透き通る世界のフツーな少年と妖怪達 作:nalnalnalnal
丸々2ヶ月空いてしまいました……新生活が始まったので少しごたついておりまして……
ブルアカも2部開幕しちゃってますし……テンポが結構悪いですが、なんとか頑張るのでどうかこれからも見ていただけると嬉しいです!
あと今回アンケートを初めて入れてみたので回答してくれるとありがたいです!
「いや〜……まさか増援を呼ばれるとは思ってもみなかったでウィスね〜」
「さ、流石に治安維持組織が出てくるかもしれないのであれで終わりだと思ったんですが……すみません……」
「にしてもここほんとに広いよね……さくらニュータウンよりも広そうだもん」
「先生が住んでたのってどんなところだったの?」
「フツーの街ですよ!」
「絶対そう言うと思ったわ……」
「まぁ実際フツーの街ですし」
ヘルメット団の背後にいる存在について調査する為にキヴォトス最大級の闇市であるブラックマーケットへと赴いていたケータ達。
が、ヒフミを追いかけていた不良生徒達と対峙した後、いざ調査と洒落込もうとしていた時に不良生徒達に増援を呼ばれてしまい、騒ぎを起こすわけにもいかずにやむなく撤退して一息ついていたところだった。
現在ケータがふんすと息巻いてたい焼きをご馳走しているが、やはり奢られた面々には罪悪感が残る始末……
「まぁ
「当たり前ニャン……」
「先生がいたところっていうのは、キヴォトスみたいに銃やヘイローを持たない人がいるんですか?」
「持たないっていうか、そんな人はいなかったですよ!」
「完全に別の世界という認識で大丈夫でウィスよ……」
「す、凄いですよね……!?」
「私達に言われても……慣れちゃった」
「これは私がおかしいんですか!?」
「何度も言うけど慣れよ慣れ……」
「ですです☆」
変なモノを連れて尚且つ11歳の先生という事実になんとか慣れ始めてはいたが、それでもやはり多少は疑問が残るヒフミ。が、対策委員会の面々の全員には慣れろとしか言われなかった。
「しかしこのマーケットは銀行や警察があるとは驚きですね……」
「治安が悪いのに警察って変な話だよね……」
「悪いのは確かですが、過度な行動は治安組織が見逃しませんから……悪いのは確かですけど……」
「どっちにしろ悪いんだ……」
「そりゃ非認可の組織だらけだし」
「食べ物は美味しいんだけどね〜。あむっ……」
「あっ、ご、ごめんなさい! たい焼きもらっちゃって……」
「いやいや、これくらい大丈夫ですよ!」
(まだお金はあるし……なにより──)
(大人らしい方がかっこいいもんね!!!)
「いやはや……柴関ラーメンの時の言葉引き摺ってますね〜……」
「相変わらずフミちゃんが絡むと面倒になるニャン……」
以前おとなブルとの一件で「大人」というものの一端を学んだケータであったが、フミちゃんの大人っぽい人は頼りがいがあるという発言に加えてウィスパーの柴関ラーメン時の発言、そして先生としての初任給……諸々が組み合わさってまた大人っぽさへの憧れが芽生え始めていた。
フツーにケータは11歳なので他の面々には温かい目で見られているのだが……
「背伸びしたい時期ですもんね☆」
『こうして見ると本当に子どもなんですよね……』
「可愛らしいっちゃ可愛らしいんだけどさ……」
「セリカちゃんもデレ始めたね〜」
「な、なにがデレなのよ!? フツーの感想でしょ!?」
「それはそれでな気がするけど」
「っていうか、ヒフミさんって凄いここのこと詳しいですよね?」
「えっ、そうですか? 事前調査をしていたからでしょうか……?」
「事前調査て……あなたどんだけアレ欲しかったんでウィスか……」
「あんな妖怪みたいなやつが流行ってるのかニャン?」
「よくわかんないけどヒフミさんの前で言っちゃダメだからねソレ……」
わざわざ危険を冒してまで何とも言い難い見た目のペロロ様を求めてやって来たヒフミのフットワークの軽さと謎の胆力に呆れるウィスパーと、未だにペロロ様の見た目が頭から離れないケータとジバニャンだった。
しかしそんな会話を聞き流していたホシノが「そうだ」と声を漏らす。
「ねぇねぇヒフミちゃん。ここのこと詳しいならさ、私たちの探し物が手に入るまで一緒に行動してよ〜」
「えっ? 構いませんが……私も深くは知らないのでお役に立てるか分かりませんが……」
「大丈夫だよ〜。私達は初めてだからね」
「そ、それと……先生は本当に大丈夫なんですよね……!?」
「大丈夫でウィスよ! パーフェクト妖怪執事のワタクシが「正直ブラスターとかで事足りるニャン」だ・ま・り・な・さいっっ!!」
(本当に大丈夫なんでしょうか……!?)
