フィンにつれられてロキと一緒に会議室にきたナルト。
「ウチはお互いが本音で話してるかを審議するだけや。お互い腹割って話ぃや」
ロキはそう言うと黙って座った。
「ありがとうロキ。さあナルト、神に嘘は通じない。だからお互い本音で話そうじゃないか」
「俺はいつでも本音だってばよ。そっちがだまくらかしてんだろ」
ナルトがそう言うとフィンは苦笑いをしてから真剣な顔をする。
「ナルトが僕をよく思ってないことは薄々感じていたよ。確かに僕は野望のためにナルトの力を利用しようとしてるよ」
ロキは何も言わずに此方を見ているだけだった。
これは嘘を言っていないということなのだろうとナルトは思った。
「野望?」
野望と言う言葉にナルトは昔のサスケを思い出した。
『一族の復興、それとある男を殺すことだ』
かつてのサスケは復讐に囚われて闇に走ってしまったが、ナルトが光へと連れ戻したのだった。
「そうさ!僕は小人族の新たな希望の星になって一族を復興させるのさ!!」
フィンは力強くそういった。
普通の人だったら感動して賛同したかもしれないが、ナルトは違った。
確かにこの世界では小人族は他の種族からひどい扱いを受けているのはリヴェリアの勉強で聞いたことあるし、最近仲良くなったアストレア・ファミリアのライラからも実体験を聞いたこともある。
ナルトも同じような境遇だったから小人族の苦しみはわかる。
「野望のためなら関係ない人たちを巻き込んでもいいのかよ?」
そう、ナルトはフィンのこの行動と考えだけは気に入らなかった。
今のフィンの考えは野望のためならどんなことでもする!その過程で関係ない人たちに被害が出たとしてもまぁしょうがないよね?といった考えなのだ。
これは木ノ葉の里にいたダンゾウと同じような考えだ。
ダンゾウも木ノ葉のためにとどんな汚い手でも使うという考えだった。
そんな考えにナルトは共感できなかった。
「そうだね、でもそれは平和のための尊い犠牲だよ。」
「ッ!!」
フィンの言った平和のための犠牲という言葉でナルトは怒りが湧いた。
忍界時代にペインが言っていたことと同じだったからだ。
ペイン、長門も平和には犠牲がつきものと言っていたが、ナルトとの話し合いでなんとか改心した。
しかしその後に起こった第四次忍界大戦を経験してナルト自身も平和になるためには少なからず犠牲がつきものだと思い知らされ、現にナルトがここにきたのも平和のための犠牲みたいなものだった。
「俺もいろいろ経験したからフィンが言ってることも少なからずわかってるつもりだ」
うつむきながらナルトはフィンにそういった。
「そうか」
フィンはナルトが自らの考えを理解してくれたことに安堵していた。
「でもっ!最初っから全部を捨て駒みたいに扱うのはちげぇ!!」
「ッ!!」
ナルトの言葉に驚くフィン。
それはそうだろう、ナルトはフィンが隠していた心の内を言い当てたのだから。
「犠牲が出ねぇように頑張って頑張って動いたのに犠牲がでちまったんならそれはホントは嫌だけど諦めるってばよ。でも!!フィンの考えは最初っから犠牲を出す考えだ!!オレはそんなの認めねぇ!!」
ナルトがフィンにそう言うと先程までの優しい雰囲気は消えてピリついた空気になった。
「何も知らねぇガキが!!理想ばっか言ってんじゃねぇぞ!!」
「それが本性かよ」
いきなり変わったフィンにナルトはそう言って鼻で笑った。
「確かにテメェみてぇな化け物じみた力があればテメェが言ってる理想論も叶うだろうよ!!けどなぁ!!こっちにはそんな力はねぇんだよ!!だから他から補って使うしかねぇんだよ!!」
「仲間を頼るのはいい!!でも使い捨てにするのはちげぇだろ!!」
「皆仲良くでなんて冒険者は出来ねぇんだよ!!」
ついにフィンの怒りが頂点になりナルトに殴りかかったフィン。
ナルトはそれを軽々かわしてフィンの腕を掴んで窓に向かって投げる。
