前々から出したいと思っていたあの方がついに出せる。ヤッター
「「「「ただいま!!」」」」
アグモン、ガブモン、ブイモン、ワームモンが同時に返事をする。
すると、今までそんな気配は1つもなかったのに、ゲートから金髪ツインテールのゴスロリを着た少女が出てきた。
だが、この場にいる全員が彼女のことを知っている。
「しっかり再会できたようね。 悠、賢介」
「あ、あなたはイグドラシルさん!」
「前から『さん』はつけなくてもいいと言っているでしょ」
彼女はイグドラシル、デジタルワールドを管理するマザーコンピューターでデジモンの神のような存在だ。
「それで、また俺達に依頼ですか」
賢介がイグドラシルに聞く。
「鋭いわね、そのとおりよ。 今回の依頼はこの世界で解決してもらうわ」
「なんで、トータスで依頼があるんだ?」
「この世界に七大魔王と呼ばれる強力な七体の魔王型デジモンが来てしまっているのよ。そのせいか、他にも様々なデジモンがこの世界にやってきてしまっているあなた達にはその七大魔王をデリートしてほしいのよ」
「なぜデリート以外に選択肢がないんだ? デジタマに戻してデジタルワールドに送り返せばいいじゃないか」
「それは、七大魔王はデジタマに戻しても記憶を引き継げるからよ。 記憶を引き継いでもう一度戻ってこられたら面倒くさいでしょ? だからデリートなのよ」
「なるほど、そいつらがいたら少なからず俺達が元の世界に帰るのを邪魔される可能性があるのか」
「その認識は間違っていないわ、本来ならあの子達は私がなんとかするべきなんだけど他の世界への大きな干渉はできないから、この世界にたまたまいたあなた達にまたお願いするしかなかったの」
「まあ今回のも仕方なかったってことなんだろうな。 さあて、いっちょやってやりますか」
「その依頼俺達が引き受けましょう」
「たすかるわ、最後に依頼が終わったらパートナーの子たちと一緒にいてもいいわよ」
「デジタルワールドにいないとデジモンは生きていけないんじゃないのか?」
「それはね、デジタルワールドとリアルワールドの境界線が前の件でゆるくなったところに今回の件でさらにゆるくなってしまったの、だからリアルワールドにいてもデジタルワールドにいるときのように生活できるわ」
「そうなんですか」
「どちらにせよ依頼は受けるのね」
「ああ」
「もちろんだぜ!」
「それじゃあ困ったことがあったらデジヴァイスから私に通信しなさい答えられることなら答えてあげるから、その子達を頼んだわよ」
「それじゃあな」
イグドラシルがゲートに入ると少ししてゲートが閉じた。
「とりあえずみんなのところに戻るか」
「そうだな」
それから宿に戻った彼らはは「どこに行っていたんですか!」と愛子に怒られたそうだ。
少し落ち着いて、彼らは自分のパートナーについて話し始めた。
「こいつらはアグモンとガブモン俺の相棒達だ!」
「そして、こいつらはブイモンとワームモン俺の相棒達だ」
「なあ、こいつらは魔物ではないんだよな?」
「ねえねえ賢介魔物ってなあに?」
ワームモンが賢介に質問する。
「魔物っていうのは体内に魔石っていう魔力の塊がある生物のことだ。 もちろんワームモンやブイモン、アグモンにガブモンも持っていないから魔物ではないな」
「疑って悪かった。 そんなに言うなら魔物ではないよな」
自己紹介が終わり今日はもう遅いからと各自自分の部屋に戻っていった。
翌日、一応ハジメにも彼らを紹介して、中学の頃のあの話が本当のことだったことに少し驚かれていた。
そして、悠と賢介はハジメにお願いをしていた。
「頼む! その依頼が終わったら俺達もお前の旅に連れてってくれないか?」
「はあ!? なんでお前らを連れて行かなきゃなんねぇんだよ」
「それは、お前は元の世界に帰るために神代魔法を集めて世界中を旅するんだろ? 俺達の依頼達成のためにお前たちについて行ったほうがいいと思ったんだ。」
「まあ、ついて来るんだったら迷宮攻略やその他諸々手伝ってもらうがいいんだな?」