最早恒例行事の会話に若干の不安を覚えたヒフミを主導としたブラックマーケット探索が始まるのだった。
「疲れた〜……」
「最近動いてばっかニャン……」
『こればっかりは仕方がないとしか言いようが……』
「さくらニュータウンの何倍あるんでしょうねここ」
いざ探索開始からかなりの時間が経過したが、ブラックマーケットの広大さは計り知れず、最近は日頃から動き回っている為その疲労がここに来てがくっとのしかかっていた。
「ウィスパーさんは浮いてるから疲れないんですね?」
「えぇまぁ……ワタクシのボディは便利でウィスから!」
「それにしても……こんなに見つからないなんておかしいですね……」
「そんなに変なことなの?」
その上目的の戦車の情報も全くと言っていいほど見つからず手詰まりになっており、進歩がない状況も疲労の一因となっていた。
「ないはずはないと思いますし……販売ルートや保管記録が意図的に隠されているような気もします」
「いくらここを牛耳っている企業でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統制することは不可能なはずですし……」
「まぁ確かにこんなところでビジネスを展開してる企業なら開き直ってる感じもするでウィスからね……」
「そうなんです。例えばあそこのビル……ブラックマーケットで名を馳せる闇銀行です」
ヒフミが指差した先には巨大なビルが聳え立っており、その一際目立つ大きさに少し圧倒されるケータ達。
「闇銀行って……なんでもあるのね……?」
「聞いた話だと、キヴォトス内の犯罪の15%の盗品があそこに横流しされたりしているようです……横領や強盗に誘拐……様々な犯罪によって獲得した財貨が、違法な武器や兵器に変えられてまた他の犯罪に使用されるといった悪循環が続いているんです」
「そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか……」
「そ、そんなので銀行ってできるものなの……?」
「ブラックマーケットだから、だろうね〜」
「思った以上に私たちは世間知らずだったんだね……」
「っていうか連邦生徒会は何をしてんのよ!?」
「広大すぎるのも一つの要因なんでしょうね……」
「リンちゃん達も大変ニャンね〜……」
普段聞き慣れない言葉に驚愕を隠せないケータ達3人もそうであったが、アビドスの借金のことにばかり意識を集中させていたホシノ達すらも知識不足だと思い知らされるブラックマーケットの現状だったが──
『──! 皆さん! 現在そちらに武装した集団が接近しています!』
「──えっ!?」
『気付かれた様子はありませんが──』
アヤネによる連絡で全員の意識が接近しているとされる集団に向けられるが、アヤネのマッピングの示す場所からトラックの作動音が聞こえ始めるとヒフミの表情が一変する。
「──! あ、あれは……マーケットガードです!!」
「ま、マーケットガード……?」
「先程お話しした治安維持組織です!! と、とりあえずは身を隠しましょう!」
「は、はいでウィス〜!」
ヒフミの焦りようを見た全員が急いで物陰に隠れると、トラックの作動音と共に複数人の人影──マーケットガードであろうトラックを護送しているオートマタ達が現れた。
ブロロロロロロロロロ……
(ろ、ロボットだ……!)
(現金輸送車だね……)
(あれ、あっちは……)
(闇銀行に入りましたね?)
キキーッッ!
