波動砲艦隊はこれより艦隊の指揮に入る 作:前衛武装航宙艦アマテラス
ーーーーコロラド(医務室)
異形艦との戦闘後、後藤率いる守備隊は第21任務部隊の救出に成功。残存艦隊も島津率いる護衛艦隊により殲滅された。そして守備隊は再び真珠湾基地へと進路を取っていた。
「どうですか?まだ何処か痛みますか?」
「いえ、大丈夫よ。ありがとう。」
「そうですか、そろそろ上の者が来ると思いますので私はこれで。」
「えぇ....」
医務官が出ていくのを見届けるとワシントンは辺りを見渡す。内装は今までに見た事が無いものばかり。今更驚きはしないがあの異形艦を一撃で粉砕する兵器、それを運用できる艦は例の艦隊である事に間違いは無いだろう。そうして居ると医務室の扉が開く。そこには軍服に身を纏った軍人とミズーリが立っていた。どう見てもこの間の指揮官だろう。ワシントンは反射的に立ち上がり敬礼をした。
「私はアメリカ合衆国所属、第21任務部隊の戦艦ワシントンです。今回はこのワシントン及び、第21任務部隊の全員を救出して頂き感謝します。」
その光景に入ってきた後藤艦長は戸惑いつつも自己紹介をする。その後ろではミズーリがクスクスと笑っていた。
「地球連邦防衛軍、冥王星基地第六艦隊所属、ドレットノート級コロラドの艦長後藤輝雪です。ワシントンさん、貴方は怪我をして居るのですから無理をして挨拶しなくて大丈夫ですよ。それにそんなに畏まらなくても大丈夫です。」
「そうですか、しかし助けて頂いた方なのですからこうさせて下さい。」
「ふふ、後藤艦長、彼女はこう言う奴なの。許してあげて?」
「いえ、私は別に....ワシントンさんがこのままでいいならそれで構いませんが。」
「ミズーリさん?ミズーリさんが居ると言う事はこの艦隊は例の?」
「そうよ、パールハーバーに守備隊として駐屯する艦隊よ。前に上から話があったでしょ?」
「そうでしたか、それなら尚更お手数をお掛けして申し訳ありませんでした。」
「いえいえ、何も謝る事はありませんよ。何せ守備隊ですからね、貴方達を守って当然です。」
「そうですか、それで私以外の他の者はどうなりましたか?」
「他の人は各艦で救助し医務室で治療中です。重症の者も居ましたが命に別状はありません。ご安心下さい。」
「そうでしたか....それなら良かったです。あの時は奇襲を受けてもう駄目かと思っていましたので...」
「そうですか、それにしても倒しても倒しても現れる異形艦....例え奪還した海域でも油断出来ませんね。この海域も以前、第14戦隊が奪還したので安全だと思っていたのですが....」
「この湧き出てくる異形艦....何かカラクリでもありそうよね。」
「そうですね....一体どんなカラクリがあるのやら.....まっ、この件についてはまた別の時に考えましょう。真珠湾基地に着くまでまだ少し時間がありますのでワシントンさんはこのままゆっくりしておいて下さい。」
「はい、ありがとうございます。」
「また何かありましたら私は艦橋に居ますので声を掛けて下さい。」
「分かりました。」
「では、私はこれで。」
「後藤艦長、私は少しここに残るわ。」
「分かりました。」
そして後藤は医務室から退室し医務室にはワシントンとミズーリの2人が残る事になった。
「大丈夫だった?」
「大丈夫に見える?本当にここで私の人生は終わるのかと思ったわ....んっ....」
「あまり騒がない方がいいわね。傷口が開くわ。後藤艦長の言う通り安静にしておく事ね。」
「そうね、そうさせて貰うわ。それで助けて貰ってなんだけどあの男、信用できるの?」
