波動砲艦隊はこれより艦隊の指揮に入る 作:前衛武装航宙艦アマテラス
大湊警備府での戦艦十勝の性能実験が終わり、帰投しようとする峯岸に横須賀鎮守府からの一報が入る。内容はロシア海軍の艦娘が来た事についての様だ。このロシア海軍は先程見た大湊警備府に泊まっていたフリーゲートが関係しているのだろう。そうして峯岸達は急いで横須賀鎮守府へと戻る事になった。
「山崎提督、バタバタしてしまい申し訳ありません。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。では十勝の報告はまた後々送りますね。」
「ありがとうございます。それでは失礼します。」
そう言い終わると峯岸はドミニオンから山崎提督を降ろし、そのままドミニオンに乗り横須賀鎮守府へと向かった。
ーーーー横須賀鎮守府(執務室)
「待たせてしまって申し訳ないね。もう少しで来る筈なんだが....」
「いや、気にするな。元より我々が急遽おこの鎮守府に邪魔する事になったのだ。何も謝る事は無い。」
横須賀鎮守府では到着した艦娘と藤井提督が話していた。藤井提督の前に座るのは2人の艦娘。1人は背が高くもう1人は駆逐艦サイズだろうか?それでも大きい方だが。そして峯岸達の到着を待っていると執務室の外から一隻のドレットノートが降下して来るのが見える。どうやら到着した様だ。
「どうやら峯岸さん達が来た様です。」
「空を飛ぶと言っていたがこう近くで見ると凄いものだな。」
そして数分後、執務室の扉を叩く音が聞こえる。
「どうぞ。」
「すいません。お待たせしました。」
「いえいえ、気にしないで下さい。それよりも急に呼んでしまって大丈夫でした?」
「ええ、大丈夫です。我々も丁度終わった所でしたから。」
「そうですか。では本題に入りましょうか。」
そうして藤井提督は峯岸に座る様に指示を出し、今回の本題へと入った。
「まずは自己紹介からだな。私はロシア海軍所属、ガングート級戦艦1番艦、ガングートだ。」
「次は私だね。私は嚮導駆逐艦タシュケントだよ。宜しくね同士!」
「ああ、宜しくな。そして私は地球防衛軍第6艦隊所属、旗艦アマテラス艦長の峯岸達海だ。」
各自の自己紹介が終わるとガングートが口を開く。
「今回、我々が横須賀鎮守府に来た理由だがadmiral峯岸の艦隊についてだ。」
「俺たちの第6艦隊についてか?」
「我々の国は現在深刻な戦力不足に悩んでいる。特に4回の異形艦による大規模攻勢が原因だ。これによってロシア海軍は殆どの艦が撃沈され、動けるのもごく僅か。このままでは戦力が底をつき、いずれ異形艦で溢れかえるだろう。それとロシアではその大規模攻勢に加え例の艦娘が数回の規模に渡り出現して居る。」
「例の艦娘がか?」
「ああ、それも各国に比べて1番出現回数が多い。」
「成程な。だからと言ってまさかとは思うが艦自体が渡せと言う訳では無いよな?」
「いや、それについては結構だ。力で脅そうにも第6艦隊には到底敵わない。ましてや戦力が底をついている今ではどうする事も出来ないさ。どうせ話し合いをしたところでアイツらの様に追い返されるだけだろう。」
「アイツってミズーリ達の事か。よくその事を知ってるな?誰かを忍ばせて置いたのかな?」
「なに、風の噂で聞いただけだ。それで話は戻るがこの状況を打破する為にもアイツらの様に守備隊を派遣して欲しいと言う訳だ。何もタダでとは言わない。だからこうして我々が居るのだ。」
「どう言う事だ?」
「簡単に言えば守備隊を派遣して貰う代わりにこの私と同士タシュケントが横須賀鎮守府に着任する事が上から提示した条件だ。」
「......藤井提督はどう思いますか?」
「ええ、私はそれで良いと思ってます。ガングート達はただ祖国を守ろうと必死になって居る訳です。そんな彼女達をみすみす見捨てる貴方では無いでしょう?それに各地に守備隊を配備しているのですから丁度良いじゃ無いですか。」
「まあ、そうですよね。守備隊を今すぐにとは行かないがそれで構わないか?」
「ああ、それで我々は構わない。急な要望に応えて貰って申し訳なかった。」
「いや、困った時はお互い様だろ?」
「ふっ、では改めて横須賀鎮守府に着任するガングート級戦艦1番艦ガングートだよろしく頼む。」
「ああ。」
そうして峯岸達はガングートと握手を交わし交渉は成立となった。その後、部屋などの確認の為に大淀に連れられて彼女達は執務室も後にする。その後、峯岸も守備隊の編成を確認し合う為に一度アマテラスへ戻る事になった。その時、執務室を出た後にふと後ろを振り返るとどこかあきつ丸と似た様な服装をした艦娘らしき人物が執務室に入っていくのが見えた。
「ん?あれはあきつ丸か?何かあったのか?まあ、何かあれば言いに来るだろう。さっ、俺はさっさとアマテラスに戻って今後の事についても話し合わねば。」
