堀北鈴音は二度目の高校生活を諦めない   作:ほりきたすずね

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 感想・評価・お気に入り登録ありがとうございます。
 今まで毎日投稿をしていましたが、悲しい事にストックが底をついてしまいました。
 そのため、今後は不定期投稿になります。


第29話:開幕

 

 

 

 

 

 十月上旬。

 

 体育祭当日。

 

 秋晴れの空が、どこまでも広がっている。

 

 グラウンドには、全校生徒が整列していた。

 

 紅組と白組に分かれ、向かい合って立っている。

 

 紅組は、Aクラスとの合同チーム。

 

 白組は、BクラスとCクラスの合同チーム。

 

 堀北は、紅組の列に並びながら、白組の方を見た。

 

 Bクラスの一之瀬が、白組を盛り上げている。

 

 

 

「みんな、頑張ろうね! 絶対勝とう!」

 

 

 

 一之瀬の明るい声が、グラウンドに響く。

 

 彼女の周りには、Bクラスの生徒たちが集まっていた。

 

 その結束力は相変わらず凄まじいが、Cクラスと協力できているようには見えない。

 

 そして、肝心のCクラス。

 

 龍園は、腕を組んで余裕の表情を浮かべていた。

 

 堀北と目が合う。

 

 龍園が、不敵に笑った。

 

 その視線には、獲物を見定めるような鋭さがある。

 

 

 

(今回も、負けないわ)

 

 

 

 堀北は、心の中で誓った。

 

 無人島試験で、龍園の罠を見破った。

 

 体育祭でも、同じように勝ってみせる。

 

 紅組の方を見ると、Aクラスの葛城が紅組の1年生を取りまとめていた。

 

 

 

「紅組のみんな、今日は全力を尽くそう。勝利のために、協力してほしい」

 

 

 

 葛城の堅実な言葉に、紅組の生徒たちが頷く。

 

 坂柳の姿は、見当たらなかった。

 

 身体的なハンデがある彼女は、運動競技には参加できない。

 

 観覧席で見学しているのだろう。

 

 

 

「紅組、白組、整列!」

 

 

 

 教師の声が響き、開会式が始まった。

 

 校長の挨拶、選手宣誓、準備体操。

 

 形式的な儀式が、粛々と進んでいく。

 

 そして――

 

 

 

「これより、体育祭を開始する!」

 

 

 

 その宣言と共に、歓声が上がった。

 

 体育祭が、始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 【第一種目:100メートル走】

 

 最初の種目は、100メートル走。

 

 全員参加の個人競技だ。

 

 1年生から3年生まで、全ての生徒が走る。

 

 Dクラスのエースである須藤が、早くも登場していた。

 

 

 

「須藤くん、頑張って!」

 

「絶対1位取れよ!」

 

 

 

 クラスメイトたちの声援が飛ぶ。

 

 須藤は、スタートラインに立った。

 

 隣には、他クラスの生徒たち。

 

 Cクラスの石崎、Bクラスの神崎、Aクラスの戸塚。

 

 どの生徒も、運動能力が高そうだ。

 

 

 

「位置について……よーい……」

 

 

 

 ピストルの音が鳴った。

 

 須藤が、爆発的なスタートを切った。

 

 

 

「速い!」

 

「須藤、ダントツだ!」

 

 

 

 須藤の走りは、圧倒的だった。

 

 他の生徒を引き離し、独走状態でゴールに飛び込む。

 

 

 

「1位、須藤健!」

 

「やったぁ!」

 

「須藤くん、最高!」

 

 

 

 Dクラスから、歓声が上がった。

 

 須藤は、拳を突き上げてガッツポーズを決めた。

 

 

 

「当然だろ! まだまだこんなもんじゃねぇぞ!」

 

 

 

 続いて、他のDクラス生徒たちも走った。

 

 綾小路は、目立たないように2位でゴール。

 

 だが、その走りには余裕があった。

 

 本気を出せば、須藤以上のタイムが出せるはずだ。

 

