波動砲艦隊はこれより艦隊の指揮に入る   作:前衛武装航宙艦アマテラス

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どうも皆さん!今回は文字通りの空挺降下です。えっ?何処ぞの3199の強襲揚陸艦や補給艦が出て来るかって?そんな訳ないじゃ無いですか〜 さっ、本編へと進みましょう。ではどうぞ!(※注 戦闘回ではありません)


空挺降下で敵の不意を付け!前編

守備隊がハワイ真珠湾基地へと着き数日が経った頃、峯岸達は新たな作戦を企てていた。それは異形艦が突如として海域に現れる現象から迅速な戦力の展開が目的だった。そこで当初は第六艦隊が主軸として対処する予定であったが各国の基地へ守備隊として戦力を分散する以上、第六艦隊であったとしても対処が厳しくなる。この現状をどうにかして打開できないかと考えていた所、藤井から案が上がりそれを実践するべく工廠へと集まっていた。

 

ーーーー工廠

 

「明石ー居るかー?」

 

「あっ、峯岸さん!丁度、良かったです!今、やっと頼まれていた物が出来たんですよ!」

 

「おお、そうか。どうだ?しっかりと機能しそうか?」

 

「はい!今の所は夕張ちゃんと実験してしっかりと機能しましたので大丈夫だと思います!後は実践あるのみですね。」

 

「そうか、良くやった!」

 

「あの、その物とは?」

 

「藤井提督、来て下さいましたか。いや、藤井提督から空挺降下の案が上がった時に我々の方で明石にこの、コスモファルコンに付ける艦娘用マグネットと艦娘用の逆噴射用のスラスターを作ってもらう様に頼んで置いたんですよ。」

 

そう、藤井提督が出した案と言うのは艦娘による空挺降下。これは峯岸が艦娘に三式融合弾を与え、異形艦にある程度の対処が出来る様になった実績を鑑みての物だった。つまりD級やA級空母型に艦娘を乗せその海域へとワープ。そしてワープ後にその艦娘空挺降下させ、迅速な戦力の展開が可能になると考えたのだ。

 

「確かに、それなら艦娘の迅速な戦力展開も可能ですしD級などの主力戦艦からの火力支援も行えると言う事ですか。」

 

「そう言う事です。一応、明石の方で実践して機能はしている様なので後は実際にやってみるだけですね。」

 

「分かりました。ではこちらで人員は集めておきますので峯岸さん達も準備をお願いします。」

 

「分かりました。」

 

峯岸達は準備の為に停泊中のD級2隻とA級空母型のベラトリクスを呼び出す事になった。そして藤井もその実験の為の人員を集めに行き数時間が経つ。

 

ーーーー桟橋

 

「艦長、各艦の準備が完了しました。」

 

「よし、後は藤井提督と明石か。」

 

そう言うとトラックが桟橋の向こうから走って来ていた。そしてそのトラックは峯岸達の前で止まり運転席から明石が降りて来た。

 

「峯岸さん、こっちも準備出来ましたよ!」

 

「おっ、明石か。ちゃんと数は揃ってるんだろうな?」

 

「ええ、ちゃんと全部持って来ましたよ。戦闘機に付けるマグネットに逆噴射用のスラスター、それと降下速度を抑える為のパラシュート。ほら、全部あるでしょ?」

 

そう言うとトラックの荷台を開く。すると中にはその3つがズラリと積まれていた。

 

「そうだな、ご苦労だったな。じゃっ、後は藤井提督を待つだけだな。」

 

「峯岸さ〜ん!」

 

「おっ?」

 

声がする方を見ると手を振りながらこちらへ向かっている藤井提督が見えた。その後ろからは即に艦装を付けた艦娘達がぞろぞろと歩いて来ていた。艦娘は戦艦から空母に巡洋艦、軽巡と駆逐艦など勢揃いだった。

 

「藤井提督、これは勢揃いですね。」

 

「ええ、戦艦や駆逐艦によって結果が違ったものになると思ったので各艦種の代表者を連れて来ました。」

 

「ん?十勝も居るんですか?」

 

「えっ?今日は来てない筈ですが....」

 

桟橋の向こうに十勝の様な人影が見え、今日は大湊からこちらに来ているのかと問う。しかし、藤井提督は全く身に覚えが無い様で峯岸はそちらに指を向けるが再度見た時には十勝の姿は見当たらなかった。

 

「あれ?今、十勝の様な姿が見えた気がしたんですが....」

 

