こんな拙い文ですがよろしくお願いします。
四月のある日、俺は離れていく町を眺めていた。
今、俺が乗っているヘリには俺と同じくらいの歳の人ばかりが乗っている。
なぜならこのヘリの行き先はデュエルアカデミアのある孤島で、周りの人は俺と同じように今年入学する新入生だからだ。
「しかし暇だな……着くまで何しようかな」
ヘリに乗ってる人は窓から下にある海を眺めていたり、カメラで風景を撮ったりしている人もいるが、暇そうに寝ている人もいる。
何せヘリで三時間はかかる、それまでずっと座りっぱなしだ。
寝て過ごしている人もいるが俺はそれほど眠たくもない、しかし俺は目をつぶり適当に何か考え事をしているうちに寝るだろうと考え、とりあえず試験日から今までのことを思い出すことにした。
結局のとこ紫恵とのデュエルは何とか負けずに済んだ、しかし危なかった場面が何回かあった。これからデュエルアカデミアで過ごすのに小学生に負けてはダメだろうってことで、デュエルに付き合っている間にこっそりデッキに少しだけ俺がアメリカの大会で使っていたカードを入れた。
いままで使っていたデッキももちろん全力で使っていたが、構成はどちらかというと決めてみたいコンボを使っていくというコンセプトなのでデュエルが安定しなかった。
デッキを変えたことで年上の尊厳を守りきったが、次会う時にまた強くなってそうで少し怖い……
店長は俺が合格が決まったと言っても何も良いカードをくれなかった。
いつも商品とか買っているのに、とんだケチである。むしろ渡してくる《コカローチ・ナイト》を三枚に増やしてきた。
渡す時に『元日本チャンプも使ったことがあるカードだ』とか言ってたのでまんまと騙されてしまった。
元日本チャンプがあんなカード使うわけないだろ、もし本当だったらそいつ次の大会では一回戦負けして、その次の大会では卑怯な手を使いだすようなやつだよ。
ちなみに俺の今のデッキは前のデッキに戻してある。
まだ使ってないコンボもあるので早いとこ誰かに試してみたいものだ。
ん?……少し騒がしくなってきたぞ?
周りの窓から景色をみていた人達が騒がしくなる、何かと思って窓から外を見ると遠くのほうに火山と大きな建物が見える孤島が見えていた。
どうやらもうすぐで着くようだ。
俺はシートに座り直し着陸するのを待った。
ヘリが島に到着しそこから俺達、新入生が降りる。
俺は自分の荷物を受け取るがいかんせん荷物が多すぎる。なにせキャリーバッグ二つ持ってきている、さすがに荷物の量を減らした方がよかったか……?
一つは下着や寝巻きで三割あとはカードだ。もう一つは俺の趣味である料理の調理具や調味料だ。
アメリカの伯父は買ってきたもので飯を済ませることが多かったので、俺は日本の醤油味が恋しくなった。そこでスーパーで輸入の醤油を購入しネットでレシピをみながら料理を作ったことがきっかけで料理をするようになったのだ。
重たい二つのキャリーバッグを引きながら先導する先生について行く。
入学式が始まる前にこれから学校で着る制服に着替えなくてはならないらしいまずは更衣室へ向かった。俺が与えられたのは黄色の制服だ、確かヲー……じゃなくてラーイエローだ。
高校からの新入生はラーイエローかオシリスレッドに分けられるんだったかな、寮自体は三つあってオベリスクブルーてのもあるんだがここは中学からの成績優秀な生徒しか今のところいない。この学校は成績によって寮が移るので、優秀ならばオベリスクブルーへ行き成績が悪いとオシリスレッドにいく、ラーイエローはその中間だ。
着替えて更衣室から出る、入学式は教室で行われるそうだ。
教室に入った俺は荷物を隅のほうに置き他の生徒の同じように整列して校長先生の話が始まるのを待つ。そういえば俺はここの校長先生の顔を知らない、デュエルアカデミアの校長なのだから恐らくデュエルの実力のある人だとは思うのだが……
そう考えているとモニターの電源が入り校長先生の顔が写る、そこに写った顔見て俺は驚いた。
(ちょ……鮫島師範じゃねえかぁぁぁ!)
