世界に拒まれた青年は、静かな場所で生き直す   作:肩幅ひろし

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第21話:光は二人の心を結び、影を裂く

 影の本体が第二形態として再構築された夜。

境内は黒い霧に覆われ、灯りはすべて吸い込まれていた。

 

 湊は棒を握りしめ、霊夢の背中を見つめる。

 

 霊夢は札を構え、影の本体を睨む。

 

「湊。

このままじゃ……私の術は全部吸われるわ」

 

 湊は震える声で答える。

 

「霊夢さん……僕の“光”なら……影に効くんですよね」

 

 霊夢は湊を振り返り、静かに頷いた。

 

「ええ。

あなたの光は……影にとって“毒”よ」

 

 湊は胸に手を当てる。

 

――僕の光。

――僕の心の欠片。

 

 それは、湊が過去と向き合い、取り戻した“再生の証”。

 

 

 

◆

 

 霊夢は湊の手を取り、強く握った。

 

「湊。

あなたの光を……私の術に乗せるわ」

 

 湊は驚く。

 

「僕の光を……霊夢さんの術に……?」

 

霊夢は頷く。

 

「あなたの気は“澄んだ光”。

私の術は“形を与える力”。

二つを合わせれば――

影に届く“光の技”が作れるはずよ」

 

 湊の胸が熱くなる。

 

「霊夢さん……僕、やります。

あなたと一緒に……影を倒したい」

 

 霊夢は湊の手を包み込み、静かに微笑む。

 

「ええ。

一緒に作りましょう。

あなたと私だけの“光”を」

 

 

 

◆

 

 霊夢は湊の背に手を添え、気を流し込む。

 

 湊は目を閉じ、霊夢の気を受け取る。

 

 温かく、揺れない光。

それが湊の胸の光と混ざり合い、境内に淡い輝きが広がる。

 

 霊夢が囁く。

 

「湊……呼吸を合わせて」

 

 湊は深く息を吸い、霊夢と同じリズムで吐く。

 

――二人の呼吸が重なる。

――二人の気が重なる。

 

 影の本体が苦しむように揺れる。

 

「……やめろ……

その光は……俺を……壊す……」

 

 霊夢は湊の手を握り、声を強める。

 

「湊!

あなたの光を……私に流して!」

 

 湊は胸の光を両手に集め、霊夢へ向けて流す。

 

 霊夢の札が淡く輝き始める。

 

 

 

◆

 

 霊夢は札を構え、湊の光を乗せた。

 

 札は白い光を放ち、影の本体を照らす。

 

 影が悲鳴を上げる。

 

「……やめろ……

その光は……俺を……消す……!」

 

 霊夢は湊の手を握ったまま、技の名を告げる。

 

「湊。

これは……あなたと私の技よ」

 

 湊は頷き、棒を構える。

 

「霊夢さん……行きましょう!」

 

 霊夢が札を投げる。

 

 湊が棒を振り抜く。

 

 札と棒が重なり、光が弧を描く。

 

『光祓(ひかりばらい)』

 

 光の刃が影の本体を切り裂き、黒い霧が吹き飛ぶ。

 

 

 

◆

 

 影の本体は形を保てず、地面に崩れ落ちる。

 

 湊は息を切らしながら霊夢を見る。

 

「霊夢さん……!

今の……!」

 

 霊夢は湊の手を握り、微笑む。

 

「ええ。

あなたの光が……影を弱らせたのよ」

 

 影の本体は苦しげに呻く。

 

「……光……

お前の光が……

俺を……消す……」

 

 湊は影を見つめ、静かに言った。

 

「僕は……もう絶望に戻らない。

霊夢さんと一緒に……前へ進むから」

 

 影の本体が揺れ、さらに弱体化する。

 

 

 

◆

 

 霊夢は湊の肩に手を置き、優しく言う。

 

「湊。

あなたの光は……あなたが生きようとした証。

それを私が形にする。

だから……二人で戦えるの」

 

 湊は胸が熱くなる。

 

「霊夢さん……

僕……あなたと一緒に戦えて……嬉しいです」

 

 霊夢は少しだけ頬を染め、視線を逸らす。

 

「……そんなこと言われたら……

期待しちゃうじゃない」

 

 湊は照れながらも、霊夢の手を握り返す。

 

 影の本体は弱りながらも、まだ完全には消えていない。

 

 光と影の最終決戦が近づいていた。

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