「きっと疲れてるんですよ。睡眠も仕事の内ですよ?」

 

「は....はは!そうですね。これは、申し訳ない。」

 

そんな事を言う峯岸だがしっかりと睡眠時間は確保してある。ただ今日は調子が悪いだけだろうと自分に言い聞かせてそれ以上は気にしない事にした。

 

「揃った様だな。任務については藤井提督から聞いていると思うので簡単に話すぞ。今回の任務はD級のデモイン、ペンサコーラとA級のベラトリクスの3隻に分かれてしてもらう。まず初めにデモインの説明からだ。」

 

デモインでは、ワープ後に下部艦載機射出口が開ける海面ギリギリまで降下しそこから艦娘を降下させる。その時、勢いを殺す為、明石が用意した逆噴射用のスラスターを使い艦娘を安全に降下させると言う作戦だ。これは母艦のD級が被害を受けにくくより多くの艦娘を即時展開させる事が出来ると言った考えだ。

 

「続いてペンサコーラだ。」

 

ペンサコーラではデモイン同様にワープ後、空中で下部艦載機射出口を開き、そこから艦娘を降下させる。海面が近づいて来たらパラシュートと逆噴射用のスラスターにより速度を殺して着地させると言った作戦だ。ある程度の海域の安全と降下中の艦娘の安全が確保できるか怪しいと言った事から実戦での使用は考慮されていない。

 

「そして最後のベラトリクスだ。」

 

ベラトリクスでは他の2隻同様にワープ後、上部デッキの駐機中のコスモファルコンを発艦させる。この時、コスモファルコンには明石の作成した艦娘用マグネットで艦娘を乗せる様になっている。流石に生身の艦娘を全力で振り回す訳ではなく速度をある程度抑えて降下させる。これによりペンサコーラで問題だった降下中の安全がある程度、確保されると言う訳だ。ベラトリクスは腐ってもA級であり波動防壁も並大抵の攻撃では突破される可能性は低い。ならばA級ならこれが実現が出来ることだろう。そして何よりの利点というのが戦闘機を艦娘と同時展開出来るという利点だ。艦娘を降下させ即座に制空戦に移れると言う利点は見逃せないところだ。この事から今回、実践を視野向けに考えられているのはデモイン案とベラトリクス案の2案だった。

 

「どうだ、聞いて分からないところがあるなら質問してくれ。」

 

「聞きたいのだけれどデモイン?って速度はどうなの?」

 

「ん?暁か?今質問したのは。」

 

「そうよ!皆んなの為にも聞いておこうと思ってね!」

 

「まあそうだな、なるべく速度は落とすつもりだが戦闘海域を想定してるからある程度はあるぞ。なんだ?怖いのか?」

 

「こっ怖くなんて無いわ!私はレディーだもの!」

 

「そうか、ベテランの暁達であればすぐ慣れると思うがな。失敗しても転ぶぐらいだ。そう心配するな。」

 

「暁達の事、分かってるじゃ無い。」

 

「でも、そんなに速度が出てるとどうしても怖いのです....」

 

「大丈夫さ。その為の明石が用意したスラスターがあるじゃ無いか。爆発を起こしたりするが多分今回は大丈夫さ。」

 

「峯岸さん、なんで皆んなを怖がらせるんですか!私が作るものに失敗はありませんよ!即に夕張ちゃんも使った訳ですし。」

 

「でも爆発する時もあるだろ?」

 

「それはそうですが....」

 

「ははは!冗談だ。皆んなは気にしないでくれ。それで他に質問は無いか?......無さそうだな。では各自してみたいのに乗り込んでくれ。」

 

そうして暁達は各艦に乗り込み準備を始めて行った。

 

「藤井提督はアマテラスにご乗艦頂き、様子を見て頂きましょうか。」

 

「分かりました。ではよろしくお願いしますね。」

 

「はい、では各艦準備が出来次第、順次出航せよ!」

 

峯岸の号令で初めにデモイン、続いてペンサコーラと言う形で出航して行った。

 

 

 

ーーーー鎮守府沖

 

出航してから数十分。各艦は指定海域へと到着し、いざ実験を開始しようとしていた。藤井提督を乗せたアマテラスは観測用としてワープ終了地点で待機していた。

 

「峯岸さん、ワープって艦娘に害は無いんですか?」

 

「害ですか?心配しなくても大丈夫ですよ。人体に何かあると言うのは今までにありませんから。」

 

