波動砲艦隊はこれより艦隊の指揮に入る 作:前衛武装航宙艦アマテラス
峯岸は大本営での事情聴取の後、特に何かがある訳でも無く解放されあきつ丸と共に横須賀鎮守府へと戻って来て居た。
「峯岸さん、着きましたよ。」
「あぁ、ありがとう。それにしても送って貰ってすまないな。」
「いえ、いろいろとご迷惑をお掛けしましたから。」
「いや、あきつ丸が気にする事は無い。それに元帥の信頼を取れて良かったよ。」
「そうですか。では私はこの後、別の任務がありますのでこれで。」
「そうか、気をつけてな。」
「はい、こちらで何か情報が入りましたらまた報告しますね。」
「分かった。」
そう言ってあきつ丸を見送り鎮守府の門をくぐると副長の立石が待って居た。
「お待ちしておりました。大丈夫でしたか?」
「あぁ、何も問題は無い。それより艦隊の面倒はしっかり見てくれたか?」
「大変だったんですよ?艦長が連行されたって聞いて保安部や他の艦の乗組員が暴れ出して大本営に乗り込もうとしてたんですから。」
「そうか、それはすまなかったな。後で皆んなには謝らなければ。」
「本当ですよ。今度間宮でも奢って下さいね。」
「間宮?まあ、良いだろう。」
「あと、お伝えしなければならない事がありまして...」
「どうしたんだ?」
「それは艦に戻ってから話します。」
ーーーーアマテラス
「それで先程の件なのですが、大湊警備府の第14戦隊についてです。」
「ドミニオンの奴らか.....やられたのか⁉︎」
「いえ、そんな事では無くてですね。艦長が連行された時に第14戦隊は大湊警備府の艦娘と太平洋方面の海域奪還の任務にあたっていたんですよ。その任務中に1人の艦娘を救助しまして...」
「奴....って訳では無い様だな。」
「はい、奴では無いのですがどうやら我々と同じ別世界の艦娘の様です。」
「そうなのか。だがなんで俺に報告を?」
「それが...」
副長の顔が一気に暗くなる。
「なんだ?何か言えない事でもあるのか?」
「.....我々が居た世界の艦娘の様です。」
「......は?」
ーーーー大湊警備府
場面は変わり大湊警備府。此処では別世界から来た艦娘の事情聴取が行われていた。
「え〜と、君はなんて名前なんだ?」
「.......」
「相変わらずだんまりか....」
「山桐艦長の言い方が悪いんじゃ無いですか?」
「なんだ、俺が怖いって言うのか?」
「えぇ、貴方の顔がヤクザみたいじゃない。」
「ヤクザって...霞ちゃんは俺をどう思ってるんだよ。」
「どうですか?何か分かりました?」
「あっ山崎提督、それが何も喋らないんですよ。」
「そうですか、保護した時は喋っていたんですよね?」
「そうですね。それ以来、此処に来てから一言も喋らなくなっちゃって。」
「成程...」
「さあ皆さん、もう今日は帰って下さい。仮にも怪我人ですよ?」
「あっ明石さん。いや、もう少しだけ...」
「無理なものは無理ですよ。さあ帰って下さい!」
「明石さんはケチだな。」
「ケチってなんですか!殴りますよ!」
「おお、怖い怖い。じゃあ、今日はこの辺で戻りますかね。」
「......大丈夫だした?」
「.......(コク)」
「そうですか、それなら良かったです。ただ貴方は一体...既存の艦娘と違いますし、でも貴方の装備を見ると41cm三連装砲を乗せてましたから戦艦なんでしょうけど....」
「...........」
「うーん、困りましたね。」
明石が困っていると外から声が聞こえて来た。どうやら揉めてる様だ。
「?ちょっと見て来ますね。」
そうして扉を開けると霞と山桐艦長と同じ軍服を来た人が揉めて居た。
「どうしたんですか?」
「あっ明石さん、誰だか分からないコイツらが急に来て医務室に入らせろって言ってくるのよ!」
「さっき名乗ったじゃないか!山桐艦長から聞いてないのか?」
「艦長!そんな大声出さないで下さい!」
「お二人は山桐艦長のお知り合いなんですか?」
「ああ、知り合いも何も山桐の上司だ。私は第六艦隊旗艦アマテラスの艦長の峯岸達海だ。」
「私はアマテラス副長、立石です。」