そうして峯岸はその艦娘について深く考えずにアマテラスへと戻っていった。
ーーーーアマテラス
「どうでした?あの人達は。」
「どうしたも何も守備隊の事で話し合いに来たのさ。なにせ戦力が底を尽きてるらしいからな。」
「それは大変ですね。それはそうとまた守備隊の派遣となると戦力がまた減っていきますが大丈夫ですか?」
「まあしょうがないだろ。困ってる相手は見捨てられないだろ。それに何のために艦娘を即時展開できる様に訓練したと思ってるんだ。」
「そうでしたね。失礼しました。しかし出現するのが異形艦では無く例の艦娘だったら我々だけで対抗できますかね?」
「当たり前だ。この我々がそう簡単に負ける訳が無いだろ。そう心配するな。」
「ですね....」
ハワイに守備隊を派遣してからの数ヶ月。この期間で第6艦隊はヨーロッパ、アフリカ、中東、インド、そしてハワイや北南アメリカ方面に守備隊を派遣。これにより一気に日本に駐留する主力艦隊が減少。峯岸が初めてこの世界に来た時にいた艦艇数は94隻だったのに対して今は54隻まで数を減らしていた。
「54隻か......ん〜どうするかなあ。」
「やはりヨーロッパ方面の守備隊の様に5隻程度ですか?」
「そうしたいがロシアと言うと面積が広いだろ?だから5隻と言うのもな....だからと言って10隻とも言うのもな.....」
「でしたら樺太に警備隊を置き、いざとなったら増援とするのは?」
「その手があったか!それなら日本の防衛を削ぐことはない。とすると後は編成を決めるだけだな。」
「例の艦娘が出現するならブラックアンドロメダを組み込んでみては?現在、我が艦隊に居るのは20隻。もし奴が出現したとしても守備隊に1隻いるだけでも結果は変わって来るでしょう。」
「だな、そうすればBBB1隻に加えてD級を4隻の編成......いや、パトロール艦も加えて哨戒任務に当たらせるか。となればBBB1隻、D級2隻、護衛艦1隻、パトロール艦1隻の編成にするか。よしっ、編成に関してはまた報告する。その時は副長が各艦に伝えてくれ。」
「了解しました。」
「あっ、そう言えば執務室を出る時にあきつ丸っぽい艦娘が執務室に入っていくのが見えたんだが何か報告はあったか?」
「あきつ丸さんですか?いえ、今日は来たと言う報告は受けていませんが....」
「そうなのか?じゃああれは俺が知らない艦娘だったのか。」
「あっ、思いだしました!確か新しく神州丸と言う陸軍から派遣された艦娘が来る様ですよ!」
「陸軍?となればあきつ丸と同じか.....と言ってもアイツは中央情報局の方だが.....」
ガングートと同じく今日付けで横須賀鎮守府に着任となったのは陸軍所属の艦娘「神州丸」。また何故今なのかと疑問に思うがもしや何か企んでいるのだろうか。
「それもただの陸軍では無く憲兵所属との事です。」
「憲兵?なんで今更....艦娘で無いにしろ横須賀鎮守府にもある程度はいるだろう。まあ、上の考える事なんざ俺には分からんが.....そんな事より今はとにかく目先の事に集中しなくては。」
そうして峯岸はその神州丸に特に気にする事なく、ガングート達から頼まれた守備隊についての事。戦力の減少をどうカバーするかを考える事に。そうして数日が経ち....
ーーーー数日後
「......あっ、寝ていたのか.....副長は何処に.....」
「お呼びですか?」
「すまん、別に呼んだ訳では無いのだが....俺は寝ていたのか?」
「ええ、どうやらお疲れの様でしたから起こしませんでしたが起こした方が宜しかったですか?」
「いや、大丈夫だ。ありがとう。それよりも守備隊の事をガングート達に伝えなくては.....」
「それについては大丈夫です。即に各艦にもガングートさんにもお伝えしました」
「そうだったか。すまないな。」
峯岸達はここ数日間、徹夜で守備隊についてまとめていた様でその疲れからいつの間にか寝てしまっていたらしい。
「んー、やっぱ徹夜はいかんな。体がボロボロだ。」
「ですね。私の方は昨日少し仮眠を取らして貰いましたし艦長も少し仮眠を取られては?」
「良いのか?じゃあ少し仮眠を取っt.....」
峯岸がいざ、仮眠を取りに行こうとした時、乗組員が艦橋の峯岸達の元へ息を切らしながら走って来る。その様子からどうやらただ事では無い様だ。
「どうした?そんなに急いで。大した事じゃ無いならお前達の方でやって貰うが.....」
峯岸は眠さのあまり、適当にあしらおうとするがその乗組員は物凄い形相で峯岸を見ながら報告する。
「そっそんな事ではありません!今、本艦の前で憲兵隊と保安部が口論になって居るんです!」
「なんだと⁉︎」
乗組員が言うには急に神州丸が憲兵隊を率いて押しかけて来たらしい。当然、何の理由もなく押しかけて来た為に警備に当たっていた保安部の隊員に止められ、押し返そうとしたが相手側は一歩も引く事なく口論へともつれ込んだらしい。