「そうですか、それなら良いのですが....」

 

「まあ、何かあったとしても艦娘は人間より身体は丈夫なんですから大丈夫ですよ。」

 

「そうかも知れませんがやはり私としては心配で....」

 

「その気持ちは分かります。でも安心して頂いて大丈夫ですよ。」

 

「貴方が言うんですから大丈夫だと信じてますよ。」

 

 

ーーーーデモイン

 

アマテラスが待機地点へと移動している頃、デモインでは艦娘達が格納庫で明石の話を聞きながら装備の装着へと取り掛かっていた。この時、開発者の明石はアマテラスに搭乗していた為、パネルでの説明となり装備の装着は難航していた。

 

「これどうやって付けるのですか?」

 

〈ですからこうして装着するんですけど...んーやっぱり私はそちらに行った方が早いんですけどね〜〉

 

「しょうがないじゃ無い。明石さんは観測のデータを取らないと行けないんだから。ここは雷に任せておいて!」

 

〈ありがとうね。分からない所があったらまた連絡してね。私は次の所で皆んなに教えないと行けないから。〉

 

「分かったわ!」

 

「お姉ちゃんは分かるです?」

 

「当たり前じゃ無い!全く分からないわ!」

 

「え?」

 

「貴方達は私が居ないと駄目ね!ここはレディーの暁に任しておきなさい!」

 

「流石暁だね。それで、どうやって付けるんだい?」

 

「え〜とね...それは...」

 

「Что? Вы не понимаете?」

 

「なんて言ったのか分からないわよ....じゃっ、じゃあ!響は分かるの?」

 

「装備の付け方聞いてる私が分かると思うかい?」

 

「どうしよう...このままじゃ着けれないわ。」

 

「へーイ、どうしました?」

 

「あっ金剛さん!実は装備の付け方が分からなくて困ってる所なのです...」

 

「そう言う事ネ!じゃあ電、ちょっと来てくれる?」

 

「はっはい...」

 

「イイ?皆んなしっかり見ておいてネ?これはね...」

 

金剛は装備を掴み、電の足首へと近づける。そうするとガチっと言う音と共に装備が足へと固定される。

 

「ネ?簡単でしょう?後はこうして....」

 

そして装備から伸びるコードを艦装の煙突付近へと回し、最後に手元へ持ってくる。

 

「これを押せば装備が使えるネー。分かった?」

 

「ありがとうなのです!」

 

「Спасибо。」

 

「感謝するわ!」

 

「金剛さん、ありがとう!」

 

「イイって事ですネー!じゃあ後は頑張ってくださいネ。」

 

 

ーーーー

 

「艦長、予定時刻へとなりました。」

 

「分かった。艦娘の方達は大丈夫か?」

 

「はい、航空隊の待機所に移って貰いました。」

 

「よし、それでは本艦はこれよりワープへと入る。」

 

デモイン艦長の命令でデモインはワープへの準備へ取り掛かった。機関室ではフライホイールが唸りをあげながら回転数を増やしていく。それに伴いデモインも速度を上げていく。

 

「ワープ5秒前!」

 

オペレーターからワープへの秒読みが開始される。金剛達は初めてのワープに心配があるものの何処か期待している様にも見えた。そうして秒読みが終わり遂にワープへと入る。

 

「よし、ワープ!」

 

速度を上げたデモインの目の前には大きな輪が発生し、それに飲み込まれる様に消えて行った。その様子を見ていたベラトリクスやペンサコーラに載っていた艦娘達はその光景が信じられない無いと言った様子で見ていた。それもそうだ、目の前からあの巨艦が一瞬のうちに消えたのだから。

 

 

ーーーーアマテラス

 

「艦長、そろそろ最初のデモインが来る頃です。」

 

「ん、そうだな。デモインでの試験に参加しているのは誰がいる?」

 

「えー、戦艦金剛に比叡、軽巡の天龍、そして駆逐艦雷、電、暁、響の計7名です。」

 

「そうか、それにしても暁達か.....」

 

「どうかされました?」

 

「いや、藤井提督では無いが戦艦、軽巡組は大丈夫だと思うが暁達が心配でな。」

 

「なんと無く艦長の言いたい事も分かりますがおそらく大丈夫でしょう。」

 

「そう信じたいものだ。」

 

「本艦下方にワープアウト反応、デモインです。」

 

「遂に来たか。しっかりやってくれよ...」

 