「上司なんですか?でも急に来て信じろとは....」
そう話して居ると廊下の奥から山桐艦長が走って来た。
「ハアハア、普段運動してないから息切れが....あっ明石さん、その人は峯岸艦長で合ってますよ。」
「そうでしたか、それで今日は何の用で?」
「山桐から例の艦娘について連絡が来てな。それで我々がいた世界から来たと言われたから急遽、横須賀から飛んで来たんだよ。」
「そうでしたか...しかしあの子は怪我人ですしあまり喋らなくて面会は厳しいかと....」
そうして居ると医務室の扉が開き例の艦娘が立って居た。
「あっ怪我人だから大人しくしてないと!」
「大丈夫....だから.....」
「そうですか、うーん。なら峯岸さんと立石さんだけなら面会しても構いませんよ。それで良いですか?」
「.......(コク)」
「分かりました。では中にお入り下さい。」
ーーーー
「君は別の世界の艦娘って言う認識で間違い無いんだな?」
「.......(コク)」
「そうか....それでその世界は我々が居たのか?」
「.......」
「....何かあったのでしょうか?でもなんで我々が居た世界だと分かったんですか?」
「それが保護した時の山桐艦長の名前を言ったらしいんですよ。なので深海棲艦からドロップした艦娘とは違い峯岸さん達が居た世界からの艦娘だと分かったんです。」
「そうか....少しで良いからその世界の事を話してくれないか?」
「.......貴方達は死んだ。」
「死んだ?どう言う事だ?」
「あの艦娘.....アイツに.....鎮守府の皆んなが、第六艦隊の皆んなが.....」
「となるとアイツと言うのはあの佐世保の第11戦隊が接敵した奴か。そいつに分かることは何か無いか?名前とか。」
「.....分からない。あの時、私は何も出来ず見る事しか出来なかった....」
「あの時?詳しく教えてくれないか?」
「ハワイ沖で異形艦とアイツが現れてハワイの真珠湾基地は壊滅。私達と貴方達は一気に殲滅しようと出撃した。でもアイツは私たちの手がまるで分かってるかの様に撃破していった.....それで貴方達も奮闘したけど中破にしただけで艦隊は......」
「そうか....しかしあの一隻に俺達が負けたのか。と言う事はやはりアイツは地球連邦軍という事であってそうだな。」
「そして、アイツは消えたと思えば現れ、またその繰り返し。最後に生き残った私達は逃げていたの...でもアイツは執拗に追って来て貴方達は生き残った他の艦と殿をして.....」
「全滅って訳か。」
「消えて現れを繰り返すと言う事は小ワープでもしたんでしょうか?しかし連続で小ワープが出来るなんて聞いた事がありませんが....」
「うーん、分からんな。そう言えば聞いて居なかったが君の名前は?」
「.......戦艦十勝」
「十勝?私は聞いた事ありませんねでもあの装備して居た41cm三連装砲を見る限り戦艦なのは間違い無さそうですね。」
「そうか、十勝か。今後宜しくな。それでそのあと十勝達はどうなったんだ?」
「あの後、アイツが目の前まで迫った時、私達は白い光に包まれて気づいたら此処に...」
「そうだったのか。アイツについてもう少し分かることは無いか?」
「......」
「.....駄目そうか。副長、今日はこの辺で戻るぞ。また話せそうならその時はよろしく頼むぞ。」
「はっ、では失礼しました。」
「はーい、また来て下さいね。」
「........」
ーーーー
「それにしても十勝さんの世界で我々が全滅したとは信じられませんね。アイツは我々が思う以上に油断できない存在ですね。」
「そうだな、何か早く対策を打たなければ。」
「はい、しかしその世界がもしループして居てそのループ上に我々が居るとしたら対策しても.....」
「それは分からんだろう。そんな初めから諦めるな。」
「そうですね。失礼しました。」
「戦艦十勝.......か。」
「どうしたんですか?」
「いや、なんでも無い。」
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