「今月の集金です」
「ご苦労様。では、こちらの書類にサインをお願いします」
「はい──」
闇銀行前の二人の人影のやり取りが終わるとその後現金輸送車は闇銀行へと入り、聞き耳を立てていた一同に静寂が訪れる。
その理由は──一連のやり取りを見ていたヒフミ以外の面々は闇銀行の行員と話していた銀行員に見覚えがあったからだ。
「あ、あれって……」
「あ、あいつ!? 毎月うちに来て利息を受け取ってる銀行員じゃない!? なんであの闇銀行に!?」
『あ、ほ、本当です……あの車もカイザーローンの……今日の午前に来た現金輸送車と同じようです……!?』
──そう、今日の午前中にアビドス高等学校前に利息の受け取りにやって来た現金輸送車とカイザーローンの銀行員だった。
一同は闇銀行とカイザーローンの繋がりがどうも気になるのだが、カイザーローンと聞いたヒフミが「えっ」と思わず声を漏らす。
「ヒフミちゃん、知ってるの?」
「あ、はい。一応表面上はセーフな企業なんですが、かなりグレーゾーンの中で上手く立ち回っている企業なんです。私たちトリニティの区域にも進出しているのですが、悪影響を考慮して『ティーパーティー』でも目を光らせているんです……なので私も印象に残っていて……」
「『ティーパーティー』……確かトリニティの生徒会でウィスね?」
しかし、対策委員会の面々は毎回原因の手渡による支払いをしている事実から一つの考えたくない事実を導き出す。
「……でも、さ……いつも現金支払いだったよね。それってつまり──」
「私たちの払った現金が闇銀行に流れてるってことだよね……」
『……』
対策委員会の面々の張り詰めた雰囲気にケータ達は焦る。
「で、でもあれで決まったわけじゃ……」
「し、証拠もないニャンよ!」
「フム──あの銀行員が書いていた書類を確認すれば証拠にはなりそうですが……難しい問題でウィスね」
「ウィスパーさん……それ、ナイスアイデア」
「ウィス?」
「え、でもあの書類銀行の中に入っちゃいましたけど……?」
「「「「『……』」」」」
難しい問題を目の前にした対策委員会の面々。そこで彼女達が取った行動は──
「……うん、もう他に方法はないよね。皆んな、ここは例の方法でいこう」
「え」
「なるほどあれか〜。あれなんだね〜」
「ウィス……?」
「……そうですね! あの方法がありますね!」
「ニャ、ニャン……?」
「……まさか、あれで行くの? 私が思ってるヤツなの?」
「え、えぇ? は、話が全く見えないんですが……」
彼女達が取った行動は──
「残された方法はたった一つ──銀行を襲う」スッ……
「……えっ──ええええええええええっっ!!??」
「はいっ!?」
「ニャニャニャッ!?」
「ウィス〜ッ!??」
──銀行を襲うことだった。
「まぁ、そういう展開になるよね〜」スッ……
「わあ☆でしたら皆んなで闇銀行に乗り込んじゃいましょう!」スッ……
「え、マジ? マジなんだよね?」
「い、いやいやいやいや!! 絶対ダメですよ!?」
「そ、そうですよ!?」
「でも……私たちのお金が悪人に流れてるって考えたら──とことんやるしかなくなってくるでしょ!!!」スッ……
「ニャニャニャ!? ニャンで皆んなこんなバイオレンスな発想になってるのニャン!?」
「う〜む……これは……」
『はぁ……わかりました。こうなったらどうにかなるの精神で……』
自分たちが必死に稼いできたお金が全て悪徳銀行に横流しされていたと考えた対策委員会の面々はもう止まることはなかった。
しかし当然ケータやヒフミは彼女達をどうにかとめようとするが、覆面を被り始めてとことんやってやるという考えになった彼女達を中々止められない。
「ほら、先生の分もあるから」
「えっ、ほ、ほんとにやるんですか!? だ、ダメですって!」
「そうは言っても……私たちは今まで汗水垂らして働いてお金を稼いできたのよ! そのお金が横流しされてるなんて考えたら……!」
「元より目的は書類の確認ですから☆」
「そうだよ〜。悪いのはあっちだしね」
「み、皆さんやる気しかないんですか……!?」
多数派の意見が押し通されているような現状。しかしホシノ達の気持ちは当然理解できる。しかしやろうとしていることは紛れもなく銀行強盗。そんな状況下でウィスパーは考えていた──
(むむむ……これはいけませんね)
それは妖怪執事のしてのウィスパーの姿だった。今まさに起ころうとしている行動を止めるか止めないか──ケータの執事のして自分がどういう行動を取るべきか──ウィスパーの答えは決まっていた。
