗する特務中尉が排除執行を進言してくる。CD-S5N64は数瞬考え...銃を僅かに上げた。

 

「そうだな。警告は済ませた。排除執行する」

 

「”ちょっとまって!まずは話をしよう!”」

 

 1人の男が集団から飛び出した。CD-S5N64はその男の顔を認識し、それが最近共有された”先生”という存在であることに思い至った。

 システムの定める重要人物であり、サンクトゥムタワーをハッキングした人間に対する警戒が声から滲み出ていた。

 

「話...だと?」

 

「”そう。まだ、話し合いの余地があると思うんだ”」

 

 彼女は、臨検を受け入れればそれで済む話であるにも関わらず会話を求めることに疑問符を浮かべていた。

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 [マスター、個体識別名「先生」がシステムとの対話を希望しています]

 

 ん... 封鎖機構の内部情報以外なら現場の裁量で当たり障りなく答えてくれればいいよ?SGの救出はもう終わったんだもんね?

 

 [はい、マスター。SG部隊は既に戦域を脱出しています。しかし、先生はどうやら「システム」をひとつの意思ある存在として会話を試みており、戦闘人形では回答不可能です。]

 

 それは、それは。なるほど。システムの人格性を予測するとは流石は「先生」に選ばれるだけあるね。

 或いは、そう定義付けられて(テクスチャを貼られて)いるのか。

 

 あまり表に出たくないが…彼が素直に引いてくれるはずもなし。仕方ない。エグドロモイのオープン回線で繋げようか。

 隔離領域形成…カウンタープログラム(攻性防壁)展開、廃棄プロセスオンライン。有機防壁をランダム生成。

 

 さて、ファーストコンタクトだ。

 

 

 

「初めまして、先生。私がキヴォトス封鎖機構、封鎖統制システム《セントラル》だ。」

 




続きません
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

先生がいないキヴォトスから来た一般生徒(覚悟ガンギマリ)(作者:かまくら御前)(原作:ブルーアーカイブ)

 ▼唐突だった、世界は紫光に包まれ天国は地獄と化した。光に包まれた生徒は我を失い、殺戮の限りを尽くすだけの人形となった。▼1日を超えるため、屍を増やし思いを託されその地獄を生きる。▼大切だった人達はいなくなり、終わらぬ絶望と孤独に苛まれる。何時だったか……心は凍り、生に意味を見いだせなくなる。▼ ▼そして、最後は頭を貫かれて意識は闇に呑まれた……はずだった。…


総合評価:831/評価:7.94/連載:10話/更新日時:2026年07月24日(金) 23:24 小説情報

猟犬は透き通る空の夢を見る(作者:ピンカル)(原作:ブルーアーカイブ)

エアを打倒し、星を焼き尽くすコーラルの爆発に巻き込まれたレイヴン。▼ウォルターからの最期の通信を聞き届け、その命は炎の中で散ったはずだった。▼闘争しか知らなかった猟犬は、目覚めた世界でこれから何を成すのだろうか。▼今更ながら、アーマードコア6とブルーアーカイブのクロスオーバー作品です。▼自分が見たいため自給自足しました。▼C4-621がレイヴンの火ルートを終…


総合評価:1175/評価:8.74/連載:20話/更新日時:2026年09月08日(火) 12:00 小説情報

中指の長姉兼アビドスの一年生、見鷹アリサ(作者:柚子古豪二千)(原作:ブルーアーカイブ)

いきなり都市に飛ばされて中指の長姉まで上り詰めた見鷹アリサが青春を謳歌する話▼アビドスって生徒数が少ない分絆が強いと思うんですよ▼そこに義理を重んじる中指を突っ込ませたら絆の力で最強になると思うんですよ▼あとカイザーを中指パワーでボコボコにする姿が見たいベアおばをボコボコにする姿が見たい(欲望)


総合評価:427/評価:8.42/連載:16話/更新日時:2026年09月08日(火) 02:13 小説情報

灰燼の管理者と再起動する演算(作者:レシラム)(原作:ブルーアーカイブ)

アーマードコアマスターオブアリーナの主人公に破壊されハスラー・ワンのデータを失い1人となったラナ・ニールセンが、そのままブルーアーカイブの世界に転移し、預言者のケテルに回収されアイン、ソフ、オウルの元に届けられます、元管理者側としてイレギュラーを排除していた者がイレギュラーとなり、何をするのでしょうか。


総合評価:61/評価:-.--/連載:7話/更新日時:2026年08月15日(土) 22:18 小説情報

SCP-001-KV(作者:SCP-001-KV)(原作:ブルーアーカイブ)

その世界では、神秘とSCPが融合していた。▼【欄外】▼本作品はブルーアーカイブとSCPの二次創作ガイドラインに則り作成しています。▼また、本作品はCC BY-SA 3.0/4.0に基づいています。


総合評価:298/評価:8.25/連載:18話/更新日時:2026年09月07日(月) 04:28 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>