世界に拒まれた青年は、静かな場所で生き直す   作:肩幅ひろし

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第21話:光は二人の心を結び、影を裂く

 影の本体が第二形態として再構築された夜。

境内は黒い霧に覆われ、灯りはすべて吸い込まれていた。

 

 湊は棒を握りしめ、霊夢の背中を見つめる。

 

 霊夢は札を構え、影の本体を睨む。

 

「湊。

このままじゃ……私の術は全部吸われるわ」

 

 湊は震える声で答える。

 

「霊夢さん……僕の“光”なら……影に効くんですよね」

 

 霊夢は湊を振り返り、静かに頷いた。

 

「ええ。

あなたの光は……影にとって“毒”よ」

 

 湊は胸に手を当てる。

 

――僕の光。

――僕の心の欠片。

 

 それは、湊が過去と向き合い、取り戻した“再生の証”。

 

 

 

 

 霊夢は湊の手を取り、強く握った。

 

「湊。

あなたの光を……私の術に乗せるわ」

 

 湊は驚く。

 

「僕の光を……霊夢さんの術に……?」

 

霊夢は頷く。

 

「あなたの気は“澄んだ光”。

私の術は“形を与える力”。

二つを合わせれば――

影に届く“光の技”が作れるはずよ」

 

 湊の胸が熱くなる。

 

「霊夢さん……僕、やります。

あなたと一緒に……影を倒したい」

 

 霊夢は湊の手を包み込み、静かに微笑む。

 

「ええ。

一緒に作りましょう。

あなたと私だけの“光”を」

 

 

 

 

 霊夢は湊の背に手を添え、気を流し込む。

 

 湊は目を閉じ、霊夢の気を受け取る。

 

 温かく、揺れない光。

それが湊の胸の光と混ざり合い、境内に淡い輝きが広がる。

 

 霊夢が囁く。

 

「湊……呼吸を合わせて」

 

 湊は深く息を吸い、霊夢と同じリズムで吐く。

 

――二人の呼吸が重なる。

――二人の気が重なる。

 

 影の本体が苦しむように揺れる。

 

「……やめろ……

その光は……俺を……壊す……」

 

 霊夢は湊の手を握り、声を強める。

 

「湊!

あなたの光を……私に流して!」

 

 湊は胸の光を両手に集め、霊夢へ向けて流す。

 

 霊夢の札が淡く輝き始める。

 

 

 

 

 霊夢は札を構え、湊の光を乗せた。

 

 札は白い光を放ち、影の本体を照らす。

 

 影が悲鳴を上げる。

 

「……やめろ……

その光は……俺を……消す……!」

 

 霊夢は湊の手を握ったまま、技の名を告げる。

 

「湊。

これは……あなたと私の技よ」

 

 湊は頷き、棒を構える。

 

「霊夢さん……行きましょう!」

 

 霊夢が札を投げる。

 

 湊が棒を振り抜く。

 

 札と棒が重なり、光が弧を描く。

 

『光祓(ひかりばらい)』

 

 光の刃が影の本体を切り裂き、黒い霧が吹き飛ぶ。

 

 

 

 

 影の本体は形を保てず、地面に崩れ落ちる。

 

 湊は息を切らしながら霊夢を見る。

 

「霊夢さん……!

今の……!」

 

 霊夢は湊の手を握り、微笑む。

 

「ええ。

あなたの光が……影を弱らせたのよ」

 

 影の本体は苦しげに呻く。

 

「……光……

お前の光が……

俺を……消す……」

 

 湊は影を見つめ、静かに言った。

 

「僕は……もう絶望に戻らない。

霊夢さんと一緒に……前へ進むから」

 

 影の本体が揺れ、さらに弱体化する。

 

 

 

 

 霊夢は湊の肩に手を置き、優しく言う。

 

「湊。

あなたの光は……あなたが生きようとした証。

それを私が形にする。

だから……二人で戦えるの」

 

 湊は胸が熱くなる。

 

「霊夢さん……

僕……あなたと一緒に戦えて……嬉しいです」

 

 霊夢は少しだけ頬を染め、視線を逸らす。

 

「……そんなこと言われたら……

期待しちゃうじゃない」

 

 湊は照れながらも、霊夢の手を握り返す。

 

 影の本体は弱りながらも、まだ完全には消えていない。

 

 光と影の最終決戦が近づいていた

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