 堀北は、女子の組で1位。

 

 前回の記憶よりも、体が軽い。

 

 毎朝のランニングが、効果を発揮している。

 

 運動部の平田と小野寺も、安定した走りで1位。

 

 Dクラスは、100メートル走で好スタートを切った。

 

 

 

 

 

 【第二種目:ハードル競走】

 

 次は、ハードル競走。

 

 走るだけでなく、ハードルを跳び越える技術が必要だ。

 

 Dクラスからは、三宅がトップバッターとして出場していた。

 

 

 

「三宅くん、頑張って!」

 

 

 

 三宅は、無言で頷いた。

 

 弓道部である彼も、運動能力が高い。

 

 スタートの合図と共に、三宅が走り出した。

 

 ハードルを、リズミカルに跳び越えていく。

 

 その動きは、無駄がない。

 

 

 

「三宅くん、速い!」

 

「いいぞ、その調子!」

 

 

 

 三宅は、2位でゴールした。

 

 1位には届かなかったが、堅実な結果だ。

 

 

 

「お疲れ様、三宅くん」

 

 

 

 平田が、三宅の背中を叩いた。

 

 

 

「ああ。1位を狙いたかったが……」

 

「十分だよ。ポイントは稼げた」

 

 

 

 他のDクラス生徒たちも、それぞれ頑張っていた。

 

 運動が苦手な外村は、ハードルに引っかかりそうになりながらも、なんとかゴール。

 

 

 

「外村、大丈夫か?」

 

「う、うん……なんとか……」

 

 

 

 須藤の声かけに、外村が息を切らしながら答える。

 

 

 

「次は団体戦だ。みんなでフォローするから、心配すんな」

 

 

 

 須藤が、外村の肩を叩いた。

 

 

 

「……ありがとうでござる」

 

 

 

 外村は、少し驚いた顔をした。

 

 以前の須藤なら、運動が苦手な生徒を馬鹿にしていたかもしれない。

 

 だが、今は違う。

 

 無人島試験を経て、クラスの絆が深まっていた。

 

 

 

 

 

 【第三種目:棒倒し(男子限定)】

 

 午前の部、最初の団体戦。

 

 男子限定の棒倒し。

 

 紅組と白組に分かれて、相手の棒を倒し合う。

 

 Dクラスの男子たちは、作戦通りに配置についた。

 

 攻撃の要は、須藤と池。

 

 守備の要は、平田と三宅。

 

 それ以外のクラスメイトは、彼らのサポート。

 

 

 

「よし、行くぞ!」

 

 

 

 須藤が、気合を入れる。

 

 

 

「おう!」

 

 

 

 開始の合図と共に、両軍が激突した。

 

 須藤が、白組の棒に向かって突進する。

 

 その突破力は凄まじく、白組の守りを次々と弾き飛ばしていく。

 

 龍園や石崎が妨害しようとするが、逆に葛城と綾小路が彼らを妨害している。

 

 

 

「須藤くん、すごい!」

 

「そのまま行け!」

 

 

 

 一方、紅組の棒を守る平田と三宅は、堅実な守りを見せていた。

 

 白組の攻撃を、冷静に受け止める。

 

 Cクラスのアルベルトが、巨体を生かして突進してくる。

 

 だが、それもAクラスと連携して何とか防いでいた。

 

 

 

「落ち着いて! 焦らなくていい!」

 

 

 

 平田が、周囲に声をかける。

 

 そんな中、運動が苦手な幸村も、守りに参加していた。

 

 

 

「幸村、後ろから支えろ! お前の役割は、棒を支えることだ!」

 

 

 

 三宅が、的確に指示を出す。

 

 

 

「分かった!」

 

 

 

 幸村は、言われた通りに棒を支えた。

 

 彼にできることは限られている。

 

 だが、その限られた役割を、しっかりと果たしていた。

 

 

 

「紅組、棒を倒しました! 紅組の勝利!」

 

 

 

 審判の声が響く。

 

