ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食った男の話   作:アルピ交通事務局

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答えのない問題と答えになる可能性!の巻

 バンエルティア王の謁見が許され私だけがバンエルティア王が統治している領地に入った。

 バンエルティア王の領地に足を運んでみたが……領民の全員から覇気を感じる。武装色や見聞色と言う意味合いでなく、生気あると言う意味合いでの覇気だ。

 

 セレスティアにいる住人からは僅かにしか感じなかった。しかし、バンエルティア王の領地には全てが覇気を感じる。

 選ばれた者だけしか上に上がる事が出来ない、残ることが出来ないシステムを作っている以上は上に居る存在はそれ相応の存在である。貴族は生まれた時から貴族でそれを理由に怠慢になる者達をそれなりに見たが、ここは競争させているか。

 

「バンエルティア王への謁見だが、流石にその姿はやめろ」

 

「分かっている」

 

 太鼓の達人の亀の姿での謁見はまずいとリグレットから忠告をされるので筋肉に力を入れる。

 何分、オーバーボディはギチギチに詰まっているから本来の悪魔将軍の姿になるのは身体が解放をされる。

 

「……意外だな」

 

「なにがだ?」

 

「今までに見てきた海賊達はそういうものをあまり気にしていなかった」

 

「ふん、品性だけは進んで学ばなければどうにもならんからな」

 

 海賊だから自由な衣装と言う考えを持っていてその事実は変わりは無い。

 今までに見てきた海賊達は服装に気を使う者達が圧倒的に少ない。人を見た目で判断してはいけないという言葉があるが、それらしい見た目をしている方も一応は悪い。

 

「バンエルティア王、謁見を望みである海賊を。悪魔将軍を連れて参りました」

 

 リグレットが一礼をした後に如何にもな王の間に足を踏み入れる。

 1枚の影を移すカーテンがあり、見聞色の覇気でそこに実際に人が居ると言うのが分かる……そしてこのバンエルティア王からも覇気を感じる。伊達にこんな国を作り上げている王ではないのか戦闘力とは異なる1つの圧を感じる。

 

「貴様がバンエルティア王で間違いはないな?」

 

「海賊相手に影武者を使えば逃げ出したも同然……海賊が王を相手に謁見とはどういう要件か?」

 

 バンエルティア王かどうか、誰かが代理で王のフリをしている可能性もある。

 疑い深くしているが、海賊相手にそれをすれば国王としてのメンツに関わること。それを言った瞬間に周りの衛兵から闘志を感じる。何かがあった時に動ける様にしている……

 

「なに、ただ聞きたいだけだ。何故この国が戦争をしているのか、この様なシステムを取っているかを」

 

「……っ……」

 

「それを知ってなにになるのか?少なくともセレスティア側もインフェルシア側も海賊に必要な物資、活動資金等は援助出来るシステムにはしている。それ以上なにを望む?いや、それ以上何故踏み込む?」

 

 世界政府加盟国が世界政府に加盟する為に金を得る為の行いで、それと同時に物資や活動資金を援助する。

 マッチポンプな仕組みになっている部分もあるがそれでも海賊を援助してくれる稀有な島であり、賊である私がそれ以上になにを求めるのか、必要な物資や活動資金等は着実と蓄えられているので不満の様なものを漏らす理由、そしてわざわざその事について聞きに来た理由をバンエルティア王が問う。

 

「セレスティア大臣、会ったことは無いがインフェルシア大臣、そして貴様に繋がりがあるのではと」

 

「……それのなにが問題か?」

 

「バンエルティア王、どういう意味です!?」

 

 セレスティア領を統治するセレスティア大臣、インフェルシア領を統治するインフェルシア大臣。

 昨日の動きからしてどちらかの大臣と裏向きには手を組んでいる可能性がかなり高く、堂々と聞いてみればバンエルティア王は揺るがない。セレスティア大臣とインフェルシア大臣と裏で繋がりを持っている事を一切否定しないどころか、それについてなにも問題は無いと言うのでリグレットが叫んだ。

 