「承知の上だ!」
「わかった、まず最初に俺達の依頼達成のために少し手伝ってもらうか」
「もちろんいいぜ」
まだ夜明け直前の時間帯に彼らは北の山脈地帯を目指して出発する。
「流石に全員乗るのは厳しい気がするが……」
ハジメがそう言うと、
「無問題、いくぞ、ガブモン!」
「ああ!」
「俺達もやるぞブイモン!」
「わかった!」
『ガブモン、進化!』
「デジメンタルアーップ!」
『ブイモン、アーマー進化!』
『ガルルモン!』
『轟く友情、ライドラモン!』
「姿が変わった!?」
「これがデジモンの進化だ!」
「乗れ! 悠、アグモン」
「賢介とワームモンも俺に!」
2人がもう一体のパートナーと進化したパートナーの背に乗り、
「これなら問題ないだろ?」
「人数は問題ないけど、追いつけるのか?」
2人の答えに対して疑問をこぼすハジメ
すると、
「車くらいなら問題ない普通に追いつけるさ」
ライドラモンがそう言った。
「その言葉信じるからな」
ハジメはそう言うと車に乗り込み、彼らは出発した。
〈北の山脈地帯〉
標高千メートルから八千メートル級の山々が連なるそこは、どういうわけか生えている木々や植物、環境がバラバラという不思議な場所だ。日本の秋の山のような色彩が見られたかと思ったら、次のエリアでは真夏の木のように青々とした葉を広げていたり、逆に枯れ木ばかりという場所もある。
また、普段見えている山脈を越えても、その向こう側には更に山脈が広がっており、北へ北へと幾重にも重なっている。現在確認されているのは四つ目の山脈までで、その向こうは完全に未知の領域である。何処まで続いているのかと、とある冒険者が五つ目の山脈越えを狙ったことがあるそうだが、山を一つ越えるたびに生息する魔物が強力になっていくので、結局、成功はしなかった。
ちなみに、第一の山脈で最も標高が高いのは、かの【神山】である。今回、ハジメ達が訪れた場所は、神山から東に千六百キロメートルほど離れた場所だ。紅や黄といった色鮮やかな葉をつけた木々が目を楽しませ、知識あるものが目を凝らせば、そこかしこに香辛料の素材や山菜を発見することができる。ウルの町が潤うはずで、実に実りの多い山である。
ハジメたちは山の麓まで来ると車を止め、偵察用アーティファクトを飛ばした。
冒険者達も歩いたであろう山道を一般的に見れば、ハイペースに進んでいった。
ハジメたちの依頼はクデタ伯爵家の三男ウィル・クデタという人物の捜索らしい。
だから、人手が増えることは喜ばしいことなのである。
「ガルルモン、疲れてないか?」
「ライドラモンも大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「俺もだ」
北の山脈地帯までそこまで遠いくもないがそれなりに距離はあったはずだが、2体共疲れている様子はあまりない。
それからは、先に進むに連れて争いの跡がだんだん増えてきた。
すると、今度は、先ほどのものとは比べ物にならないくらい立派な滝に出くわした。ハジメ達は、軽快に滝横の崖をひょいひょいと降りていき滝壺付近に着地する。滝の傍特有の清涼な風が一日中行っていた探索に疲れた心身を優しく癒してくれる。と、そこでハジメの〝気配感知〟に反応が出た。
「! これは……」
「……ハジメ?」
ユエが直ぐ様反応し問いかける。ハジメはしばらく、目を閉じて集中した。そして、おもむろに目を開けると、驚いたような声を上げた。
「おいおい、マジかよ。気配感知に掛かった。感じから言って人間だと思う。場所は……あの滝壺の奥だ」
「生きてる人がいるってことですか!」
シアの驚きを含んだ確認の言葉にハジメは頷いた。人数を問うユエに「一人だ」と答える。実際には期待などしていなかった。ウィル達が消息を絶ってから五日は経っているのである。もし生きているのが彼等のうちの一人なら奇跡だ。
「ユエ、頼む」
「……ん」
ハジメは滝壺を見ながら、ユエに声をかける。ユエは、それだけでハジメの意図を察し、魔法のトリガーと共に右手を振り払った。