 須藤が、白組の棒を倒したのだ。

 

 

 

「よっしゃあ!」

 

「勝った!」

 

 

 

 紅組から、歓声が上がった。

 

 Dクラスの男子たちは、ハイタッチを交わした。

 

 

 

「幸村、ナイスだったな」

 

 

 

 三宅が、幸村の肩を叩いた。

 

 

 

「俺か? 俺は何もしてないが……」

 

「お前が棒を支えてくれたから、須藤たちは攻撃に集中できたんだろ?」

 

 

 

 幸村は、少し嬉しそうな顔をした。

 

 

 

「そ、そうか……」

 

 

 

 チームワーク。

 

 それが、今のDクラスの強みだった。

 

 

 

 

 

 【第四種目:玉入れ(女子限定)】

 

 女子限定の団体戦、玉入れ。

 

 軽井沢が、Dクラスの女子をまとめていた。

 

 

 

「みんな、落ち着いて入れていこう。焦らなくていいから」

 

「うん!」

 

 

 

 開始の合図と共に、女子たちが玉を投げ始めた。

 

 籠に向かって、次々と玉が飛んでいく。

 

 

 

「佐倉さん、もう少し近くから投げた方がいいよ!」

 

 

 

 櫛田が、佐倉にアドバイスする。

 

 佐倉は、運動が苦手だ。

 

 玉がなかなか籠に入らず、焦っていた。

 

 

 

「う、うん……」

 

 

 

 佐倉が、近づいて投げる。

 

 今度は、籠に入った。

 

 

 

「入った! やったね、佐倉さん!」

 

「うん。ありがとう」

 

 

 

 佐倉が、小さく微笑んだ。

 

 堀北も、真面目に取り組んでいた。

 

 彼女は、冷静に籠を狙い、着実に玉を入れていく。

 

 無駄な動きがない。

 

 

 

「堀北さん、うまいね」

 

 

 

 松下が、感心したように言った。

 

 

 

「そうかしら。……もしかしたら、体が覚えているのかもしれないわね」

 

「え?」

 

 

 

 堀北は、前回を思い出しながら答えた。

 

 松下は、少し困惑した様子だが、それでも堀北と一緒に多くの玉を入れていく。

 

 結果、紅組が僅差で勝利した。

 

 

 

「やった! みんな、お疲れ様!」

 

 

 

 軽井沢が、女子たちをねぎらった。

 

 

 

「軽井沢さん、リーダーシップ良かったよー」

 

 

 

 篠原が、軽井沢に声をかけた。

 

 

 

「ありがと。でも、みんなが頑張ったからだよ」

 

 

 

 女子たちの間にも、良い雰囲気が生まれていた。

 

 

 

 

 

 【第五種目:男女別綱引き】

 

 綱引きは、力と団結力が試される競技。

 

 男女別に行われ、両方で勝てばポイントが大きい。

 

 男子の部。

 

 Dクラスの男子たちは、綱を握りしめた。

 

 最前列には、須藤。

 

 その後ろに、池、山内、三宅、平田。

 

 最後尾には、高円寺と綾小路。

 

 

 

「いいか、俺の合図で一斉に引くぞ!」

 

 

 

 須藤が、指示を出す。

 

 

 

「おう!」

 

 

 

 開始の合図と共に、両軍が綱を引き始めた。

 

 

 

「せーの! 引け!」

 

 

 

 須藤の掛け声で、全員が一斉に力を入れる。

 

 

 

「うおおおお!」

 

「負けるな! 重心を下げろ!」

 

 

 

 綱が、少しずつ紅組の方に動いていく。

 

 

 

「もう一回! せーの!」

 

「うおおおおお!」

 

 

 

 最後の力を振り絞り、紅組が綱を引ききった。

 

 女子の部も、紅組が勝利した。

 

 軽井沢と櫛田を中心に、女子たちが一致団結して綱を引いた。

 

 

 

 

 

 【第六種目:障害物競走】

 