「まだ分からない事は多いけど今の所は大丈夫よ。もし我々と敵対しているのならさっきの戦闘で貴方達は今頃、海の底よ?」
「まあ....そうね。心配のし過ぎかしら。でも外交の時、圧を掛けられて居たのでしょう?」
「圧を掛けられたけど私たちからも掛けたからどっちもどっちね。もしあのまま交渉が決裂し敵対関係のなって居たら異形艦よりも地獄を見る事になって居たわ。」
「と言うと例の波動砲?」
「そうね。あれは生半可の認識で戦っていい代物じゃ無いわ。例え私たちが100、200隻の艦隊で戦ったとしても相手はそれ1発でその艦隊丸ごと消し去る事が出来るわ。それが日本には一隻どころか数十隻いるのよ。」
「成程....これは敵に回したく無い相手ね。」
「えぇ、そうよ。だから要求を飲み込むしか無かったのよ。それと気になる事があったわ。別世界から来たと言う峯岸という男よ。その男はなぜか私たちの事情を見事に当てたの。なんだか見透かされてる様で不気味だったわ。」
「見透かしてる?はは!冗談でしょう?相手に未来人でも居るというの?」
「それぐらいこちらの事情を当ててきたのよ。それともう一つ、その男の後ろに立っていた艦娘、今までに見たことも無い艦娘だったわ。」
「見た事が無い?日本の新型かしら?」
「そうだと思うわ。一応、諜報員を送って探らせてあるわ。」
「そう....でも考えてみれば別世界から来たと言うのだから未来人が居てもおかしく無い話よね。もしかしてその艦娘が未来人だったりして....」
「無いとは言い切れないわよね....まあ、後々分かることよ。」
そう話して居ると艦内放送が鳴る。
〔10分後に本艦隊はハワイ真珠湾基地へと降下、着岸する。総員、持ち場につけ〕
「らしいわよ?」
「そうね、私達も後藤艦長の元に行きましょう。」
ーーーー艦橋
「艦長、見えて来ました。」
「よし、全艦降下開始。着岸作業に当たって居るものは各員準備開始せよ。」
降下するコロラドの艦橋からは雲の隙間からハワイが姿を現した。
「高度200....150....100....50....着水!全艦着水完了しました。」
「分かった。進路はこのまま真珠湾基地の湾内を目指せ。」
「はっ。」
着水と同時にオペレーターより報告が上がる。
「本艦隊に近づく目標あり、数3!」
「どうやらお迎えが来た様だな。」
後藤が言う通りハワイ真珠湾基地に待機して居たアーレイバーク級駆逐艦2隻とタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦1隻が護衛と言う形で近づいて来た。
「艦長、通信が入っております。」
「繋げろ。」
しかしこの通信を聞いた後藤は耳を疑う事になる。
〔こちらは米海軍アーレイバーク級駆逐艦マンハッタン、これより貴艦に接舷し収容中の第21任務部隊を回収する〕
「今、ここでか?おいおい、冗談だろ?」
「よっぽど信用が出来て無いんでしょうか。」
「だとしてもだぞ?仮にもワシントン達を助けたんだぞ?それが恩人に対してする事か?」
「艦長、どうしますか?」
「仕方ない...各艦に伝達、各艦艇で収容中の第21任務部隊の艦娘を本艦コロラドに集める。」
「了解しました。」
「ふう....このまま波動砲で吹き飛ばしてやろうか...」
「艦長、落ち着いて下さい。ここは冷静になって下さい。」
「そうは言ってもこれは無いだろ?」
「それはそうですが...」
「本当に申し訳無いわね。助けて貰ったって言うのに...」
「あっ、ミズーリさん、来てたんですか。それにワシントンさんまで。」
「えぇ、さっきね。」