俺が脱走したサイバー流の師範、その人こそが今モニターに写る鮫島校長だ。
あの時の俺はもう会うこともないだろうと思って、カードを持って脱走したのにここで再会してしまうとは思わなかった。流石にいまさらカードを返せとは言われないと思いたいが……もって行ったカードは強力なカードばかりなのでそうとも言い切れない。
俺がサイバー流に入ったのはあくまで【古代の機械】のためである。サイバー流には機械族サポート等のカードがあり、ある程度実力を認められると受け取ることができる。最終的にはサイバーの融合モンスターももらえるが、俺はそこまではいらなかった。
しかし途中でやめたら今までのカードを没収ということになるんじゃないかと心配した俺が出した結論……
それこそが脱走だった。今にして思えばちゃんと没収かどうか聞いたらよかったなぁと考える。あの時の俺は十一歳、若かったのである。
ちなみに脱走の時は雪山を直接降りたのではなく子供の修行者用のロープウェイに乗って逃げた、あんな雪山降りてられるか。
入学者に俺がいることなんて多分わかっているはず、あとで呼び出しされるんじゃないかと不安に思いながら鮫島校長の話を聞いていた。
「以上で私の話は終わります。」
鮫島校長の話が終わる。この後は各自の寮に移動してそれから夜の新入生歓迎会までは自由らしい、とりあえず呼び出しをされなかった俺は荷物のキャリーバッグを引いてイエロー寮へ行く、イエロー寮についた俺は自分の部屋に入り荷物を置き、調味料は部屋の冷蔵庫にしまう。
「さて、何をしようかな」
クロノス先生を探したいが何処にいるかわからないし、もしかしたら歓迎会の準備で忙しくしているかもしれない。
もう入学したのでそう慌てて先生に会うこともないだろう。デュエルをする約束もあるのでもう少し落ち着いてから会うつもりである。
(歓迎会まで探検といこうかな)
孤島の自然や学園の教室の場所、デュエル場の設備などを色々見て見たいとこがあったので、この島を見て回ることにした俺は出かける準備をする。もしかしたらデュエルをする機会があるのかもしれないので、デッキと各自に配られた学園のデュエルディスクを持っていくことにした。
まずは学校へと向かうことにする。火山も見てみたいが流石にあれを登るのは骨が折れそうだ。学校に入りまずはデュエル場の設備を見にデュエル場へと向かう廊下の壁にある地図をたよりに進むと、デュエル場の前に誰かいた。二人組だ、制服が赤いってことはオシリスレッドかな。
「匂う……匂うぞ! デュエルの匂いだ!」
……お前は何を言っているんだ。
Q,デュエルの匂いとは何だ? いつ匂う?
A,デュエルをしてると匂います。
いやいや、そんなわけないからな、そんな匂いあるわけないからな。
というかあいつ、もしかしてクロノス先生を倒したあの受験生か。
実力のある生徒だったと思うんだがオシリスレッドなのか?
おかしな事を言うオシリスレッド生がデュエル場に入りそれを追うようにもう一人のオシリスレッド生も入る。
あのオシリスレッド生達がちょっと気になった俺はこっそりと後を追う。
デュエル場の設備はかなり豪華で最新の設備が取り揃えてある。その設備を見て水色の髪をしたレッド生が感嘆の声をあげる。
「いいなぁ~こんなとこでデュエルやってみたいなぁ」
「じゃあやろうぜ、俺達ここの生徒だしデュエルしてもいいだろ」
茶色の髪のレッド生が早速デュエルをするつもりでいる、とそこへ青い制服を着たブルー生が現れる。
「残念ながらそうはいかないんだな」
「ここはオベリスクブルーのデュエル場、ドロップアウトのオシリスレッドが来るとこじゃないぞ」
そう言ってレッド生の二人を追い出そうとする。
絶対に各自のデュエル場じゃないといけない決まりがあるのか?