 障害物競走は、様々な障害を乗り越えながらゴールを目指す競技。

 

 網くぐり、平均台、パン食い競争など、運だけでなく器用さも求められる。

 

 Dクラスからは小野寺と本堂が、男女別に分かれて出場していた。

 

 

 

「小野寺さん、頑張って!」

 

「本堂くん、落ち着いてね!」

 

 

 

 クラスメイトたちの声援が飛ぶ。

 

 小野寺は、小柄な体を活かして網くぐりをスムーズに通過した。

 

 平均台も、バランスよく渡っていく。

 

 

 

「小野寺さん、速い!」

 

「いいぞ、そのまま!」

 

 

 

 結果、小野寺は1位でゴール。

 

 本堂は、苦戦しながらも、なんとかゴールにたどり着いた。

 

 

 

「お疲れ様、本堂くん」

 

「あ、ありがとう……。もう少し早くゴールしたかったけど……」

 

「大丈夫だよ。最後まで諦めなかったことが大事だから」

 

 

 

 平田が、本堂を励ました。

 

 

 

 

 

 【第七種目:二人三脚】

 

 二人三脚は、ペアの息を合わせることが重要な競技。

 

 Dクラスでは、事前に決めたペアで出場していた。

 

 山内と綾小路のペア。

 

 

 

「行くぞ、山内」

 

「おう!」

 

 

 

 綾小路が山内のリズムに合わせ、なかなかの走りを見せている。

 

 

 

「いち、に、いち、に……」

 

「おお、いい感じだ!」

 

 

 

 結果、1位でゴール。

 

 最高の結果だ。

 

 長谷部と松下のペアは、息がぴったりだった。

 

 

 

「長谷部さん、もう少し速く!」

 

「分かってる!」

 

 

 

 二人は、上位でゴールした。

 

 

 

「やった! さすが、私たち!」

 

「息ぴったりだったねー」

 

 

 

 二人は、ハイタッチを交わした。

 

 他のペアも、それぞれ頑張っていた。

 

 佐倉と佐藤のペアは、運動が苦手な二人同士だったが、お互いを励まし合いながらゴールした。

 

 

 

「ハァ…ハァ……佐倉さん、お疲れ……」

 

「ハァ…ハァ……う、うん。なんとか、ゴールできたね……」

 

 

 

 二人は、息を切らしながらも、笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

 【第八種目:騎馬戦】

 

 騎馬戦は、男子限定の団体戦。

 

 相手の騎馬のハチマキを取り合う、激しい競技だ。

 

 ルールは、各クラスから4組ずつ選出された4人騎馬が、紅組・白組で8対8で競う。

 

 1騎馬ごとに50点。大将騎だけは100点。

 

 生き残るか、相手のハチマキを奪うことでポイントが手に入る。

 

 体当たりはルール上問題ないが、ハチマキを奪えないと自滅扱いになる。

 

 Dクラスは、須藤を大将にした。

 

 他の騎馬は、高円寺、綾小路、平田の三人。

 

 

 

「よし、行くぞ!」

 

「おう!」

 

 

 

 開始の合図と共に、騎馬戦が始まった。

 

 各クラスの騎馬が、激しくぶつかり合う。

 

 

 

「須藤のハチマキを狙え!」

 

 

 

 白組の騎馬が、須藤に向かってくる。

 

 だが、平田が率いる別の騎馬が、それを阻止した。

 

 

 

「須藤くん、ここは任せて!」

 

「サンキュー、平田!」

 

 

 

 須藤は、敵の大将に向かった。

 

 Bクラスは、神崎が大将を務めている。

 

 

 

「来たな、須藤」

 

「悪いな、神崎! そのハチマキ、もらうぜ!」

 

 

 

 須藤が、神崎のハチマキに手を伸ばす。

 

 神崎も、冷静に対応する。

 

 だが、須藤の腕力は圧倒的だった。

 

 激しい攻防の末――

 

 

 

「取った!」

 

 

 

 須藤が、神崎のハチマキを奪い取った。

 