「……皆さん」
「ん、ウィスパーさんも覆面を──」
「──本当にこれが最善の行動なんでウィス?」
「──!」
「……」
いつもとは打って変わって真剣な面持ちのウィスパーに思わず黙り込む一同。
「ウィスパー……?」
「いいですか? 今一度考えてみてください。皆さんがやろうとしていることはれっきとした犯罪行為──相手が誰であれ、目的がどうであれ、それは変わりません」
「『相手が悪人だから』。仮に逮捕された人がそれを口にして皆さんは納得できるのでウィスか?」
「皆さんの気持ちは分かるでウィス。時間が惜しい中で正攻法は見込めない……しかし、そこである種の
「今の皆さんの中には『仕方がないしやってやる〜!』という方もいます」
『……』
(それに……ケータくんだけでなく、アビドスの皆さんもまだ子ども。しかし皆さんは最早到底止められるような状況ではない。なら、ワタクシから言えることは──)
ウィスパーは妖怪執事。ケータを間違った道へと進ませないようにする為のお目付役でもある──しかし、ウィスパーにも
「過ちを犯して一歩前進できるような状況であることは否定しませんよ……ですがこの先似たようなことがあっても、何度も目的のために手段を選ばなくなってしまえば、もう後には戻れません」
「仕方がなかったから……一種の悪人の常套句とも言えますよ。過ちを犯すのなら、後戻りできると断言できる覚悟が必要なんでウィス。それでもこの一回は……ワタクシは見逃すつもりです。ワタクシは、皆さんが過ちを犯して一歩前進できる未来に賭けたいんでウィス」
「長々と話してしまいましたが……ワタクシが言いたいのは単純でウィス。平気で過ちを犯してしまえるような人にはなって欲しくないということです。その上で、皆さんは今からどうするんでウィス?」
遠い昔──ウィスパーも過ちを犯した。
その時、ウィスパーは自分の過ちから新たな出会いを見つけた──しかし、それは一つの別れの始まりでもある。
そんなことは何度もあるようなことではない。奇跡なのだ。ウィスパーがケータと出会ったように、ケータがキヴォトスに来てしまったように。
いつかケータとも別れを告げる時が来るかもしれない……過ちを犯してその時期が早まってしまう可能性があるのが、ウィスパーはたまらなく嫌なのだ。
だが、ウィスパーのかつての主がウィスパーを自分の光だと言ったように、光とまでは行かなくとも、間違いを正せるような執事になると決めたのだ。そこは変わらない。
(……きっと、また同じようなことをキヴォトスではありそうですが……まぁ、その時もまた背中を押してしまうんでしょうね〜……)
ウィスパーからの問いに対策委員会の面々は顔を合わせて頷き、代表としてシロコが口を開く。
「うん。私たちはやるよ──止まってなんていられないから」
「そうですか──分かったでウィス! なら、いっちょやってやりましょうよええ!!」
「ケータくんも! 今回だけですからね!」
「お、オレはそんな乗り気じゃないんだけど……でも、うん。分かった!」
「え、えぇぇ……!?」
──こうして、闇銀行襲撃が決行されることになった。
(……これで、良かったんでウィス──ですよね、三成様……)
ウィスパーはかつての主に思いを馳せたが、すぐに気持ちを切り替えた。
(なるほど、ね……)
そんなウィスパーをホシノは何かを考えながら見つめていた。
ケータくんが子どもなので、原作先生みたいな大人の立場にいるのがウィスパーになってる感じですね。
ウィスパーも普段やることやってますけど、明確なこういう行為にはちゃんとビシッと言うと思うんですよ。解釈違いを起こす方がいるかもしれませんが……三成様の出来事を経てウィスパーも成長してると思うんです。
モチベーションにつながるので評価や感想のほどよろしくお願いします!
ケータくんに対する妖怪達の感情どうするか問題
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重い
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フツー
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割と軽め
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無関心(あんまりいないかも?)