投げられたフィンは窓ガラスを割りながら外に落下していき着地する。
ナルトも窓から飛び降りてきてお互いにらみ合う。
「どうやらお前とは話し合いでは分かり会えないようだ」
「俺もそう思うってばよ」
今まさにお互い動き出そうとしたその時、ボンッ!と蝦蟇に乗った自来也がナルトとフィンの間に現れた。
「あいや待たれぇい!!」
「エロ仙人!」
「邪魔すんなよ自来也!!」
「バッカモン!!お主等がここで暴れたらホーム壊れるじゃろうが!!」
「「・・・・・・」」
自来也にそう言われて2人は少し冷静になったようだ。
「喧嘩は結構!大いにやるが良い!!じゃが場所を考えんか!!」
「わかったよ。それじゃあこれからダンジョンでやろうか。中層らへんでやれば迷惑にはならないだろう」
「俺はどこでもかまわないってばよ!!思いっきしぶん殴って考え方を変えさせてやる!!」
「それじゃあお互い準備をしてこい30分後にダンジョンにむかうからのぅ」
自来也がそう言うとフィンとナルトは準備するために部屋にむかった。
フィンは本気の装備をしてポーチにポーション何かをいれる。
最後に自身のメイン武器である槍を確認してサブ武器を装備して部屋を出る。
ロキはその姿を真剣な顔で見ていたが止めようとはしなかった。
ナルトも部屋にいき準備を始めた。
ポーチに手裏剣や起爆札、兵糧丸に傷薬、クナイホルダーにクナイを入れて巻物を何本か選ぶ。
この巻物は風魔手裏剣など、大きな手裏剣を口寄せするためのものだ。
最後に木の葉の里の額当てをしてナルトは準備を終えた。
ヒナタは優しくほほえみながらナルトに「いってらっしゃい」といった。
ナルトは笑顔で「いってくるってばよ!」と返した。
ナルトが門の前に行くとすでにフィンと自来也が待っていた。
それと何故がリヴェリアまでもいたのだ。
「リヴェリアもくんのか?」
「当たり前だ!本来ならこんなことは止めたいんだ。しかし私が言っても止まらんのだろ?」
リヴェリアが呆れながらそういった。
「すまないねリヴェリア。今回ばかりは止められない」
フィンがそう言うとリヴェリアはそれはもう深い溜め息をついた。
「まったく、せめて闇派閥の件が解決してからにしてほしいものだ」
リヴェリアはそういった後は何も言わなかった。
「それじゃあ行こうかのぅ」
自来也がそう言って歩き出した後にナルトたちは続いて歩いていった。
ダンジョンに入り、一気に進んでいってナルト達は28階層の安全階層にやってきた。
「ここなら暴れても問題はなかろう」
自来也がそう言うと、リヴェリアが結界をはった。
「万が一他の冒険者が入り込んだらまずいからな」
「ありがとうリヴェリア」
フィンはそう言って中央に歩いていき槍を構える。
ナルトも歩いていきフィンと向かい合う。
「僕が勝ったら今後は僕の方針に従ってもらうよ?」
「勝てたらな」
ナルトは余裕そうにフィンを挑発する。
その態度にフィンの怒りは更に加速する。
「それでは両者準備はいいか?」
「ああ」
「いつでもいいぜ」
「それじゃあ 始め!!」
自来也の合図とともに高速でぶつかり合う。
フィンの槍の猛攻をナルトはクナイ2本でいなしていく。
ナルトは一旦距離を取るために後ろに飛ぶ。
そして隙がないように手裏剣を投げる。
フィンは飛んでくる手裏剣を槍で難なく弾きながらナルトに近づいていく。
ナルトは忍術を使うために両手で印を結ばなくてはいけない。
フィンはそれを知っているので、ナルトに印を結ばせないために接近戦を仕掛け、距離を取らせないようにしていた。
しかしナルトもそれは想定済みなので飛んだ瞬間にもう印を結んでいたのだ。
「手裏剣影分身の術!!」
2、3枚しか投げていなかった手裏剣がどんどん増えていった。
「ちっ!厄介な!!」
フィンは舌打ちをしながら増えていった手裏剣を槍で弾いていく。
二人の戦いは始まったばかりだった。