 

 

「Bクラス大将、脱落!」

 

 

 

 白組から、悲鳴が上がる。

 

 次は、Cクラスの大将だ。

 

 須藤は、すぐさま状況を把握しようとした。

 

 Cクラスの大将は、龍園。

 

 須藤は、龍園の騎馬を探す。

 

 だが――

 

 

 

「紅組、ハチマキを全て取りました!」

 

 

 

 審判の声が響いた。

 

 すでに、勝負はついていた。

 

 

 

「は? もう終わったのか?」

 

 

 

 須藤が、呆気にとられていた。

 

 龍園のハチマキは、既に奪われていたようだ。

 

 奪ったのは――高円寺。

 

 いつもは協力しない高円寺が、龍園のハチマキを手にしていた。

 

 

 

「やったぁ!」

 

「高円寺くん、最高!」

 

 

 

 Dクラスから、歓声が上がった。

 

 だが、高円寺だけの功績ではなかった。

 

 龍園の騎馬の周りを見ると、状況が分かった。

 

 龍園の騎馬は、完全に包囲されていた。

 

 綾小路と高円寺の騎馬が、前方から。

 

 Aクラスの鬼頭と葛城の騎馬が、後方から。

 

 四方を囲まれ、逃げ場を失った龍園の騎馬。

 

 その隙を突いて、高円寺がハチマキを奪ったのだ。

 

 

 

「チッ……」

 

 

 

 龍園が、苦々しい顔をしていた。

 

 ハチマキを奪った高円寺を睨んでいる。

 

 だが、高円寺は涼しい顔だった。

 

 

 

「ふむ。少々手応えがなかったね。もう少し楽しませてくれると思ったのだが」

 

「……この野郎」

 

 

 

 龍園の目が、怒りに燃えている。

 

 だが、包囲したのは高円寺だけではない。

 

 綾小路の騎馬が、冷静に龍園の動きを封じていた。

 

 そして、Aクラスの葛城と鬼頭の騎馬も、龍園を挟み込んでいた。

 

 どうやら龍園は、Aクラスからも目の敵にされているようだ。

 

 葛城が、無表情で龍園を見つめている。

 

 

 

「龍園。無人島試験での借りを返させてもらった」

 

「……ふざけんな。お前が勝手に騙されただけだろうが」

 

 

 

 龍園が、低い声で言った。

 

 だが、葛城は動じなかった。

 

 

 

「そうだな。だが、俺としてもこのまま終わるわけにはいかない」

 

 

 

 紅組の連携が、龍園を追い詰めた。

 

 AクラスとDクラスが、共通の敵に対して協力した結果だった。

 

 堀北は、その光景を観覧席から見ていた。

 

 

 

「見事な連携ね……」

 

 

 

 綾小路と葛城が、事前に打ち合わせていたのかもしれない。

 

 あるいは、即興での連携か。

 

 いずれにしても、龍園を封じ込めたのは大きい。

 

 

 

「紅組の勝利です!」

 

 

 

 審判の最終宣言が響く。

 

 紅組から、大きな歓声が上がった。

 

 Dクラスの男子たちも、喜びを爆発させている。

 

 

 

「やったぜ! 騎馬戦も勝ちだ!」

 

 

 

 須藤が、拳を突き上げた。

 

 

 

「高円寺、お前にしては珍しく働いたな」

 

「そうかもしれないねぇ。だが、私が本気を出せば、この程度は造作もないことさ」

 

 

 

 高円寺が、いつもの調子で髪をかき上げた。

 

 綾小路は、いつも通りの無表情だった。

 

 勝ってもなお、今の状況を冷静に分析している。

 

 対して龍園は、紅組の方を睨みながら、静かに引き上げていった。

 

 だが去り際に、口角が少しだけ上がったような気がした。

 

 

 

(体育祭は、まだ終わっていないわ。気をつけないと)

 

 

 

 堀北は、龍園の姿を見ながら、そう思った。

 

 

 

 

 

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