少しくらいデュエルしてもいいと思うんだが……
「ごめん知らなかったんだ。……アニキ行こう」
「うーん、じゃあお前俺とデュエルしないか? それならいいだろ?」
茶色の髪の方がブルー生にデュエルを申し込む、確かにブルー生とならいいのかもしれないがすんなり聞いてくれるかどうか……しかしデュエルを申し込んだレッド生に対しブルー生が何かに気づいたようだ。
「誰かと思えばお前あのクロノス教諭に勝った奴か」
「万丈目さん! あのクロノス教諭を倒した百十番ですよ!」
ブルー生の一人が声を出し、万丈目という人に伝える。すると観客席から黒い髪のブルー生が現れる。
「俺、遊城十代、よろしく」
茶色の髪の人の名前……遊城十代というのか
遊城が万丈目にむかって自己紹介をする。
「んで、あいつは?」
遊城がそう周りのブルー生に聞くと万丈目が顔をゆがませる。
ブルー生がそれに対しあきれた様子で答える。
「お前、万丈目さんを知らないのか?」
「未来のデュエルキングとも呼び声高い、万丈目準様だぞ」
未来のデュエルキングと言われるとはかなりの実力者なのだろう、しかしそれに対し遊城はこう言った。
「それっておかしくないか? デュエルキングてことは一番てことだろ、でもこの学園の一番は俺だぜ」
自分が一番とはすごい自信だな。
確かにデュエルの実力はあるかもしれんが、まだ入学したばっかで上級生にどんな実力者がいるかもわからないはずだ、それでも自分が一番だと言ってのけるとはよっぽど自分に自信があるのだろう。
だがその台詞をきいてブルー生の二人が笑い出す。
「ハッハッハッハッハッ……ドロップアウト組のオシリスレッドが身の程知らずな!」
「Be Quiet 諸君、はしゃぐな」
怒り出したブルー生二人を万丈目が止める。
なんで今英語で言ったんだこの人、しかも『諸君』て……
「そいつは結構やる、手抜きとはいえ仮にもクロノス教諭を倒した男だ」
万丈目の言う通り、遊城は入学試験でクロノス先生を倒している。
あの後で知ったのだがクロノス先生は実技の最高責任者らしい、つまり先生達の中でもトップクラスの実力があるということだ。
それを倒したということで遊城は注目を浴びているというわけか
「ぜひともその実力を今見せてもらいたいものだ」
「いいぜ」
二人の間の緊張が高まる、とそこへ割って入った者がいた。
「あなた達何しているの」
ブルーの女子生徒だ、デュエルアカデミアの女子生徒はすべてオベリスクブルー所属となる。
かなりの美人さんだがいったい誰だ?
「天上院君この新入生があまりに世間知らずなもんで、少し学園の厳しさを教えようと思ってね」
「そろそろ寮で歓迎会が始まる時間よ、そこの隠れて見ているあなたもね」
げぇっ! バレた! 見つかったのなら仕方がないと、俺は物陰から出て行く。
まあ、見つかっても困ることなんてないんだが。
「お前誰だ?」
遊城が突然出てきた俺に話しかけてくる。
「俺の名前は六車 一機、気軽に一機大明神とでもよんでくれ」
「それ、どこが気軽なんすか……」
「あなた、そこで何していたの?」
「たまたま通りかかっただけだ。デュエルでも始まるのかと思って観戦するつもりで見てたんだがどうやらやらないみたいだな」
「……たしか貴様は試験デュエルで古代の機械巨人を使っていた奴だな」
万丈目が俺にそう聞いてくる。
「まあ、他に使っている人がいなければ俺のことだな」
「ふん、貴様が古代の機械巨人を使いこなせるかどうかもその内見るつもりだったんだがな、今は時間がない。いくぞ、お前ら」
万丈目がそう言いブルー生二人と共に去って行く、デュエル場から出て言った後天上院が口を開く。
「あなた達万丈目の挑発に乗らないことね、あいつらろくでもない連中なんだから」
ろくでもないというのは話している態度を見ていればわかった。
この人はどうやら万丈目とは関わるなと言いたいらしい。
「わざわざ、俺にそんな忠告をしてくれるなんてひょっとして俺に一目惚れか~?」
……お前は何を言っているんだ。
A,一目惚れとはなんだ、いつ発動する?