「それにしてもやはり信用できない人の方が多いんですかね?」
「そうでしょうね。ハワイに居る皆んなは信用して居ない人が殆どだと思うわ。」
「そうですか....」
「でも第21任務部隊を助けたのは事実。ワシントンやその仲間達、ハワイの艦娘達は信用してるはずよ。きっとね。」
「そう言ってもらえるとありがたいです。」
「けど波動砲で吹き飛ばさないでね?」
「あはは....あれは冗談ですよ。」
「艦長、各所、接舷の準備完了しました。」
「分かった。接舷をする様にマンハッタンに伝えてくれ。」
「はっ!」
ーーーー接舷後
マンハッタンとコロラドは接舷後、甲板状ではあるが少しの間、両艦長が会話をする機会を与えられた。
「これはこれは、遠い日本から良くぞハワイまで来てくれました。さぞ大変だったでしょう?」
「いえ、そんな事は。」
「そうですか、あっ自己紹介がまだでしたね?私は駆逐艦マンハッタン艦長のパトリックです。」
「私は前衛武装航宙艦D級コロラド艦長、後藤輝雪です。」
「後藤艦長、今回は第21任務部隊の救助、そして治療をしてくれた事、感謝します。」
「いえ、同じ海を守る者同士、当たり前のことをしたまでです。」
「おお、素晴らしい。それにしても、そこに居るミズーリ達を横須賀ではさぞ可愛がってくれた様ですね?」
「あぁ、あの事ですか、そちらが物凄く手厚い歓迎をしてくれる様でしたのでこちらもそれに応えたまでです。」
「ははは!そうでしたか、手厚い歓迎をして差し上げようと思ったのですが....残念です。」
そう話していると副長が走ってきて後藤に小声で耳打ちをする。
「艦長、レーダーに18隻の艦が映りました。本艦隊を取り囲む様にして展開して居ます。」
「そうか、副長はそのままその艦隊の動向を見張り続けろ。」
「はっ。」
「どうかされましたかな?」
「パトリック艦長、ここまで手厚い歓迎をして貰って感謝を申し上げます。」
「歓迎?何を言って....」
「いやいや、隠さないで良いんですよ?我々を軍艦3隻では飽き足らず18隻の艦隊でエスコートして下さるとはどう感謝すれば良いか....まさかと思いますがその程度の艦で我々を撃沈できるとでも?」
「っ⁉︎.......ははっ、そんなに警戒しないで下さい。彼等はカッコつけてるだけですよ。」
「そうでしたか!私としても冗談で言ったつもりですので警戒しなくて大丈夫ですよ。」
「(何故バレた⁉︎射程ギリギリまで離れている筈だぞ⁉︎この化け物め!)」
そう、この艦隊はただエスコートの為に出て来たのではなく、上層部が後藤達が何かしらの行動を取った時に撃沈せよと命令を出し出撃させた艦隊である。この時、パトリックは第21任務部隊の件、そしてこの艦隊が見つけられた時点で第六艦隊に勝てる術は無いと悟って居た。
「第21任務部隊の回収ができた様です。ではマンハッタンを先頭に湾内まで先導しますのでその後ろをついて来て下さい。」
「ありがとうございます。それではまた後でお会いしましょう。」
「えぇ...」
ーーーー艦橋
「艦長、お疲れ様でした。現在はマンハッタンが本艦隊の戦闘に経ち、航行を開始しました。」
「そうか、それにしても奴ら敵意剥き出しだったな。まっ、我々の前じゃ無意味だがな。」
「そうですね、万が一我々がやられたとしても主力の峯岸さん達の報復で終わりでしょうけど....」
「それはそうだな。」
「貴方達、言葉で言い合うのは良いけどそれ以上は辞めてね?さっきもいつ一線を越えるのかって冷や冷やしたんだから。」
「あはは!そんなに心配しないで下さい。」
「本当にその言葉、信じて良いんでしょうね?