「分かった。副長は先に言って情報収集に努めてくれ。俺も直ぐに行く!」
「はっ!」
そうして峯岸達は慌ててその現場へと向かう事になった。
ーーーー
「何度も言いますが今直ぐ船を明け渡して下さい。」
「ですから何度も申しました通り、何の理由もなく開け渡して言われても無理なものは無理です。せめて令状ぐらい持って来たらどうですか?」
そう口論をして居るのは神州丸と保安部の隊員。両者は一歩も引く事なく、平行線を辿っていたがそこへ峯岸達が到着する。
「おい、何が起きてるんだ。大雑把で良いから現状を教えてくれ。」
「峯岸艦長!実は.....」
保安部の話を聞くに神州丸がいきなり憲兵隊を率いて押しかけて艦を開け渡せと言って来たらしい。理由を聞いても誤魔化すばかりで詳しくは内容を話さず、結局は両者平行線を辿っていたらしい。
「成程....ここからは俺が話すから下がっていてくれ。」
「はっ。」
「初めまして。私はこの第6艦隊旗艦アマテラスの艦長、峯岸達海です。」
「私は憲兵隊所属、神州丸です。早速ですが先程もそこの者たちに申した通り艦を開け渡して貰えますか?我々も急いで居ますので。」
「明け渡せとはこれまた何を根拠に言ってるのですか?理由ぐらい再度教えてくれても良いじゃ無いですか。」
「理由はとある者からの密告があったからです。」
「ほう....その密告とは?」
「貴方達がスパイである可能性がある言う報告です。」
「スパイ?はっ、何を言い出すかと思えばスパイだなんて.....そんな話誰が信じるんですか?」
「ですからその確認の為にも艦を開け渡して欲しいわけです。」
「では誰が言ったのか教えて頂きますか?」
「お伝えする事は出来ません。それよりも貴方は一度スパイの容疑で捕まった事がある事をお忘れで?」
「忘れたも何も、覚えていますとも。しかし自身の潔白は証明した筈です。」
「......埒が開きませんね。良いですか?これが最後の警告です。艦を開け渡して下さい。」
そう言うと神州丸が手を挙げると後ろで控えていた憲兵達が小銃を峯岸達へ向け始める。その様子に副長は怯むも峯岸は不気味な笑みを浮かべる。その後ろではそれに呼応する様に保安部の隊員が小銃を向ける。まさに一触即発の事態だ。
「おお、怖い怖い。そんな茶番やめませんか?どうせ、貴方達は軍の上層部の手駒なんでしょう?」
「何を言ってるか理解が出来ません。」
「まあ、仕方が無いですね....もし貴方達がこちらに危害を加えると言うのならば自己防衛をせざるしか無いですね。」
「一体何を.....!」
神州丸が見つめる先には後ろで停泊していたアマテラスの手法が全門こちらを指向していた。撃たれれば此方が確実にやられる。今すぐに逃げ出したい。そう言う気持ちで神州丸は一杯だった。
「何の真似ですか?」
「真似?自己防衛ですよ。先に手を出したのは貴方達でしょう?」
「......」
その時、遠くから声が聞こえる。藤井提督と伊勢の様だ。こちらに走って来ていた。
「おいッ!一体何をしてるんだ!」
今までは普段、大人しかった藤井提督が今までに見た事が無い様子で叱りつける様にこちらに走って来ていた。
「っ!......今回はここで失礼します。しかし次はありませんよ。」
「その言葉、そのままお返ししましょう。」
そう言うと藤井提督を横目に、神州丸達は引き返していった。それと同時に藤井提督が駆け寄って来た。
「すいません!お怪我はありませんか?一体何が起きていたんですか!?」
「大丈夫ですよ。ただ戯れあっていただけです。」
「ひとまず無事なら良かったです。神州丸には後でこちらから言っておきます。本当にすいませんでした!」
「何も藤井提督が謝る事はありませんよ。」
「そう言ってもらえるとありがたいです.....では私は神州丸を追います。それでは!」
そう言うと藤井提督は神州丸を追って走っていった。普段と違い冷静さが欠けている藤井提督を見てやはり今回の事が衝撃的だったのだろう。
「大丈夫だった?」
「ああ、なんとかな。」
「なら良かったわ。私も提督を追わないと行けないからまたね?」
伊勢も藤井提督を追って走っていった。その姿を見ながら峯岸は副長に命令を飛ばす。
「副長。」
「はいなんでしょう?」
「アイツらを尾行させろ。何か企んでる筈だ。」
「はっ!」
そうして峯岸は副長に指令を出した後、アマテラスへと戻っていった。峯岸は今後の行動を踏まえて改めて考え直すつもりの様だ。
今日はこの辺で!新しく着任したガングート達に何か裏で企んでいる様子の神州丸。一体どうなっていくのでしょうか?それではまたお会いしましょう。では!(感想などくれると励みになるのでお気軽にして下さい!)
最近、謎の部隊やセリフについて
-
ある程度説明が欲しい!
-
要らん。種明かしの時まで待つ!