Q,忠告すると、勘違いされます。
まあ、遊城なりの冗談なのだろう。
天上院はしばらく呆けたあとクスッと笑った。
「他の寮でも歓迎会が始まるわよ、あなた達も行ったら?」
「おお、そうだな行くぞ翔! えーと一機だったけ、一機もじゃあな」
「じゃあな遊城、お前のデュエル今度みせてくれよな」
「いいぜ、あと十代でいいぞ。」
そう言って遊城……じゃなくて十代でいいのか、十代が一緒にいた人と走り去って行く。
そういえば水色の髪の方の名前聞くの忘れていたな。
「じゃあ俺もイエロー寮に戻るぞ、じゃあな天上院さん」
「ええ、さようなら」
天上院さんに別れを告げてイエロー寮に戻る。
イエロー寮に着いた頃にはちょうど歓迎会が始まる頃であった。
歓迎会ではかなり豪華な料理がでてくる。ステーキとかかなりいい肉を使っている。
スープもなかなかおいしい、今度真似て作れるか試してみよう。厨房が借りられるかどうかだが……というか借りられなかったらどうしよう。
歓迎会の食事が終わり自分の部屋に戻る。
気になる料理が多くてつい食べ過ぎてしまった。
部屋に入って荷物を開く、まだ寝るには少し早いカードを置く場所でも決めようとカバンのカードを取り出しているとPADの着信音がなる。誰からだ?
メールを見るとどうやら送り主は十代らしい、ちなみにPADのアドレスは公開情報で少し調べればすぐにわかる。
俺は送られてきたメールの内容を確認する。
どうやら十代は深夜の零時にデュエル場でアンティデュエルをしろと万丈目から挑まれたので見に来ないかとのこと。
デュエルを見せてほしいとは言ったがこんなに早いとは思わなかった。
天上院さんの忠告は無視の方向でいくらしい、挑まれたデュエルから逃げるないタイプに見えたし、忠告なんて初めから聞く気なんてないのだろう。
深夜に出歩いたら駄目らしいが、面白そうなので見に行くとしようかな。
こちら六車、今イエロー寮を抜け出しデュエル場へとむかっている。
あれから、しばらくカードを弄っていると約束の時間が近づいてきたので、こっそり抜け出そうとした。
しかしイエロー寮の……えーと……担当の…………か、かばやき? 先生だったけ、その人に見つかってしまい、咄嗟にトイレへ行くとこですと言ったので案内されるというハプニングもあり、何とかデュエル場に行くことができるようになるまで時間がかかった。
もうデュエルが始まっているかもしれない。俺は急いでデュエル場へと向かった。
「はあ……はあ……ついた」
デュエル場へと到着する、デュエルはもう始まっているみたいだ。
「あ、一機君もうデュエル始まっているッスよ」
「なんでそんなに遅れてきたのあなた?」
「はあ……はあ……ふう……途中で先生に見つかってな、誤魔化してたら遅くなった。それで今はどちらが優位だ?」
「それがアニキの《フレイム・ウイングマン》が盗られちゃたんスよ~」
「ん? おお、本当だ万丈目側にいるな」
今フィールドには万丈目側のフレイム・ウイングマンと十代側の《E・HERO スパークマン》が対峙している。どちらにも伏せカードは一枚、さてどうなるやら。
「行け! フレイム・ウイングマン! スパークマンに攻撃だ!」
「罠カードオープン! 《異次元トンネル -ミラーゲート-》発動!」
「なに!」
ミラーゲートは戦闘を行う自分の「E・HERO」と名のついたモンスターと相手の攻撃モンスターを入れ替えてダメージ計算を行うカードだ。
この罠カードの発動によってフレイム・ウイングマンとスパークマンの立ち位置が入れ替わる。
「スパークリングブレイカー!」
フレイム・ウイングマンとスパークマンが戦闘を行いフレイム・ウイングマンが勝利する。
「うわあぁぁぁ!」
万丈目 LP3600 → 3100
「さらに破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを受けてもらう」
フレイム・ウイングマンが万丈目の前に立ち右手から炎を出し追撃をする。
「うわああぁぁぁぁぁ!」
万丈目 LP3100 → 1500
「流石アニキかっこいい~」
「ふうん、やるじゃない」
「ここから巻き返せるかな」
万丈目のライフは1500、この勢いで行けば十代が勝つか、それとも万丈目が意地を見せるか見ものである。
「オシリスレッドが調子に乗るな、魔法カード《ヘル・ブラスト》発動、自分のコントロールするモンスターが破壊されたターン、フィールド上のモンスターを破壊しその攻撃力の半分のダメージを与える。」
フレイム・ウイングマンが破壊され1050のダメージが十代に与えられる。
十代 LP1600 → 550
「さらに罠カード発動、《リビングデッドの呼び声》!」
効果により墓地から復活したのは《ヘル・ソルジャー》だ
「そして生け贄にささげて、《地獄将軍・メフィスト》を召喚」
《地獄将軍・メフィスト》 ATK1800
メフィストは上級にしては低い攻撃力だが貫通能力とハンデス効果がある厄介なモンスターだ。
「これで俺の勝ちは決まったようだな」
……ん? 強化しないのか? そいつ強化しないと下級モンスターに殴り殺されるほど貧弱な将軍様だぞ。
そのままで放置したらあっという間にやられないか?
