蓬莱人のキヴォトス生活   作:御神梓

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六話 不死鳥と狐

 久々に背中が焼ける熱さを覚える。背中が焼けていき痛みを覚えるが、おかげで先程受けた痛みなど容易に忘れることができる。

 羽を羽ばたかせて空に浮かび、目の前の少女を見下ろす。

 

「さぁ、避けてみろ!!」

 

 弾幕ごっこをするのは久々だが、この力を使うのは慣れている。瞬く間に私を起点として、大量の三色の札型弾幕が広がっていく。

 

「!?」

 

 視界一杯を埋め尽くすように広がった弾幕、少女は一瞬だが体が強張り状況の理解ができていなかった。それでも、戦闘慣れをしているのか、すぐに弾幕の隙間を見つけて、そこへと跳び避ける。

 

「おらおら!!その程度じゃ避けれねぇぞ!!」

 

 隙間を見つけたとしても、次の瞬間にはそこに弾幕が飛んでくる。常に弾幕から避け続けなければいけない。一発一発こめて撃つような銃でどう対処するのか興味もある。

 

「見掛け倒しですね」

 

 少女は少し弾幕を避けた後、持っていた銃を構えて、大量の弾幕の中を、針の穴に糸を通すように正確に撃った。

 

「ッ!?」

 

 弾丸は私の肩を貫き、その衝撃で私は姿勢を崩して墜落しそうになる。それでも、これ位のダメージは妖怪相手に慣れている。すぐに姿勢を立て直して高度を上げ、手にしていた一枚のカードを掲げる。

 

時効「月のいはかさの呪い」

 

 無数の緑色をした鱗弾幕で目の前の少女が逃げれる範囲を制限する。同時に無数の青い色したナイフ弾幕を放つ。

 

「やり方が変わっただけで、芸がないのでは?」

「本当にそうかな?」

 

 確かに、四方八方全ての方向に対して大量の弾幕を放っているが、少女の方へと飛ぶ弾幕は極一部なうえ隙間が多い。少女はその場で回るようにナイフ弾幕を避ける、けれど、その回避がまずいのだ。

 

「な!!」

 

 完全に避けたと思っていたナイフ弾幕、それは途中で軌道を百八十度変えて少女に狙いをつけなおし、無防備な背中に直撃した。

 

「弾が突然弾道を変えるだなんて」

「一直線に飛ぶだけじゃ芸がねぇだろ?」

 

 ポツンと立っていれば、他のナイフ弾幕が少女を襲う。何本かは回避するのを諦めたのか、弾幕の中を構わず突っ込み、態勢を直そうとする。

 

「そう簡単にさせるかよ」

 

 弾幕のペースを上げて、避けるのを難しくさせつつ、考える。

 弾幕の威力は妖怪相手に使う程度のものにしてある。当たればそれなりに痛いはずなのに、少女は多少の弾幕ならば気にせず突っ込むところから、大きなダメージにはなっていないようだ。

 

「威力を上げるべきか?」

「考え事ですか?」

「あ、やべ」

 

 いつの間にか少女は再び銃口を私へとむけていた。咄嗟に避けようとするが、すでに遅く、打ち出された銃弾は私の心臓を貫く。

 再び衝撃で姿勢を大きく崩し、墜落する。もう一度姿勢を立て直そうとするが、うまく力が入らない。これまでにできた傷口と、今心臓に撃たれたところから血を流しすぎた。指先も冷たくなっている。この体はもうだめだ。

 

リザレクション

 

 私の体全てを焼き尽くすほどの火柱。見上げる程高くまで伸びる火柱は周囲の注目を嫌でも集めていく。

 

「・・・」

 

 少女は銃を構えたまま、警戒を解かない。少女の直感なのか、目の前の火柱が普通ではないとわかってか動かない。

 

「いやぁ、よくも一回殺してくれたな?」

 

 火柱の中から私はゆっくりと歩いて出ていく。

 

「普通のお方ではないとは思っていましたが、やはり、ただの外の世界のお方ではないようですね」

「私が外の世界の住民って言われるのは本当に違和感あるな」

 

 私としては一回死んだ以上、ここらで仕切り直しにしたいところだが、目の前の少女はそれを許してくれそうにはない。それどころか、好敵手を見つけたかのように鼻歌を歌っている始末。

 

「初めてですわ、好きなだけ破壊の限りを尽くしても良い相手と出会えるなんて」

「こちらとしては、ものすごくごめんこうむるし、永遠に殺し合いをする相手は一人だけでいい」

 

 少女がボルトを引き、新しい弾薬を装填する。見るからに少女はまだまだ戦いを望んでいる。

 私は面倒くさいながらも、このままやられっぱなしのまま終わるのは性に合わない。せめて全治数か月程度の怪我を与えておあいこにしようか。

 新しいカードを取り出して、掲げる。

 

不死「火の鳥 -鳳翼天翔-」

 

 再び炎の翼を広げて、飛翔しようとした時。

 

「狐坂ワカモ!!」

 

 第三者が割り込んできて、私の目の前の少女、ワカモに対して銃を連射する。

 少し白交じりの金髪に青い羽織を身に着けている。

 

「百花繚乱紛争調停委員会七稜アヤメだ。狐坂ワカモ、今度こそ拘束させてもらうぞ!!」

「あら、思っていたよりも来るのが早かったですね」

 

 紛争調停、その名から察するにこうした場を収めることを目的とした組織なのだろうが、調停者という役職に似た役職を持っている知り合いがいる。

 

「あ~、博麗の巫女みたいな奴が来たって感じかこりゃ」

 

 見るからに正義感が無駄に高そうなやつだ。霊夢に正義感のくそもないが、あいつは一応自分の博麗の巫女としての役割は全うしているから。

 さて、もしそういう奴が来たということは、大体喧嘩両成敗という形になることが多い。おまけに、ここは幻想郷ではない。すべてが自己責任である幻想郷ならば、ぶっ飛ばされて終わりになるが、ここではそうもいかない。

 

「こういう時は」

 

 幸い、周囲の人達は私達が戦っている間に何処かへと逃げて行っている。プライドも大事だが、面倒ごとに首を突っ込むのはごめんだ。

 

「!?おい、お前も拘束するからそこを動くな!!」

「断る!!」

 

 私は直ぐに飛翔し、地上の人が見えなくなるまで高く飛び、彼女達の視界から外れた。

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