「リグレット、なにを驚いている?……セレスティア大臣とインフェルシア大臣に一部の土地を貸しているが、あくまでも貸しているだけで戦地となっている場所は本来は王である私の領地だ。ならば、そこで具体的に何をどうするのかについての話し合いの1つや2つしていてもなにもおかしくはないじゃないか」

 

「それは……そうですが……」

 

「貴様に対してクーデターを企んでいる者達が居ると言う情報は?」

 

「ああ、クーデター擬きか……稀にここで暴れたりここを縄張りにしようとする馬鹿が居る。あえてバンダイ王国の方針に不満を抱いている者が居ると言う演出をしクーデターを起こす。クーデターと言っても色々で時には悪魔将軍の様な圧倒的な強さを持っている海賊を倒せないと判断した結果、他の海賊を売ってくれと頼み込む海賊も居る」

 

 コイツ……馴れているな。この国に対して不平不満を持っている人間は居る様に見えて既にある程度の人心掌握を済ませている。

 戦いが始まる前に行われる仕込みの段階で既に勝敗を決するある意味一番相手にするのが厄介なタイプだ。

 

「そもそもで何故この国がこの様なシステムを取っているか、1つは最もらしく金の為だ。金が全てとは言わないが大体の事に金は必要なこと……この事実は変えられない。そして次に、バカを増やさない為だ」

 

「バカを増やさないか……私達と言う愚かな存在を反面教師にし、海賊なんてロクでもないものだと教える事か?」

 

「それもあるが、それ以外にも……正しい人間の正しい努力は報われなければならない、それが私の1つの答えだ」

 

「正しい人間……貴様はこうであれと正しさを押し付けているだけの間違いでは?」

 

「道標を作るのは王としての務め……お前は野球の7番のセカンドをどう思う?」

 

「……守備が上手く打者としては大して期待されていない」

 

「そう。それが7番打者だ、それは仕方がない……セカンドの7番は普段から目立ったプレイはしない。しかし、細かなミスを全くと言って犯さない。要所要所で上手く人をフォローする。バンダイ王国ではこのセカンドの7番の人間が模範となるべき人間として教育を施している。それは何故か?ギャップ萌え等というくだらない呪縛から解き放つ為だ」

 

 いきなりの野球の話に困惑するがセカンドの7番の様な人間を模範生としていると断言する。

 何故模範生にと言う疑問に対してハッキリとギャップ萌えについて言ってくる。

 

「普段から真面目にコツコツとしている人間に対して、普段は不真面目な人間が稀に良いことをした。その結果、何故か周りよりも高評価を受ける。私はハッキリと言うがそれは大嫌いだ。勝手に道を踏み外しておいて都合の良い時だけ善人になる、実はアイツは良い奴なんじゃないのかと思い評価が改められる……ふざけるな。それならば毎日コツコツとしている人間は偉くはないのか?」

 

「……真面目にコツコツとしている人間では突破する事が出来ない壁があるとしたら?」

 

 真面目にコツコツとしている人間こそが偉いという意見に対しては反論はしない。反論をする理由が無いからだ。

 だが、真面目にコツコツとしている人間だけではどうしても突破する事が出来ない壁の様な物があるのもまた事実だ。

 

「確かに、既存の枠に囚われない者にしか出来ない事もある……だが、その存在については慎重にならなければならない。その特例を認めてしまえば本来は真面目にやろうとしている者がその者の模倣を、本来は出して欲しい結果や成果とは異なる物を出される。それ=新たなる可能性ではないと否定はしないが、既存の枠を真面目にする……それが王として出した判断だ」

 

「超えられない壁に対してはどうするつもりだ?」

 

「質問に質問で返すのは無礼な真似だが……その超えられない壁とはなんだ?この国は世界政府加盟国であり、海賊にも物資や活動資金と色々と協力をしている。人は油断すれば怠惰となりそこから生まれる被害や悲劇から本当に反省する者と一生変わることが出来ない愚か者も居る。一生変わる事が出来ない愚か者のめんどうを見ろと?国は慈善事業ではない。何よりも私は為政者としてしっかりとしているつもりだ」

 

「……」

 