「それはどうかな?」
「なに……ふ、デュエルは99%の知性で決まる、運がはたらく要素など1%しかない」
うーん……運があるのとないのでは大きく違うと思うぞ、戦略立てていいデッキ作っても手札事故がおきればどうしようもない。
「その1%にすべてをかける! 俺のターン、ドロー」
十代がドローをしカードを確認するが、そこへ足音が聞こえてくる。
「ガードマンが来るわ、見つかれば退学になるかもしれないわ!」
その言葉に思わず十代が振り向く。
「げぇ! マジかよ……って一機! 何時来たんだお前」
「ミラーゲートのあたりからだ、遅れて悪かったな」
どうやら今頃気づいたらしい、よっぽどデュエルに集中していたらしい。
……俺の影が薄いわけじゃないよな……
「まずいっすよ、万丈目さん」
「ふん……この勝負預けといてやる、感謝するんだな」
「まだ勝負はついてないぜ!」
「もう十分実力は見せてもらった、じゃあな」
「く……待て!」
「十代、そろそろやばいぞ!」
「さ、こっちよ早く!」
俺と天上院さんが十代に早く逃げるように促すが十代が駄々をこねる
「うぅ~嫌だ、俺はここを動かない!」
仕方ないなこのデュエル馬鹿は……
俺が十代に近づきその体を担ぎ上げる。
「ほら、いくぞ」
「うわわわっ、お、降ろしてくれ~」
「学校から出たらな」
そのまま俺達はデュエル場から走り去った。
学校から出て十代をゆっくりと降ろし一息つく。
「ふう、世話の焼ける人ね」
「ちえっ、余計な事を」
「おいおい、運ばせといてそれはないだろ」
「ありがとう、明日香さん、一機君」
十代がすねていると、水色の髪の人がお礼を言ってくる。
「どういたしまして、ところでまだ名前教えてもらってなかったな」
「あ、僕の名前は丸藤翔、よろしくね」
「おう、よろしく」
「さて、どうだった? ブルー生の洗礼は」
俺達が自己紹介をしていると天上院さんが十代にさっきのデュエルについて尋ねる。
「まあまあかな、もう少しやるかと思っていたけどね」
「そうかしら、邪魔が入らなかったら負けていたんじゃないの」
最後のドローが何だったかはわからないが一応十代が不利だったことは確かだ。
しかしそれに対し十代はこう答えた。
「いや、今のデュエル俺の勝ちだぜ」
そう言って十代が最後にドローしたカードを見せる、そのカードは《死者蘇生》だった。
「これで、フレイム・ウイングマンを蘇生させれば俺の勝ちだ」
やっぱりとんでもなく引きが強いな十代は、あの土壇場で逆転のカードを引けるとは……
オラに引き運を分けてくれーーッ!! って言いたくなる。
もう場にモンスターがいない時に《魔法の歯車》を引きたくないからな……
「ん? どうしたんだ一機そんな遠い目をして?」
「いや、なんでもないんだ。俺はそろそろ帰らしてもらうよ、じゃあな」
「おう! じゃあまたな!」
そう言って十代たちと別れた俺はイエロー寮にむかって歩き出した、俺は今日起こったことを思い出す。
まさかの再会の入学式にデュエル場での出会い、歓迎会のおいしい料理そして先ほどのデュエル。
こうして俺のデュエルアカデミアでの初日が終わった。
PADのアドレスについては勝手に考えた設定です。万丈目と十代がアドレス交換してるとは考えにくかったのでこうしました。
次回では主人公がデュエルする予定です。
では次回もよろしくお願いします。
12/3 改訂してフレイム・ウイングマンを墓地から特殊召喚可能ということにしました。