「〝波城〟 〝風壁〟」
すると、滝と滝壺の水が、紅海におけるモーセの伝説のように真っ二つに割れ始め、更に、飛び散る水滴は風の壁によって完璧に払われた。高圧縮した水の壁を作る水系魔法の〝波城〟と風系魔法の〝風壁〟である。
「「す、すげぇ」」
2人共思わず声が出る。
「陣や詠唱もなしにここまで大規模な魔法を使うなんて」
「これだけすげぇ魔法は初めて見た」
その後、滝壺の奥に続いていた洞窟に倒れていたウィルを保護し、事情を聞いた。
少し起こし方が荒っぽかった気もするが今はいいだろう。
各人の自己紹介と、何があったのかをウィルから聞いた。
要約するとこうだ。
ウィル達は五日前、ハジメ達と同じ山道に入り五合目の少し上辺りで、突然、十体のブルタールと遭遇したらしい。流石に、その数のブルタールと遭遇戦は勘弁だと、ウィル達は撤退に移ったらしいのだが、襲い来るブルタールを捌いているうちに数がどんどん増えていき、気がつけば六合目の例の川にいた。そこで、ブルタールの群れに囲まれ、包囲網を脱出するために、盾役と軽戦士の二人が犠牲になったのだという。それから、追い立てられながら大きな川に出たところで、前方に絶望が現れた。
漆黒の竜だったらしい。その黒竜は、ウィル達が川沿いに出てくるや否や、特大のブレスを吐き、その攻撃でウィルは吹き飛ばされ川に転落。流されながら見た限りでは、そのブレスで一人が跡形もなく消え去り、残り二人も後門のブルタール、前門の竜に挟撃されていたという。
ウィルは、流されるまま滝壺に落ち、偶然見つけた洞窟に進み空洞に身を隠していたらしい。
何となく、誰かさんの境遇に少し似ていると思わなくもない。
話が終わって、感情が高ぶってしまったウィルをなだめ、滝壺から出て、いざ下山しようというときに熱烈に歓迎するものがいた。
「グゥルルルル」
低い唸り声を上げ、漆黒の鱗で全身を覆い、翼をはためかせながら空中より金の眼で睥睨する……それはまさしく〝竜〟だった。
「なんでこういい感じのタイミングでこういうのが出てくるのかな?」
「疑問に思ってもしょうがないぞ、とりあえずいくぞ悠!」
「よっしゃ、頼んだぜ相棒!」
「ライドラモン一度退化して、エクスブイモンに進化だ! ワームモンもいくぞ!」
ライドラモンがブイモンの姿に戻った。
そして、
『アグモン、進化!』
『ブイモン、進化!』
『ワームモン、進化!』
『グレイモン!』
『エクスブイモン!』
『スティングモン!』
「ハジメ、ここはコイツらに任せな!」
「いっけー! グレイモン、ガルルモン!」
「やれ! エクスブイモン、スティングモン!」
早速グレイモンが黒竜の背中に攻撃を仕掛けるが、
カキンッ
「か、固い」
攻撃が弾かれてしまった。
「まずいな、この中で一番パワーのあるグレイモンの攻撃が弾かれるとは」
「どうする?」
「それなら、逆鱗を狙おう、黒竜だって生き物だ。 弱点があるはずだし、竜ならば逆鱗っていうわかりやすい弱点もあるだろ」
「そして、その一箇所を重点的にやればいいんだな」
「そのとおりだ!」
「グレイモン、ガルルモン!」
「エクスブイモン、スティングモン!」
「「一斉攻撃だ!!」」
「メガフレイム!」
「フォックスファイヤー!」
「エクスレイザー!」
「スパイキングフィニッシュ!」
「グアァァァァァァァ」
4体の成熟期デジモンによる、一箇所それも逆鱗に攻撃されさすがの黒竜もダウンしたようだ。
第5話読んでいただきありがとうございました。
少し中途半端なところで終わった気も死ますが。
そしてイグドラシル登場!
進化!そして戦闘!一旦のノルマはここで消化
裏設定コーナー
今回の小説で書きたかったことのうち、イグドラシルは味方陣営として登場させるということができて、少し満足。
そして、彼を救済することが次のノルマです。
正直コメントはじゃんじゃかください。
文章のここがおかしいなどの指摘もくだされば嬉しいです。
2話ほぼ連続投稿したから、次の投稿結構遅くなるかも