「明日に食う飯に困らない貧乏国家を作らない、下手な軍事力等を持って外国との小競り合いを起こさない、国民に勉学を、即ち後進育成にしっかりと力を入れる、海賊でも足を踏み入れやすく活動資金や物資の補給が出来て時には兵器として扱うと言う目玉な政策も取っている」

 

 王、いや、為政者としてしなければならない事はしている。

 これ以上になにを求めているのかとバンエルティア王は問う。最初の質問、越えられない壁と言うものが何なのかについて教えろと。

 

「ロクでもない人間は下等に落ちていく。環境が原因ならばまだ余地があるが、そうでない者達は普通に居る……そういう者達からはなにも学ぶところはない」

 

「ふん……気に食わんな」

 

 私自身でなく私の中にあるゴールドマンの本能がバンエルティア王のやり方が気に食わないと訴えかけている。

 完璧超人始祖以外の超人が生き残っており、その事を一部は嫌悪していたがその逆、ザ・マンは喜んだ……だが、行き着いた先は超人墓場と超人閻魔だ。

 

「そのやり方ではおそらくは天才は生み出せないだろう」

 

「1人の天才が居ても仕方があるまい、バンダイ王国は1人の天才でなく100人の秀才を作る方針だ……100人の天才の方がいいのではと思えるが100人も天才が居てはそれはもう天才とは言えない、100人の天才は何処にでも居る凡人に堕ちる。まだ明確に言葉にして現せていないお前の言う突破する事が出来ない壁の様な物は確かにあり、それは天才にしか崩せないのは事実だ。だが、何をどうやっても天才だけは人工的には作れない。何故ならそれが天才だからだ」

 

 天才とは天より授かりし才能を持っている者であり、人工的に作ることは絶対に不可能だ。

 人工的に天才を作る計画もあるにはあるだろうが、それをすればそれが当たり前になってしまいインフレを起こしてしまう。天然物しかないのが天才である。

 

「悪魔将軍よ、我が国の方針に対しては特に言い返さない。気に食わないと言っているだけで欠点を指摘しないという事は飲み込めているのではないのか?」

 

「ふん、否定する要素や無理な粗探しは趣味ではない。1人の天才よりも100人の秀才を求める方針なのも分かった……だが、それは内側の問題だ」

 

 私が自警団を率いていた頃にも同じ結論に至る可能性もある。

 バンエルティア王はバンダイ王国の方針についてあまり口出し、欠点や粗探しの様な真似をしていないが……1つだけ致命的な欠点がある。今まで話し合いをしていたのはあくまでも内側、内政での話だ。

 

「義勇軍、悪魔の実を食べた世界一の天才、海賊王の秘宝を求める海賊達、世界は着実と動こうとしている。特に今は海賊王の死を見た者達が各々に活動を始めている。そして海賊王が生まれるより前の海賊達は既に世界政府の手に負えない存在になっている……このままのやり方では終わるぞ?」

 

「ならばなにか素晴らしい案でもあるのか?」

 

「バトンを誰かに持たせろ」

 

 これから先に起こる激動の時代について私は知っている。

 ONE PIECEと言う作品が終われば世界は大きな変革が起こるのだけは確か……故にやることは1つ、誰かにバトンを持たせる事だ。

 

「この世界を変えようとする者達はこの世界を変える為に必要な鍵を握っていない。いや、それどころかそんな鍵が存在している事すら知らない」

 

「なにを根拠に言っている?いや、なにを知っている?」

 

「なにも知らないが根拠ならばある……誰も説き明かしてはならない空白の100年。空白の100年を調べようものならば問答無用で存在すら抹消する……それはつまり逆説的にはその100年に何かがあった。今の世界をひっくり返す程のものが……ここからは何処が生き残るか分からない群雄割拠な世界になることだけは確か」

 

 後、何年保つのかは私にも分からない。ただしこのままのやり方では終わるのだけは確かだ。

 ロジャー亡き後に台頭する海賊達、ロジャーと激闘を繰り広げた旧世代、文字通りロジャーを知らない新たなる世代が

 

「この国の方針については反論や異議は唱えない。為政者としてすべき事の殆どをしていて限られたエリアだが間引いた事で真面目な者達が生きている。それ自体は間違いと言い難い。だが、絶対的に正しいというわけではない。さらなる成長、さらなる進化の為の新しい可能性の芽を探すことをやめている時点でそこで終わっている」