「えぇ、信じて大丈夫ですよ。」
「そう...」
「艦長、お話の途中で申し訳ないのですが気づいてますか?」
「あっ?あぁ、横の巡洋艦の事だろ?放っておけ、攻撃されても効かないんだからな。あっ各艦にこちらからは手は出すなと伝えてくれ。」
「はい。」
「貴方達にはつくづく勝てる気がしないわ。」
「ははっ、まあ我々は技術の最先端を言ってますからね。」
この時、タイコンデロガ級の後部主砲が後藤達の事を捉えて居たがこちらからすれば無効武力、後藤はそれをあえて放っておく事にした。それから数十分が経ち。
「艦長、あそこが指定された場所です。」
「分かった。各艦、接舷を開始せよ!」
ーーーーハワイ真珠湾基地
日本から旅立ち数時間、後藤達は道中いろいろとありながらも無事、ハワイ真珠湾基地へと辿り着くことが出来た。そしてミズーリの案内によりこれからハワイ真珠湾基地の最高司令官へと会いに行く事に。
「う〜ん、気持ちが良いな。」
「そう?まっ、貴方達からしたらそうなんでしょうけど。ほら、迎えが来てるわよ。早く乗って。」
「あぁ、すいません。」
そうして後藤と副長の2人はミズーリに連れられ太平洋総司令官の元へと向かった。車に揺られ数分、後藤達は大きな建物の前で下ろされる事になった。そして後藤達は太平洋総司令官がいる部屋まで案内された。
「ミズーリです。」
「....入りたまえ。」
「失礼します。」
扉を開けるとそこには椅子に座った人物と副司令官らしき人物が立っていた。
「初めまして、本日付でハワイ真珠湾基地の守備隊を担当する事になって地球連邦防衛軍所属、D級コロラドの艦長、後藤輝雪です。」
後藤の自己紹介が終わると吹かしていたタバコを灰皿で消し少しの間、後藤を見つめていた。
「.....私がアメリカ海軍、太平洋総司令官のダッチハーバーだ。先程はマンハッタンの艦長が無礼を働いたと聞いた。第21任務部隊の命の恩人である君達にだ。」
「いえ、我々は気にしていませんので....」
「そうか、そう言ってもらえるとありがたい。そして、良くぞ遠い日本から来てくれた。今後、共に戦っていく仲だ。いろいろとあると思うが宜しく頼むぞ?」
「はい、お任せ下さい。それと、こちらから提示した条件に関しては...」
「ああ、心配する事は無い。しっかりと手配しよう。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「今日は疲れただろう。今日ぐらいはゆっくりと休んでくれ。後々、このミズーリを通していろいろと伝えさせて頂く。それで宜しいか?」
「はい、私はそれで構いません。」
「では下がって良いぞ。ミズーリは残る様に。」
「はっ、では失礼します。」
そうして後藤達が退室するのを見届け部屋にはダッチハーバーと副司令、ミズーリの3人が残るのみとなった。
「はあ.....アイツらには何もかもがお見通しらしい。どうだ、連中は信用できそうか?」
「はい、最初の内は私も疑っていましたが第21任務部隊を助けた時、信用出来ると確信しました。そして会話をして行く中でも信用出来る相手だと思いました。」
「そうか....もし我々が束になって挑んだら勝てると思うか?」
「それは本気で言ってますか?」
「ははは!愚問だったな。すまないすまない、一応聞いておこうと思ってな。」
「はあ.....」
「一隻ぐらい人質を取ったら簡単に手に入りそうですが...」
「副司令官、仮に人質を取ろう者なら日本にいる主力艦隊が牙を剥くと思いますが?」
「そっそれは確かに....」
「ともかく、共に戦って行く以上、信用出来ないところもあると思うがそこはミズーリが上手くやってくれ。」
「はっ!」
今回はここまでです。クオリティーなんて知りません(すいません冗談です。) とは言え、最近、投稿頻度が遅くて申し訳ありません。リアルで部活等が忙しくて.....
峯岸「皆さん、こいつはゲームで遊んでます。大半それが原因です。」
.......それじゃっ!次回もお会いしましょう!それではまた!