オペレーターからの報告が上がり峯岸達はメインパネルへと目を向ける。すると空間から行き良いよく飛び出してくるデモインが映し出された。

 

 

ーーーーデモイン

 

「ワープ完了!」

 

「よし、このまま海面ギリギリまで下げるぞ!」

 

「了解!」

 

デモインはワープ後、直ぐに海面ギリギリの行動へと艦を下ろしていく。それに伴い艦の付近では波が物凄い勢いで波打ち、白い線へと変わっていく。そうして海面ギリギリへと下がったデモインは下部艦載機射出口を開け金剛達が降りるのを待つのみとなった。

 

「艦娘の方々良いですか!私が良いと言ったら飛んで下さいよ!」

 

「オー速いですネー!」

 

「お姉様〜!なんでそんなに余裕なんですか!」

 

「んー私にもよくわかりませんネー」

 

「怖いのです....」

 

「大丈夫よ、電!私が付いてるじゃ無い!」

 

「このレディーに任しておいて!しっかりとやってみせるんだから!」

 

「よし、準備出来ましたね?ではGO!GO!GO‼︎」

 

「しっかりとついてきて下さいネ。イっきまーすネー!」

 

「ひっヒエ〜」

 

まず初めに手本として金剛と比叡が飛び降りる。飛び降りる瞬間にボタンを押すとスラスターが勢い良く噴射され飛び降りた時の勢いが殺される。そうして金剛と比叡は見事に着地することが出来た。

 

「流石金剛さん達だ。よし、お前らいいか?しっかり着いてこいよ!行くぜ!」

 

「いっ行くしか無いのです!」

 

「私も行くわ!」

 

金剛達に続く形で天龍、電、雷も飛び降り、しっかりと着水する事が出来た。そうして残すは暁と響のみとなった。

 

「うっ.....やっぱり.......」

 

「どうしたんだい?皆んな行ってしまったじゃ無いか。」

 

「え?わっ私は皆んながしっかり飛べるか見守ってたのよ!」

 

「そうかい、じゃあ、先行くね。」

 

「ちょっと待って!」

 

「なんだい?」

 

「あっ、その.....」

 

「大丈夫だよ。暁なら行けるさ。それに私が着いてるから。これ以上、皆んなを待たせるのもあれだから先行くね。」

 

そう言い終わると響も飛び降りて行った。それを見つめていた暁も覚悟を決めたようで飛び降りる。

 

「私なら行けるわ......えい!」

 

そうして飛び降りた暁は手順通りスラスターを展開する。しかし勢い良く噴射されるスラスターに足を取られ体勢を崩してしまう。

 

「(えっ?私、このままじゃ.....)」

 

体勢を崩した暁の目の前には海面が近づきこのままでは勢いよくぶつかってしまう。

 

「危ないのです!」

 

電や雷が叫ぶのを横目に、暁は近づいて来る海面に目を瞑る。しかし、幾ら経ってもぶつかる事は無く、目を開くとそこには金剛が暁を抱えていた。

 

「大丈夫ですカー?」

 

「こ....金剛さん?」

 

「そうデスヨ。なんとか間に合って良かったデス。危機一髪デスネ。」

 

「ありがとう....ございました.....」

 

「仲間の無事が1番ですから当然ですネ。さっ行きますよ。」

 

そう言うと金剛は暁を降ろし比叡の元へと戻っていく。その様子を見ていた峯岸達は安堵の溜息をついていた。

 

 

ーーーーアマテラス

 

「どうやら大丈夫だったようですね。」

 

「ああ、まさに金剛のファインプレーだったな。」

 

「金剛は鎮守府の中でも1番の仲間思いですからね....取り敢えずは暁が無事で安心しましたよ。」

 

「藤井提督からしたらそうでしょうね。」

 

「幾ら艦娘の体が頑丈だとしてもあれは心臓に悪いですよ。」

 

「これは練習必須ですね。と言う間にもう次が来ますよ。」

 

「えぇ、次こそは何も無いと良いですが....」

 

峯岸が言った時、ペンサコーラはワープへと入っていた。その後ろ姿を見ていたベラトリクス艦長は今か今かと出番を待っていた。

 

 

ーーーーベラトリクス

 

「さっさと俺らの出番は来ないものかなあ.....」

 

「そんなに慌てても仕方ないじゃ無いですか。」

 

「まあそうだな。気長に待つとするか....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです!今日も読んで頂きありがとうございました!次回は後編となります!ではまたお会いしましょう!
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