 

「新しい可能性の芽、か……」

 

「可能性を示せ、と言うのであれば私から言わせてもらおう。リグレットを私の船に乗せたい」

 

「なっ!?」

 

 新しい可能性の芽について話題を出されれば悩みを見せる。

 これから先は色々と時代が変わっていく事は予見する事が出来ているがそれの波を掴む事が出来ていない。

 

「なにを言い出すのかと思えば、結局は私が欲しいのか!?」

 

「優秀な人材は欲しいからな……それに、貴様とて胸の内では霞が掛かっている状態であろう?」

 

「っ……それは……」

 

 私はこの国の方針については大きな間違いを犯しているとは思わない。

 リグレットはこの国の方針が生み出した被害者側の人間だ……ずっと心の中で霞が掛かっている。

 

「覇気に開花し一部の六式を独学で会得している……この国で食っていくのならばなにも問題は無いだろう。だが、それでも心の中に霞がある……ずっと探しているのだろう、今を変えるなにかを。だが、生憎な事にお前1人では今を変えるなにかを見つけることは出来ない」

 

「っ……お前に……お前になにがわかる!!実の弟を殺した私の苦しむ日々が……」

 

「分からんな。理解者にも共感者にもなろうとも思えん」

 

「ならば、余計な口出しは」

 

「だが、お前自身が変わる為の答え、キッカケが欲しいという悲鳴は聞こえている……時代のうねり、人の夢、これらはとめる事のできないものだ……些か説教臭くなったな」

 

 リグレットは二丁拳銃を取り出した。

 鋭い眼光で私を威圧しようとしているが、その程度の威圧感で揺れ動く様な心は持ち合わせていない。

 

「そちらがそういう意思であるならば私としてもありがたい……とは言え、流石にここでは戦えないがな」

 

「だが、私は撃つことが出来る!」

 

 バンエルティア王の居る場所で暴れ回れば謁見をした意味が無くなる。

 それに対してリグレットは銃を撃つことが出来るとなんの迷いもなく私の心臓目掛けて銃を撃った……だが、銃弾は弾かれた。

 

「硬度10,ダイヤモンドパワー」

 

「っ……」

 

 ダイヤモンドパワーを使いリグレットの一撃を防いだ。

 渾身の一撃ではあるが、まだまだ遠い……リグレットが発砲し、私が抵抗をした。その事で衛兵達が動き出そうとするがバンエルティア王が叫んだ。

 

「動くな……悪魔将軍、リグレットを連れて行きたければ連れて行くがいい」

 

「バンエルティア王!?」

 

「私への殺気を隠し切れない者はコレ以上は不要だ」

 

「ふん、流石に気付いていたか」

 

 表面上はセレスティア大臣側に仕えている人間の1人となっているが、謁見を始めた時から何度か微弱な殺意を感じる。

 国の方針でリグレットは弟を殺したのだから国政を担っている者達については憎悪を抱いており、何時反旗を翻すか分かったものではない。

 

「っ……私は…………」

 

「自らが海賊旗を掲げる事は許さないが、海賊についていくのならば問題は無かったな?」

 

「問題は無い。海賊に誘われたならばいいが、自ら海賊になる者は潰す。それがこの国の方針だ」

 

 必死になって抑えようとしている殺気については知られていないと思っていたが気付かれていた事をリグレットは知った。

 私はリグレットを連れて行っても問題は無いかの確認をすれば問題は無いことを提示された……

 

「悪魔将軍……私はこの国が窮屈だと叫び出て行こうとした弟を撃ち殺した。この国の方針で……それよりもなにかいい方法を知っているか?」

 

「生憎だが私は教養は無い方でな……少なくともこのまま靄がかかったまま惰性に生きるのか、何処かにあるのかそれともこれから作るのか分からないが1つの答えに至るのか……少なくとも、私はお前を評価し欲しいと思って誘っている」

 

 

 今の場所で答えを出せない以上は必死に探して答えを見つけるか作るしかない。

 

 

 私はこれで終わりだなと謁見を終わらせてゼロ・オリジン号に戻った。




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